朝潮親方の評価を考える際、避けて通れないのが元横綱・朝青龍の存在です。
長岡末弘さんは2002年2月に高砂部屋を継承し、師匠として朝青龍を育てました。朝青龍は横綱まで昇進し、相撲界を代表する力士となりました。
一方、朝青龍は現役時代に品格や素行をめぐる問題を繰り返し、2010年に不祥事を経て現役を引退しています。
朝青龍の問題行動と親方の責任
2009年1月には、朝青龍が初場所の優勝決定戦で勝利した際にガッツポーズを見せたことが問題となりました。
当時の日本相撲協会理事長だった武蔵川親方は、師匠の高砂親方(元朝潮)を呼び出して指導上の問題を指摘しています。
つまり、朝青龍の時代にも、弟子の行動と師匠の監督責任はたびたび議論されていました。
指導者として評価できる部分もあった
ただし、長岡さんの指導者としての実績を不祥事だけで判断するのも正確ではありません。
2023年11月の日刊スポーツの追悼記事では、長岡さんの指導方法について、稽古の目的を弟子自身に理解させることを重視していたと紹介されています。
現役時代には、親方から厳しい体罰を受けることも珍しくなかったものの、長岡さん自身は、時代に応じた指導の必要性を認識していたといいます。
朝青龍についても、稽古に熱心に取り組み、自分が何をすべきか理解していた力士だったと評価していました。
実際に、朝青龍だけでなく朝乃山も大関まで育てています。
ここには、長岡さんの指導者としての二面性があります。
| 評価の観点 | 実績・問題点 |
|---|---|
| 育成実績 | 朝青龍を横綱、朝乃山を大関に育成 |
| 技術指導 | 稽古の意味を理解させる指導を重視 |
| 生活指導 | 朝青龍の素行問題で監督責任が問われた |
| 組織管理 | 2021年に自身のガイドライン違反が発覚 |
| 晩年の評価 | 協会退職に至り、指導者として厳しい批判を受けた |
強い力士を育てる能力と、組織を適切に管理する能力は別物です。
朝青龍や朝乃山を育てた功績は認められる一方、弟子の行動を管理する立場として問題があったことも否定できません。
【2023年死去・2026年現在】朝潮親方の晩年と最終的な評価
長岡末弘さんは、2021年6月に日本相撲協会を退職した後、2023年11月2日に小腸がんのため亡くなりました。
享年67歳でした。
死去が明らかになったのは11月3日で、翌4日には各スポーツ紙が詳しい経歴や生前の様子を報じています。
朝潮親方の生涯と主な転換点
長岡さんの歩みを振り返ると、現役時代から相撲界の中心で活動してきたことが分かります。
| 年月 | 出来事 | 内容 |
|---|---|---|
| 1955年12月 | 誕生 | 高知県出身。本名・長岡末弘 |
| 1978年3月 | 初土俵 | 近畿大学から高砂部屋に入門 |
| 1983年5月 | 大関昇進 | 大関として36場所務める |
| 1985年3月 | 初優勝 | 春場所で13勝2敗 |
| 1989年3月 | 現役引退 | 年寄・山響を襲名 |
| 1990年3月 | 若松部屋を継承 | 若松親方として後進を指導 |
| 2002年2月 | 高砂部屋を継承 | 7代目高砂を襲名 |
| 2020年11月 | 師匠交代 | 元朝赤龍の親方に部屋を引き継ぐ |
| 2021年6月10日 | 協会退職 | 退職願が受理される |
| 2023年11月2日 | 死去 | 小腸がんのため67歳で死去 |
現役時代の実績はどれほどだったのか?
日本相撲協会の公式プロフィールによると、朝潮の主な記録は次のとおりです。
- 最高位:大関
- 大関在位:36場所
- 幕内優勝:1回
- 幕下優勝:1回
- 殊勲賞:10回
- 敢闘賞:3回
- 技能賞:1回
- 金星:5個
- 生涯戦歴:564勝382敗33休
特に、殊勲賞10回という実績は際立っています。
突き・押しを持ち味とし、千代の富士が活躍した時代に存在感を示した力士でした。
「クズ」という評判は事実なのか?
ここは言葉を分けて考える必要があります。
「クズ」という表現は、人物に対する強い否定的評価であり、客観的な事実そのものではありません。
一方、朝潮親方に対する批判には、次のような具体的な根拠があります。
1. 協会の新型コロナ対策ガイドラインに違反した。
2. 飲酒を伴う会食を複数回行っていた。
3. 付け人や朝乃山を会食に同席させていた。
4. 指導者として自ら模範を示すべき立場だった。
5. コンプライアンス委員会から指導者としての資質を厳しく問われた。
したがって、単なる根拠のない悪口として片付けられる問題ではありません。
ただし、検索語として「クズ」が使われていることから、世間の大多数が同じ評価をしていると結論づけることもできません。
2026年現在、本人はすでに亡くなっており、現役の親方として活動しているわけでもありません。残されているのは、相撲界への功績と、晩年の不祥事という両方の記録です。
【よくある質問】朝潮親方の不祥事に関するFAQ
Q1:朝潮親方がクズと言われる最大の理由は何ですか?
A1:2021年の新型コロナ対策ガイドライン違反です。朝乃山のキャバクラ問題を調査する過程で、本人も飲酒を伴う会食を繰り返し、付け人や朝乃山を同席させていたことが判明しました。指導者としての自覚を欠いた行動が厳しく批判されました。
Q2:朝潮親方はなぜ2021年6月に日本相撲協会を退職したのですか?
A2:自身のガイドライン違反が発覚し、責任を取る形で退職願を提出したためです。2021年6月10日に退職願が受理され、翌11日に協会が退職を発表しました。懲戒解雇ではなく、退職願の受理による退職です。
Q3:朝潮親方と錦島親方は同じ人物ですか?
A3:同一人物です。長岡末弘さんは現役時代に朝潮を名乗り、2020年の師匠交代後は錦島親方となりました。朝潮、長岡末弘、錦島親方という名称が混在するため、報道を読む際には注意が必要です。
Q4:朝乃山はどのような処分を受けましたか?
A4:2021年6月11日に6場所の出場停止と6か月間の報酬50%減額が決まりました。キャバクラへの出入りだけでなく、協会の調査に対する虚偽説明も処分理由として重視されました。
Q5:朝潮親方は現在どうしていますか?
A5:長岡末弘さんは2023年11月2日に小腸がんで亡くなりました。67歳でした。2026年現在、故人です。
Q6:朝潮親方は朝青龍を育てた親方なのですか?
A6:はい。長岡さんは2002年に高砂部屋を継承し、師匠として朝青龍を育てました。朝乃山も同じ部屋で育成した力士です。育成実績は高く評価される一方、弟子の素行や部屋の管理については批判も受けました。
まとめ:朝潮親方への批判は何を根拠に判断すべきか
「朝潮親方クズ」という検索ワードの背景にあるのは、2021年に発覚した新型コロナ対策ガイドライン違反と、その後の日本相撲協会退職です。
今回の問題を整理すると、重要なのは次の3点です。
- 本人の不祥事: 外出制限期間中に飲酒を伴う会食を繰り返し、付け人や朝乃山を同席させていた。
- 指導者としての責任: 自ら規則を守らなかったことに加え、高砂部屋の監督体制にも問題があった。
- 相撲界への功績: 大関として幕内優勝を果たし、引退後は朝青龍や朝乃山を育てた。
長岡末弘さんは、相撲界に大きな功績を残した人物であると同時に、晩年には指導者として厳しい批判を受けた人物でもあります。
評価する際には、現役時代の実績、指導者としての育成能力、2021年のコンプライアンス違反をそれぞれ分けることが大切です。
【プロの結論】
この問題から見えてくる最大の教訓は、組織の規律は、立場の弱い人だけに求めても機能しないということです。
相撲部屋の師匠は、力士を強くするだけでなく、弟子が安心して稽古や生活を送れる環境を整える責任を負っています。指導者自身が規則を軽視すれば、その影響は弟子や組織全体に及びます。
朝潮親方の相撲人生は、名力士を育てた実績だけでも、最後の不祥事だけでも語り尽くせません。功績と責任の両面を知ることが、2026年に改めてこの問題を振り返る際の、最も公平な判断基準です。