2026年現在、元関脇・若の里として知られる西岩親方は、日本相撲協会の広報部で活動しながら、東京都台東区にある西岩部屋の師匠として後進の育成に取り組んでいます。本名は古川忍(ふるかわ・しのぶ)。青森県弘前市出身で、現役時代には生涯戦歴914勝783敗124休という実績を残した元三役力士です。
2015年の現役引退から2018年の西岩部屋独立まで、どのような道を歩んできたのでしょうか。2026年11月時点の所属力士一覧、日本相撲協会での役割、若の里杯相撲大会、稽古見学の最新案内まで、公式プロフィールや協会資料、報道をもとに整理します。
【西岩親方の現在】2026年は西岩部屋の師匠と日本相撲協会の広報部を兼務

西岩親方の現在の肩書は、年寄「西岩」です。日本相撲協会の公式プロフィールでは、委員として登録されており、所属部屋は自身が創設した西岩部屋となっています。
2026年11月現在、親方としての活動は大きく2つに分けられます。
西岩部屋の師匠として力士を育成
一つ目は、西岩部屋の師匠として所属力士を指導することです。
西岩部屋は東京都台東区寿4丁目に所在地を構えています。浅草寺から約500メートル、両国国技館から約1.5キロの場所にあり、浅草地区では唯一の相撲部屋として紹介されています。
西岩親方は自身の公式プロフィールや部屋の挨拶で、現役時代に先代鳴戸親方(元横綱・隆の里)から学んだ経験を弟子たちに伝えたいという考えを示しています。
単に相撲の技術を教えるだけではなく、力士として、そして一人の人間として成長できるように育てることを重視している点が特徴です。
日本相撲協会の広報部でも活動
二つ目は、日本相撲協会の広報部における仕事です。
日本相撲協会が公表している職務分掌では、西岩親方は協会本部の広報部に所属しています。
2025年5月の日刊スポーツの報道では、元小結・北勝富士の引退会見で司会進行を務めたことが紹介されました。当時、広報部に配属されて3年となり、引退会見に司会として立ち会ってきたと報じられています。
2026年3月の協会の職務分掌変更後も、広報部の担当者として名前が掲載されています。なお、広報部長は藤島親方(元大関・武双山)であり、西岩親方は広報部長ではなく、広報部の担当親方です。
現役時代には土俵で勝負していた親方が、引退後は力士の人生の節目を支える側に回っている点は興味深い変化です。
【西岩親方の経歴】元関脇・若の里のプロフィールと現役時代の戦績
西岩親方は、現役時代に「若の里忍」という四股名で活躍しました。最高位は関脇。左四つからの力強い寄りを得意とし、長期間にわたって幕内で活躍した力士です。
西岩親方の基本プロフィール
- 現在の年寄名:西岩忍
- 現役時代の四股名:若の里忍
- 本名:古川忍
- 生年月日:1976年7月10日
- 2026年11月現在の年齢:50歳
- 出身地:青森県弘前市
- 所属部屋:西岩部屋
- 現役時代の所属:鳴戸部屋、田子ノ浦部屋
- 最高位:関脇
- 得意技:左四つ・寄り
- 身長:183cm
- 体重:153.5kg(協会プロフィール掲載値)
日本相撲協会の年寄プロフィールでは、本名が古川忍、出身地が青森県弘前市と記載されています。「西岩忍」と「若の里忍」は別人ではなく、同一人物の親方名と現役時代の四股名です。
15歳で角界入り、鳴戸部屋で力士人生をスタート
西岩親方が相撲界に入ったのは1992年3月場所です。
本人が西岩部屋公式サイトに掲載している挨拶によると、15歳のとき、先代鳴戸親方である元横綱・隆の里にスカウトされて入門しました。
当時の鳴戸部屋は、厳しい稽古で知られる相撲部屋でした。西岩親方は23年間にわたる力士生活を通して、師匠や兄弟子、仲間と寝食をともにしながら相撲の技術と生活の規律を身につけていきます。
その経験は、後に自分自身の相撲部屋を持ち、弟子を育てる立場になった際の指導方針にもつながっています。
関脇まで昇進した若の里の主な実績
若の里は1997年11月場所で新十両、1998年5月場所で新入幕を果たしました。2000年11月場所には新三役となり、その後、関脇まで昇進しています。
現役時代の最大の特徴は、安定した四つ相撲と長い幕内在位です。
得意技は左四つと寄り。相手と組んでから力強く前に出る相撲を持ち味としていました。三役在位は合計26場所で、内訳は関脇17場所、小結9場所です。
日本相撲協会の公式記録に掲載されている主な成績は次のとおりです。
- 生涯戦歴:914勝783敗124休(140場所)
- 幕内戦歴:613勝568敗124休(87場所)
- 三役在位:26場所
- 関脇在位:17場所
- 小結在位:9場所
- 十両優勝:4回
- 幕下優勝:1回
- 序ノ口優勝:1回
- 殊勲賞:4回
- 敢闘賞:4回
- 技能賞:2回
- 金星:2個
- 幕内優勝:0回
ここで注目したいのは、幕内優勝こそないものの、三賞を合計10回受賞している点です。殊勲賞4回、敢闘賞4回、技能賞2回という数字は、若の里が長く幕内上位で存在感を示していたことを物語っています。
また、十両優勝は4回。幕内だけでなく、各階級で結果を積み重ねてきた力士でもありました。
【2015年の引退から2018年の独立へ】西岩親方の転換点を年表で整理
若の里から西岩親方へ。この変化は、単に四股名が変わったという話ではありません。現役力士として培った経験を、後進の指導や部屋の運営に生かす新しいキャリアへの転換でした。
特に重要なのが、2015年の引退、2017年の独立承認、2018年の西岩部屋創設という3つの出来事です。
| 時期 | 人物・組織 | 出来事・関係性 |
|---|---|---|
| 1976年7月 | 古川忍 | 青森県弘前市に生まれる。 |
| 1992年3月 | 鳴戸部屋・隆の里 | 15歳で初土俵。先代鳴戸親方にスカウトされ角界入り。 |
| 1997年11月 | 若の里 | 新十両に昇進。 |
| 1998年5月 | 若の里 | 新入幕を果たす。 |
| 2000年11月 | 若の里 | 新三役に昇進。後に関脇として17場所在位。 |
| 2015年9月 | 田子ノ浦部屋・西岩親方 | 若の里としての現役生活を終え、年寄・西岩を襲名。 |
| 2017年11月30日 | 日本相撲協会 | 西岩親方による西岩部屋の新設を承認。 |
| 2018年2月1日 | 西岩部屋 | 田子ノ浦部屋から独立。相撲部屋として活動を開始。 |
| 2018年4月30日 | 西岩部屋 | 東京都台東区で部屋開きを実施。 |
| 2026年 | 西岩部屋・日本相撲協会 | 部屋の師匠と協会広報部の仕事を継続。 |
2015年9月、若の里が現役を引退
若の里は2015年9月3日、東京・両国国技館で記者会見を開き、現役引退を表明しました。
当時の報道によると、通算出場回数は1691回。長い現役生活の終盤には両膝の痛みにも苦しみながら、土俵に立ち続けました。
引退後は年寄「西岩」を襲名し、田子ノ浦部屋で後進の指導に携わることになります。
この引退は、23年以上にわたる力士生活の終わりであると同時に、指導者としての新しいスタートでもありました。
2018年2月1日、西岩部屋が独立
引退後、西岩親方が目標に掲げていたのが、自分自身の相撲部屋を持つことでした。
日本相撲協会は2017年11月30日の理事会で、西岩部屋の新設を承認。2018年2月1日付で、田子ノ浦部屋から独立することが決まりました。
当初は、内弟子だった若佐竹と若野口を連れて独立しています。これによって、西岩部屋は当時46番目の相撲部屋として新たな歴史をスタートさせました。
2018年4月30日には東京都台東区で部屋開きが行われ、弟子7人とともに本格的な部屋運営が始まりました。
独立当初から大きな部屋だったわけではありません。むしろ、既存の相撲部屋を引き継ぐのではなく、自ら環境を整えて弟子を育てる道を選んだ点に、西岩親方の指導者としての決意が表れています。
【西岩部屋の所属力士一覧】2026年11月場所の最新メンバー
西岩部屋の現在を知るうえで欠かせないのが、所属力士の顔ぶれです。
2026年11月場所の番付を基準にすると、所属力士は7人。序二段が5人、序ノ口が2人という構成です。幕下以上の力士や関取は在籍していません。
2026年11月場所の所属力士
- 鶴の里:西序二段9枚目
- 若長谷川:西序二段52枚目
- 幹希の里:東序二段74枚目
- 里松永:西序二段82枚目
- 若花新:東序二段94枚目
- 若佐々木:東序ノ口6枚目
- 若大根原:東序ノ口9枚目
この一覧は2026年11月場所の番付を基準にしたものです。力士の番付や所属状況は本場所ごとに変動するため、最新の情報は日本相撲協会の力士プロフィールと西岩部屋の公式発表を確認する必要があります。
西岩部屋の現在は若手育成の段階
2026年11月時点では、所属する7人全員が幕下以下の力士です。
幕内や十両で活躍する関取が在籍していないことから、部屋としては若手を基礎から育てていく段階にあります。
これは、現役時代に関脇まで昇進した親方の実績とは対照的です。若の里として長年幕内で戦ってきた経験を、現在はまだ上位に到達していない弟子たちに伝えていく立場になっています。
また、西岩部屋の公式サイトでは、2026年2月24日に若神から鶴の里への改名と、八女の里の引退が告知されています。こうした改名や引退も、部屋の世代交代と力士の成長を知る手掛かりです。
今後注目したいのは、序二段から三段目、幕下、そして十両へと昇進する力士が現れるかどうかです。関取の誕生は部屋の育成力を測る大きな節目になります。
【日本相撲協会の広報部で何をしている?】引退会見の司会を務める西岩親方
西岩親方の活動を理解するうえで見逃せないのが、協会広報部での仕事です。
現役時代に関脇まで昇進した親方が、引退後に広報の仕事を担っていることは、相撲ファンにとっても興味深いポイントでしょう。
力士の引退会見を支える仕事
日刊スポーツが2025年5月25日に掲載した記事では、西岩親方が元小結・北勝富士の引退会見で司会進行を担当したことが取り上げられています。
同記事では、西岩親方が引退会見を通して、力士それぞれの人間性や現役時代の歩みが表れることに触れていました。
特に印象に残った出来事として、横綱・照ノ富士や大関・貴景勝の引退会見での言葉を挙げています。
引退会見は、単に引退を発表する場ではありません。長い相撲人生を振り返り、本人や関係者が節目を迎える場でもあります。
西岩親方自身も引退会見を経験した人物です。自分の現役生活を終えたときの思いを知っているからこそ、会見に臨む力士の気持ちを理解しながら進行できる立場にあります。
2026年の広報部での立場
2026年3月25日、日本相撲協会は理事会などを経て新しい職務分掌を決定しました。
この変更で広報部長には藤島親方が就任。西岩親方は協会本部の広報部担当として引き続き名前が掲載されています。
したがって、「西岩親方が日本相撲協会の広報部長になった」という理解は正確ではありません。
正しくは、西岩部屋の師匠を務めながら、日本相撲協会の広報部にも所属しているということです。
部屋の経営と協会本部の仕事を並行することは、時間や役割の調整が必要な立場でもあります。現役時代の経験を弟子に伝える一方、相撲界全体の情報発信や引退する力士の節目を支える仕事にも携わっています。
【若の里杯と西岩部屋の稽古見学】2026年の最新案内と参加方法
西岩親方は部屋の運営だけでなく、相撲に触れる機会を地域や一般の人々に広げる活動にも取り組んでいます。
代表的なのが、若の里杯相撲大会と西岩部屋の朝稽古見学です。
第4回若の里杯は2026年も開催案内を公開
西岩部屋の公式サイトでは、2026年に第4回若の里杯を開催する案内が掲載されています。
対象は小学生・中学生と、相撲未経験者です。現役の相撲選手だけでなく、これまで相撲に触れたことがない人にも参加の機会を設けている点が特徴です。
公式案内に掲載された申し込み締め切りは、2026年11月22日(日)です。
ここで注意したいのは、11月22日という日付は申し込み締め切りであり、大会の開催日そのものを示すものではないことです。参加を検討している場合は、公式サイトに掲載されている大会要項と部門別の参加規定を確認する必要があります。
若の里杯の意義は、競技経験者の実力を競うことだけではありません。未経験者にも相撲の楽しさを知ってもらう機会をつくり、競技人口の拡大や地域との交流につなげる点にもあります。
西岩部屋の稽古見学は事前予約制
西岩部屋では、一般の見学者に向けた朝稽古の公開も行っています。
公式サイトに記載された基本的な見学時間は、午前9時から稽古終了までで、終了時刻は午前10時30分ごろが目安です。ただし、本場所中は稽古見学を受け付けていません。
2026年8月28日付の西岩親方の公式ブログでは、9月の公開稽古について具体的な案内が掲載されていました。
- 見学方式:後援会会員・一般見学者ともに事前予約制
- 予約方法:西岩部屋公式サイトの問い合わせ欄または電話
- 見学時間:午前9時から午前10時30分ごろまで
- 定員:席数に限りがあり、満員の場合は受付不可
- 動画撮影:不可
- 写真撮影:可能
- 稽古中の私語:不可
同ブログで案内された9月の公開稽古日は、1日、2日、4日、5日、6日、9日、10日でした。
なお、2026年11月4日時点で親方ブログに掲載されている最新の公開稽古案内は9月分です。11月の見学日程は新たな告知を確認できないため、見学を希望する場合は事前に部屋へ問い合わせる必要があります。
西岩部屋の場所とアクセス
西岩部屋の所在地は、東京都台東区寿4丁目4番9号です。
- 都営浅草線:浅草駅A1出口から徒歩約3分
- 都営大江戸線:蔵前駅A5出口から徒歩約3分
- 東京メトロ銀座線:田原町駅2番出口から徒歩約3分
浅草観光と組み合わせやすい場所にありますが、相撲部屋は力士が生活し、稽古をする場所です。通常の観光施設のように自由に入場できるわけではありません。
見学日程の確認、事前予約、撮影ルールの順守が必要です。特に本場所中の見学はできないため、訪問時期には注意してください。
【西岩親方に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:西岩親方の本名は何ですか?
A1:本名は古川忍(ふるかわ・しのぶ)です。現役時代は若の里忍という四股名で活躍し、引退後に年寄名跡の西岩を襲名しました。
Q2:若の里の生涯戦歴は何勝ですか?
A2:日本相撲協会の公式プロフィールによると、914勝783敗124休(140場所)です。最高位は関脇で、幕内在位87場所、三役在位26場所という実績があります。
Q3:西岩部屋には現在何人の力士が所属していますか?
A3:2026年11月場所の番付を基準にすると7人です。序二段5人、序ノ口2人で、現時点では関取は在籍していません。
Q4:西岩親方は日本相撲協会の広報部長ですか?
A4:いいえ。西岩親方は広報部に所属していますが、2026年の職務分掌で広報部長に就任したのは藤島親方です。西岩親方は協会本部の広報担当として活動しています。
Q5:西岩部屋の稽古は誰でも見学できますか?
A5:一般見学者も受け付けていますが、事前予約が必要です。定員があり、本場所中は見学できません。具体的な日程は西岩部屋の公式サイトや親方ブログで確認してください。
まとめ:【プロの結論】西岩親方は元関脇の経験を次世代の育成と相撲界の広報に生かしている
西岩親方は、元関脇・若の里として長年幕内で活躍した実績を持つ元力士です。本名は古川忍、青森県弘前市出身。914勝783敗124休という生涯戦歴を残し、2015年に現役を引退しました。
その後、2018年2月に西岩部屋を独立創設。2026年11月現在は、7人の所属力士を指導する師匠として部屋を運営する一方、日本相撲協会の広報部でも活動しています。
西岩親方の歩みを評価する際には、現役時代の勝ち星だけでなく、引退後にどのような指導者として活動しているかにも注目する必要があります。
特に重要なのは、次の3つの視点です。
- 現役時代の実績:関脇17場所、三役26場所、三賞10回という競技者としての経験。
- 部屋運営と育成:2018年に独立した西岩部屋で、若手力士を一から育てていること。
- 相撲界への貢献:広報部での活動や引退会見の司会、若の里杯などを通じた相撲文化の普及。
今後、西岩部屋から十両や幕内で活躍する力士が誕生するかどうかは、大きな注目点です。若の里として培った技術や経験が、弟子たちの成長にどのようにつながるのか。2026年以降も、西岩部屋の番付推移、若の里杯、親方の協会活動を追うことで、西岩親方の現在をより深く理解できます。
西岩親方は、土俵で勝つ側から、次の世代を育て、相撲界を支える側へと役割を変えました。その歩みこそが、元若の里という力士のキャリアを現在につなぐ最大の特徴です。