久坂部羊(くさかべ・よう)は、大阪大学医学部を卒業した現役の医師であり、医療現場の矛盾や人間の生と死を鋭く描く小説家です。2003年にデビュー作『廃用身』を発表して以来、『破裂』『無痛』『悪医』『神の手』など、医療の倫理や生命の尊厳に踏み込んだ作品を数多く世に送り出してきました。2014年には『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞しています。
2026年は久坂部羊の作品が映像分野でも大きく動いた年です。染谷将太主演の映画『廃用身』が5月15日に劇場公開され、10月7日にはPrime Videoで見放題独占配信がスタート。加えて、向井理主演のWOWOW連続ドラマW『MR -医薬情報担当者-』も10月4日に放送・配信を開始しました。新刊では『あなたの命綱』『医人の夢』『欲張らない死に方』などが刊行され、作家としての活動も続いています。
【久坂部羊とはどんな作家?】プロフィールと医師としての人物像
久坂部羊の基本プロフィール
久坂部羊は1955年、大阪府生まれ。小説家としての顔だけでなく、医学教育を受け、実際の医療現場で勤務してきた医師でもあります。
大阪大学医学部を卒業後、大阪大学医学部附属病院で外科・麻酔科を研修。その後、大阪府立成人病センターで麻酔科、神戸掖済会病院で一般外科に勤務しました。
さらに外務省の医務官として在外公館でも勤務。海外での医療経験を経て、高齢者を対象とする医療や在宅訪問診療にも携わってきました。
こうした経歴は、久坂部羊の小説を理解するうえで欠かせません。病院の内部事情だけでなく、患者と家族、医師、行政、製薬企業など、医療を取り巻くさまざまな立場から問題を描ける背景になっています。
本人の公式サイトや出版社の著者プロフィールでも、医師としての経歴と2003年の作家デビューが紹介されています。
医師が小説を書くからこそ生まれるリアリティ
久坂部羊の作品の特徴は、医療を単純に善悪で分けないことです。
一般的な医療ドラマでは、患者を救おうとする医師が正義の象徴として描かれることがあります。しかし、実際の医療現場には、治療の限界、患者本人の希望、家族の事情、病院経営、医療制度など、簡単には解決できない問題が存在します。
久坂部羊は、こうした問題を物語の中心に据えます。
医師が正しいと考える治療が患者にとって最善とは限らない。長生きすることが必ずしも幸福につながるとは限らない。善意から始まった医療行為が、思いがけない結果を招くこともある。
このような割り切れない現実を、専門的な知識と人間ドラマを組み合わせて描くところに、久坂部羊ならではの作風があります。
【久坂部羊の経歴・年表】デビューから医療小説の第一人者になるまで
久坂部羊のキャリアは、医師としての実務経験と作家活動が並行して発展してきた点に特徴があります。
若い頃から同人誌「VIKING」で創作活動に取り組み、2003年に『廃用身』で小説家としてデビュー。その翌年には『破裂』を発表し、医療と社会制度を扱う作家として注目を集めました。
久坂部羊の主な経歴と転換点
| 時期 | 経歴・出来事 | 主な意味・実績 |
|---|---|---|
| 1955年 | 大阪府生まれ | 後に医師・小説家として活動 |
| 医学部卒業後 | 大阪大学医学部附属病院で外科・麻酔科を研修 | 医師としての基礎を築く |
| その後 | 大阪府立成人病センター、神戸掖済会病院などに勤務 | 麻酔科・一般外科の経験を積む |
| 外務省勤務時代 | 在外公館の医務官として海外勤務 | 国内とは異なる医療環境を経験 |
| その後 | 高齢者医療や在宅訪問診療に従事 | 終末期医療や介護の現場に関わる |
| 2003年 | 『廃用身』で作家デビュー | 衝撃的な医療テーマで注目 |
| 2004年 | 『破裂』を発表 | 医療制度と高齢社会を描く作品として話題に |
| 2006年 | 『無痛』を発表 | 医療ミステリーとして人気を獲得 |
| 2014年 | 『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞 | 作家としての評価を確立 |
| 2015年 | 『破裂』『無痛』がテレビドラマ化 | 映像作品を通じて読者層が広がる |
| 2026年 | 映画『廃用身』公開、ドラマ『MR』放送 | 代表作の映像化が相次ぐ |
特に重要なのが、医師としての経験を小説の素材に変えてきたことです。
医療現場を外側から観察するだけではなく、実際に患者と向き合ってきた経験が、作品の人物描写や医療制度への問題提起につながっています。
また、2014年の『悪医』による日本医療小説大賞受賞は、単に医療知識が豊富な作家という評価を超え、患者と医師の関係を文学的に描く力量が認められた転換点でした。
【久坂部羊の代表作・おすすめ本】初めて読むならどの作品?
久坂部羊の小説は、医療サスペンス、社会派小説、心理ミステリー、終末期医療を扱う作品など幅広いジャンルにまたがっています。
作品ごとに扱うテーマが異なるため、最初の一冊は自分が関心を持っている医療問題や読みたい物語のタイプから選ぶとよいでしょう。
1. 『廃用身』:久坂部羊のデビュー作
2003年に発表された『廃用身』は、久坂部羊の小説家としての出発点となった作品です。
物語の中心となるのは、高齢者医療の現場で考案された画期的な治療法「Aケア」です。麻痺などによって機能を失った身体の一部を切除することで、患者の生活の質を改善しようとする医師の考えが描かれます。
しかし、患者を救いたいという理想が、次第に合理性と倫理の境界を揺さぶっていきます。
この作品の恐ろしさは、登場人物が最初から明確な悪人として描かれているわけではない点です。善意や医学的な合理性が、どのような状況で危険な方向へ進んでしまうのかを問いかけます。
2026年には染谷将太主演で映画化され、原作の持つ問題提起が改めて注目されました。
2. 『破裂』:医療技術と社会の欲望を描く問題作
2004年に発表された『破裂』は、久坂部羊の代表的な社会派医療小説です。
中心となるのは、老化した心臓を若返らせる画期的な治療法を研究する心臓外科医です。しかし、その治療には深刻な副作用が隠されており、医師の野心と官僚の思惑が絡み合っていきます。
単純な医療事故の物語ではありません。医療技術の進歩を誰が利用し、誰がその代償を負うのかという問題を描いています。
高齢化社会における延命治療や医療行政について考えたい人におすすめです。
2015年にはNHKの土曜ドラマとして映像化され、椎名桔平、滝藤賢一、仲代達矢らが出演しました。
3. 『無痛』:医療ミステリーとしての面白さが光る作品
2006年刊行の『無痛』は、医療知識と犯罪捜査を組み合わせたミステリー作品です。
主人公の医師・為頼英介は、患者の外見から病気の兆候を読み取る特別な診察能力を持っています。加えて、犯罪者に特徴的な兆候まで見抜くことができるという設定が、物語に独特の緊張感を生み出します。
医療と犯罪、身体の異常と人間の心理が交差する展開が魅力です。
2015年にはフジテレビで『無痛~診える眼~』としてドラマ化。西島秀俊、伊藤淳史、伊藤英明らが出演しました。
久坂部羊の作品を初めて読む人で、社会問題を扱う重厚な小説よりもストーリー性の高い作品を好む人には、有力な入門候補です。
4. 『悪医』:患者と医師の正義がぶつかる物語
『悪医』は2013年に刊行され、2014年に第3回日本医療小説大賞を受賞した作品です。
物語では、がんが再発した患者と、これ以上治療の余地がないと判断した外科医の対立が描かれます。
患者にとって、治療の終了を告げられることは希望を失うことにもつながります。一方、医師にも医学的な限界や治療方針を判断する責任があります。
治療を続けることが正しいのか、治療を終えることが見捨てることになるのか。患者と医師の双方の立場から、医療における正義を問い直します。
久坂部羊の作家としての力量を知りたい人や、医療倫理を深く考えたい人におすすめです。
5. 『神の手』:安楽死と尊厳を考える作品
『神の手』は、安楽死をめぐる社会的・政治的な問題を扱った医療小説です。
耐え難い痛みに苦しむ患者と、その願いに直面する医師を中心に、安楽死を制度として認めるべきなのかという難題が描かれます。
2019年には椎名桔平主演でWOWOWの連続ドラマWとして映像化されました。
『廃用身』や『破裂』と同様に、生きることと死ぬことを簡単に善悪で判断できない久坂部羊の作風がよく表れた作品です。
おすすめ本を目的別に比較
- 最初に衝撃的な作品を読みたい:『廃用身』
- 医療制度や高齢化社会を考えたい:『破裂』
- ミステリーとして楽しみたい:『無痛』
- 患者と医師の関係を深く考えたい:『悪医』
- 安楽死や尊厳ある最期に関心がある:『神の手』
作品選びで迷った場合は、『無痛』から入り、次に『悪医』や『廃用身』へ進む読み方もおすすめです。物語としての面白さから入り、徐々に久坂部羊が繰り返し扱う医療倫理の問題に触れられます。
【久坂部羊の最新刊2026】新刊と注目作品を時系列で紹介
2026年の久坂部羊は、小説と新書の両方で新作・新刊を発表しています。特に注目したいのは、がん治療とAIを扱った長編小説から、医師を志す高校生を主人公にした青春ミステリー、さらに老いと死を考える新書まで、テーマの幅が広がっていることです。
『あなたの命綱』:2026年2月6日発売
朝日新聞出版から刊行された長編小説です。
がんの最新治療を取材するノンフィクション作家を主人公に、医療ベンチャー企業の実態、がん治療の情報、AIによる助言、標準治療と代替療法の問題などを扱います。
特に興味深いのは、医療情報を受け取る患者側の判断がテーマになっていることです。
インターネットやAIを通じて大量の医療情報に接することができても、その情報が本当に信頼できるのかを判断するのは簡単ではありません。
医療情報の発信者と受け手の関係を描いた、2026年の重要な新作です。
『砂の宮殿』:2026年3月23日文庫刊行
KADOKAWAから角川文庫として刊行された医療サスペンスです。
富裕層向けの自由診療クリニックを舞台に、医療チームの内部に潜む疑惑や、最先端医療を取り巻く利害関係が描かれます。
抗がん剤や免疫療法、放射線治療、予防医学など、現代医療の複雑な要素が物語に組み込まれています。
医療技術の高度化と、それを提供する組織の利益が必ずしも一致しないという問題に関心がある人に向いています。
『医人の夢』:2026年6月8日刊行
筑摩書房のちくまプリマー新書から刊行された作品です。
主人公は、医学部受験に向けて勉強する高校2年生の医人(いひと)。同級生の父親が喉頭がんの治療中に亡くなり、医療ミスではないかという疑いが浮上したことから、事件の真相を探り始めます。
主治医や親戚の麻酔科医、各科の専門医、新聞記者などとの対話を通じて、医療の現実に向き合っていく青春医療ミステリーです。
医師になることへの理想と、医療現場の厳しさの両方を描いているため、医療関係者だけでなく、医学部を目指す学生や若い読者にも手に取りやすい作品です。
『欲張らない死に方―賢く老いるヒント』:2026年9月8日刊行
2026年11月2日時点で確認できる、久坂部羊の最新刊です。筑摩書房から刊行されたちくま新書で、224ページの新書です。
70代を迎えた医師作家の視点から、老い方や死に方、終末期医療について考察しています。
中心となるのは、健康で長生きしたい、家族に迷惑をかけたくない、苦しまずに死にたいといった、人間が抱く願望と現実のギャップです。
高齢者医療や延命治療の現実を踏まえ、本人と家族が死について考えるための知識を扱っています。
小説ではなく、新書として医療や人生の問題を考えたい人に向いています。
なお、2026年の刊行物を整理すると、最新刊は『欲張らない死に方』ですが、2026年の小説作品としては『医人の夢』や『あなたの命綱』も注目すべき新作です。
【2026年最新】映画『廃用身』と染谷将太、ドラマ『MR』の映像化
2026年は久坂部羊の代表作が相次いで映像化された年です。特に注目されるのが、デビュー作『廃用身』の映画化と、製薬業界を舞台にした小説『MR』のドラマ化です。
映画『廃用身』は2026年5月15日公開
映画『廃用身』は、久坂部羊の小説デビュー作を原作とした2026年公開の日本映画です。
監督・脚本は𠮷田光希。主演は染谷将太で、主人公の医師・漆原糾を演じています。
共演者には北村有起哉、瀧内公美、六平直政らが名を連ねています。
作品は2026年5月15日に劇場公開され、上映時間は125分。ジャンルはドラマ、ミステリー、サスペンスです。
映画版の見どころは、理想を追求する医師が、合理性と倫理の境界を越えていく姿です。
原作が発表された当時から、過激な設定によって映像化が難しい作品として知られていました。それだけに、染谷将太が主人公をどう表現するのかは、映画化における大きな注目点でした。
映画公式サイトでは、久坂部羊自身も映画化への驚きと期待を語っており、介護に関わる人や介護に悩む人にも作品を見てほしいという趣旨のコメントを発表しています。
映画『廃用身』の配信はPrime Videoで開始
劇場公開後の配信展開も進んでいます。
- 2026年5月15日:劇場公開
- 2026年8月1日:Prime Videoでレンタル・購入の最速独占配信開始
- 2026年10月7日:Prime Videoで見放題独占配信開始
したがって、2026年11月現在は、劇場公開だけでなくPrime Videoでの視聴機会も設けられています。配信条件や対象地域などは変更される可能性があります。
『MR -医薬情報担当者-』は向井理主演でドラマ化
2026年のもう一つの大きなニュースが、久坂部羊の小説『MR』のドラマ化です。
WOWOWの連続ドラマWとして制作され、2026年10月4日から放送・配信が始まりました。全5話の作品で、11月1日に最終話が放送されています。
主演は向井理。製薬会社の営業所所長でありMRでもある紀尾中正樹を演じます。
MRとはMedical Representativeの略称で、医療従事者に医薬品の情報を提供・収集する医薬情報担当者のことです。
ドラマでは、製薬会社の営業競争、大学病院、医師、学会、医薬品の安全性などが物語に組み込まれています。
主な出演者は次のとおりです。
- 紀尾中正樹:向井理
- 鮫島淳:要潤
- 市橋和巳:正門良規(Aぇ! group)
- 山田麻弥:武田玲奈
- 五十川和彦:豊原功補
- 八神功治郎:酒向芳
- カン・ヨンジン:知英
原作は久坂部羊の『MR』(幻冬舎文庫)。監督は金井紘、脚本は香坂隆史です。
WOWOWの番組情報によると、ドラマは全5話で、最終話の放送後もアーカイブ配信が案内されています。
過去のドラマ化作品との違い
久坂部羊の映像化作品は2026年に始まったわけではありません。『破裂』『無痛』『神の手』もテレビドラマになっています。
2015年のNHK土曜ドラマ『破裂』は、椎名桔平や滝藤賢一、仲代達矢らが出演。医療技術の副作用と政治的な思惑を描きました。
同じく2015年のフジテレビ『無痛~診える眼~』では、西島秀俊が主人公の為頼英介を演じ、伊藤淳史、伊藤英明らが共演しています。
2019年にはWOWOWで『神の手』がドラマ化され、椎名桔平主演で安楽死をめぐる問題が映像化されました。
これらの作品と比べると、2026年の『廃用身』は高齢者医療と身体の尊厳、『MR』は製薬企業と医療現場の関係に重点を置いている点が特徴です。
【久坂部羊の医療小説の評判】魅力と賛否が分かれる理由
久坂部羊の医療小説は、現役医師としての経験を背景にしたリアリティと、読者に簡単な答えを与えない問題提起が大きな特徴です。
ただし、医療を扱う作品だからといって、読後感が常に爽快なわけではありません。むしろ、読み終わった後に登場人物の判断や自分自身の価値観を考え直したくなる作品が多いのです。
魅力1:医療現場の理想と現実を同時に描く
久坂部羊の作品には、患者を救いたいと願う医師が登場する一方で、医師の判断が患者を苦しめる可能性や、医療制度が抱える問題も描かれます。
医療従事者を一方的に悪者にせず、患者側にも医師側にも事情があることを描くため、物語に奥行きが生まれます。
魅力2:読者が避けてきた問題に向き合わせる
安楽死、延命治療、認知症、高齢者介護、がん治療などは、日常生活で深く考える機会が少ないテーマです。
しかし、自分や家族が病気になったとき、これらの問題は突然、現実的な選択として目の前に現れます。
久坂部羊の作品は、そうした問題をフィクションの形で疑似体験させてくれます。
賛否が分かれやすいのはなぜか
一方で、作品によっては医療行為の描写や設定が非常に刺激的で、読者に強い心理的負担を与えることがあります。
『廃用身』のように、身体の一部を切除するという極端な発想を物語の中心に置く作品では、設定そのものに抵抗を覚える読者もいるでしょう。
また、『悪医』のように治療の限界を扱う作品では、医師の判断と患者の希望のどちらを優先すべきか、簡単に答えを出せません。
この割り切れなさこそが、久坂部羊の作品を単なる医療エンターテインメントで終わらせない理由です。
久坂部羊の作品が向いている人・向いていない人
おすすめできる人
- 医療ドラマや社会派ミステリーが好きな人
- 医師や患者の心理を深く描いた小説を読みたい人
- 高齢化社会や終末期医療に関心がある人
- 医療制度や製薬業界の仕組みを物語から知りたい人
- 単純な勧善懲悪ではない作品を好む人
好みが分かれやすい人
- 明るく前向きな結末の物語を中心に読みたい人
- 医療や死を扱う重いテーマが苦手な人
- 過激な設定や倫理的に不快感を覚える描写を避けたい人
- 専門的な医療用語や社会問題を扱う作品が苦手な人
久坂部羊の小説は、医療の正解を教える参考書ではありません。現実の治療方針を決める際には、作品中の描写と実際の医学的な判断を区別し、医療専門家に相談する必要があります。
【久坂部羊に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:久坂部羊はどんな医師・作家ですか?
A1:大阪大学医学部卒業の医師・小説家です。外科や麻酔科、外務省医務官、高齢者の在宅医療などを経験し、2003年に『廃用身』で作家デビューしました。
Q2:久坂部羊の代表作は何ですか?
A2:『廃用身』『破裂』『無痛』『悪医』『神の手』などが代表作です。医療ミステリーを楽しみたいなら『無痛』、医療倫理について深く考えたいなら『悪医』がおすすめです。
Q3:久坂部羊の最新刊は何ですか?
A3:2026年11月2日時点で確認できる最新刊は、2026年9月8日刊行の『欲張らない死に方―賢く老いるヒント』です。老い方や終末期医療について考える新書です。
Q4:『廃用身』は映画化されましたか?
A4:はい。2026年5月15日に劇場公開されました。𠮷田光希監督、染谷将太主演で、北村有起哉、瀧内公美、六平直政らが出演しています。10月7日からPrime Videoで見放題独占配信も始まりました。
Q5:『廃用身』の映画で染谷将太は何役ですか?
A5:主人公の医師・漆原糾を演じています。理想を追求する一方で、合理性と狂気の境界に踏み込んでいく人物です。
Q6:久坂部羊の『MR』はドラマ化されていますか?
A6:はい。WOWOWの連続ドラマW『MR -医薬情報担当者-』として2026年10月4日に放送・配信が始まりました。向井理が主演を務め、全5話で11月1日に最終話が放送されました。
Q7:『破裂』や『無痛』もドラマ化されていますか?
A7:はい。『破裂』は2015年にNHKで、『無痛』は同年にフジテレビでドラマ化されました。また、『神の手』は2019年にWOWOWでドラマ化されています。
Q8:『悪医』は何か賞を受賞していますか?
A8:2014年に第3回日本医療小説大賞を受賞しています。がん患者と医師の間に生じる葛藤を描いた作品で、久坂部羊の代表的な受賞作です。
まとめ:久坂部羊の作品は医療と人生の本質を問い続ける
久坂部羊は、大阪大学医学部卒業後、外科・麻酔科、外務省医務官、高齢者医療などの経験を積み、その知識と現場感覚を小説に生かしてきた医師作家です。
2003年の『廃用身』でデビューし、『破裂』『無痛』『悪医』『神の手』などを通じて、医療の進歩、患者の尊厳、医師の責任、安楽死や延命治療といった難しい問題を描いてきました。
2026年は映画『廃用身』の公開とPrime Videoでの配信、向井理主演のドラマ『MR』の放送という大きな映像化の動きがありました。新刊も『あなたの命綱』『医人の夢』『欲張らない死に方』と充実しています。
初めて読むなら、ミステリーとして楽しめる『無痛』、医療倫理に迫る『悪医』、久坂部羊の原点である『廃用身』のいずれかから始めるとよいでしょう。
久坂部羊の作品に共通しているのは、医療の進歩だけでは人間の幸福を決められないという視点です。何が正しい治療なのか、どう生きてどう最期を迎えるのか。2026年の映像化と新刊は、こうした問いを改めて多くの読者に届けています。
主な事実確認資料: 久坂部羊公式サイト、筑摩書房、幻冬舎、朝日新聞出版、KADOKAWA、映画『廃用身』公式サイト、WOWOW番組公式情報、JFDB。