サッカーアジア大会2023は、中国・杭州で開催された第19回アジア競技大会のサッカー競技です。日本代表は男子がU-22日本代表として決勝に進出したものの、韓国に1-2で敗れて銀メダル。女子は日本女子代表が北朝鮮を4-1で破り、大会史上初の女子サッカー連覇を達成しました。
そして2026年11月現在、愛知・名古屋で開催された第20回アジア競技大会の結果も確定しています。男子は再び韓国に敗れて銀メダル、女子は北朝鮮との激闘をPK戦で制して大会3連覇を達成しました。2023年と2026年の試合日程、全日本代表戦の結果、招集メンバー、歴代優勝国を比較し、日本サッカーの現在地を整理します。
【大会の基本情報】サッカーアジア大会2023はなぜ2022年杭州大会と呼ばれる?
最初に整理しておきたいのが、大会の名称と開催年です。
2023年の大会は正式には「第19回アジア競技大会(2022/杭州)」と呼ばれます。大会名に2022と入っていますが、実際の開催期間は2023年9月19日から10月7日でした。
当初は2022年9月に開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的流行を受け、アジア・オリンピック評議会(OCA)が延期を決定。2022年7月に2023年9月への日程変更が正式発表されました。大会の名称とエンブレムは変更されなかったため、2023年開催でありながら「杭州2022」という呼称が残っています。
サッカー競技では男子と女子の両カテゴリーが実施され、日本は男女ともに決勝へ進出しました。ただし、男子は年代別代表、女子は日本女子代表という異なるチーム編成で参加しています。
2023年大会の基本情報
- 大会名:第19回アジア競技大会(2022/杭州)
- 開催地:中国・杭州
- 大会期間:2023年9月19日~10月7日
- 男子日本代表:U-22日本代表
- 女子日本代表:日本女子代表
- 男子決勝:2023年10月7日
- 女子決勝:2023年10月6日
この年代区分の違いは、2026年大会との比較でも要点になります。
【男子サッカー】日本対韓国1-2の決勝と銀メダルまでの全試合結果
2023年の男子日本代表を率いたのは大岩剛監督です。招集されたのはU-22世代を中心とした選手たちで、Jリーグ所属選手だけでなく大学サッカー出身の選手も含まれていました。
大会ではグループステージから安定した戦いを見せ、準決勝まで5連勝。決勝では韓国に逆転負けを喫しましたが、銀メダルを獲得しました。
U-22日本代表の招集メンバー
日本サッカー協会(JFA)の公式招集メンバーは以下のとおりです。
GK
- 藤田和輝
- 小畑裕馬
- 山田大樹
DF
- 山﨑大地
- 奥田勇斗
- 今野息吹
- 馬場晴也
- 吉田真那斗
- 関根大輝
- 根本健太
MF
- 松村優太
- 松岡大起
- 佐藤恵允
- 重見柾斗
- 谷内田哲平
- 山内翔
- 西川潤
- 小見洋太
- 角昂志郎
- 日野翔太
FW
- 鮎川峻
- 内野航太郎
監督は大岩剛氏。海外クラブ所属の松岡大起、佐藤恵允らに加え、大学サッカーから選ばれた選手もチームを構成しました。なお、GK山田大樹は9月30日に一時離村しています。
男子日本代表の日程・全試合結果
日本はグループステージでカタール、パレスチナと対戦。その後、決勝トーナメントを勝ち上がりました。
グループステージ・決勝トーナメントの結果
- 9月20日:日本 3-1 カタール
- 9月25日:日本 1-0 パレスチナ
- 9月28日:日本 7-0 ミャンマー
- 10月1日:日本 2-1 北朝鮮
- 10月4日:日本 4-0 香港
- 10月7日:日本 1-2 韓国(決勝)
決勝までの5試合はすべて勝利。特にラウンド16のミャンマー戦では7得点、準決勝の香港戦では4得点を記録しました。
男子決勝・日本対韓国1-2の試合展開
決勝は10月7日、中国・杭州のHuanglong Sports Centre Stadiumで行われました。
日本は試合開始直後の前半2分に内野航太郎が先制ゴールを決め、理想的なスタートを切ります。しかし、韓国も反撃。前半27分にチョン・ウヨンが同点ゴールを決め、試合を振り出しに戻しました。
後半11分にはチョ・ヨンウクが勝ち越しゴールを記録。日本は追いつくために攻勢を強めましたが、最後まで同点には届きませんでした。
最終スコアは日本1-2韓国。日本は惜しくも金メダルを逃し、銀メダルで大会を終えました。
男子サッカーの最終順位と銀メダルの意味
2023年大会の男子上位3チームは次のとおりです。
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ウズベキスタンは3位決定戦で香港を4-0で破りました。
日本にとっては、決勝まで勝ち進んだ実績が大きな収穫でした。一方、優勝した韓国はU-24代表として大会に臨んでおり、U-22中心の日本とはチームの年齢構成が異なっていました。
男子の銀メダルは、単純な勝敗だけで評価するのではなく、次世代の代表選手に国際大会の決勝経験を積ませた成果としても見る必要があります。
【女子サッカー】日本代表メンバーと北朝鮮戦4-1の連覇の理由
2023年大会で日本サッカーの大きな成果となったのが女子代表です。
日本女子代表はグループステージから攻撃力を発揮し、準決勝では中国との接戦を4-3で制しました。そして10月6日の決勝では北朝鮮を4-1で破り、2018年大会に続く金メダルを獲得しています。
2023年女子日本代表のメンバー
チームを率いたのは狩野倫久監督です。WEリーグ所属選手を中心に、大学でプレーする選手も含めた若いメンバーが招集されました。
JFAの招集資料に掲載された選手をポジション別に整理すると、次のとおりです。
GK
- 浅野菜摘
- 松本真未子
- 大場朱羽
DF
- 後藤若葉
- 田畑晴菜
- 佐々木里緒
- 小山史乃観
- 古賀塔子
MF
- 塩越柚歩
- 脇阪麗奈
- 中嶋淑乃
- 石田千尋
- 天野紗
- 榊原琴乃
- 谷川萌々子
FW
- 上野真実
- 千葉玲海菜
- 大澤春花
- 島田芽依
- 山本柚月
- 土方麻椰
招集後にはGKの追加・離脱もあり、実際の大会登録状況には変更がありました。
女子日本代表の日程・全試合結果
女子日本代表はグループステージから決勝まで、攻撃的なサッカーを展開しました。
グループステージ
- 9月22日:日本 8-0 バングラデシュ
- 9月25日:日本 8-0 ネパール
- 9月28日:日本 7-0 ベトナム
決勝トーナメント
- 9月30日:日本 8-1 フィリピン(準々決勝)
- 10月3日:日本 4-3 中国(準決勝)
- 10月6日:日本 4-1 北朝鮮(決勝)
6試合で39得点、5失点。グループステージでは3試合連続無失点で、決勝トーナメントでも高い得点力を維持しました。
女子決勝・日本対北朝鮮4-1の詳細
決勝の相手は、身体能力とフィジカルの強さを持つ北朝鮮でした。
日本は4-2-3-1のフォーメーションを採用。準決勝の中国戦と同じ先発メンバーを起用し、チームとしての連携を重視しました。
前半10分、中嶋淑乃が先制点を記録。しかし前半39分に北朝鮮に同点ゴールを許し、1-1でハーフタイムを迎えます。
試合が大きく動いたのは後半でした。
- 10分:中嶋淑乃が先制
- 39分:北朝鮮が同点
- 66分:大澤春花が勝ち越し
- 69分:谷川萌々子が追加点
- 72分:千葉玲海菜が4点目
後半20分から27分までのわずか7分間に、日本は3ゴールを奪いました。特に谷川の左足ミドルシュートと千葉の追加点が、試合の流れを決定づけました。
最終スコアは4-1。日本は2018年大会に続く連覇を達成し、女子サッカーでは大会史上初の連続優勝を成し遂げました。
なぜ日本女子代表は連覇できたのか?
2023年の優勝には、複数の要素が重なっていました。
1.短期間でチームの一体感を形成したこと
狩野監督はWEリーグや大学でプレーする選手を幅広く招集しました。大会前から十分な共通経験を持つ選手ばかりではありませんでしたが、チームとして戦う意識を高めていきました。
千葉玲海菜も大会後、初対面の選手がいる中で短期間に一体感を作れたことを優勝の要因として振り返っています。
2.戦術と先発メンバーの継続性
決勝では中国との準決勝と同じ先発メンバーを採用。4-2-3-1の配置を維持し、連係の成熟を生かしました。
3.複数の得点源を確保したこと
決勝では中嶋、大澤、谷川、千葉の4選手が得点。特定のストライカーだけに依存しない攻撃が、相手守備への対応を難しくしました。
つまり、2023年の女子代表の強さは、個人能力だけではなく、選手選考、戦術の継続性、チームの結束力が組み合わさった結果でした。
【歴代優勝国と大会比較】2023年から2026年までの日本サッカーの歩み
アジア大会のサッカーは、男子と女子で競技の歴史や強豪国の勢力図が異なります。
男子は1951年の第1回大会から実施され、女子は1990年大会から始まりました。男子では韓国とイランが歴代の強豪として知られ、女子では中国、北朝鮮、日本が優勝を分け合っています。
アジア大会サッカー歴代優勝国
以下は男子・女子の歴代優勝国をまとめた一覧です。女子競技が始まる1990年以前は該当する大会がありません。
出典:Rec.Sport.Soccer Statistics Foundation(RSSSF)の大会歴代記録。1970年と1978年の男子は共同優勝。
歴代記録から見える日本と韓国の違い
男子では韓国が2026年までに7回の優勝を記録し、最多優勝国となっています。イランが4回で続き、日本は2010年の1回です。
特に注目したいのは、韓国が2014年、2018年、2023年、2026年と4大会連続で男子金メダルを獲得したことです。2023年と2026年は、いずれも決勝で日本を破っています。
一方、女子では日本が2010年、2018年、2023年、2026年の計4回優勝。2026年大会の終了時点で、女子の最多優勝国となりました。
女子は中国が1990年代に3連覇を達成し、その後は北朝鮮と日本が優勝争いを展開。日本は2018年から2026年まで3大会連続で頂点に立ち、女子アジアサッカーにおける存在感を高めています。
【2026年最新結果】愛知・名古屋アジア大会で男子銀メダル・女子3連覇
2026年の第20回アジア競技大会は愛知・名古屋を中心に開催され、サッカー競技でも日本代表の男女が再び決勝に進出しました。
2023年杭州大会と同様、男子は韓国、女子は北朝鮮が決勝の相手となりました。ただし、結果の内容はそれぞれ異なっています。
2026年男子サッカー日本代表の結果
男子は大岩剛監督が率いるU-21日本代表が参加しました。23人のメンバーには、市原吏音、小杉啓太、石渡ネルソン、大関友翔、中島洋太朗、横山夢樹、道脇豊らが選ばれています。
日本の全試合結果は以下のとおりです。
- 9月16日:日本 2-0 ホンコン・チャイナ
- 9月20日:日本 7-0 キルギス
- 9月23日:日本 3-0 タイ
- 9月26日:日本 1-0 北朝鮮(準々決勝)
- 9月30日:日本 1-1 ウズベキスタン(PK9-8、準決勝)
- 10月3日:日本 0-1 韓国(決勝)
日本は準決勝でウズベキスタンとのPK戦を制し、決勝に進出しました。しかし、10月3日の韓国戦では後半16分に失点。最後まで追いつくことができず、0-1で敗れました。
最終順位は韓国が金メダル、日本が銀メダル、中国が銅メダルです。中国は3位決定戦でウズベキスタンをPK戦で破りました。
2026年女子サッカー日本代表の結果
女子は日本女子代表、なでしこジャパンが出場しました。グループステージでは圧倒的な得点力を発揮し、準決勝では韓国を2-0で下して決勝へ進出しました。
日本代表の全試合結果
- 9月14日:日本 8-0 タイ
- 9月17日:日本 8-0 ベトナム
- 9月21日:日本 4-0 チャイニーズ・タイペイ
- 9月25日:日本 4-0 フィリピン(準々決勝)
- 9月29日:日本 2-0 韓国(準決勝)
- 10月2日:日本 2-2 北朝鮮(PK5-3、決勝)
決勝は静岡県の小笠山総合運動公園エコパスタジアムで開催されました。
日本は前半32分に上野真実のゴールで先制。しかし後半に北朝鮮に2点を奪われ、1-2と逆転されます。苦しい展開の中、後半41分に西尾葉音が同点ゴールを決め、試合は延長戦へ。
延長戦でも決着がつかず、勝負はPK戦に持ち込まれました。GK大場朱羽が相手のキックを阻止し、塩越柚歩が勝利を決定づけるキックを成功。日本がPK5-3で勝利しました。
これにより日本女子代表は、2018年、2023年に続いて大会3連覇を達成。通算4度目の金メダルを獲得しました。
2023年と2026年の日本代表を比較
両大会を並べると、男女で非常によく似た構図が見えてきます。
男子
- 2023年:日本1-2韓国、銀メダル
- 2026年:日本0-1韓国、銀メダル
女子
- 2023年:日本4-1北朝鮮、金メダル
- 2026年:日本2-2北朝鮮、PK5-3で勝利、金メダル
男子は2大会連続で韓国に決勝で敗れました。2023年はU-22日本代表、2026年はU-21日本代表という違いがありますが、いずれも若い世代の代表が決勝まで進み、韓国との最後の一戦で敗れています。
一方、女子は2大会連続で北朝鮮を決勝で撃破。2023年は90分で3点差をつける快勝でしたが、2026年は終盤の同点弾とPK戦による勝利でした。
女子は勝ち方が変わっても優勝を守り、男子は惜敗を繰り返しながら銀メダルを獲得。この対照が、2026年までの日本代表の歩みを象徴しています。
【プロの結論】日本サッカーの課題と2026年以降に注目すべきポイント
2023年杭州大会と2026年愛知・名古屋大会を比較すると、日本サッカーの強みと課題が明確になります。
男子は決勝進出を優勝につなげる勝負強さが課題
男子は2023年、2026年ともに銀メダルを獲得しました。決勝に進むだけの実力は備えている一方、韓国との最後の試合で勝ち切れていません。
2023年は先制後に逆転され、2026年は無得点のまま後半に失点しました。異なる試合展開ではありますが、決勝というプレッシャーの大きな舞台で、攻守の精度を最後まで維持する必要があります。
また、アジア大会の男子代表は大会ごとに年齢制限が変わります。2023年はU-22日本代表、2026年はU-21日本代表でした。A代表の成績と直接比較するのではなく、育成年代の国際経験という観点から評価が必要です。
女子は世代交代と競争力の維持が焦点
女子は2018年から2026年まで3大会連続優勝を達成しました。特定の大会だけの好調ではなく、複数世代にわたって結果を残している点に価値があります。
2023年大会では谷川萌々子、中嶋淑乃、千葉玲海菜らが攻撃をけん引。2026年大会では上野真実、西尾葉音、大場朱羽らが決勝で重要な役割を果たしました。
2026年の決勝は、相手に逆転された状況から追いつき、PK戦で勝利した試合です。攻撃力だけでなく、試合終盤の修正力や精神的な粘り強さも、3連覇を支えた要素でした。
大会結果を見る際に間違えやすい3つのポイント
アジア大会サッカーの情報を調べる際は、次の点に注意が必要です。
1. 2022年大会と2023年大会は別大会ではない。 杭州大会は延期後の2023年開催で、正式名称に2022が残っています。
2. 男子銀メダルはA代表の銀メダルではない。 2023年はU-22、2026年はU-21の日本代表が参加しました。
3. 2026年女子の優勝は4-1ではない。 2023年は北朝鮮に4-1、2026年は2-2からPK5-3で勝利しています。
こうした違いを押さえることで、単純なスコア比較では見えない日本代表の成長や大会ごとの競技環境を正しく理解できます。
【サッカーアジア大会2023】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:サッカーアジア大会2023で男子日本代表は優勝しましたか?
A1:優勝していません。2023年10月7日の決勝で韓国に1-2で敗れ、銀メダルを獲得しました。日本の得点者は内野航太郎です。
Q2:2023年の女子決勝は日本と北朝鮮のどちらが勝ちましたか?
A2:日本が4-1で勝利しました。中嶋淑乃、大澤春花、谷川萌々子、千葉玲海菜が得点し、2018年に続く2大会連続の金メダルを獲得しました。
Q3:2023年アジア大会の男子日本代表監督は誰ですか?
A3:大岩剛監督です。U-22日本代表を率いて決勝まで導きました。
Q4:2023年の女子日本代表監督は誰ですか?
A4:狩野倫久監督です。WEリーグや大学でプレーする選手を招集し、若い選手を中心としたチームを編成しました。
Q5:2026年のアジア大会サッカーで日本代表は何位でしたか?
A5:男子は韓国に0-1で敗れて銀メダル、女子は北朝鮮にPK5-3で勝利して金メダルを獲得しました。女子は大会3連覇を達成しています。
Q6:アジア大会サッカーで日本が最も優勝しているのは男子と女子のどちらですか?
A6:女子です。2026年大会終了時点で日本女子代表は通算4回の優勝を記録しています。男子の優勝は2010年大会の1回です。
まとめ:2023年杭州大会から2026年愛知・名古屋大会へ、日本代表の現在地
サッカーアジア大会2023では、男子が韓国に1-2で敗れて銀メダル、女子は北朝鮮を4-1で破って大会連覇を達成しました。
その3年後の2026年大会では、男子が再び韓国に敗れて銀メダルとなった一方、女子は北朝鮮との決勝をPK戦で制し、3大会連続の金メダルを獲得しました。
男子は韓国との決勝で勝ち切る力、女子は継続的な世代交代とアジアの頂点を守る力が今後の焦点です。
2023年の杭州大会は、男子の若手選手にとって大舞台での経験を積む機会となり、女子にとっては連覇への道を切り開いた大会でした。そして2026年の愛知・名古屋大会は、その歩みをさらに進める節目となりました。
メダルの色だけでは測れない選手たちの成長と、男女それぞれの代表チームが積み重ねてきた実績。次回以降のアジア大会でも、日本代表がどのような進化を見せるのか注目されます。