2026年1月2、3日に開催された第102回箱根駅伝で、東海大学は総合12位に終わった。総合タイムは10時間55分01秒。往路が5時間26分10秒、復路が5時間28分51秒だった。
シード権を獲得できるのは総合10位以内の大学であるため、東海大学は翌年の出場権を自動的に確保できず、予選会から本戦を目指すことになった。
箱根駅伝公式記録に掲載された第102回大会の東海大学の区間成績を見ると、4区を走った南坂柚汰が区間5位と健闘している。一方、5区の永本脩は区間13位、9区の中野純平は区間12位だった。
10区間すべてで安定した走りをそろえることが、上位進出には欠かせない。特定の選手の好走だけでは埋められない差が、総合12位という結果に表れた。
第102回大会の主な区間成績
- 1区:兵藤ジュダ・区間13位
- 2区:花岡寿哉・区間16位
- 3区:草刈恭弓・区間13位
- 4区:南坂柚汰・区間5位
- 5区:永本脩・区間13位
- 6区:水野夢大・区間19位
- 7区:鈴木天智・区間11位
- 8区:ロホマン・シュモン・区間10位
- 9区:中野純平・区間12位
- 10区:竹割真・区間12位
特に注目したいのは、2026年大会で4区を走った南坂、5区を走った永本、9区を走った中野が、同年10月の予選会でもチームの中心選手として活躍したことだ。箱根の経験を次のシーズンにつなげている点は、2027年大会を考えるうえで重要な材料になる。
なお、2026年大会の総合12位は、東海大学の競技力が失われたことを意味しない。2019年の総合優勝を経験したチームが、上位復帰に向けて再構築を進めている段階と捉えるべきだ。
【2026年10月17日】予選会3位!総合タイム10時間33分41秒の快走
東海大学の2027年箱根駅伝出場を決定づけたのが、2026年10月17日に東京都立川市で行われた第103回箱根駅伝予選会だ。
陸上自衛隊立川駐屯地から国営昭和記念公園までの21.0975kmを走り、各大学の登録選手12人のうち上位10人の合計タイムで順位を競った。
45大学が参加した予選会で、東海大学は10時間33分41秒の総合3位。上位10校に与えられる本戦出場枠を獲得した。
予選会の上位10校
| 順位 | 大学 | 総合タイム |
|---|---|---|
| 1位 | 東洋大学 | 10時間31分30秒 |
| 2位 | 中央学院大学 | 10時間33分31秒 |
| 3位 | 東海大学 | 10時間33分41秒 |
| 4位 | 専修大学 | 10時間33分42秒 |
| 5位 | 東京農業大学 | 10時間34分33秒 |
| 6位 | 山梨学院大学 | 10時間35分18秒 |
| 7位 | 大東文化大学 | 10時間35分23秒 |
| 8位 | 神奈川大学 | 10時間36分48秒 |
| 9位 | 日本体育大学 | 10時間39分52秒 |
| 10位 | 法政大学 | 10時間40分08秒 |
東海大学と4位の専修大学との差は、わずか1秒だった。3位という順位だけでなく、予選会の上位校が極めて接近したタイムで競っていた点にも注目したい。
この結果によって東海大学は、2027年1月2、3日に開催される第103回箱根駅伝への出場を決定。大学公式発表でも、2年連続53回目の本戦出場として報告されている。
永本脩・南坂柚汰・中野純平の個人成績
予選会でチームを引っ張ったのは、駅伝主将の永本脩だった。個人10位、1時間02分19秒という好記録でフィニッシュし、チーム最上位を記録。自己ベストも更新した。
続いたのが3年生の中野純平だ。個人12位、1時間02分25秒で、こちらも自己ベストを更新。4年生の南坂柚汰も個人14位、1時間02分34秒でまとめ、上位選手の安定感を示した。
東海大学陸上競技部中・長距離ブロックの公式結果に掲載された12人の成績は次のとおりだ。
第103回箱根駅伝予選会・東海大学出走選手
出典:東海大学陸上競技部中・長距離ブロック公式大会結果。PBは自己ベスト。
この12人のうち、永本、中野、平井、可児、矢口の5人が自己ベストを更新した。上位3人だけでなく、4番手以降にも記録を伸ばした選手が複数いることが、今回の予選会の特徴だ。
また、東海大学の公式発表によれば、7番手までの選手が全体の100位以内に入った。10人の合計タイムで競う予選会では、エースの順位だけでなく、チーム全体の選手層が結果を左右する。東海大学はその点で、強さを発揮した。
【予選会突破の理由】東海大学が終盤に順位を上げられた3つの要因
東海大学が予選会で3位に入った最大の要点は、序盤から先頭を走り続けたことではない。レース後半で順位を押し上げられるチームになったことだ。
1. 3グループによる集団走で選手の力を引き出した
東海大学は予選会で、選手を3グループに分けて集団走を展開した。
ハーフマラソンのような長距離レースでは、序盤から無理にペースを上げると後半に失速するリスクがある。集団走によってペースを整え、各選手が自分の力を発揮できるようにすることは、チーム全体のタイムをまとめるうえで有効な戦略だ。
今回の結果を見ると、個人10位から57位までに6人が入り、さらに85位の選手まで上位100人以内に食い込んだ。上位選手だけに負担を集中させず、複数の選手が結果を残したことが3位通過につながった。
2. 18km地点からの順位アップ
東海大学は18km通過時点で7番手だった。ところが、残り約3kmで各選手が追い上げ、最終的に3位まで順位を上げた。
月陸Onlineの大会報道によれば、西出仁明監督は、後半の3kmや1kmでペースアップすることを意識してきたと説明している。これまでのトレーニングに上積みを行った成果が、レース終盤の走りに表れたという。
この戦い方は、箱根駅伝の本戦にも通じる。箱根路は区間ごとに距離や高低差が異なり、序盤の勢いだけでは最後まで順位を維持できない。苦しい場面で粘り、後半に力を発揮できる選手をそろえることが必要になる。
3. 主将・永本脩がチームをまとめた
永本脩は予選会で個人10位に入り、チームトップの成績を残した。4年生の主将として、自身の走りでチームを引っ張った点も大きい。
月陸Onlineの取材では、永本はチーム全体に「みんなで戦っていこうという意識」があると振り返っている。個人の能力だけでなく、全員で結果を出すという姿勢が、今回の予選会での安定感につながった。
ただし、永本自身も本戦で戦うには、さらに一段、二段上のレベルが必要だという認識を示している。予選会3位は大きな成果だが、それだけで箱根駅伝のシード権が保証されるわけではない。
【西出仁明監督の新体制】「スピードの東海」復活への取り組み
2026年度の東海大学陸上競技部中・長距離ブロックでは、指導体制が大きく変わった。長年チームを率いてきた両角速氏が総監督に就任し、ヘッドコーチを務めていた西出仁明氏が新監督に昇格した。
東海大学が2026年4月3日に発表した新体制の説明によれば、西出氏は駅伝だけでなく、ロードレースやトラック競技でもさらなる飛躍を目指す方針だ。
西出仁明監督が重視する指導方針
西出監督が掲げるテーマは、伝統の「スピードの東海」の復活だ。
「スピードとスタミナの融合」
これは東海大学陸上競技部の公式サイトに掲載された監督メッセージで示されている考え方だ。
具体的には、科学的なデータの活用や医学部との連携を強みとし、選手一人ひとりの能力に合わせてスピードとスタミナを伸ばす指導を進める。練習の目的を選手と共有し、納得してトレーニングに取り組める環境づくりも重視している。
両角総監督が大切にしてきた「人間力なくして成長なし」という教えを引き継ぎながら、新しい指導方法を組み合わせる構想だ。
新体制で臨んだ全日本大学駅伝は総合11位
2026年11月1日には、第58回全日本大学駅伝対校選手権大会が開催された。東海大学は8区間106.8kmを走り、総合11位、5時間15分34秒という結果だった。
箱根駅伝予選会で見せた勢いを、全日本大学駅伝でもどこまで再現できるかが注目されたが、目標としていた8位以内のシード権には届かなかった。
一方、個人の走りには収穫があった。2区を走った永本脩は区間4位で、総合順位を12位から4位まで押し上げた。最終8区の南坂柚汰も区間6位の好走を見せている。
ただ、3区以降に順位を落とし、終盤までシード権争いを維持できなかった。前半で作った好位置を後続につなぐこと、各区間の安定感を高めることが今後の課題となる。
西出監督は大会後、劣勢の展開でも選手が最後まで前を追えた点を成長として評価しつつ、箱根駅伝に向けて細かな部分の積み上げと精度向上が必要だと語った。
予選会3位と全日本大学駅伝11位。この2つの結果を並べると、東海大学は長距離を走り切る力を伸ばしている一方、全国トップレベルの大学と競り合うための区間ごとの安定性が課題として残っていることが分かる。
【2027年箱根駅伝の展望】エントリー選手とシード権獲得の可能性
第103回箱根駅伝は、2027年1月2、3日に開催される。東海大学は予選会3位で出場権を獲得しており、本戦では総合10位以内に入ることが次の目標になる。
2026年11月5日時点では、東海大学の第103回本戦に向けた正式なチームエントリー選手と区間エントリーは発表されていない。そのため、10月の予選会に出場した12人を、そのまま本戦の正式メンバーと考えることはできない。
2027年大会で注目したい選手
現時点で有力な注目材料になるのは、予選会や全日本大学駅伝で実績を残した選手たちだ。
永本脩
予選会で個人10位、全日本大学駅伝では2区区間4位を記録した駅伝主将。スピードとレース後半の粘りを示しており、2027年箱根駅伝でも重要な戦力になる。
南坂柚汰
予選会で個人14位、全日本大学駅伝の8区では区間6位。2026年箱根駅伝でも4区区間5位を記録しており、長い距離への対応力と箱根路の経験を持つ。
中野純平
予選会で個人12位、自己ベストを更新した3年生。全日本大学駅伝では7区を担当した。今後のチームを支える中心選手として期待される。
平井璃空
予選会で個人25位、1時間02分48秒の自己ベストを記録した。全日本大学駅伝でも3区を担当しており、主要大会で経験を積んでいる。
松山優太・松山唯人
ともに予選会に出場した2年生。全日本大学駅伝では兄弟で4区、5区を担当した。今後の東海大学を支える若い世代として成長が注目される。
2027年のシード権獲得を左右する3つのポイント
東海大学が2027年大会でシード権を取り戻すには、次の3点が重要になる。
第一に、主要区間を任せられる選手の充実だ。 2区などの重要区間で上位校と競り合える選手を配置できれば、チーム全体の流れを作りやすくなる。
第二に、山上り・山下りへの対応力だ。 箱根駅伝は平地のスピードだけで勝負が決まる大会ではない。5区と6区を含め、山の特殊な条件に対応できる選手の育成と配置が欠かせない。
第三に、復路まで安定した選手層を維持することだ。 2026年大会では総合12位、全日本大学駅伝では11位だった。上位に食い込む力を持つ選手がいても、チーム全体の順位を維持できなければシード権には届かない。
予選会で見せた後半の追い上げを、箱根駅伝の10区間にどうつなげるか。西出監督が重視するスピードとスタミナの融合が、本戦でどのような形になるかが焦点となる。
第103回箱根駅伝の出場校は21チーム
2027年大会には、前回大会でシード権を獲得した10大学、予選会を突破した10大学、関東学生連合チームを加えた計21チームが出場する。
東海大学は予選会を3位で通過したため、出場権を獲得した大学の中でも上位の実績を持って本戦に臨むことになる。
ただし、予選会の順位は本戦の順位を保証するものではない。予選会での好成績を自信に変えながら、箱根のコースに合わせた戦略を構築することが求められる。
【歴代成績】東海大学は2019年に箱根駅伝初優勝
東海大学は箱根駅伝で長い歴史を持つ大学の一つだ。陸上競技部は1960年に創部され、1973年に箱根駅伝へ初出場した。
特に大きな転換点となったのが2019年の第95回大会である。東海大学は総合10時間52分09秒で、悲願の箱根駅伝総合初優勝を達成した。
翌2020年の第96回大会では総合2位となり、復路優勝も達成。2019年から2021年までの3大会で、総合優勝、総合2位、総合5位という安定した成績を残した。
主な歴代成績と近年の推移
- 1973年:箱根駅伝初出場。
- 2019年:第95回大会で総合初優勝。
- 2020年:第96回大会で総合2位、復路優勝。
- 2021年:第97回大会で総合5位。
- 2022年:第98回大会で総合11位。
- 2023年:第99回大会で総合15位。
- 2024年:第100回大会で総合11位。
- 2025年:本戦出場を逃す。
- 2026年:第102回大会で総合12位。
- 2027年:予選会3位で第103回大会の出場権を獲得。
2022年以降は総合11位、15位、11位と苦しい結果が続き、2025年には本戦出場を逃した。2026年には本戦に復帰したものの、12位でシード権を獲得できなかった。
こうした推移を考えると、2027年大会は単なる出場継続ではなく、2019年の優勝時代に培った強さを再び取り戻すための重要な大会になる。
東海大学の歴代成績は、箱根駅伝公式サイトの大学別記録にも掲載されている。総合順位だけでなく、往路・復路のタイムや区間成績を比較すると、チームがどの時期に力を発揮していたかが分かる。
【東海大学箱根駅伝】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東海大学は2027年の箱根駅伝に出場しますか?
A1:出場します。2026年10月17日の第103回箱根駅伝予選会で総合3位、10時間33分41秒を記録し、2年連続53回目の本戦出場を決めました。
Q2:東海大学の2026年箱根駅伝の結果は何位ですか?
A2:第102回大会で総合12位でした。総合タイムは10時間55分01秒で、シード権獲得に必要な10位以内には届きませんでした。
Q3:2027年大会で注目される東海大学の選手は誰ですか?
A3:永本脩、南坂柚汰、中野純平、平井璃空らです。永本は2026年予選会で個人10位、南坂は14位、中野は12位と好成績を残しました。正式な本戦エントリーは今後の発表が必要です。
Q4:東海大学が箱根駅伝で最後に優勝したのはいつですか?
A4:2019年の第95回大会です。総合タイム10時間52分09秒で初優勝を達成しました。
Q5:東海大学の2027年大会の目標は何ですか?
A5:大きな目標は総合10位以内に入り、シード権を獲得することです。2026年度のチーム目標にもシード権獲得が掲げられています。
Q6:東海大学の2027年箱根駅伝エントリー選手は発表されていますか?
A6:2026年11月5日時点では、本戦の正式なチームエントリーと区間エントリーは未発表です。予選会に出場した12人の成績は公表されていますが、本戦メンバーは別途発表されます。
まとめ:東海大学は2027年箱根駅伝でシード権奪還を目指す
東海大学は2026年の第102回箱根駅伝で総合12位となり、シード権を逃した。しかし、同年10月の第103回予選会では10時間33分41秒で3位に入り、2年連続53回目の本戦出場を決めている。
永本脩、中野純平、南坂柚汰らの活躍に加え、18km地点の7位から3位まで順位を上げた終盤の粘りは、チームの成長を示す結果だった。
一方、11月1日の全日本大学駅伝では総合11位となり、シード権を逃した。全国上位校との競争力を高めるには、エースの好走だけでなく、各区間で安定して順位を維持できる選手層が必要だ。
西出仁明監督が進める新体制では、科学的なデータ活用や医学部との連携、スピードとスタミナの融合を重視している。2019年の総合優勝を知る東海大学が、こうした取り組みを箱根路でどこまで成果につなげられるかが注目される。
2027年大会の最大の注目点は、予選会3位の勢いを本戦の総合10位以内につなげられるかどうかだ。 伝統の「スピードの東海」がシード権を奪還し、再び上位争いに加われるか。第103回箱根駅伝は、東海大学にとって復活への重要な一戦となる。