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【映画のあらすじ】小坂れいと鹿野ななの出会いは「ハチの埋葬」から始まる

安曇 春香 安曇 春香 • 更新: • 公開: • 読了約 18 分
目次

小坂れいと鹿野なな、それぞれが抱える孤独

物語の中心にいるのは、何事にも興味を持てず、退屈な高校生活を送る少年・小坂れいと、「死にたい」が口癖の少女・鹿野ななです。

小坂は、もともとサッカーに打ち込んでいました。しかし、けがによって競技を続けられなくなり、留年も経験。かつて持っていた情熱を失い、周囲との関わりを避けるようになっています。

一方の鹿野は、自分自身を好きになれず、周囲からも少し浮いた存在です。自傷行為を繰り返すなど、心の中に深い孤独を抱えています。しかし、彼女には小さな命を大切にする優しさがあります。

二人の運命が動き始めるのは、教室で死んでいたハチを鹿野が埋葬しようとする場面です。

ゴミ箱に捨てられたハチを拾い、わざわざお墓を作ろうとする鹿野。その不思議な行動に小坂が興味を持ち、二人の会話が始まります。

小坂の口癖は「殺すぞ」。鹿野の口癖は「死にたい」。

普通なら距離を置きたくなるような言葉を交わしながら、二人は少しずつ心を通わせていきます。

二人の関係を変えていく日常

小坂と鹿野の関係には、派手な恋愛ドラマのような展開がありません。

アイスを食べたり、何気ない会話をしたり、互いの考え方を知ったりする。そんな小さな出来事の積み重ねによって、二人の距離は縮まっていきます。

特に印象的なのは、小坂が鹿野の言動を頭ごなしに否定しないことです。

鹿野は、自分の存在には価値がないと感じています。しかし、小坂にとっては鹿野がそこにいること自体に意味があります。

小坂自身も、鹿野と過ごす時間を通じて、忘れていた他者への関心や未来への期待を取り戻していきます。

この作品が描いているのは、誰かを救う特別な能力ではありません。自分を理解してくれる人が一人いることによって、明日を迎える気持ちが少し変わるという、ごく身近な人間関係です。

もう二つの物語も同時に進んでいる

映画には、小坂と鹿野以外にも重要な人物が登場します。

- きゃぴ子と地味子: 恋愛や自己評価に悩む少女たちの関係。
- 撫子と八千代: 一途に思いを伝える少女と、恋愛に距離を置く少年の関係。

一見すると、それぞれ独立した青春エピソードです。しかし、物語が進むにつれて人物同士の関係や時間軸が結びついていきます。

この構成が、映画後半の展開に大きな意味を与えています。

【キャスト・作品情報】間宮祥太朗と桜井日奈子が演じる主要人物を整理

殺さない彼と死なない彼女

主要キャストと役柄一覧

映画の魅力を支えているのが、若手俳優を中心とした個性豊かなキャスト陣です。

登場人物 キャスト 役柄・人物像
小坂れい 間宮祥太朗 無気力で「殺すぞ」が口癖の少年
鹿野なな 桜井日奈子 生きづらさを抱える少女
宮定澄子(地味子) 恒松祐里 周囲を冷静に見つめる少女
堀田きゃぴ子 堀田真由 恋愛に奔放で自分の価値に悩む少女
大和撫子 箭内夢菜 八千代に思いを寄せる少女
宮定八千代 ゆうたろう 恋愛に淡々と向き合う少年
イケメンくん 金子大地 きゃぴ子の恋愛に関わる人物
サイコキラーくん 中尾暢樹 物語の事件に関わる人物
さっちゃん 佐藤玲 八千代の過去に関係する人物
きゃぴ子の母 佐津川愛美 きゃぴ子の家庭環境に関わる人物
小坂の母 森口瑤子 小坂を見守る母親

出演者と役名は角川シネマコレクションなどの作品情報に掲載されています。

間宮祥太朗が演じる小坂れいの魅力

間宮祥太朗が演じる小坂れいは、ぶっきらぼうで無愛想な少年です。

「殺すぞ」という強い言葉を繰り返す一方、鹿野の存在を大切にしています。

小坂の魅力は、優しさを分かりやすい言葉で表現しないところにあります。

間宮祥太朗の落ち着いた演技は、そんな小坂の不器用さと内面の繊細さを表現しています。特に、鹿野と過ごす時間が増えるにつれて表情や言葉の印象が変わっていく点に注目です。

桜井日奈子が演じる鹿野ななの繊細さ

桜井日奈子が演じる鹿野ななは、感情表現が豊かで、どこか危うさを感じさせる少女です。

「死にたい」と繰り返しながらも、他人や小さな命の痛みに敏感な一面があります。

桜井は映画公開前のインタビューで、鹿野の感情表現について、監督と話し合いながら役柄を作り上げていったことを語っています。

単純に明るい少女でも、悲しみに沈んだ少女でもない。その両方を持つ鹿野の複雑さが、作品の感情的な中心になっています。

小林啓一監督が作り上げた映像世界

監督・脚本を担当したのは小林啓一です。

『ももいろそらを』『ぼんとリンちゃん』『逆光の頃』など、若者の日常や繊細な心理描写を扱った作品を手掛けてきました。

本作でも、日常の何気ない会話と突然訪れる出来事の落差を生かしています。

単に漫画のエピソードを映像化するのではなく、複数の登場人物の人生を一つの映画として再構成した点が大きな特徴です。

公開日・上映時間・主題歌などの基本データ

作品の基本情報は次のとおりです。

- 作品名: 殺さない彼と死なない彼女
- 劇場公開日: 2019年11月15日
- 上映時間: 123分
- ジャンル: 青春・恋愛・ドラマ
- 原作: 世紀末
- 監督・脚本: 小林啓一
- 音楽: 奥華子
- 主題歌: 奥華子「はなびら」
- 配給: KADOKAWA/ポニーキャニオン

映画の製作年は2019年。2026年11月時点では、公開から約7年が経過しています。

【原作漫画と映画の違い】世紀末の四コマ作品を小林啓一監督はどう再構成した?

原作漫画は2017年発売の世紀末の作品

原作者の世紀末は、SNSに投稿した漫画で読者の支持を集めた漫画家です。

『殺さない彼と死なない彼女』は、世紀末の初単行本として2017年3月23日にKADOKAWAから発売されました。

単行本はA5判、144ページ。価格は発売当時の税込1,100円です。

注目したいのは、原作が単一の恋愛ストーリーではないことです。

KADOKAWAの公式書誌情報によると、収録作品は次の構成になっています。

- 「きゃぴ子」
- 「君が代ちゃん」
- 「INTERMISSION」
- 「殺さない彼と死なない彼女」

ネット上で発表されていた作品に新規エピソードを加え、全面的に描き直して単行本化されました。

つまり、映画のタイトルになっている物語だけでなく、ほかの登場人物たちの人生も原作の重要な要素なのです。

原作と映画で最も大きく異なるのは物語のつなぎ方

映画版の大きな特徴は、原作で別々に描かれていた三つの物語を、一つの時間軸とテーマでつないだことです。

原作では、それぞれの登場人物の恋愛や孤独が独立した物語として展開します。

一方、映画では小坂と鹿野、きゃぴ子と地味子、撫子と八千代の関係を並行して描き、少しずつ共通点を見せていきます。

特に重要なのが「未来の話をしよう」という言葉です。

小坂と鹿野の間で生まれたこの考え方が、別の登場人物たちにも受け継がれていきます。

Real Soundの映画評論では、原作の「INTERMISSION」に登場する人物の存在や、各エピソードをつなぐ言葉が映画版の再構成に生かされている点が指摘されています。

映画版では人物の名前や設定にも調整がある

原作と映画を比較すると、人物の呼び方にも違いがあります。

例えば、原作の「君が代ちゃん」に対応する映画の人物は「大和撫子」です。

また、映画では登場人物の関係性やエピソードを整理し、映像として理解しやすい構成にしています。

この変更は、原作の魅力を損なうためのものではありません。

四コマ漫画は、短いページの中に会話や感情の変化を凝縮できる表現形式です。一方、映画は時間の流れや人物の表情、場面のつながりによって感情を伝えます。

小林監督はこの違いを生かし、複数の物語が最終的に一つのテーマへ集約される構成を採用しました。

続編漫画『殺さない彼と死なない彼女 After』も発売されている

原作ファンが知っておきたいのが、続編にあたる漫画作品の存在です。


『After』では、「殺さない彼と死なない彼女」に加えて、「きゃぴ子」「君が代ちゃん」のその後も描かれています。

映画を観て登場人物たちの人生が気になった人にとって、原作世界をさらに楽しめる一冊です。

なお、これは漫画の続編であり、2019年公開映画の続編映画とは別の作品です。

【結末ネタバレ】小坂れいはどうなる?鹿野ななが最後に選ぶ未来

重大なネタバレあり

ここからは映画の結末に触れます。まだ鑑賞していない人は注意してください。

小坂れいを襲う突然の悲劇

小坂と鹿野は、少しずつ将来について話せる関係になっていきます。

小坂は鹿野に、一緒の大学へ進学しようと提案します。

鹿野は自分の学力に自信がなく、最初はその話に前向きになれません。しかし、小坂は今できないことが未来もできないとは限らないと伝え、二人で将来を考えようとします。

ところが、その帰り道に悲劇が起こります。

小坂は、サイコキラーくんに突然襲われ、命を落としてしまうのです。

それまで二人が積み重ねてきた日常と、これから訪れるはずだった未来が突然断ち切られます。

鹿野は小坂の死を受け入れられるのか

小坂の母親から連絡を受け、鹿野は彼の死を知ります。

葬儀では感情を抑えきれず、取り乱してしまいます。

鹿野にとって小坂は、初めて自分の存在を自然に受け入れてくれた大切な人でした。

彼を失ったことで、再び生きる意味を見失いそうになります。

その夜、鹿野の夢に小坂が現れます。

鹿野は小坂に会うために自分も死ねばよいのかと尋ねますが、小坂はそれを肯定しません。そして、自分の部屋に鹿野へ渡したいものがあると伝えます。

誕生日プレゼントと手紙が伝える小坂の思い

翌日、鹿野は小坂の部屋を訪れます。

そこで見つけるのが、小坂が用意していた猫の小物と、鹿野に宛てた手紙です。

実は、小坂の葬儀の日は鹿野の18歳の誕生日でした。

小坂は彼女の誕生日を覚えており、プレゼントまで用意していたのです。

鹿野は、彼が自分のことをどれほど大切に思っていたのかを改めて知ります。

そして再び夢の中に現れた小坂は、これからも鹿野を見守っているという思いを伝えます。

この出来事をきっかけに、鹿野は小坂のいない世界でも生きていこうとします。

最後に鹿野が撫子へ伝えたもの

物語の終盤、鹿野は大学生になっています。

ある日、彼女はリストカットをしそうになっている撫子を見つけます。

かつて自分が小坂から受け取った優しさを、今度は別の誰かへ伝えようとする鹿野。

彼女は撫子に寄り添い、未来について話そうとします。

ここで注目したいのは、物語の中で繰り返されてきた「未来」という考え方です。

最初は自分の未来を想像できなかった鹿野が、今度は誰かの未来を一緒に考える側になっています。

小坂は亡くなりますが、鹿野は生き続けます。

これが映画の重要な結末です。

タイトルから鹿野も命を落とすと思う人がいる可能性がありますが、物語の最後に描かれるのは、彼女が小坂との思い出を抱えながら前へ進む姿です。

【主題歌・評判・口コミ】奥華子「はなびら」が作品に残す余韻


奥華子の「はなびら」が作品と重なる理由

本作の音楽を担当したのは、シンガーソングライターの奥華子です。

主題歌には「はなびら」が採用されました。

奥華子の楽曲は、繊細な歌声や感情を丁寧に伝える表現で知られています。

本作のように、登場人物が自分の気持ちをうまく言葉にできない物語では、音楽が感情を補う役割を果たします。

特に、喪失を描く終盤では、観客が登場人物の心情を受け止めるための余韻が重要です。

「はなびら」というタイトルも、青春の一瞬の美しさや、失われていく時間を思わせるものです。

映画の世界観と主題歌の組み合わせも、作品の印象を強める要素になっています。

評判・口コミで評価されているポイント

映画レビューでは、特に次のようなポイントが評価されています。

1. 予想を裏切る物語の構成

序盤は独立した青春エピソードのように見えますが、後半になるにつれてそれぞれの人物の関係がつながっていきます。

一度鑑賞した後に、もう一度最初から伏線を確認したくなるという楽しみがあります。

2. 不器用な二人の会話

小坂と鹿野のやり取りには、一般的な恋愛映画のような甘い台詞が多くありません。

それでも、二人の間にしか成立しない距離感があり、そこに魅力を感じる観客がいます。

3. ラストの切なさと希望

小坂の死は大きな衝撃ですが、映画は悲しみだけで終わりません。

鹿野が別の誰かに手を差し伸べる姿によって、受け取った優しさが次の人へ伝わっていく構造になっています。

一方で、強い言葉遣いや自傷行為、突然の死を扱うため、気軽に楽しめる明るい恋愛映画を期待した人には重く感じられる場合もあります。

2026年時点の映画レビュー評価

レビューサイトでは、集計方法や投稿者数によって評価に違いがあります。

レビューサイト 表示評価 特徴
Filmarks 3.8/5.0 多数の鑑賞者による感想
映画.com 4.2/5.0 個別レビューと評価
KINENOTE 75.6/100 映画作品の採点データ

これらは各サイトで確認できる評価の表示例で、集計時期や投稿数によって変動します。単純に点数だけで作品の良し悪しを決めるよりも、レビューに書かれた感想の傾向を読むことが大切です。

この映画をおすすめできる人・できない人

おすすめできる人 注意したい人
繊細な青春ドラマが好き 明るい恋愛映画を求めている
複数の人物の物語が交差する作品が好き 単純で分かりやすい展開を好む
切ない結末や余韻を楽しみたい 悲劇的な展開が苦手
原作漫画と映画を比較したい 自傷や死を扱う作品を避けたい

この映画の魅力は、単に泣けることではありません。孤独な人間同士が出会い、互いの存在を認めることで、それまでとは違う未来を考えられるようになる点にあります。

【よくある質問】殺さない彼と死なない彼女に関するFAQ

Q1:映画『殺さない彼と死なない彼女』の公開日はいつですか?

2019年11月15日です。上映時間は123分で、間宮祥太朗と桜井日奈子がダブル主演を務めています。

Q2:原作漫画を描いたのは誰ですか?

漫画家の世紀末です。KADOKAWAから2017年3月23日に単行本が発売されました。三つの恋愛物語を収録した四コマ漫画作品です。

Q3:小坂れいと鹿野ななを演じた俳優は誰ですか?

小坂れい役は間宮祥太朗、鹿野なな役は桜井日奈子です。

Q4:映画の最後に小坂れいは死んでしまうのですか?

はい。小坂はサイコキラーくんに襲われて命を落とします。一方、鹿野は生き続け、大学へ進学し、最後には撫子を支える存在になります。

Q5:原作漫画と映画版では結末が違いますか?

映画版では原作の三つの物語をつなぐ構成に再編集されています。小坂と鹿野の物語を中心に、きゃぴ子と地味子、撫子と八千代のエピソードが結びつく点が特徴です。

Q6:主題歌は誰が歌っていますか?

奥華子の「はなびら」です。奥華子は映画の音楽も担当しています。

Q7:続編はありますか?

漫画の続編『殺さない彼と死なない彼女 After』があります。2021年5月26日発売で、原作の登場人物たちのその後を描いています。2019年の映画とは別の漫画作品です。

まとめ:殺さない彼と死なない彼女が伝える「誰かと生きる」という希望

『殺さない彼と死なない彼女』は、世紀末の四コマ漫画を小林啓一監督が実写映画化した青春ラブストーリーです。

2019年11月15日に公開され、間宮祥太朗が小坂れいを、桜井日奈子が鹿野ななを演じました。さらに恒松祐里、堀田真由、箭内夢菜、ゆうたろうらが参加し、三つの物語を一つにつなぐ群像劇として完成しています。

原作漫画と映画版の大きな違いは、独立していたエピソードを時間軸や共通の言葉によって結びつけた点です。特に「未来の話をしよう」という考え方は、小坂と鹿野だけでなく、ほかの登場人物たちの人生にも影響を与えます。

小坂の死という悲しい結末を迎えながらも、鹿野が生き続け、今度は別の誰かを支える姿が描かれることによって、作品は希望を残します。

この映画を深く理解するなら、まず映画を鑑賞し、その後に世紀末の原作漫画を読む順番がおすすめです。映画で見つけた人物同士のつながりを原作で確認すると、同じエピソードでも異なる印象を受けるはずです。

恋愛映画という枠を超えて、孤独、他者とのつながり、そして未来を生きることを考えさせてくれる一作。それが『殺さない彼と死なない彼女』の長く心に残る魅力です。

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トレンドリサーチャー 安曇 春香
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芸能ニュース担当として3年以上の取材経験。geinou領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

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