2026年11月4日現在、金久保優斗は韓国プロ野球KBOリーグのキウム・ヒーローズで2026年シーズンを終えています。
背番号はヤクルト時代と同じ48番。KBOでの登録名は「ユウト」です。投手として登録され、主に救援投手としてチームのブルペンを支えました。
2026年の最終成績は、10月12日に終了した公式戦の記録によると次のとおりです。
守護神から中継ぎまで、変化した登板ポジション
2026年の金久保を理解するうえで重要なのは、シーズンを通して役割が変化したことです。
6月23日付のスポーツナビの室井昌也氏による取材記事では、金久保はクローザーとして活躍し、4月下旬からリードまたは同点の終盤に登板していたと紹介されています。当時は35試合で4勝4敗、11セーブ、7ホールドという数字を残していました。
加えて、持ち味の直球は最速155キロ、平均球速148キロと報じられています。直球の割合も全投球の約74%に達しており、力強いストレートで打者を押し込むスタイルが評価されていました。
しかし、9月15日付の韓国メディア「スポーツ京郷」のインタビューでは、シーズン当初は先発投手として準備していたものの、開幕後にセットアッパーへ転向。その後クローザーを務め、夏以降はセットアッパーと抑えを兼任し、最近は中継ぎとして起用されていると説明されています。
つまり、2026年の金久保は固定された守護神というより、試合状況に応じて役割を任されるブルペンのマルチリリーフとして働いたシーズンでした。
前半戦の好調と後半戦の失速
2026年の成績には、前半と後半で大きな差があります。
スポーツ京郷によると、前半戦は42試合で5勝5敗、10ホールド、12セーブ、防御率3.03。アジアクォーターで加入した投手の中でも高い評価を受けていました。
ところが8月以降の11試合では、1敗、2ホールド、2セーブ、防御率18.47と急激に数字を落としています。この期間には被本塁打も4本ありました。
この失速が、最終防御率5.19に影響したと考えられます。14セーブ、12ホールドという実績だけを見れば成功ですが、防御率や終盤の安定感まで含めると、課題も残ったシーズンです。
それでも、NPBで出場機会を失った投手が韓国で59試合に登板し、複数の救援ポジションを経験したことは大きな変化です。
【ヤクルト戦力外の理由】金久保優斗はなぜ退団したのか?
金久保が東京ヤクルトスワローズから戦力外通告を受けたのは、2025年9月29日です。
2017年ドラフト5位で入団してから8年目。球団事務所で通告を受けた金久保は、今後の野球継続について迷いがあることを明かしました。
日刊スポーツの取材では、2025年シーズンの一軍成績は12試合登板、0勝1敗、1ホールド、防御率7.71。本人も結果を残せていなかったと振り返っています。
戦力外につながった成績の低迷
2021年には将来の先発候補として期待されましたが、その後は一軍で安定した結果を残せませんでした。
年度別の推移を見ると、2021年の好成績から2022年に防御率7点台へ悪化し、2023年以降も一軍での登板数が限られています。
2025年には自己最多の12試合に登板したものの、14イニングで23安打を許し、被本塁打も4本。WHIPは1.93でした。登板機会が増えた一方で、打者を抑えきれなかったことが数字に表れています。
戦力外の背景として読み取れるのは、将来性や球速だけでは補えない、一軍での継続的な結果不足です。球団が公表した契約終了の理由を特定の故障や個人的事情に結びつける根拠はありません。
2021年の4勝、防御率2.74はなぜ重要なのか
金久保のキャリアを語るうえで、2021年は外せません。
この年は10試合に登板し、8試合に先発。42回2/3を投げて4勝1敗、防御率2.74を記録しました。勝率は8割で、34奪三振という数字も残しています。
当時の評価を支えたのは、力強い直球と先発投手としての可能性でした。NPBで最速154キロを記録した右腕として、将来的なローテーション入りを期待されていたのです。
ただし、一軍で4勝を挙げたことと、先発投手として長期的に定着することは別問題です。その後の登板数の推移が、プロ野球で結果を継続する難しさを示しています。
【韓国移籍の経緯】金久保優斗がキウムを選んだ理由
ヤクルト退団後の金久保は、当初から韓国移籍だけに絞っていたわけではありません。
2025年9月29日の戦力外通告後、日刊スポーツの取材に対し、NPBでプレーしたい気持ちはあるものの、韓国など海外での現役続行も視野に入れる考えを示しました。
その後、2025年12月16日、キウム・ヒーローズが金久保との契約を正式発表。ヤクルト時代と同じ背番号48で、韓国での新たな挑戦が決まりました。
キウムを選択した決め手
2026年6月23日付のスポーツナビのインタビュー記事で、金久保は移籍の経緯を語っています。
本人によると、韓国でのプレーを一度経験してみたいという思いがあり、複数の球団から声がかかった中で、最も早く連絡をくれたのがキウムでした。
また、韓国の球団とはフェニックス・リーグなどで対戦する機会があり、自主トレーニングでも韓国を訪れた経験がありました。韓国野球を全く知らない状態での挑戦ではなかったことも、決断を後押ししたと考えられます。
移籍後はKBOの公認球を使用して練習。自分の武器であるストレートが、韓国の打者にどこまで通用するかを試したいという意欲も示していました。
2026年に導入されたアジアクォーター制度
金久保の韓国移籍を語るうえで欠かせないのが、KBOのアジアクォーター制度です。
韓国プロ野球は2026年シーズンから、従来の外国人選手枠とは別に、アジアおよびオーストラリアの選手を対象とする新しい枠を導入しました。
この制度では各球団が対象選手を1人獲得でき、新規契約時の年俸・契約金・出来高・移籍金などを合わせた費用には20万ドルの上限があります。
キウムはこの制度を利用して金久保を獲得しました。NPBで実績を残したものの一軍定着には至らなかった若手投手にとって、海外で実績を積み直す機会になったわけです。
【プロフィール・経歴年表】東海大市原望洋高校から韓国KBOへ
金久保優斗は1999年11月4日生まれ、千葉県出身の右投左打の投手です。身長185センチ、体重87キロ。2026年11月4日で27歳になりました。
高校は千葉県の東海大学付属市原望洋高校。2017年のドラフト会議でヤクルトから5位指名を受け、プロ入りしました。
高校時代からスタミナと直球に特徴があり、2017年のセンバツでは滋賀学園との1回戦で延長14回を投げ抜いた経験があります。週刊ベースボールのドラフト関連記事では、長いイニングを投げる能力が注目されていました。
金久保優斗のキャリアと転換点
この年表から見えてくるのは、金久保が一度の好成績だけで終わった選手ではなく、先発候補から救援投手へと役割を変えながら、プロとしての生き残りを模索してきたことです。
【NPBとKBOの成績比較】金久保優斗は韓国で成長したのか?
金久保の2026年を評価する際には、NPB時代の通算成績と比較する必要があります。
ヤクルト時代は一軍34試合に登板し、5勝4敗、1ホールド、防御率4.31。韓国移籍後は59試合に登板し、5勝5敗、14セーブ、12ホールド、防御率5.19でした。
NPB時代とKBO時代の比較
| 比較項目 | NPB(ヤクルト通算) | KBO(キウム・2026年) |
|---|---|---|
| 登板 | 34試合 | 59試合 |
| 勝利 | 5勝 | 5勝 |
| 敗戦 | 4敗 | 5敗 |
| セーブ | 0 | 14 |
| ホールド | 1 | 12 |
| 防御率 | 4.31 | 5.19 |
| 投球回 | 87回2/3 | 50回1/3 |
| 奪三振 | 69 | 54 |
この比較で注目したいのは、登板数が大幅に増えた一方、投球回は少なくなっている点です。
NPBでは先発も経験していましたが、KBOでは短いイニングを任される救援投手としての起用が中心でした。勝敗や防御率だけを単純に比較すると、投手としての役割の違いを見落としてしまいます。
評価できるポイントと今後の課題
2026年の金久保には、明確なプラス材料があります。
第一に、59試合という登板数です。ヤクルト時代の一軍通算34試合を上回る機会を得ており、韓国でブルペンの戦力として一定の信頼を獲得したことが分かります。
第二に、14セーブと12ホールドです。クローザーとセットアッパーの両方を経験し、終盤の重要な場面で起用されました。10セーブと10ホールドを同時に達成したことは、外国人選手としてKBO史上初めてだったとスポーツ京郷は報じています。
一方で、防御率5.19、WHIP1.63は改善が必要な数字です。後半戦の失速を踏まえると、被本塁打を抑えることや、直球以外の球種も含めて打者に的を絞らせない投球が課題になります。
また、NPB復帰を目指す場合には、KBOでのセーブ数だけでなく、年間を通じた防御率、走者を背負った場面での投球、連投への対応力も評価材料になるでしょう。
【年俸推移】ヤクルト時代からキウム移籍後まで
金久保の年俸は、ヤクルト時代に2022年の1,200万円をピークとして、その後は減少しました。
週刊ベースボールONLINEなどに掲載された推定年俸を整理すると、次のようになります。
- 2018年:500万円
- 2019年:500万円
- 2020年:500万円
- 2021年:580万円
- 2022年:1,200万円
- 2023年:1,000万円
- 2024年:900万円
- 2025年:900万円
これらは公表された推定年俸であり、本人の契約書に基づく確定額ではありません。
2026年のキウムとの契約金額
韓国移籍時の契約については、2025年12月の報道で、基本年俸10万ドル、出来高3万ドル、総額13万ドルと伝えられています。
これは新設されたアジアクォーター制度の上限20万ドル以内に収まる契約です。
重要なのは、NPB時代の年俸とKBOでの契約金額を、為替だけで単純比較しないことです。出来高の有無や契約制度、税金、生活費などの条件が異なるためです。
金久保にとって2026年の韓国移籍は、短期的な収入だけでなく、プロ野球選手としての市場価値をもう一度高めるための挑戦でもありました。
【金久保優斗に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:金久保優斗は現在どこの球団に所属していますか?
A1:2026年シーズンは韓国KBOリーグのキウム・ヒーローズでプレーしました。背番号は48、登録名はユウトです。
Q2:金久保優斗の2026年の成績は?
A2:公式戦59試合に登板し、5勝5敗、14セーブ、12ホールド、防御率5.19、54奪三振でした。投球回は50回1/3です。
Q3:金久保優斗がヤクルトを戦力外になった理由は何ですか?
A3:2025年シーズンに一軍12試合で0勝1敗、1ホールド、防御率7.71と結果を残せなかったことが、成績面での大きな背景です。本人も戦力外通告を受けた際、結果が出ていなかったと振り返っています。
Q4:金久保優斗は2021年に何勝しましたか?
A4:2021年は10試合に登板し、4勝1敗、防御率2.74でした。プロ入り後の代表的な好成績です。
Q5:金久保優斗の韓国移籍はいつ決まりましたか?
A5:2025年12月16日にキウム・ヒーローズが獲得を発表しました。2026年からKBOのアジアクォーター選手としてプレーしています。
まとめ:【プロの結論】金久保優斗の韓国挑戦は再起の第一歩
金久保優斗の2026年は、ヤクルト時代の戦力外通告から韓国で新しい役割をつかんだ、キャリアの大きな転換点でした。
2021年に4勝、防御率2.74を記録した才能は、2026年のキウムで14セーブ、12ホールドという形で再び評価されました。先発候補だった投手が、クローザーやセットアッパー、中継ぎを経験したことも大きな変化です。
ただし、防御率5.19という最終成績は、手放しで成功と評価できるものではありません。前半戦の防御率3.03から後半戦に失速した事実は、今後の課題を明確にしています。
今後の金久保を評価する際には、次の3点が判断基準になります。
- 投球の安定性:後半戦に崩れた防御率を改善できるか。
- 役割の確立:クローザー、セットアッパー、中継ぎのどこで最も力を発揮できるか。
- 継続性:シーズンを通して安定した登板と結果を残せるか。
2026年の金久保は、NPBでの実績を韓国で再構築する可能性を示しました。一方、次のステップに進むには、速球の威力だけでなく、長いシーズンを戦い抜く安定感が欠かせません。
戦力外からKBOの重要な救援投手へ。金久保優斗の挑戦は、プロ野球選手にとって一度の戦力外通告がキャリアの終わりではないことを示す事例になっています。