「ハクション大魔王2020」は、1969年版の単純なリメイクではありません。オリジナル版から約50年後の世界を舞台にした正統な続編です。タツノコプロと読売テレビが制作し、アニメーション制作には日本アニメーションも参加しました。
放送期間は2020年4月11日から9月26日まで。全20話で構成されています。監督は濁川敦、シリーズ構成は金杉弘子が担当しました。
物語の中心は、魔法の国の王位を継ぐための修行にやって来たアクビです。修行の相手となるのは、かつて大魔王の主人だったカンちゃんの孫・与田山カン太郎。アクビはカン太郎の夢を見つけるため、魔法を使ってさまざまな職業を体験させます。
加えて、アクビの弟であるプゥータが新登場。いたずら好きな性格で、姉とは異なる形で人間界に騒動を巻き起こします。旧作の親子関係を残しながら、魔法使い一家の新しい物語が展開されます。
1969年版と2020年版の違いを比較
| 比較項目 | 1969年版 | 2020年版 |
|---|---|---|
| 作品の位置づけ | オリジナル作品 | 約50年後の続編 |
| 放送期間 | 1969年10月~1970年9月 | 2020年4月~9月 |
| 話数 | 全104話(52回) | 全20話 |
| 物語の中心 | カンちゃんと大魔王 | カン太郎とアクビ |
| アクビの目的 | 父親と人間界で騒動を起こす | 女王になるための修行 |
| 新キャラクター | ブル公など | プゥータなど |
| 大魔王の声 | 大平透 | 山寺宏一 |
| アクビの声 | 貴家堂子 | 諸星すみれ |
| 物語の主題 | 願い事とドタバタ劇 | 夢探しと成長 |
最大の違いは「願いをかなえる物語」から「夢を見つける物語」への変化
1969年版では、カンちゃんが大魔王に願い事をして、その実現をめぐって失敗や騒動が起こるという構造が基本でした。視聴者は、魔王がどのように願いをかなえようとするのか、その予想外の結果を楽しみます。
一方、2020年版ではカン太郎自身が自分の夢を見つけることが大きなテーマになっています。アクビが魔法で職業体験を手助けするという展開は、子どもたちが将来について考えるきっかけにもなります。
この変更には、時代背景の違いが表れています。1969年版が日常の願いを題材にしたユーモアを中心としていたのに対し、2020年版は自己実現や将来の選択というテーマを物語に取り入れています。
また、旧作では大魔王とアクビが人間界で起こす騒動が中心でしたが、新作ではアクビ自身の成長が物語を引っ張ります。キャラクターの世代交代だけでなく、主人公としての役割まで変化している点が大きな特徴です。
【主題歌・音楽の歴史】嶋崎由理と堀江美都子から奥田民生へ
「ハクション大魔王」を印象づけるもう一つの要素が主題歌です。オリジナル版と2020年版では楽曲の方向性が異なりますが、どちらも作品の個性を音楽で表現しています。
1969年版の主題歌
日本コロムビアの公式音楽商品情報でも、この2曲がそれぞれ1969年版のオープニング・エンディングテーマとして記録されています。
特に「アクビ娘」は、アクビというキャラクターの人気を語るうえでも欠かせない楽曲です。歌唱を担当した堀江美都子は、アニメソングの歴史を代表する歌手の一人として知られています。
2020年版の主題歌
2020年版のオープニングを担当した奥田民生は、旧作のオープニングが持つ魅力を生かしながら新しい楽曲を制作したと、読売テレビの公式音楽情報で紹介されています。
エンディングは放送途中で変更され、初期はフレンズの「あくびをすれば」、7月11日放送回からは中川翔子の「フレフレ」が採用されました。作品のテーマである夢や成長を、音楽面からも支えています。
【2026年最新情報】ハクション大魔王は現在も愛されている?
2026年11月4日時点で注目したいのは、ハクション大魔王がテレビアニメの放送終了後も、タツノコプロのキャラクターとして商品展開を続けていることです。
2026年10月にBREEZEとのコラボ商品が登場
タツノコプロは2026年10月2日、キッズブランド「BREEZE(ブリーズ)」から「ハクション大魔王」と「アクビちゃん」のロングTシャツやトレーナーが発売されたと公式ニュースで発表しました。
商品には、アクビちゃんのペプラムロングTシャツやオシャレトレーナー、大魔王のロングTシャツ、大人向けのキャラクタートレーナーなどがあります。子ども向けサイズだけでなく、大人向け商品も用意されており、親子でキャラクターを楽しめる展開です。
これは、1969年に生まれたキャラクターが、現在も新しい商品企画の対象になっていることを示す動きです。懐かしさを感じる親世代と、キャラクターのデザインに親しむ子ども世代をつなぐ展開としても興味深い事例です。
なお、2026年11月時点で確認できる今回の公式発表は、テレビアニメの新シリーズではなく、既存キャラクターを使った商品展開です。新作アニメの放送決定と混同しないようにしたいところです。
現在の作品情報を確認するなら公式資料が基本
作品の放送履歴やキャストを調べる場合、最も基本となる資料はタツノコプロの公式作品紹介と、2020年版の読売テレビ公式サイトです。
- 1969年版:タツノコプロ公式作品情報で放送期間・全104話・作品概要を確認できる。
- 2020年版:タツノコプロと読売テレビの作品情報で、全20話・キャスト・スタッフを確認できる。
- 音楽:日本コロムビアの公式商品情報や読売テレビの音楽情報で主題歌を確認できる。
- 2026年の商品展開:タツノコプロのニュースで最新のライセンス商品情報を確認できる。
動画配信サービスの取り扱いは時期や地域によって変わります。旧作と2020年版では配信状況が異なる場合もあるため、視聴する際は各サービスの作品ページで最新情報を確認するのが確実です。
よくある誤解と、作品を楽しむための判断基準
「ハクション大魔王」には、放送回数やリメイクと続編の区別など、検索時に混乱しやすいポイントがあります。
- 誤解1:全104話だから104回放送された。 実際は全52回で、1回2話構成のため全104話です。
- 誤解2:2020年版は1969年版のリメイク。 実際は約50年後の世界を描いた続編です。
- 誤解3:アクビは2020年に初めて登場した。 アクビは1969年版から登場している主要キャラクターです。
- 誤解4:2020年版のカン太郎は旧作のカンちゃん本人。 カン太郎はカンちゃんの孫であり、別の世代のキャラクターです。
初めて作品を見る人には、次の選び方がおすすめです。
| 視聴したい内容 | おすすめ |
|---|---|
| 昭和アニメの雰囲気や名キャストを楽しみたい | 1969年版 |
| 大平透・貴家堂子の演技を聞きたい | 1969年版 |
| 山寺宏一・諸星すみれの新しい演技を楽しみたい | 2020年版 |
| アクビの成長や将来の夢をテーマにした物語を見たい | 2020年版 |
| キャラクターの変化を比較したい | 両作品を順番に視聴 |
旧作を先に見ると、2020年版でカンちゃんが祖父になっていることや、アクビの立場が変わっていることを理解しやすくなります。シリーズの変遷を味わうなら、1969年版から2020年版へ進む順番が適しています。
【ハクション大魔王に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:ハクション大魔王は全部で何話ありますか?
A1:1969年版は全52回・全104話です。1回30分の放送に2本のエピソードが収録されていました。2020年版は全20話です。
Q2:初代ハクション大魔王の声優は誰ですか?
A2:1969年版の大魔王役は大平透です。2020年版では山寺宏一が引き継いでいます。
Q3:アクビちゃんの歴代声優は誰ですか?
A3:1969年版では貴家堂子、2020年版では諸星すみれが担当しました。どちらもアクビの愛らしさや元気な性格を表現した出演者です。
まとめ:ハクション大魔王が世代を超えて愛される理由
「ハクション大魔王」は、1969年にタツノコプロが生み出したギャグアニメの代表作です。くしゃみで壺から現れる魔人というユニークな設定、失敗ばかりの大魔王、魔法が得意なアクビ、そしてカンちゃんとの掛け合いが作品の魅力を形づくっています。
1969年版は全52回・全104話という構成で放送され、大平透、貴家堂子、加藤みどりという声優陣がキャラクターに命を吹き込みました。2020年版では山寺宏一、諸星すみれ、山下大輝らが参加し、カンちゃんの孫・カン太郎を中心とした新しい物語が描かれています。
両作品を比較すると、単に声優や映像が新しくなっただけではないことが分かります。1969年版は願い事をめぐるドタバタ劇、2020年版は夢を見つけるための成長物語という違いがあります。それぞれの時代の子どもたちに向けたテーマを取り入れながら、魔法の壺という象徴的な設定を受け継いでいるのです。
2026年もBREEZEとのコラボ商品が登場するなど、キャラクターの存在感は続いています。初めて見るなら、まずは1969年版で大魔王とアクビの原点を知り、その後に2020年版を見るのがおすすめです。50年という時間を越えて受け継がれたキャラクターの魅力を、世代ごとの違いとともに楽しめます。