最初に、3試合の結果を整理する。会場はいずれもシアトルの本拠地、T-Mobile Park。3日間でマリナーズが2勝、カブスが1勝を挙げた。
3試合の合計得点は、カブス28点、マリナーズ13点。最終戦の19得点がシリーズ全体の数字を大きく押し上げた。
ただし、得点数だけを見ればカブスが圧倒しているものの、シリーズの勝敗はマリナーズに軍配が上がった。2試合連続で終盤に試合をひっくり返したことが、その理由だ。
【8月21日】延長10回の激闘!レオ・リバスがサヨナラ打で6対5
2026年8月21日・T-Mobile Park
初戦は、シリーズの流れを象徴するような接戦だった。
カブスは1回表、ピート・クロウ=アームストロングが先頭打者本塁打を放ち、いきなり先制。さらにアレックス・ブレグマンの2ラン本塁打で加点し、序盤から3対0とリードした。
マリナーズの先発エマーソン・ハンコックに対して、カブス打線が早い段階から強いプレッシャーをかけた展開だ。
しかし、マリナーズは2回裏に反撃する。
ジョシュ・ネイラーの安打などで好機を作ると、カル・ローリーが3ラン本塁打を放ち、3対3の同点に追いついた。さらにコール・ヤングの安打に続いてブレンダン・ドノバンが適時打を放ち、4対3と逆転した。
5回にはランディ・アロザレーナの適時打で5対3。マリナーズが試合の主導権を握ったかに見えた。
ところが、カブスも簡単には引き下がらない。
8回表にイアン・ハップがソロ本塁打を放って5対4。さらに9回表、アレックス・ブレグマンがアンドレス・ムニョスから同点本塁打を放ち、試合は5対5となった。
そして延長10回裏。
自動二塁走者となったアロザレーナが進塁し、2アウトからレオ・リバスがライアン・ゼファージャンの球をセンター前へ運ぶ。
これが決勝打となり、マリナーズが6対5でサヨナラ勝ちを収めた。
初戦で光った選手
- レオ・リバス:延長10回に決勝サヨナラ適時打。
- カル・ローリー:2回に同点3ラン本塁打。
- アレックス・ブレグマン:2本塁打でカブスの反撃を牽引。
- ピート・クロウ=アームストロング:先頭打者本塁打で試合の流れを作った。
この試合で見逃せないのは、カブスが9回に追いついたにもかかわらず、最後はマリナーズが勝ち切ったことだ。
一方、マリナーズにとっては守護神ムニョスが同点弾を許した後、延長戦で救援陣が踏ん張った点も大きい。
【8月22日】アロザレーナが2本塁打!9回裏の劇的サヨナラ勝ち
2026年8月22日・T-Mobile Park
第2戦は、初戦以上に劇的な幕切れとなった。
マリナーズは1回裏、アロザレーナがカブス先発デビッド・ピーターソンの初球を捉え、先頭打者本塁打を放った。
しかし、カブスは5回にケビン・アルカンタラの犠牲フライで同点に追いつく。
マリナーズもドミニク・カンゾーンの内野ゴロによる得点で2対1と再びリードしたが、6回表に試合が動いた。
カブスが6回に逆転
アレックス・ブレグマンがソロ本塁打を放って2対2。
続いてマイケル・ブッシュもソロ本塁打を放ち、3対2と逆転する。さらにタイロン・テイラーの適時二塁打で4対2とリードを広げた。
カブスにとっては、初戦の悔しい敗戦を取り返すための理想的な展開だった。
マリナーズは終盤まで2点を追う状況が続いたが、9回裏に反撃を開始する。
レオ・リバスの適時打で1点差に迫ると、続くアロザレーナがジェイコブ・ウェッブの初球を捉えた。
打球はセンター方向へ伸び、2人の走者を生還させるサヨナラ2ラン本塁打となった。
最終スコアはマリナーズ5対4カブス。
延長戦を制した初戦に続き、今度は9回裏の一発で試合を決めた。
アロザレーナの個人成績が際立った一戦
この日のアロザレーナは4打数3安打、2本塁打、3打点、2得点、1四球。
1回の先頭打者本塁打と9回のサヨナラ2ランという、試合の始まりと終わりを自ら演出する活躍だった。
加えて、3回にはカブスのミゲル・アマヤが放った本塁打性の打球を左翼フェンス際で捕球する好守も披露している。
攻撃だけでなく守備でもチームを救った点は見逃せない。
また、リバスも終盤に適時打を放ち、2試合連続で勝利に絡む活躍を見せた。
マリナーズは2試合続けて終盤の集中力を発揮し、シリーズ勝ち越しを決めた。
【8月23日】カブスが19対2で圧勝!2本の満塁弾で最終戦を制圧
2026年8月23日・T-Mobile Park
最終戦は、それまでの2試合とはまったく違う展開となった。
初回にアロザレーナが2試合連続となる先頭打者本塁打を放ち、マリナーズが先制。2回にも相手の失策から1点を加え、2対0とリードした。
この時点では、マリナーズが3連勝を狙う勢いを維持しているように見えた。
しかし、3回表にカブス打線が一気に爆発する。
3回表、イアン・ハップの満塁本塁打
まずマイケル・コンフォートがソロ本塁打を放ち、1点を返す。
その後、マリナーズ先発のブライス・ミラーが制球を乱し、四球などで満塁のピンチを招いた。
ここで打席に入ったのがイアン・ハップだった。
ハップは満塁の状況で本塁打を放ち、カブスが5対2と逆転。試合の主導権を完全に奪った。
5回と6回にもカブスが追加点を挙げ、7対2とリードを拡大する。
そして圧巻だったのが8回表だ。
8回に9得点!ペドロ・ラミレスも満塁弾
カブスは8回に打線がつながり、カーソン・ケリーの適時打、クロウ=アームストロングの2ラン本塁打などで得点を重ねる。
加えて、ペドロ・ラミレスが満塁本塁打を放ち、16対2とした。
9回にも3点を加え、最終的に19対2で勝利した。
最終戦の主役となった選手
特筆すべきは、カブスが同じ試合で2本の満塁本塁打を放ったことだ。
MLB公式のゲームストーリーによれば、同一試合で2本の満塁本塁打を記録したのは、少なくとも1910年以降で球団史上3度目の出来事だった。
3連戦の最後に、カブス打線の破壊力を強烈に印象づける結果となった。
【先発投手・スタメン比較】今永昇太、ブライス・ミラーらの役割は?
3連戦を分析するうえで欠かせないのが、先発投手の組み合わせだ。
特に注目されたのは最終戦の今永昇太とブライス・ミラーの対決だった。
3試合の先発投手一覧
| 日付 | カブス | マリナーズ |
|---|---|---|
| 8月21日 | マシュー・ボイド | エマーソン・ハンコック |
| 8月22日 | デビッド・ピーターソン | ケイド・アンダーソン |
| 8月23日 | 今永昇太 | ブライス・ミラー |
MLB公式の先発投手・スタメン情報に基づく組み合わせだ。
今永昇太は先発登板、勝利投手はアーロン・シバーレ
8月23日の試合で、カブスは今永昇太を先発として起用した。
今永の投球成績は以下のとおり。
- 投球回:2回
- 被安打:5
- 失点:2
- 自責点:1
- 奪三振:4
- 与四球:2
今永は2回を投げた後に降板。その後を引き継いだアーロン・シバーレが4回を1安打無失点に抑え、勝利投手となった。
ここは誤解しやすいポイントだ。
今永が先発した試合だが、勝利投手は今永ではなくシバーレである。先発投手と勝利投手は必ずしも一致しない。
ブライス・ミラーは制球面で苦戦
一方、マリナーズのブライス・ミラーは厳しい登板となった。
- 投球回:4回1/3
- 被安打:2
- 失点:6
- 自責点:6
- 奪三振:5
- 与四球:7
被安打が2本にとどまった一方で、7四球を与えている。
この数字が示すのは、単純な被安打数だけでは測れない投球の不安定さだ。
四球によって走者をため、長打によって一気に失点する展開を招いた。特にハップの満塁本塁打は、その象徴的な場面だった。
マリナーズとカブスのスタメンの特徴
3連戦で中心となった野手は次のとおり。
| チーム | 主な打者 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| カブス | クロウ=アームストロング、鈴木誠也、ブッシュ、ブレグマン、ハップ | 長打力と上位打線の厚み |
| マリナーズ | アロザレーナ、フリオ・ロドリゲス、ローリー、ネイラー、カンゾーン | 本塁打と終盤の勝負強さ |
スタメンは試合ごとに変更されており、全試合で同一の打順だったわけではない。
特に8月22日は、マリナーズのドノバンに代わってウェストン・ウィルソンが三塁で先発するなど、試合直前の変更もあった。
このように、スタメンの確認では選手名だけでなく、対象日と守備位置まで確認することが大切だ。
【監督・チーム戦術】ダン・ウィルソンとクレイグ・カウンセルの采配を振り返る
この3連戦を率いた両チームの監督は、マリナーズのダン・ウィルソンとカブスのクレイグ・カウンセルだった。
マリナーズの強みは終盤の得点力
初戦では9回に同点弾を許しながらも延長戦で勝利。第2戦では6回に2点差をつけられながら、最終回に3点を奪って逆転した。
2試合に共通していたのは、試合終盤まで攻撃の機会を失わなかったことだ。
アロザレーナやリバスといった選手が重要な場面で結果を出したことは、マリナーズの勝ち越しに直結した。
カブスは打線の破壊力と救援陣の課題が明暗を分けた
カブスは3試合を通じて本塁打を量産した。
ブレグマン、ハップ、クロウ=アームストロングらの長打力は、マリナーズ投手陣に大きな負担を与えた。
しかし、初戦では9回に同点とした後に敗れ、第2戦では4対2のリードを守れず、9回裏に3失点して逆転負けを喫した。
つまり、カブスは攻撃面で優位に立つ時間が長かった一方、接戦を締めくくる救援投手の働きが勝敗を左右した。
なお、2026年11月4日時点では監督人事にも動きがある。マリナーズは9月27日にダン・ウィルソンが2027年に監督へ復帰しないと発表し、11月3日にはジェイソン・カンツラーを新監督に任命した。
したがって、この8月の対戦を振り返る際には、当時の指揮官と現在の指揮官を区別する必要がある。
【プロの結論】マリナーズの2勝1敗を支えた勝負強さとカブスの長打力
今回のシリーズは、単純に得点力の高いチームが勝つとは限らないことを示した3連戦だった。
マリナーズは3試合で合計13得点。対するカブスは28得点だった。それでもマリナーズが2勝1敗で勝ち越している。
その理由は、接戦での得点の価値にある。
勝敗を分けた3つのポイント
1.マリナーズは勝負どころで得点した
初戦は延長10回、2戦目は9回裏。いずれも試合が決まる場面でリバスとアロザレーナが結果を残した。
2.カブスは大量得点できる攻撃力を証明した
最終戦では17安打19得点。2本の満塁本塁打を含む攻撃は、打線の層の厚さを示している。
3.救援投手の安定性が接戦の結果を左右した
カブスは最初の2試合で終盤のリードを守れなかった。逆にマリナーズは、相手の反撃を受けながらも最後に得点して試合を終わらせた。
今回の結果を評価するなら、カブスの最終戦の大勝だけでシリーズ全体の優劣を判断するのは適切ではない。
3試合を通じた勝敗、終盤の攻防、先発投手の役割、救援陣の働きを分けて見ることで、両チームの本当の課題と強みが見えてくる。
【マリナーズ対カブス】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年8月のマリナーズ対カブス3連戦はどちらが勝ち越しましたか?
マリナーズが2勝1敗で勝ち越した。8月21日は6対5、22日は5対4でマリナーズが勝利し、23日はカブスが19対2で勝った。
Q2:マリナーズ対カブスの延長10回の試合結果は?
8月21日の初戦で、マリナーズが6対5で勝利した。延長10回裏にレオ・リバスがサヨナラ適時打を放った。
Q3:8月22日のサヨナラ本塁打を打った選手は誰ですか?
ランディ・アロザレーナ。9回裏に2ラン本塁打を放ち、マリナーズを5対4の逆転サヨナラ勝ちに導いた。
Q4:今永昇太は8月23日の試合で何回投げましたか?
2回を投げ、5安打、2失点、1自責点、4奪三振だった。後を継いだアーロン・シバーレが4回無失点で勝利投手になった。
Q5:カブスが19得点した試合で満塁本塁打を打った選手は?
イアン・ハップとペドロ・ラミレスの2人。ハップは3回、ラミレスは8回に満塁本塁打を放った。
Q6:3連戦の会場はどこでしたか?
全試合とも、ワシントン州シアトルにあるマリナーズの本拠地T-Mobile Parkで開催された。
Q7:当時の両チームの監督は誰でしたか?
マリナーズはダン・ウィルソン、カブスはクレイグ・カウンセルだった。なお、ウィルソンは2026年9月に翌シーズンの退任が発表され、11月3日にジェイソン・カンツラーが後任に任命された。
まとめ:マリナーズ対カブスは接戦2試合と19得点の大勝で幕を閉じた
2026年8月21日から23日のマリナーズ対カブス3連戦は、3試合それぞれに異なる見どころがあった。
- 8月21日:延長10回、リバスのサヨナラ打でマリナーズが6対5。
- 8月22日:アロザレーナのサヨナラ2ランでマリナーズが5対4。
- 8月23日:ハップとラミレスの満塁弾などでカブスが19対2。
シリーズ全体ではマリナーズが2勝1敗。接戦をものにする勝負強さを示した一方、カブスは最終戦で圧倒的な攻撃力を見せつけた。
日本人ファンにとっては、今永昇太の登板も見逃せないポイントだった。2イニングの投球にとどまったものの、カブスが勝利した試合の先発として登板している。
この3連戦の本質は、接戦を制する力と、大量得点を生み出す力は別物であるという点にある。
試合結果だけでなく、先発投手の投球内容、救援陣の失点、終盤の打撃まで確認することが、マリナーズとカブスの戦いを正しく理解する鍵になる。