野原未蘭(のはら・みらん)さんは、富山県富山市出身の女流棋士です。2003年8月4日生まれ。2020年9月、17歳で女流棋士デビューを果たしました。中学生名人戦での女性初優勝や女流アマ名人戦3連覇など、プロ入り前から全国的な実績を残しています。
プロ入り後は森内俊之九段に師事し、法政大学キャリアデザイン学部で学びながら将棋の実力を磨いてきました。2026年春には大学を卒業し、女流棋士としての活動に専念する新たな段階に入っています。2026年の棋戦では白玲戦・女流順位戦A級に所属。10月31日時点の年度成績は11勝6敗で、11月2日のA級初戦の敗戦を加えると11勝7敗となります。
【プロフィール】野原未蘭はどんな女流棋士?年齢・出身地・段位を紹介
野原未蘭さんは、幼少期から将棋に親しみ、アマチュア大会で頭角を現した後、17歳でプロの女流棋士になった実力派です。
日本将棋連盟の棋士データベースによると、女流棋士番号は70番。2026年11月時点で23歳、段位は女流二段です。師匠には森内俊之九段を持ちます。
野原未蘭の基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 野原未蘭(のはら・みらん) |
| 生年月日 | 2003年8月4日 |
| 年齢 | 23歳(2026年11月時点) |
| 出身地 | 富山県富山市 |
| 職業 | 女流棋士 |
| 女流棋士番号 | 70 |
| 段位 | 女流二段 |
| 師匠 | 森内俊之九段 |
| 出身大学 | 法政大学キャリアデザイン学部 |
| プロ入り | 2020年9月1日 |
| 主な実績 | 中学生名人戦女性初優勝、女流アマ名人戦3連覇 |
出典は日本将棋連盟の棋士データベース、法政大学の本人インタビュー、2024年の人物インタビューです。
なお、野原さんの肩書は「女流棋士」です。将棋界には、奨励会などを経て資格を得る棋士制度と、独自の資格制度による女流棋士制度があります。両者は同じ将棋のプロフェッショナルでも、制度上は異なる区分です。野原さんは女流棋士として公式戦に参加しています。
【生い立ちと実績】将棋を始めたきっかけは父親だった!中学生名人と女流アマ名人3連覇
幼稚園の頃、父親との対局が将棋人生の始まり
野原さんが将棋を始めたのは幼稚園の年長の頃です。将棋好きだった父親が将棋番組を見ていたことから興味を持ち、ルールを教わって対局するようになりました。
2020年の文春オンラインのインタビューでは、父親がわざと負けてくれたことを振り返っています。幼い野原さんは父親が手加減しているとは知らず、勝つ喜びを素直に感じていました。
法政大学のインタビューでも、父親が勝つ楽しさを教えてくれたことが将棋を好きになったきっかけとして紹介されています。
その後、父親が地域の将棋教室や子ども道場を探し、野原さんは週1回ほど通うようになりました。家では父親から棒銀などの戦法を教わり、道場で実戦を経験するという環境で棋力を高めていきます。
鈴木英春氏に師事し、英春流を身につける
小学生時代には、富山県内の同年代の強豪に何度も敗れた経験がありました。勝つために将棋を根本から見直す必要があると考え、父親とともに鈴木英春氏が主宰する晩成塾に通うようになります。
鈴木氏は元奨励会三段で、独自の戦法である英春流を提唱した将棋指導者です。野原さんはこの環境で対局経験を重ね、独自の戦型を身につけていきました。
英春流は、一般的な定跡だけにとらわれない独創性のある戦法として知られています。野原さんがアマチュア時代から注目された理由の一つも、この個性的な棋風にありました。
2018年、中学生名人戦で女性初の優勝
野原さんの名前を将棋界に広く知らしめた実績が、2018年の第43回中学生将棋名人戦です。
同大会は男女が参加する全国規模の大会で、野原さんは中学3年生で優勝しました。日本将棋連盟の歴代優勝者一覧にも記録されており、女子選手として初めての優勝という歴史的な結果でした。
また、2017年から2019年まで女流アマ名人戦の名人戦クラスで3年連続優勝を達成しています。日本将棋連盟の歴代優勝者一覧にも、3年続けて野原さんの名前が掲載されています。
このほか、女子アマ王位戦などでも優勝経験を重ね、女性アマチュア将棋界のトップクラスとして存在感を示しました。
【経歴・年表】2020年のプロ入りから女流二段への昇段まで
野原さんのキャリアで大きな転換点となったのは、2020年の倉敷藤花戦です。アマチュア選手として出場し、上位進出によって女流棋士になる資格を獲得しました。
倉敷藤花戦ベスト8から17歳でプロ入り
2020年、野原さんは第28期大山名人杯倉敷藤花戦にアマチュアとして参加しました。女流棋士との対局を勝ち抜いてベスト8に進出し、規定により女流2級の資格を取得します。
2020年9月1日付で女流2級となり、17歳で女流棋士としての活動を開始しました。中学生名人戦優勝から2年後のプロ入りであり、アマチュア時代の実績をプロの舞台につなげた形です。
女流二段までの昇段履歴
| 年月日・時期 | 出来事 | 意味・実績 |
|---|---|---|
| 2003年8月4日 | 富山県富山市で誕生 | 父親の影響で幼少期から将棋に親しむ |
| 2017年 | 女流アマ名人戦優勝 | 3連覇の始まり |
| 2018年 | 第43回中学生名人戦優勝 | 女性初の中学生名人 |
| 2018年 | 女流アマ名人戦優勝 | 2連覇を達成 |
| 2019年 | 女流アマ名人戦優勝 | 大会史上初の3連覇 |
| 2020年 | 倉敷藤花戦ベスト8 | 女流棋士資格を取得 |
| 2020年9月1日 | 女流2級 | 17歳でプロデビュー |
| 2021年1月18日 | 女流1級 | 昇級 |
| 2021年8月3日 | 女流初段 | 初段へ昇段 |
| 2024年12月13日 | 女流二段 | 初段昇段後70勝により昇段 |
| 2026年春 | 法政大学卒業 | 女流棋士としての活動に専念 |
この年表から分かるのは、アマチュア時代の突出した実績だけでなく、プロ入り後も着実に勝ち星を重ねて昇段してきたことです。
特に2024年12月の女流二段昇段は、女流棋士としての積み重ねを示す節目です。日本将棋連盟の昇段履歴にも、女流初段昇段後70勝による二段昇段と記録されています。
【師匠との関係】野原未蘭と森内俊之九段の出会い、英春流と研究姿勢
森内俊之九段に自ら手紙を書いて弟子入りを希望
野原さんの師匠は、永世名人資格を持つ森内俊之九段です。森内九段は名人8期、竜王2期などの実績を持つトップ棋士で、重厚で粘り強い棋風でも知られています。
野原さんは以前から森内九段の将棋に憧れていました。文春オンラインの2020年のインタビューによると、倉敷藤花戦でベスト16に進んだ段階で、森内九段に弟子入りを希望する手紙を送りました。
森内九段からは、ベスト8に進出したら会うという返事が届きます。野原さんはその後も勝ち進み、父親とともに森内九段と面会。実際に将棋を指して実力を見てもらったうえで、師匠になってもらえることが決まりました。
本人によれば、師匠になってもらえると返事を受け取った日は17歳の誕生日だったといいます。自ら手紙を書き、結果を出して師弟関係を結んだ経緯は、野原さんの積極性をよく表しています。
森内九段から求められたソフト研究への姿勢
森内九段との師弟関係で注目したいのは、単に強い棋士に教わるという関係にとどまらない点です。
野原さんのインタビューによると、森内九段からは、将棋ソフトを使った研究をしているか、また英春流が上達の壁になった場合に一から将棋を学び直す覚悟があるかを尋ねられました。
野原さんは中学3年生で中学生名人戦を制した頃からソフト研究を始めています。大会で優勝したことで他の選手から研究されるようになり、自分も対策を強化する必要を感じたためです。
複数の将棋ソフトを試し、自分に合う研究方法を探しながら、英春流の中でも独自の得意形を発展させてきました。
この姿勢は、野原さんの将棋を理解するうえで重要です。伝統的な指導者から学んだ独自戦法を守るだけではなく、コンピューターによる分析も取り入れて進化させているからです。
師弟関係が野原さんの棋風に与えた影響
森内九段は、タイトル戦で長年活躍した経験豊富な棋士です。一方、野原さんは独自の英春流を持つ若い女流棋士です。異なる個性を持つ両者の関係は、戦法の幅を広げるうえでも興味深いものがあります。
野原さん自身も、英春流以外の戦法を学びたいという考えを持っていました。特定の戦法に固執せず、必要なら一から研究し直す姿勢は、プロとして長く戦うための重要な要素です。
【2026年最新】野原未蘭の棋戦成績と女流順位戦A級での現在地
2026年の野原さんを語るうえで外せないのが、白玲戦・女流順位戦A級への参戦です。女流棋界のトップクラスが集まるリーグであり、白玲への挑戦権を目指す重要な舞台となっています。
2026年度の成績は11勝6敗が10月末時点の基準
棋士レーティングの年度別集計では、2026年10月31日時点の野原さんの年度成績は11勝6敗、勝率64.7%です。その後、11月2日の白玲戦A級1回戦で山根ことみ女流三段に敗れているため、この対局まで含めると11勝7敗となります。
この数字は、単純な勝ち数だけではなく、対局相手の実力や参加棋戦の水準とあわせて見る必要があります。A級には福間香奈女流四冠、伊藤沙恵女流四段、山根ことみ女流三段など、女流棋界を代表する棋士が名を連ねています。
白玲戦A級は女流棋界のトップリーグ
野原さんは2026~2027年の第7期白玲戦・女流順位戦でA級に所属しています。リーグの順位は7位で、上位陣との総当たり戦を通じて白玲への挑戦権を争います。
2026年11月2日に行われたA級1回戦では、山根ことみ女流三段と対局しました。
将棋情報局の観戦記事によると、山根女流三段の向かい飛車に対して野原さんは居飛車急戦で積極的に仕掛けました。中盤にはチャンスが訪れたものの、難解な手順で正解を見つけられず、最後は山根女流三段の反撃を受けて敗れています。
一局の敗戦だけで実力を判断することはできませんが、強豪が集まるA級でどのように局面を判断し、勝機をつかむかが今後の見どころです。
2026年の主な対局結果
- 4月10日:女流順位戦A級で石本さくら女流三段に勝利。
- 4月15日:倉敷藤花戦で頼本奈菜女流二段に勝利。
- 5月9日:女流王座戦一次予選決勝で藤田綾女流二段に勝利。
- 5月12日:女流順位戦A級で上田初美女流五段に勝利。
- 7月14日:倉敷藤花戦で山根ことみ女流三段に勝利。
- 7月18日:マイナビ女子オープン一斉予選で和田あき女流二段、岩佐美帆子女流初段に勝利。
- 8月12日:マイナビ女子オープン本戦で山口仁子梨女流1級に勝利。
- 9月30日:清麗戦予選で梅津美琴女流2級に勝利。
- 11月2日:白玲戦A級1回戦で山根ことみ女流三段に敗戦。
これらの対局からは、野原さんが複数の棋戦で勝ち星を積み上げていることが分かります。特にA級での勝利や、マイナビ女子オープンでの本戦進出は、年間を通じた活動を評価するうえで注目したいポイントです。
出典は日本将棋連盟の対局結果、棋士レーティングの年度別記録、将棋情報局の2026年11月2日付観戦記事です。
野原未蘭の将棋の実力と評判をどう見るべきか
野原さんの実力を評価する際には、次の3点が重要です。
第一に、アマチュア時代の実績です。男女混合の中学生名人戦で女性初の優勝を果たし、女流アマ名人戦でも3連覇しました。若い頃から全国大会で結果を残してきたことは、確かな競技実績です。
第二に、独自の棋風と研究力です。英春流を土台にしながら将棋ソフトを使って研究を続けています。独自性を維持しつつ、時代に合わせて戦法を進化させようとする点が特徴です。
第三に、プロ入り後の継続的な成長です。2024年に女流二段へ昇段し、2026年には白玲戦A級で戦っています。プロ入り当初の期待だけではなく、実際の勝ち星や上位リーグでの対局内容を見て評価することが大切です。
一方、アマチュア時代の優勝歴だけで現在のトップ層との実力差を判断することはできません。タイトル獲得や挑戦者決定戦への進出など、プロ棋戦での結果が今後の評価を左右するでしょう。
【大学卒業後の現在】法政大学で学んだ4年間と女流棋士一本の新生活
法政大学キャリアデザイン学部でマーケティングを学ぶ
野原さんは高校卒業後、法政大学キャリアデザイン学部に進学しました。女流棋士として公式戦に出場しながら大学の授業やゼミにも参加し、学生生活と将棋を両立してきました。
2025年に掲載された法政大学の公式インタビューでは、大学4年生として取材を受けています。将棋を始めたきっかけやプロ入りまでの経緯、学業と対局の両立について本人が語りました。
大学ではマーケティングのゼミに所属。将棋界の魅力を新しい層に届ける方法にも関心を持っていました。
2024年のインタビューでは、大学で学ぶ理由の一つとして、将棋界の発展に貢献したいという思いを明かしています。棋士として強くなることだけでなく、将棋を社会に広める活動にも目を向けていた点が特徴です。
2026年春に卒業、将棋に専念する生活へ
2026年3月20日公開のオカムラのインタビューでは、大学卒業を迎える野原さんの近況が紹介されています。
本人は大学生活について、授業やゼミ、卒業論文など多忙な4年間だったと振り返りました。対局と学業を同時に進める生活は大変だったものの、大学に進学してよかったと感じているそうです。
「この春からは女流棋士一本で生活していく」
これは、大学卒業後の生活について語った本人の言葉です。これまでの学生と女流棋士の二つの役割から、将棋を中心とした生活へ移ることを示しています。
将棋イベントの企画や普及活動にも関心
2026年のインタビューでは、卒業論文の作成にあたってSNSを通じて将棋ファンにアンケートを実施したことも紹介されています。
アンケートでは、どのような将棋イベントがあれば参加したいかという意見を集めたそうです。野原さんは、寄せられたアイデアを少しずつ実現していきたいと話しています。
この点は、大学で学んだマーケティングと将棋界への関心が結びついた部分です。将棋の普及には、対局や指導だけでなく、観戦イベントや交流の場をつくることも欠かせません。
野原さんが今後、競技者としてどのような成績を残すかに加えて、将棋の魅力を広げる企画にどう関わっていくかも注目されます。
【よくある質問】野原未蘭に関するFAQ
Q1:野原未蘭は何歳ですか?
A1:2003年8月4日生まれです。2026年11月時点で23歳です。
Q2:野原未蘭は何段ですか?
A2:2024年12月13日に昇段し、現在は女流二段です。
Q3:野原未蘭の師匠は誰ですか?
A3:森内俊之九段です。プロ入り前は鈴木英春氏に師事し、英春流を学んでいました。
Q4:野原未蘭が将棋を始めたきっかけは何ですか?
A4:将棋好きの父親の影響です。幼稚園の年長の頃にルールを教わり、父親との対局で勝つ楽しさを知ったことが始まりでした。
Q5:中学生名人戦で優勝したのは本当ですか?
A5:本当です。2018年の第43回中学生将棋名人戦で優勝しました。女子選手として初めての快挙です。
Q6:女流アマ名人戦は何連覇しましたか?
A6:2017年、2018年、2019年の3年連続で名人戦クラスを制しています。
Q7:野原未蘭は2026年現在、大学を卒業していますか?
A7:2026年春に法政大学を卒業しています。卒業後は女流棋士としての活動に専念する生活へ移りました。
Q8:野原未蘭は女流順位戦A級に所属していますか?
A8:はい。2026~2027年の第7期白玲戦・女流順位戦ではA級に所属し、リーグ順位は7位です。11月2日の初戦では山根ことみ女流三段に敗れました。
まとめ:野原未蘭の今後はA級での戦いとタイトル獲得への挑戦に注目
野原未蘭さんは、幼少期に父親から将棋を教わり、中学生名人戦で女性初優勝、女流アマ名人戦で3連覇という実績を残して17歳でプロ入りした女流棋士です。
森内俊之九段に師事し、英春流を土台とした独自の棋風にソフト研究を取り入れてきました。2024年には女流二段に昇段し、2026年には法政大学を卒業。女流棋士として競技に専念する新しい段階を迎えています。
2026年の注目材料は、白玲戦・女流順位戦A級での戦いです。強豪との対局を通じて、どれだけ安定して勝ち星を重ねられるかが今後の課題となります。
野原さんの将棋を追いかける際は、過去のアマチュア大会の優勝歴だけでなく、年度成績、A級での勝敗、タイトル棋戦での進出状況を合わせて見ると、現在の実力や成長がより明確になります。
若くしてプロ入りした実績、師匠から学んだ研究姿勢、大学で培った幅広い視野。これらを持つ野原未蘭さんが、今後どのような将棋を見せ、女流棋界で存在感を高めていくのか注目したいところです。
主な参照資料
- 日本将棋連盟「野原未蘭 棋士データベース」「女流アマ名人戦歴代優勝者一覧」
- 法政大学「BE Active ~法大生の挑戦~」
- 文春オンライン「中学生名人戦優勝」「森内俊之九段に弟子入りするまで」
- オカムラ「ファンを笑顔にする存在を目指して」
- 将棋情報局「女流順位戦A級」2026年11月2日対局記事
※成績については、10月31日時点の11勝6敗に11月2日の敗戦を加えた数字を区別して記載しています。