2026年11月現在、沖縄県を主な活動拠点とする指定暴力団「旭琉會(きょくりゅうかい)」は、組織の世代交代という大きな転換期を迎えている。2011年に沖縄旭琉会と四代目旭琉会が一本化して発足した同組織は、2025年6月に12回目の指定暴力団再指定を受けた。その後、2026年4月に二代目会長の糸数真氏が死亡し、6月には知念秀視氏が三代目会長に就任した。
現在の本部は沖縄県中頭郡北中城村にあり、沖縄県警によると、構成員数は2026年3月末時点で約200人。長年の内部抗争、2011年の組織統合、富永清氏から糸数真氏への継承、そして知念秀視氏による新体制の発足まで、その歴史には沖縄の戦後社会と組織犯罪対策の変遷が刻まれている。
この記事では、旭琉會とはどのような組織なのか、歴代会長、歴史と組織変遷、第六次抗争、2025年の再指定、2026年の会長交代と最新の構成員数を、公的資料と報道をもとに整理する。
【基本情報】旭琉會とは?沖縄を拠点とする指定暴力団の概要
旭琉會は、沖縄県を拠点とする指定暴力団である。警察による暴力団対策の対象となる組織であり、沖縄県内の組織犯罪の歴史を理解するうえで重要な存在となっている。
一般に「旭琉会」と表記されることもあるが、「旭琉會」という表記も広く使われている。
旭琉會の基本プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 旭琉會 |
| 読み方 | きょくりゅうかい |
| 組織の区分 | 指定暴力団 |
| 主な拠点 | 沖縄県 |
| 本部所在地 | 沖縄県中頭郡北中城村 |
| 2026年11月時点の代表者 | 知念秀視氏 |
| 現体制 | 三代目 |
| 直近の再指定 | 2025年6月 |
| 再指定回数 | 12回目 |
| 構成員数 | 約200人(2026年3月末時点) |
出典:沖縄県警察、沖縄県公安委員会に関する報道、共同通信の2026年4月報道。
指定暴力団とは何か
指定暴力団とは、暴力団対策法に定められた要件を満たし、都道府県公安委員会によって指定された暴力団を指す。
単に構成員が存在するという理由だけで指定されるわけではない。組織の階層性、構成員の活動、資金獲得における暴力団の威力の利用など、法律上の要件に基づいて判断される。
指定を受けると、構成員による暴力的要求行為などに対して、公安委員会が中止命令や再発防止命令といった行政措置を講じることができる。
つまり、旭琉會が指定暴力団であるという事実は、単なる組織の呼称ではなく、法律に基づく具体的な規制の対象であることを意味している。
本部は沖縄県北中城村
旭琉會の本部は沖縄県中頭郡北中城村に置かれている。
2026年6月27日には、同村島袋にある本部で会合が開かれ、知念秀視氏の三代目会長就任に関する新体制が発足したと報じられた。
本部の所在地が北中城村であることは、2025年の再指定に関する沖縄県公安委員会の公示や、2026年の会長交代を伝える報道でも確認できる。
【歴史と組織変遷】戦後の誕生から第六次抗争、2011年の一本化まで
旭琉會の歴史を理解するには、2011年の統合だけでなく、それ以前の沖縄県内における暴力団の形成と分裂を知る必要がある。
沖縄県警察が公表している「沖縄県内暴力団の概要」には、戦後から続く組織の変遷が記録されている。
戦後の混乱期に形成された組織
沖縄県警の資料によると、沖縄県内の組織暴力団の起源は、第二次世界大戦後の復興が始まった1952年ごろにさかのぼる。
当初は、那覇市を拠点とするグループと、現在の沖縄市にあたる旧コザ市を拠点とするグループなどが形成されていた。
その後、組織の統合や分裂、勢力争いを経て、1970年12月8日に「沖縄連合旭琉会」が結成された。
これは現在の旭琉會につながる歴史的な出発点の一つである。
組織の分裂と第六次抗争
1970年代から1980年代にかけて、組織は複数回の改称と再編を経験した。
1976年には沖縄旭琉会、1978年には二代目旭琉会、1983年には三代目旭琉会へと名称が変わっている。
当時は構成員が1,000人を超える規模に拡大した時期もあった。
しかし、組織運営方針をめぐる内部対立が深まり、1990年10月には分裂した側が沖縄旭琉会を結成。これをきっかけに、両組織の対立は第六次抗争へと発展した。
この抗争は、単なる組織内部の勢力争いでは終わらなかった。
沖縄県警の公表資料によれば、第六次抗争では警戒中の警察官2人と、アルバイト中だった定時制高校の生徒1人が殺害されるという深刻な事件が発生している。
また、県内で発生した第一次から第六次までの抗争事件は、累計253回、死者20人、負傷者114人に上ったとされる。
この数字が示すのは、組織間の対立が警察官や一般市民の生命にも重大な危険を及ぼしたという現実である。
2011年11月27日、二つの組織が一本化
長年分裂していた両組織に大きな転換が訪れたのが2011年11月27日だった。
この日、四代目旭琉会と沖縄旭琉会が一本化し、新たに「旭琉會」として発足した。
沖縄県警の歴史資料では、第六次抗争から21年余りを経て組織が一本化されたと説明されている。
国家公安委員会の2012年の定例会議資料にも、四代目旭琉会が沖縄旭琉会に吸収され、名称を旭琉會に変更したことが記録されている。
一本化は、長期間にわたった分裂状態を解消する組織再編だった。
ただし、組織が統合されたことと、暴力団による資金獲得活動や犯罪がなくなることは別問題である。その後も警察による監視や取り締まりは続いている。
【歴代会長】富永清・糸数真・知念秀視の関係と世代交代
旭琉會の歴代会長を調べる際に注意したいのは、2011年の一本化以前の旧組織の代表者と、一本化後の旭琉會の会長を区別することだ。
2011年以降の会長交代を整理すると、富永清氏、糸数真氏、知念秀視氏という流れになる。
初代会長・富永清氏
2011年の組織一本化後、初代会長に就任したのが富永清氏である。
富永氏は統合を主導した人物の一人とされ、旭琉會の初期体制を率いた。
しかし、2019年7月に富永氏が死去。これにより組織は会長不在の状態となった。
その後、代表者を置く形で組織運営が続き、2022年の再指定時には二代目照屋一家の永山克博氏が代表として報じられている。
二代目会長・糸数真氏
2025年2月8日、三代目富永一家の総長だった糸数真氏が二代目会長に就任した。
先代の富永氏が亡くなってから約5年半が経過した後の世代交代だった。
同日、北中城村の本部事務所で会長継承に関する儀式が行われたことを琉球新報などが報じている。
糸数氏の就任によって、長期間続いていた会長不在の状態が解消された。
しかし、その在任期間は長く続かなかった。
2026年4月19日、沖縄市諸見里にある四代目富永一家の事務所で火災が発生。現場から発見された遺体について、沖縄県警は4月21日、糸数氏本人と確認したと発表した。
共同通信によると、糸数氏は71歳で、司法解剖による死因は一酸化炭素中毒だった。
三代目会長・知念秀視氏
糸数氏の死去後、組織は再び会長交代の局面を迎えた。
2026年6月27日、二代目沖島一家の知念秀視総長が旭琉會の三代目会長に正式就任した。
琉球新報は、北中城村島袋の本部で開かれた会合を通じて新体制が発足したと報じている。
加えて、2026年8月31日には沖縄県公安委員会が代表者の変更を官報で公示した。9月1日の報道では、代表者が故糸数真氏から知念秀視氏に変更されたことが伝えられている。
この官報公示は、単なる報道上の呼称変更ではなく、暴力団対策法に基づく代表者情報の変更手続きに関係するものだ。
旭琉會の歴代会長・代表者の変遷
| 時期 | 人物・組織 | 役割・出来事 |
|---|---|---|
| 2011年11月 | 富永清氏 | 旭琉會の初代会長に就任 |
| 2019年7月以降 | 永山克博氏など | 会長不在期間。永山氏は後の再指定時に代表として報道 |
| 2025年2月 | 糸数真氏 | 二代目会長に就任 |
| 2026年4月 | 糸数真氏 | 火災現場で死亡が確認される |
| 2026年6月27日 | 知念秀視氏 | 三代目会長に正式就任 |
| 2026年8月31日 | 知念秀視氏 | 県公安委員会が代表者変更を官報公示 |
この変遷から分かるのは、旭琉會の組織運営が、2019年の富永氏の死去、2025年の糸数氏の就任、2026年の糸数氏の死去という複数の節目を経てきたことだ。
【2025年・2026年最新】12回目の再指定と会長交代を時系列で検証
旭琉會をめぐる近年の動きで、特に重要なのが2025年の指定暴力団再指定と2026年の代表者変更である。
2025年6月、12回目の再指定
2025年6月17日、沖縄県公安委員会は旭琉會を暴力団対策法に基づく指定暴力団として再指定した。
再指定は12回目で、官報にも同日付で掲載された。指定期間は2025年6月26日から3年間とされている。
琉球新報の報道によると、この時点での構成員数は約210人だった。
また、再指定に先立つ2025年4月3日には、県公安委員会による意見聴取が実施されている。旭琉會側は出席しなかったと報じられた。
2026年3月末、構成員は約200人
2026年4月21日の共同通信報道では、沖縄県警が把握している旭琉會の構成員数は、2026年3月末時点で約200人とされた。
2025年6月の約210人から、約200人という規模になっている。
ただし、いずれも特定時点での把握人数であり、概数である。単純な差だけから組織の実態や勢力の変化を断定することはできない。
2026年4月、糸数真氏の死亡
2026年4月19日、沖縄市の四代目富永一家の事務所で火災が発生した。
4月21日、沖縄県警は発見された遺体が糸数真会長であると公表した。
死因は一酸化炭素中毒と報じられている。
この出来事によって、2025年2月に発足した二代目体制は約1年2カ月で終わることになった。
2026年6月、知念秀視氏による三代目体制
6月27日、知念秀視氏が三代目会長に正式就任した。
その後、8月31日に沖縄県公安委員会が代表者変更を官報で公示。9月1日に琉球新報が公示内容を報道した。
2026年11月時点で、代表者の変更について確認できる公的な節目は、この官報公示である。
【法律と警察の対応】旭琉會の再指定と暴力団対策法の意味
旭琉會を理解するうえで欠かせないのが、暴力団対策法の仕組みである。
同法は、暴力団による不当な要求や威力を利用した資金獲得活動を規制し、市民や事業者の生活と営業活動を守ることを目的としている。
指定期間は原則3年間
暴力団対策法第8条では、指定暴力団の指定期間を3年間と定めている。
そのため、指定期間が終了する前に、公安委員会は組織が引き続き指定要件に該当するかを審査する。
旭琉會の場合、2025年の再指定によって、2025年6月26日から3年間の指定期間が設定された。
2026年に会長が交代したからといって、指定が自動的に解除されるわけではない。
組織の代表者変更と、指定暴力団としての法的な指定は、それぞれ別の手続きとして扱われる。
指定によって可能になる行政措置
暴力団対策法では、指定暴力団員が組織の威力を示して不当な金品要求などを行った場合、公安委員会が中止命令などを出せる仕組みが設けられている。
警察庁の公表資料でも、暴力的要求行為に対する中止命令や、再発防止に関する行政措置の運用が説明されている。
沖縄県内でも、旭琉會の傘下構成員に対する法的措置が報道されている。
例えば、2026年8月には、指定暴力団の威力を示した不当な債権取り立て行為をめぐり、旭琉會傘下組織の構成員に対して中止命令が出されたと報じられた。
これは、組織のトップが交代しても、構成員の活動に対する警察・公安委員会の監視や法的対応が継続していることを示す事例である。
再指定は新たな犯罪の認定ではない
ここで誤解しやすいのが、指定暴力団への再指定と、個々の構成員の刑事責任を混同することだ。
再指定は、組織が法律上の指定要件に該当するかを判断する行政上の手続きである。
個人が犯罪を行ったかどうかを裁判で判断する刑事手続きとは異なる。
また、指定暴力団に所属するという情報だけで、個々の人物について特定の犯罪事実が確定するわけでもない。
この区別は、旭琉會に関するニュースを読む際にも重要になる。
【2026年現在の実態】構成員数約200人と今後の注目点
2026年現在の旭琉會について、数字と組織の動きを分けて考える必要がある。
構成員数は2026年3月末時点で約200人
共同通信が伝えた沖縄県警の把握では、2026年3月末時点の旭琉會の構成員数は約200人だった。
過去の報道と比較すると、次のようになる。
| 時点 | 構成員数 | 情報の位置づけ |
|---|---|---|
| 2025年4月 | 209人 | 沖縄県公安委員会の再指定手続きに関する報道 |
| 2025年6月 | 約210人 | 12回目の再指定時の県警把握 |
| 2026年3月末 | 約200人 | 共同通信が伝えた県警把握 |
この数字は、いずれも報道された時点での把握数であり、2026年11月現在の確定人数を意味するものではない。
特に2026年3月末の数字は、4月の糸数氏の死亡や6月の知念氏の会長就任より前のものだ。
そのため、約200人という数字をそのまま新体制発足後の構成員数として扱うのは正確ではない。
会長交代後に注目される組織の動き
2026年の旭琉會を考えるうえでは、三つのポイントがある。
第一に、代表者の交代が正式に公示されたこと。
知念秀視氏は6月に三代目会長に就任し、8月31日に代表者変更が官報で公示された。これによって、報道上の新会長就任だけでなく、行政上の代表者情報も変更された。
第二に、構成員数の最新動向。
約200人という数字は3月末時点のものだ。会長交代後の構成員数や組織の再編については、今後の県警資料や公安委員会の公表内容が判断材料となる。
第三に、暴力団排除と資金獲得活動への対策。
沖縄県警や関係機関による取り締まりは継続している。2026年8月の中止命令の報道も、組織の世代交代とは別に、個々の構成員による不当要求などへの対応が続いていることを示している。
組織の名称や会長が変わったことだけで、社会に対するリスクが解消されたと判断することはできない。
旭琉會に関する情報を見極める3つの基準
インターネット上では、過去の会長名や古い構成員数が現在の情報として掲載されている場合がある。
情報を判断する際には、次の3点を確認したい。
1. 日付を確認する: 2025年の糸数氏就任と2026年の知念氏就任を混同していないか。
2. 数字の基準日を確認する: 約200人という構成員数が、2026年3月末時点の数字であることを理解しているか。
3. 公的資料と報道を区別する: 官報の公示、沖縄県警の発表、報道機関による関係者取材を同じ種類の情報として扱っていないか。
特に会長交代や組織再編に関する情報は、報道時点と行政上の手続きが完了した時点が異なることがある。
【旭琉會に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:旭琉會の現在の会長は誰ですか?
A1:2026年11月時点で、三代目会長は知念秀視氏です。2026年6月27日に正式就任し、8月31日には沖縄県公安委員会によって代表者変更が官報で公示されました。
Q2:旭琉會の糸数真氏はなぜ亡くなったのですか?
A2:2026年4月19日に沖縄市の暴力団事務所で発生した火災の現場から遺体が発見され、4月21日に沖縄県警が糸数真氏と確認しました。共同通信によると、司法解剖で確認された死因は一酸化炭素中毒です。
Q3:旭琉會の構成員は何人ですか?
A3:沖縄県警によると、2026年3月末時点で約200人です。ただし、これは会長交代前の数字であり、2026年11月現在の確定人数ではありません。
Q4:旭琉會はいつ指定暴力団に再指定されましたか?
A4:2025年6月17日に沖縄県公安委員会が再指定し、同月26日から3年間の指定期間が始まりました。再指定は12回目です。
Q5:旭琉會はいつ一本化されたのですか?
A5:2011年11月27日です。第六次抗争時に分裂していた四代目旭琉会と沖縄旭琉会が一本化し、旭琉會として発足しました。
Q6:旭琉會の本部はどこにありますか?
A6:沖縄県中頭郡北中城村です。2026年6月の三代目会長就任に関する会合も、北中城村島袋の本部で開かれました。
まとめ:旭琉會の歴史と2026年以降の動向を正しく理解するために
旭琉會は、戦後の沖縄で形成された組織を源流とし、長年の分裂と抗争を経て、2011年11月に一本化された指定暴力団である。
その歴史には、第六次抗争による深刻な人的被害、富永清氏による初代体制、糸数真氏への継承、そして2026年の知念秀視氏による三代目体制の発足という大きな節目がある。
2025年6月には12回目の指定暴力団再指定を受け、指定期間は3年間。構成員数は2026年3月末時点で約200人と報じられている。
2026年11月時点で押さえておきたい重要事項は、次のとおりだ。
- 現在の代表者は三代目会長の知念秀視氏。
- 糸数真二代目会長は2026年4月の火災で死亡が確認された。
- 2026年8月31日、代表者変更が官報で公示された。
- 構成員数約200人は2026年3月末時点の数字である。
- 2025年の再指定による指定期間は2028年6月までの3年間。
【プロの結論】
旭琉會をめぐるニュースを理解する際に最も大切なのは、組織の歴史、現在の代表者、構成員数、そして法律上の指定状況を分けて捉えることだ。
2011年の一本化は、過去の抗争を背景とする組織再編だった。一方、2025年の再指定と2026年の会長交代は、現在の組織運営と警察の監視体制を考えるうえで重要な出来事である。
今後は、知念秀視氏の新体制に関する動向、構成員数の更新、沖縄県警による暴力団排除活動、そして暴力団対策法に基づく行政措置が注目点となる。
過去の抗争を単なる組織の歴史として消費するのではなく、一般市民や警察官が犠牲となった社会的背景まで理解することが、旭琉會の現在を正確に読み解くための出発点となる。
主な参照資料: 沖縄県警察「沖縄県内暴力団の概要」、国家公安委員会定例会議資料、沖縄県公安委員会の官報公示に関する報道、琉球新報、共同通信、警察庁「暴力団対策法の運用」、e-Gov法令検索。