2026年11月現在、棒高跳びの世界記録は、男子が6m31、女子が5m06です。男子はスウェーデンのアルマント・デュプランティスが2026年3月12日、母国ウプサラで開催された「モンド・クラシック」で6m31を成功させ、自身の世界記録を更新しました。一方、女子はロシアのエレーナ・イシンバエワが2009年8月28日にチューリッヒで樹立した5m06を現在も保持しています。
男子は2020年以降、デュプランティスが驚異的なペースで記録を塗り替え、ついに6m31の大台に到達しました。女子は17年以上にわたり世界記録が破られていません。世界陸連の最新ランキング、日本記録、歴代の記録更新回数まで比較すると、男女で異なる棒高跳びの進化が見えてきます。
【2026年最新】男子棒高跳び世界記録6m31・女子5m06の保持者は誰?
棒高跳びの世界記録は男女で保持者が異なります。2026年秋の世界陸連(World Athletics)の公式記録を確認すると、男子はデュプランティス、女子はイシンバエワが歴代最高記録のトップに位置しています。
男子:アルマント・デュプランティスの6m31
男子の世界記録保持者は、スウェーデン代表のアルマント・デュプランティス(Armand Duplantis)です。
2026年3月12日、スウェーデンのウプサラにあるIFUアリーナで開催されたモンド・クラシックに出場。6m08までをすべて1回目の試技で成功させた後、世界記録となる6m31に挑戦しました。
そして、最初の試技でバーを越えることに成功。自身が2025年9月の東京世界選手権で記録した6m30を1cm上回り、男子棒高跳びの世界記録を更新しました。
この成功は、デュプランティスにとって通算15回目の世界記録更新です。世界陸連の大会結果にも6m31が世界記録(WR)として掲載されています。
女子:エレーナ・イシンバエワの5m06
女子の世界記録保持者は、ロシアのエレーナ・イシンバエワ(Yelena Isinbayeva)です。
記録が生まれたのは2009年8月28日。スイスのチューリッヒで開催された陸上競技大会で、5m06を成功させました。
それまでの自身の世界記録5m05を1cm更新したこの跳躍は、現在まで女子棒高跳びの最高記録として残っています。
イシンバエワは2005年に女子選手として初めて5mを突破した選手でもあります。女子棒高跳びの競技水準を大きく引き上げた存在であり、5m06は単なる数字ではなく、彼女の時代を象徴する記録です。
【男子世界記録の更新】2026年3月12日モンド・クラシックで6m31達成
デュプランティスが6m31を成功させたモンド・クラシックは、世界陸連のインドアツアー・シルバーに位置付けられる大会です。
母国スウェーデンで開催された大会ということもあり、今回の記録更新は本人にとって特別な意味を持つものになりました。
6m31に到達するまでの試技
世界陸連の公式リポートによると、デュプランティスは5m65、5m90、6m08をそれぞれ1回目で成功させています。
競技にはノルウェーのソンドレ・グットルムセンも出場し、6m00を成功。最終的に2位となりましたが、6m08はクリアできませんでした。
一方のデュプランティスは、6m08を成功させた後にバーを6m31へ引き上げ、1回目でクリア。会場は新世界記録の誕生に沸きました。
6m30から6m31へ、東京からウプサラへ
今回の更新を理解するには、直前の世界記録を振り返る必要があります。
デュプランティスは2025年9月15日、東京で開催された世界陸上競技選手権大会で6m30を成功させていました。そこから約6か月後、2026年3月12日のウプサラで6m31を記録しています。
世界陸連の2026年の記録一覧でも、6m31は男子の歴代最高記録として掲載されています。したがって、現在の男子世界記録は6m30ではなく6m31です。
なお、6m31を達成したのは世界選手権ではなく、モンド・クラシックです。世界選手権の大会記録と、競技全体の世界記録は区別して理解する必要があります。
【棒高跳び世界記録の歴代推移】デュプランティスとブブカの記録更新回数
男子棒高跳びの歴史は、4m、5m、6mという大きな壁を越えるたびに進化してきました。特にセルゲイ・ブブカとデュプランティスは、世界記録の歴史を語るうえで欠かせない存在です。
男子の世界記録は4m02から6m31へ
世界陸連が公認する男子棒高跳びの最初の世界記録は、1912年にアメリカのマーク・ライトが記録した4m02です。
その後、1942年にはコーネリアス・ウォーマーダムが4m77を記録。1963年にはブライアン・スターンバーグが5mを突破し、1972年にはスウェーデンのケル・イサクソンが5m51を記録しました。
1980年代に入ると、セルゲイ・ブブカが登場します。1984年から1994年までに14回連続で世界記録を更新し、最終的に6m14まで記録を伸ばしました。
その後、2014年にはフランスのルノー・ラビレニが6m16を記録。ブブカの記録を20年ぶりに上回りました。
さらに2020年、デュプランティスが6m17を成功させ、男子棒高跳びの新時代が始まりました。
デュプランティスの世界記録更新15回の全履歴
デュプランティスは2020年から2026年まで、次のように1cmずつ世界記録を引き上げています。
- 6m17:2020年2月8日・トルン
- 6m18:2020年2月15日・グラスゴー
- 6m19:2022年3月7日・ベオグラード
- 6m20:2022年3月20日・ベオグラード
- 6m21:2022年7月24日・ユージーン
- 6m22:2023年2月25日・クレルモンフェラン
- 6m23:2023年9月17日・ユージーン
- 6m24:2024年4月20日・廈門
- 6m25:2024年8月5日・パリ
- 6m26:2024年8月25日・ホジュフ
- 6m27:2025年2月28日・クレルモンフェラン
- 6m28:2025年6月15日・ストックホルム
- 6m29:2025年8月12日・ブダペスト
- 6m30:2025年9月15日・東京
- 6m31:2026年3月12日・ウプサラ
わずか6年間で15回も世界記録を更新したことになります。しかも、単発の大幅更新ではなく、1cmずつ記録を伸ばしている点が特徴です。
世界陸連の競技史では、ブブカが14回の連続更新を達成したことも紹介されています。デュプランティスはその記録を更新する15回目の世界記録を樹立し、歴史的な記録更新者となりました。
世界陸連の男子・女子歴代ランキング
2026年秋時点の世界陸連のシニア歴代最高記録を比較すると、男子ではデュプランティスが2位以下に大きな差をつけています。女子ではイシンバエワの5m06が依然としてトップです。
| 性別 | 順位 | 記録 | 選手 | 達成日・場所 |
|---|---|---|---|---|
| 男子 | 1位 | 6m31 | アルマント・デュプランティス | 2026年3月12日・ウプサラ |
| 男子 | 2位 | 6m20 | エマヌイル・カラリス | 2026年8月27日・チューリッヒ |
| 男子 | 3位 | 6m16 | ルノー・ラビレニ | 2014年2月15日・ドネツク |
| 男子 | 4位 | 6m15 | セルゲイ・ブブカ | 1993年2月21日・ドネツク |
| 男子 | 5位 | 6m07 | KC・ライトフット | 2023年6月2日・ナッシュビル |
| 女子 | 1位 | 5m06 | エレーナ・イシンバエワ | 2009年8月28日・チューリッヒ |
| 女子 | 2位 | 5m03 | ジェニファー・サー | 2016年1月30日・ブロックポート |
| 女子 | 3位 | 5m01 | アンジェリカ・シドロワ | 2021年9月9日・チューリッヒ |
| 女子 | 4位 | 5m00 | サンディ・モリス | 2016年9月9日・ブリュッセル |
| 女子 | 5位タイ | 4m95 | ケイティ・ナゲオット | 2021年6月26日・ユージーン |
| 女子 | 5位タイ | 4m95 | ニナ・ケネディ | 2026年7月10日・モナコ |
※世界陸連の歴代最高記録一覧に基づく比較。屋内・屋外の記録を含みます。同順位は同じ記録によるものです。
ランキングから分かるのは、男子では6m20以上を記録する選手が複数いる一方、6m31は依然として突出していることです。女子では5m00を超える選手が複数存在するものの、イシンバエワの5m06には届いていません。
【日本記録との比較】男子5m83・女子4m55は世界にどこまで近づいた?
世界記録だけでなく、日本の棒高跳び選手がどこまで記録を伸ばしているのかも気になるところです。
2026年10月21日現在の日本陸上競技連盟(日本陸連)の公式記録によると、男子は澤野大地、女子は諸田実咲が日本記録を保持しています。
男子日本記録:澤野大地の5m83
男子の日本記録は5m83です。
保持者は澤野大地で、2005年5月3日に開催された静岡国際で記録しました。2026年現在も破られておらず、20年以上にわたって日本最高記録として残っています。
世界記録6m31との差は48cmです。男子棒高跳びで6m台に到達すること自体が非常に難しいなか、5m83は日本の競技史に残る高い水準の記録です。
女子日本記録:諸田実咲が2026年に4m55を達成
女子の日本記録は4m55です。
保持者は諸田実咲。2026年9月25日に開催されたアジア大会で記録を更新しました。日本陸連の最新記録表にも、女子棒高跳びの日本記録として掲載されています。
女子世界記録5m06との差は51cmです。
特に注目したいのは、女子の日本記録が2026年に更新されたことです。男子の日本記録は2005年以来変わっていませんが、女子では新たな記録が生まれ、日本国内の競技水準が前進しています。
【なぜ世界記録の更新は難しい?】棒高跳びの技術とデュプランティスの強さ
棒高跳びは、単純にジャンプ力だけで勝負する競技ではありません。助走のスピード、踏み切りの精度、ポールの反発力、空中での身体操作など、複数の能力を高いレベルで組み合わせる必要があります。
助走スピードが高い跳躍を生み出す
棒高跳びでは、助走で得た速度を踏み切りからポールへ伝え、そのエネルギーを利用して身体を高く持ち上げます。
世界陸上のトップ選手になると、走力だけでなく、踏み切り時の姿勢やポールを曲げる技術も極めて重要になります。
BBCのデュプランティスに関する分析でも、彼の強みとして助走時のスプリント能力が取り上げられています。高い助走速度が大きな運動エネルギーを生み出し、記録を伸ばす土台になっています。
ポールの性能と身体操作の組み合わせ
現在の棒高跳びでは、競技者の体格や技術に合わせてポールの長さや硬さを選択します。
ポールは踏み切り時にしなり、その復元力を利用して選手の身体を上方へ押し上げます。ただし、ポールが硬ければよいという単純な話ではありません。助走速度、踏み切り位置、身体の動きとの相性が重要です。
デュプランティスのように高い助走速度と空中での身体操作を両立できる選手は、ポールの性能を最大限に引き出せます。
1cmずつの更新にも大きな意味がある
棒高跳びの世界記録は、1cmの更新であっても極めて価値があります。
バーを大きく上げすぎれば成功率が下がり、逆に低い高さに設定すれば世界記録としての価値は生まれません。選手は自分のコンディションや競技状況を見極めながら、挑戦する高さを選択します。
デュプランティスが6m17から6m31まで1cm単位で更新してきた経緯は、記録を伸ばすための技術的な成熟と、競技戦略の両方を示しています。
【プロの結論】2026年の棒高跳びは男子の進化と女子の記録停滞が焦点
2026年の棒高跳びを分析すると、男子と女子では世界記録をめぐる状況が大きく異なっています。
男子はデュプランティスが6m31まで記録を伸ばし、2020年以降だけで15回の世界記録更新を達成しました。2位の6m20との差は11cmあり、現役選手の中でも際立った存在です。
一方、女子はイシンバエワが2009年に記録した5m06が17年以上も残っています。ジェニファー・サーの5m03やアンジェリカ・シドロワの5m01など、5mを超える記録は生まれていますが、世界記録の更新には至っていません。
ここで注意したいのは、男子の6m31と女子の5m06を単純に比較して、競技の難しさや選手の能力を判断しないことです。男女では身体的条件や競技の歴史、競技人口などが異なります。それぞれの記録更新の背景を分けて考える必要があります。
また、世界記録と日本記録の比較も重要です。男子では澤野大地の5m83が長期間維持され、女子では諸田実咲が2026年に4m55を達成しました。国内の記録が今後どこまで伸びるのかも注目点です。
今後の観戦では、デュプランティスが6m32以上に挑戦するか、女子で5m06を超える選手が現れるか、そして日本勢が世界との差をどこまで縮めるかを見ておきたいところです。
【棒高跳び世界記録】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:男子棒高跳びの世界記録は何メートルですか?
A1:2026年11月現在、男子の世界記録は6m31です。スウェーデンのアルマント・デュプランティスが2026年3月12日、モンド・クラシックで達成しました。
Q2:女子棒高跳びの世界記録は何メートルですか?
A2:女子の世界記録は5m06です。エレーナ・イシンバエワが2009年8月28日にスイスのチューリッヒで記録し、2026年現在も保持しています。
Q3:棒高跳びの世界記録保持者は現在誰ですか?
A3:男子はスウェーデンのアルマント・デュプランティス、女子はロシアのエレーナ・イシンバエワです。
Q4:デュプランティスは何回世界記録を更新していますか?
A4:2026年3月12日の6m31が通算15回目の世界記録更新です。2020年に6m17を記録して以来、1cmずつ記録を伸ばしています。
Q5:女子の5m06はいつから破られていないのですか?
A5:2009年8月28日にイシンバエワが達成して以来、更新されていません。2026年11月時点で17年以上維持されている世界記録です。
Q6:日本の棒高跳びの最高記録は何メートルですか?
A6:男子は澤野大地の5m83(2005年5月3日)、女子は諸田実咲の4m55(2026年9月25日)です。
Q7:室内大会で出した記録も世界記録になりますか?
A7:なります。デュプランティスが6m31を記録したモンド・クラシックは屋内大会ですが、世界陸連の公式記録で男子の世界記録として扱われています。
まとめ:棒高跳び世界記録は男子6m31・女子5m06が最新
2026年11月現在の棒高跳び世界記録は、男子6m31、女子5m06です。
男子はデュプランティスが2026年3月12日のモンド・クラシックで6m31を成功させ、自身15回目の世界記録更新を達成しました。女子はイシンバエワが2009年8月28日にチューリッヒで樹立した5m06を保持しています。
男子ではブブカからデュプランティスへと世界記録の主役が移り、女子ではイシンバエワの記録が長く残り続けています。
日本記録についても、男子5m83の澤野大地に対し、女子は諸田実咲が2026年に4m55へ更新しました。
次の注目は、デュプランティスが6m32の壁を越えるのか、そして女子で17年以上続く5m06の記録がついに破られるのかという点です。男女それぞれの歴史と最新ランキングを押さえておけば、これからの世界大会や国際大会をより深く楽しめます。
主な確認資料: 世界陸連の公式大会結果・男女歴代ランキング・競技史、日本陸上競技連盟の2026年10月21日現在の日本記録一覧、BBC Sportのデュプランティス世界記録更新履歴。