「にゃんぱすー」とは、アニメ『のんのんびより』に登場する宮内れんげ(通称・れんちょん)が使う、独特な挨拶の言葉です。一般的な「こんにちは」や「おはよう」とは異なり、作品独自のユーモアから生まれた造語として、2013年のアニメ放送当時、大きな話題を呼びました。
この言葉の正体を知るうえで重要なのが、KADOKAWAの吉沼忍プロデューサーが2013年11月の「MANTANWEB」のインタビューで説明した内容です。れんげが考えた言葉であることや、「おはこんばんちわ」のような発想との共通点が語られています。方言なのか、どんな場面で使うのか、なぜファンの間に広まったのか。その背景を作品の設定と当時の記録から整理します。
【意味を解説】にゃんぱすーは何の挨拶?吉沼忍プロデューサーの説明
「にゃんぱすー」の意味を理解するために、まず確認したいのが2013年11月9日に公開されたMANTANWEBのインタビューです。
同媒体の企画「アニメ質問状」では、『のんのんびより』の制作に携わったKADOKAWAの吉沼忍プロデューサーが、宮内れんげの特徴的な台詞について質問を受けています。
そこで示された説明が、この言葉の意味を考えるうえでの最も重要な手がかりです。
「小学1年生が考えた『おはこんばんちわ』的な(笑い)、いろいろなときに対応できるあいさつです。」
つまり、「にゃんぱすー」は朝・昼・夜を問わず使える挨拶として、れんげのキャラクターに合わせて作られた言葉です。
「おはこんばんちわ」は、おはよう・こんにちは・こんばんはを一つにまとめたような表現です。吉沼プロデューサーは、それに近い発想を小学1年生のれんげが持っているという説明をしています。
ここで注目したいのは、言葉そのものに厳密な意味を持たせるよりも、子どもらしい自由な発想を優先している点です。
「にゃん」と「ぱす」に辞書的な意味はある?
「にゃんぱすー」を文字で分けると、「にゃん」と「ぱすー」という二つの音に見えます。
「にゃん」から猫を連想したり、「ぱす」から英語のPASSを思い浮かべたりする人もいる可能性があります。しかし、吉沼プロデューサーの説明では、こうした語源の分解や特定の単語との対応関係は示されていません。
したがって、猫を意味する言葉と英単語を組み合わせたものなどと断定する根拠はありません。作品の設定に沿って理解するなら、音の響きと自由な言葉遊びから生まれた挨拶です。
【方言説を検証】にゃんぱすーの由来は地方の言葉なのか?
インターネット上では、れんげが田舎に暮らしていることから、「にゃんぱすーは実在する地方の方言なのではないか」という疑問も見られます。
しかし、吉沼プロデューサーの説明を確認すると、方言として紹介されているわけではありません。あくまで小学1年生のれんげが考えた、さまざまな場面に対応できる挨拶という位置づけです。
田舎が舞台だから方言というわけではない
『のんのんびより』は、自然に囲まれた田舎の学校を舞台にした日常系コメディです。
れんげは旭丘分校に通う小学1年生で、語尾に「~のん」をつける独特の話し方でも知られています。テレビ東京の公式キャラクター紹介でも、彼女について「独特の感性の持ち主」と紹介されています。
ただし、キャラクターが使う独特な言葉遣いと、実際の地域で受け継がれている方言は別のものです。
「~のん」という語尾も、作品内でれんげを印象づける特徴として捉えるのが自然です。これを根拠に「にゃんぱすー」まで特定地域の方言だと考えることはできません。
由来について分かっていること・分かっていないこと
由来を整理すると、次のようになります。
- 作品上の発案者:宮内れんげというキャラクター。
- 言葉の役割:時間帯を問わず使える挨拶。
- 制作側の説明:小学1年生が考えた「おはこんばんちわ」のような発想。
- 実在する方言との関係:特定地域の方言として説明されていない。
- 「にゃん」「ぱす」の語源:公式インタビューで個別の語源は説明されていない。
大切なのは、言葉の語源を無理に探すよりも、れんげの自由な発想から生まれたという制作側の説明を押さえることです。
【初登場は第1話】れんちょんがにゃんぱすーを使う場面と返し方
「にゃんぱすー」がテレビアニメで初めて登場するのは、2013年放送の第1期第1話「転校生が来た」です。
登校途中のれんげが、越谷夏海に挨拶をする場面で使われます。普通なら「おはよう」と声をかけるような状況で、れんげは独特の言葉を発します。
夏海が戸惑う様子も、この場面の面白さを引き立てています。意味を説明する前に、まず言葉の響きと動作でキャラクターの個性を伝える演出です。
にゃんぱすーの基本的な使い方
実際に使う場合は、一般的な挨拶と同じ感覚で問題ありません。
- 朝に友人と会ったとき。
- 昼間に知り合いへ声をかけるとき。
- 夜にオンラインの友人へ挨拶するとき。
- アニメファン同士の交流を始めるとき。
- SNSやチャットで軽い挨拶をしたいとき。
時間帯を問わないという制作側の説明に沿えば、朝昼晩のどの場面でも使える表現です。
にゃんぱすーへの自然な返し方は?
作品の雰囲気に合わせるなら、相手から「にゃんぱすー」と言われたとき、同じく「にゃんぱすー」と返すのが自然です。
実際、第1話の夏海も最初は戸惑いながら、れんげの挨拶をそのまま返しています。
もちろん、必ず同じ言葉で返さなければならないわけではありません。一般的な挨拶として「おはよう」「こんにちは」と返しても会話は成立します。
ただし、作品のファン同士であれば、同じ言葉を返すことで作品を知っていることが伝わり、会話のきっかけにもなります。
使うときに気をつけたいポイント
「にゃんぱすー」は、親しい人や作品を知っている人とのカジュアルな交流に向いています。
一方、仕事上の初対面やフォーマルな場面では、通常の挨拶を使うほうが無難です。相手が作品を知らない場合、意味が伝わらず戸惑わせる可能性もあります。
【作品と関係者の相関】にゃんぱすーを生んだ人物・作品・出来事の年表
「にゃんぱすー」は、単独のネットスラングとして生まれた言葉ではありません。原作漫画、アニメ制作、キャラクターの個性、ファンの反応が重なって広がりました。
関係する人物や出来事を時系列で整理すると、その背景が分かりやすくなります。
| 時期・人物 | 出来事・役割 | にゃんぱすーとの関係 |
|---|---|---|
| 原作・あっと | 漫画『のんのんびより』の作者 | 宮内れんげを含むキャラクターと作品世界を生み出した。 |
| 2013年10月 | テレビアニメ第1期放送開始 | 第1話でれんげの挨拶として登場。 |
| 2013年11月9日 | 吉沼忍プロデューサーがMANTANWEBで回答 | 「おはこんばんちわ」のような、時間帯を問わない挨拶と説明。 |
| 2013年12月3日 | KADOKAWAが受賞を発表 | 2013年アニメ流行語大賞の金賞を獲得。 |
| 2015年7月 | 第2期『のんのんびより りぴーと』放送 | 作品の人気とキャラクターの認知が継続。 |
| 2018年8月25日 | 劇場版『のんのんびより ばけーしょん』公開 | シリーズの世界観が映画にも広がる。 |
| 2021年1月 | 第3期『のんのんびより のんすとっぷ』放送 | れんげの挨拶がシリーズを象徴する言葉として引き継がれる。 |
| 2023~2024年 | シリーズ10周年企画・関連商品展開 | 10周年を経ても作品の記念企画や関連商品の展開が続いた。 |
特に重要なのが、吉沼忍プロデューサーの発言です。ファンの間で意味が推測されるだけでなく、制作側がキャラクターの発想として説明しているため、言葉の位置づけを理解する確かな手がかりになります。
また、宮内れんげを演じるのは声優の小岩井ことりです。テレビ東京の公式キャラクター紹介でも、れんげの担当声優として掲載されています。
【2013年アニメ流行語大賞】にゃんぱすーが金賞を受賞した理由
「にゃんぱすー」が作品の外でも広く知られるようになった大きな転機が、2013年アニメ流行語大賞での金賞受賞です。
2013年12月3日、KADOKAWAは「にゃんぱすー」が同賞の金賞に選ばれたことをプレスリリースで発表しました。
この賞はガジェット通信が主催したアニメ関連の流行語企画です。『進撃の巨人』の「駆逐してやる」や、『Free!』の「俺はフリーしか泳がない」など、当時話題になった作品の台詞を抑えての受賞でした。
金賞受賞後には記念イベントも開催
KADOKAWAの発表によると、今回の受賞を記念して、2013年12月7日に東京・秋葉原のAKIHABARAゲーマーズ本店で「の」の字の飴を無料配布するイベントが予定されました。
配布された飴は、作品の舞台に登場する田舎の駄菓子屋で売られているような雰囲気をイメージしたものです。
単に賞を受賞して終わるのではなく、作品の世界観を反映した企画に展開した点も興味深いところです。
放送当時のSNSでも高い存在感を示した
2014年1月30日付のマイナビニュース(TECH+)は、NECビッグローブが実施した2013年秋アニメの実況ツイート数ランキングを紹介しています。
この調査では、2013年10月から12月までの放送作品について、放送中の1分当たりの平均ツイート数を比較。『のんのんびより』は最終話と全話平均で1位になりました。
加えて、最終話では平均1000ツイート/分まで投稿数が増加したと報じられています。記事では「にゃんぱすー」やエンディングテーマに関連する「イタチですよ」といった言葉が一斉に投稿されたことも紹介されました。
これは、作品の人気が単に視聴者数だけでなく、放送中にファンが同じ場面や言葉を共有する楽しさにも支えられていたことを示す記録です。
一般の新語・流行語大賞とは別の賞
ここで注意したいのが、「2013年アニメ流行語大賞」と、テレビや新聞でも広く報道される「ユーキャン新語・流行語大賞」は別の企画だという点です。
「にゃんぱすー」が金賞を受賞したのは、アニメ作品の台詞を対象としたアニメ流行語大賞です。一般社会の年間流行語を選ぶ賞で金賞を受賞したわけではありません。
この区別を押さえておくと、当時の受賞歴を正しく理解できます。
【2026年の視点】にゃんぱすーが長く記憶される理由と使う際の判断基準
2013年のテレビアニメ第1期から13年が経過した2026年現在、「にゃんぱすー」は『のんのんびより』を象徴する言葉の一つとして知られています。
シリーズは2015年の第2期、2018年の劇場版、2021年の第3期へと展開しました。加えて、2023年にはシリーズ10周年企画が始まり、2024年には関連Blu-ray BOXも発売されています。
こうした長期的な作品展開の中で、れんげの挨拶は初期シリーズを思い出す象徴的なフレーズとして残っています。
なぜ短い挨拶がここまで印象に残ったのか
理由の一つは、言葉の短さと音の特徴です。
「おはよう」や「こんにちは」と比べても、「にゃんぱすー」は音の並びが独特で、一度聞くと印象に残りやすい表現です。
もう一つは、言葉とキャラクターの性格が一致していることです。
れんげは小学1年生でありながら、独特の感性と豊かな知識を持っています。吉沼プロデューサーも、インタビューで通知表がオール5であることなどに触れています。
一見すると意味不明な挨拶も、れんげというキャラクターを知ると自然に受け入れられます。言葉単体の面白さだけでなく、発する人物の個性が印象を強めているのです。
2026年に使うなら、相手との距離感がポイント
現在でも、作品ファンとの交流やSNSでの軽い挨拶に使う楽しみ方があります。
- おすすめ:『のんのんびより』を知っている友人やアニメファンとの交流。
- おすすめ:作品の話題を始めるきっかけとして使う場合。
- 注意:相手が作品を知らない場合は、意味が伝わらない可能性がある。
- 避けたい場面:ビジネス上の正式な連絡や、礼儀が求められる初対面の挨拶。
流行語としての勢いが2013年当時と同じとは限りません。しかし、作品を知っている人にとっては、短い一言で共通の思い出を共有できるという魅力があります。
【プロの結論】にゃんぱすーは意味よりもキャラクター性を楽しむ言葉
「にゃんぱすー」を理解するうえで、最も大切なのは、辞書的な意味や語源を探すことではありません。
吉沼忍プロデューサーの説明にあるように、この言葉は小学1年生のれんげが考えた、さまざまな時間帯に対応できる挨拶です。「おはこんばんちわ」のような自由な発想が、キャラクターの個性と結びついています。
また、2013年アニメ流行語大賞の金賞受賞や、当時の実況ツイート数の記録からも、作品の枠を超えて視聴者に受け入れられたことが分かります。
言葉の面白さ、キャラクターの魅力、ファン同士の共有体験。この三つが重なったことが、「にゃんぱすー」が長く記憶されている理由です。
にゃんぱすーに関するよくある質問(FAQ)
Q1:にゃんぱすーとはどういう意味ですか?
A1:『のんのんびより』の宮内れんげが使う挨拶です。朝・昼・夜など、さまざまな時間帯に対応できる言葉として、吉沼忍プロデューサーが説明しています。
Q2:にゃんぱすーは本当に方言ですか?
A2:特定地域の方言として説明された言葉ではありません。作品内でれんげが考えた独創的な挨拶です。
Q3:にゃんぱすーの元ネタは何ですか?
A3:あっと原作の漫画・アニメ『のんのんびより』です。宮内れんげが使用する挨拶として登場しました。
Q4:にゃんぱすーはアニメの何話で初登場しますか?
A4:テレビアニメ第1期の第1話「転校生が来た」です。登校途中にれんげが越谷夏海へ挨拶する場面で登場します。
Q5:にゃんぱすーと言われたら何と返せばいいですか?
A5:「にゃんぱすー」と同じ言葉で返すのが作品に沿った自然な返し方です。もちろん、「おはよう」や「こんにちは」と返しても問題ありません。
Q6:にゃんぱすーは2013年の流行語大賞で金賞を取ったのですか?
A6:はい。2013年アニメ流行語大賞で金賞を受賞しています。ただし、一般のユーキャン新語・流行語大賞とは別の企画です。
まとめ:にゃんぱすーの由来を知れば『のんのんびより』がもっと楽しくなる
「にゃんぱすー」は、『のんのんびより』の宮内れんげが使う、時間帯を問わない独特な挨拶です。吉沼忍プロデューサーの説明によれば、小学1年生が考えた「おはこんばんちわ」のような言葉遊びに近いものです。
特定の地域の方言ではなく、2013年放送の第1期第1話で初登場。作品の人気とともにファンの間へ広がり、同年のアニメ流行語大賞では金賞を獲得しました。
2026年に改めて振り返っても、この言葉の魅力は変わりません。意味を細かく考えすぎず、れんげらしい自由な発想と、作品が持つのんびりした空気を楽しむ。それこそが「にゃんぱすー」の本来の面白さです。
主な根拠資料
- MANTANWEB「アニメ質問状:『のんのんびより』“にゃんぱすー”の意味は!」(2013年11月9日)
- KADOKAWA「2013年アニメ流行語大賞は『にゃんぱすー』が金賞に!」(2013年12月3日)
- テレビ東京アニメ公式・宮内れんげキャラクター紹介
- マイナビニュース(TECH+)「秋期アニメの実況ツイート数1位は『のんのんびより』」(2014年1月30日)
- 『のんのんびより』公式サイト・シリーズ情報