2026年11月現在、斎藤元彦兵庫県知事のPR会社社長として知られる人物は、株式会社merchu(メルチュ)の代表取締役・折田楓(おりた・かえで)氏です。2024年11月の兵庫県知事選挙で、斎藤知事陣営のSNS戦略や広報活動に関与したと自身のnoteで公表したことから、公職選挙法違反の疑いを巡る問題が浮上しました。
争点となったのは、merchuに支払われた71万5000円の業務委託費と、選挙広報における折田氏の実際の役割です。神戸地検は2025年11月12日に斎藤知事と折田氏を嫌疑不十分で不起訴とし、さらに2026年6月19日には神戸第1検察審査会が斎藤知事について「不起訴相当」と議決しました。騒動の発端から司法判断、折田氏と会社の現在まで、重要な事実を時系列で整理します。
【人物紹介】斎藤知事のPR会社社長は折田楓氏!株式会社merchuとは?
斎藤知事のPR会社社長として名前が広く知られるようになったのが、株式会社merchuの代表取締役を務める折田楓氏です。
折田氏は、兵庫県西宮市を拠点に広報・PR、デジタルマーケティング、ブランディングなどを手掛けてきた経営者です。
2024年の兵庫県知事選挙後、自身のnoteに選挙広報の舞台裏を詳しく投稿したことで、政治と民間PR会社の関係を巡る議論の中心人物となりました。
折田楓氏のプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 折田楓(おりた・かえで) |
| 生年月日 | 1991年11月28日 |
| 出身地 | 兵庫県西宮市 |
| 学歴 | 慶應義塾大学卒業 |
| 海外経験 | フランスのESSECへの留学 |
| 前職 | BNPパリバ銀行 |
| 会社 | 株式会社merchu |
| 役職 | 代表取締役 |
| 起業 | 2017年 |
| 主な事業 | 広報・PR、ブランディング、デジタルマーケティング |
これらは折田氏自身が2020年に公開した自己紹介記事などに記載されている経歴です。
折田楓氏の経歴とプロフィール
折田氏は兵庫県西宮市で生まれ、フランスへの留学を経験した後、慶應義塾大学を卒業しました。
その後、フランス系大手金融機関のBNPパリバ銀行に入行し、金融業界での社会人経験を積みます。
外資系金融機関を退職した後は、母親とともに婚活サロン「mariage tutu」の立ち上げに携わりました。
この事業でSNSやWebを活用した集客・情報発信に取り組んだ経験が、後のmerchu創業につながったと本人は説明しています。
2017年に株式会社merchuを設立。オンラインブランディングやPRコンサルティングを軸に、企業や自治体などの情報発信を支援する事業を展開してきました。
折田氏の特徴は、単なる広告制作ではなく、商品の魅力を見つけ、それをブランドとして表現し、顧客に届けるという一連のプロセスを重視している点です。
斎藤知事と折田楓氏の関係
2人の関係を理解するうえで重要なのは、2024年の知事選以前から折田氏が兵庫県の行政関連委員を務めていたことです。
本人のプロフィールには、次のような活動歴が記載されています。
- 2021年から兵庫県地方創生戦略委員
- 2022年から兵庫県eスポーツ検討会委員
- 2023年から兵庫県空飛ぶクルマ会議検討委員
- 西宮市産業振興審議会委員
こうした経歴から、折田氏は地域政策や行政の広報に接点を持つ経営者だったことが分かります。
ただし、行政委員としての関係と、選挙における業務委託の関係は別の問題です。
2024年の知事選を巡っては、折田氏がどこまで選挙活動に関与し、どの業務に対して報酬を受け取ったのかが刑事捜査の対象となりました。
【会社概要】株式会社merchu(メルチュ)の事業内容と会社の実態
株式会社merchuは、兵庫県西宮市を拠点とする広報・ブランディング関連企業です。
2017年に設立され、折田楓氏が代表取締役を務めています。
会社の公式情報に掲載されている基本事項は次のとおりです。
| 項目 | 会社情報 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社merchu |
| 英語表記 | merchu inc. |
| 設立 | 2017年10月 |
| 本拠地 | 兵庫県西宮市 |
| 資本金 | 500万円 |
| 代表者 | 折田楓 |
| 主な事業 | 広報・PRコンサルティング |
| 事業領域 | ブランディング、自社メディアブランド |
merchuの主な事業内容
merchuの公式会社情報では、事業を大きく3つに分類しています。
1. 広報・PRコンサルティング事業
企業や自治体などの情報発信を支援する事業です。
SNSの活用、デジタルマーケティング、広報戦略の策定、セミナーなどが含まれます。
2. ブランディング事業
商品やサービスの魅力を整理し、ブランドイメージを形成する事業です。
デザイン制作や写真・動画撮影、Webサイト制作なども手掛けています。
3. 自社メディアブランド事業
自社でメディアやブランドを企画・運営し、情報発信を行う事業です。
イベント企画・運営や商品開発・販売なども事業領域に含まれています。
また、会社の公式情報には、総務省の「テレワーク先駆者百選」やMeta Business Partnerなどの認定・取り組みも掲載されています。
merchuは実態のある会社なのか?
今回の騒動をきっかけに、merchuという会社の実態や事業規模にも関心が集まりました。
会社の設立情報や事業内容、公式の会社紹介資料などから、merchuが実際に広報・PR事業を行う法人であることは確認できます。
一方、売上高や従業員数などの最新の詳細な経営数値については、公開情報だけで十分に評価できません。
したがって、会社の規模や経営状態を、71万5000円の問題だけから推測することは適切ではありません。
注目すべきなのは、通常の企業広報と選挙広報では、同じSNS運用やデザイン制作でも法的な扱いが異なる点です。
この違いが、今回の問題を複雑にした大きな要因でした。
【選挙の舞台裏】2024年兵庫県知事選のSNS広報戦略とnote投稿の真相
問題の発端となったのは、2024年11月20日に折田氏が公開したnoteの記事です。
タイトルは「兵庫県知事選挙における戦略的広報:「#さいとう元知事がんばれ」を『#さいとう元彦知事がんばれ』に」。
記事では、斎藤元彦氏が再選を果たした兵庫県知事選について、折田氏自身が広報活動の内容を詳しく説明していました。
折田氏がnoteで明かした広報活動
投稿された記事には、次のような業務が紹介されていました。
プロフィール写真の撮影
斎藤氏のイメージを刷新するため、プロフィール写真の撮り直しを提案。カメラマンやヘアメイクの手配にも触れていました。
キャッチコピーとメインビジュアルの変更
従来の「躍動する兵庫」から「兵庫の躍動を止めない!」への変更を紹介。
兵庫県のイメージカラーを意識した「さいとうブルー」を採用し、選挙関連の制作物に統一感を持たせたと説明しています。
SNSアカウントの立ち上げ
斎藤氏本人のアカウントとは別に、応援する人が集まる公式応援アカウントを立ち上げたとしています。
ハッシュタグ戦略
「#さいとう元知事がんばれ」というハッシュタグを統一して使用することで、投稿の集約と拡散を狙ったと説明しました。
SNS運用の監修
X、Instagram、YouTubeなどを対象に、運用戦略の立案やコンテンツ企画、文章の校正、情報選定などを行ったと記載しています。
本人の記事によれば、SNSの運用だけでなく、写真や動画の撮影にも現場で関わったとのことです。
SNSのフォロワー数はどのように変化した?
折田氏のnoteでは、2024年11月20日時点の各アカウントのフォロワー数も紹介されていました。
- 斎藤氏本人のX:約7万8000人から約24万3000人
- 公式応援X:約6万4000人
- 斎藤氏本人のInstagram:約6800人から約3万6000人
- 公式YouTube:約4万8300人
これらは折田氏が自身の記事で公表した数字です。
特に、10月7日に立ち上げた公式応援アカウントについては、公開翌日に約2万件の投稿でハッシュタグが使用され、トレンド入りしたと説明していました。
ただし、フォロワーの増加やSNSの拡散が、そのまま折田氏個人の業務成果や選挙結果への寄与を証明するわけではありません。
note投稿の何が問題になったのか?
問題視されたのは、投稿内容から、merchuが斎藤陣営の広報全般を担い、SNS戦略の企画から実際の運用まで主体的に担当していたように読み取れたことです。
当初の記事には、斎藤氏がmerchuのオフィスを訪問した経緯や、折田氏が提案を行い、広報全般を任されることになったという説明もありました。
しかし、投稿後に一部の文章や資料が修正・削除されました。
J-CASTニュースなどの報道では、斎藤陣営との関係を説明する表現やSNS運用のフェーズを示す資料などが変更されたことが取り上げられています。
一方、斎藤氏側は、PR会社に依頼したのはポスターなどの制作業務であり、選挙活動に関するSNS運用などはボランティアだったという趣旨の説明をしていました。
つまり、問題の核心は、折田氏がnoteで説明した広範な活動と、斎藤氏側が有償で依頼したと説明する業務の範囲が一致しているのかという点にありました。
noteに記載された内容だけで、報酬の対象業務や違法性まで確定することはできません。
【金額を検証】71万5000円の支払い内訳と公職選挙法違反疑惑の経緯
今回の騒動で特に注目された数字が、merchuに支払われた71万5000円です。
斎藤氏側は、この金額について選挙関連の制作物などに対する正当な業務委託費だと説明していました。
一方、告発した側は、折田氏が選挙運動の企画やSNS戦略に関与していたのであれば、支払いが公職選挙法の買収に該当する可能性があると主張しました。
71万5000円の内訳
斎藤氏側が説明した5項目の内訳は次のとおりです。
| 業務項目 | 税抜金額 | 税込金額 | 会計上の扱い |
|---|---|---|---|
| メインビジュアル企画・制作 | 10万円 | 11万円 | 選挙運動費用に計上 |
| チラシデザイン制作 | 15万円 | 16万5000円 | 選挙運動費用に計上 |
| ポスターデザイン制作 | 5万円 | 5万5000円 | 選挙運動費用に計上 |
| 公約スライド制作 | 30万円 | 33万円 | 政治活動費として説明 |
| 選挙公報デザイン制作 | 5万円 | 5万5000円 | 選挙運動費用に計上 |
| 合計 | 65万円 | 71万5000円 | 5項目の合計 |
この内訳は、斎藤氏側の代理人弁護士が公表した説明に基づくものです。
ここで重要なのが、71万5000円の全額が選挙運動費用として収支報告書に計上されたわけではないという点です。
2024年12月3日に公開された選挙運動費用収支報告書では、公約スライド制作を除く4項目、合計38万5000円が広告費として記載されていました。
残る33万円について、代理人弁護士は政治活動費として後援会が支払ったと説明しています。
この違いは、今回の支払いを検証するうえで欠かせないポイントです。
なぜ71万5000円が問題になったのか?
公職選挙法では、選挙運動に従事する人への報酬支払いは原則として制限されており、法律で認められた例外があります。
特にインターネット選挙運動においては、業者がどの程度主体的に活動したかが重要になります。
2025年4月8日の衆議院総務委員会では、総務省の政府参考人が一般論として、業者が主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行い、選挙運動の主体と認められる場合には、その業者への報酬が買収罪に該当するおそれがあると説明しました。
反対に、候補者側の具体的な指示に従って機械的な作業を行った場合は、報酬の扱いが異なります。
つまり、単純に「PR会社にお金を払ったから違法」という話ではありません。
業務の具体的な内容、契約の実態、誰が企画・判断したのか、支払いが何に対する対価だったのかが判断の焦点となります。
公職選挙法違反疑惑の時系列
今回の問題は、note投稿から約1年半にわたって捜査と司法判断が続きました。
- 2024年11月17日: 兵庫県知事選挙で斎藤元彦氏が再選。
- 2024年11月20日: 折田氏が選挙広報についてnoteを公開。
- 2024年11月下旬: noteの一部表現や資料が修正・削除され、問題が広く報道される。
- 2024年12月1日: 郷原信郎弁護士と上脇博之教授が斎藤知事と折田氏を公職選挙法違反の疑いで告発。
- 2024年12月16日: 兵庫県警と神戸地検が告発状を受理したと報道される。
- 2025年6月20日: 兵庫県警が斎藤知事と折田氏を書類送検。
- 2025年11月12日: 神戸地検が2人を嫌疑不十分で不起訴。
- 2025年11月14日: 告発者側が斎藤知事の不起訴処分について検察審査会に審査を申し立てる。
- 2026年6月17日: 神戸第1検察審査会が斎藤知事について不起訴相当と議決。
- 2026年6月19日: 議決内容が報道され、再捜査は行われないことが明らかになる。
この経緯から分かるのは、告発、書類送検、不起訴、検察審査会の議決という異なる手続きが段階的に進んだということです。
書類送検されたこと自体は有罪を意味せず、不起訴処分と検察審査会の判断も、それぞれ別の法的手続きに当たります。
【司法判断】神戸地検の不起訴理由と2026年6月の検察審査会の結論
2025年11月12日、神戸地方検察庁は、斎藤知事と株式会社merchuの折田氏について、公職選挙法違反の疑いで嫌疑不十分による不起訴処分としました。
この判断によって、今回の問題は大きな転換点を迎えます。
神戸地検はなぜ不起訴としたのか?
神戸地検の判断で重要なのは、71万5000円を選挙運動の対価として認定するには疑義があるとされたことです。
神戸新聞の報道によれば、地検はmerchu側への捜索や斎藤知事らへの任意の事情聴取を行い、支払いの趣旨とPR会社が選挙で果たした役割を捜査しました。
その結果、次の点が判断のポイントとなりました。
1. 71万5000円が選挙運動の報酬だったと認定できなかった
斎藤氏側は、ポスターやチラシなどの制作費を支払ったと説明していました。
検察は支払いの内容を捜査し、選挙運動の対価として認定するには疑義があると判断しました。
2. noteの記載内容がすべて裏付けられたわけではなかった
地検は、折田氏の投稿内容がすべて事実であれば犯罪の嫌疑が生じる可能性があるとして捜査しました。
しかし、報道によると、投稿内容どおりの活動が行われたことを裏付ける証拠は得られませんでした。
3. ほかの金銭の支払いが確認されなかった
地検の捜査では、問題となった71万5000円以外の金銭の支払いは確認されなかったと報じられています。
こうした事情を踏まえ、斎藤知事と折田氏の双方が嫌疑不十分で不起訴となりました。
なお、嫌疑不十分とは、犯罪の成立を認定して起訴するだけの証拠が十分でないという意味です。裁判で無罪判決が出たこととは異なります。
折田楓氏は不起訴後に何を発信した?
不起訴処分が発表された2025年11月12日、折田氏は自身のInstagramで声明を発表しました。
その中で、不正な対価の授受や不正行為を否定するとともに、自身の発信によって誤解を招いたことを反省している旨を表明しました。
この声明は、note投稿によって発生した問題について、本人が公に示した重要なコメントです。
2025年11月14日に検察審査会への申し立て
不起訴処分を受けても、告発者側は納得していませんでした。
元検事の郷原信郎弁護士と神戸学院大学の上脇博之教授は、2025年11月14日、斎藤知事に対する不起訴処分を不服として検察審査会に審査を申し立てました。
ここで注意したいのは、検察審査会への申し立て対象は斎藤知事に限定されていたことです。
折田氏については、不起訴処分に異論がないとして、申し立ての対象から除外されました。
したがって、2026年6月の検察審査会の議決を、折田氏本人に対する再審査の結論と理解するのは誤りです。
2026年6月19日、検察審査会が「不起訴相当」と議決
2026年6月17日付で、神戸第1検察審査会は斎藤知事に対する神戸地検の不起訴処分について「不起訴相当」と議決しました。
神戸新聞などの報道によれば、議決は6月19日に明らかになりました。
審査会は、検察官の処分について資料を精査し、慎重に審査した結果、判断が相当であるとしました。
そして、今回の議決では再捜査は行われないことになりました。
検察審査会制度には、次の3種類の議決があります。
- 起訴相当: 検察官の不起訴処分を不当とし、起訴すべきと判断するもの。
- 不起訴不当: 不起訴処分には問題があり、さらに捜査を尽くすべきと判断するもの。
- 不起訴相当: 検察官の不起訴処分は妥当と判断するもの。
裁判所の制度説明によると、不起訴不当や起訴相当の場合には検察官が事件を再検討します。
一方、今回の不起訴相当という議決は、神戸地検の判断を維持する結果となりました。
2026年11月現在、斎藤知事のPR会社への71万5000円の支払いを巡る公職選挙法違反事件は、検察の不起訴処分と検察審査会の不起訴相当議決によって、刑事手続き上の大きな区切りを迎えています。
【2026年最新】折田楓氏の現在とmerchuの評判・今後の活動
では、騒動の中心人物となった折田楓氏は、2026年現在どのような活動をしているのでしょうか。
注目されるのは、2026年7月31日に本人のnoteで公開されたインタビュー記事です。
記事のタイトルは「Merchu(メルチュ)10年目の節目に、あらためて『自分の言葉』で伝えたいこと」。
2024年の騒動後、更新が止まっていたnoteで、再び自分の考えや会社の方向性を発信した内容です。
2026年現在もmerchuの代表として活動
2026年7月のインタビューでは、merchuが2017年の創業から10期目を迎える節目にあることが説明されています。
折田氏は、会社のサービスをさらに充実させるため、新しいメンバーを迎え入れたり、事業の方向性を見直したりする取り組みを進めていると明かしました。
特に注目されるのが、リブランディングです。
新たに掲げたコンセプトは、
「Make a Flagship. ― 個性が彩る日本へ。」
というものです。
従来のSNSやWebを中心とする広報PR支援から、地域やブランドが持つ個性そのものを発掘し、育てるブランディングへと事業領域を広げる方針を説明しています。
会社の規模を単純に拡大するよりも、顧客や地域に深く関わり、長く価値を提供する企業を目指すという考え方です。
折田楓氏の評判はどう変化した?
折田氏に対する評価は、2024年のnote投稿を境に大きく注目されるようになりました。
一方で、広報・SNS戦略の専門性に注目する見方もあります。
今回の問題では、SNS戦略やブランド設計に関する実務経験そのものと、選挙における有償業務の適法性が混同されがちでした。
本来、この2つは分けて考える必要があります。
企業の広報を専門とすることは、選挙広報に関わった際の法的責任を免除する理由にはなりません。
同時に、選挙を巡る疑惑があったことだけで、会社が手掛けてきたすべての業務や実績まで否定することもできません。
2026年7月のnoteでは、折田氏自身が過去の騒動によってnoteの更新が止まっていたことに触れ、改めて自分の言葉で発信することを決めたと説明しています。
また、会社の今後についても、SNSやAIの活用だけでなく、情報発信に伴う責任や一次情報の重要性を追求していきたいと述べています。
折田氏とmerchuの今後の注目点
今後のmerchuを評価するうえで注目したいのは、次の3点です。
1. リブランディングの実現
新しいコンセプトに沿って、地域や企業のブランド価値を高めるサービスをどこまで具体化できるか。
2. 情報発信の透明性
2024年のnote投稿を巡る問題を経験した企業として、業務内容や関係者との役割分担をどのように明確にしていくか。
3. 事業の継続性
自治体や企業との広報支援を通じて、長期的な信頼と実績を築けるか。
折田氏の現在は、単に騒動以前の状態に戻ったというより、会社の節目に合わせて新たな事業方針を打ち出している段階です。
今後の活動については、公式の会社情報や本人の発信に加え、実際の事業実績も含めて評価する必要があります。
【プロの結論】斎藤知事と折田楓氏の問題から見える選挙SNSの本質
今回の問題で最も重要なのは、71万5000円という金額の大きさではありません。
本質は、通常の広報業務と選挙運動の境界線をどのように区別するのかという問題です。
企業のPR業務では、依頼主から報酬を受け取り、企画立案からSNS運用まで一括して請け負うことは珍しくありません。
しかし、選挙では、特定候補者を当選させるための活動に対する報酬支払いが厳しく制限されています。
そのため、一般企業の広告・PRと同じ契約形態を選挙に持ち込むことには、法的なリスクがあります。
誤解しやすい3つのポイント
誤解1:71万5000円を支払った時点で公職選挙法違反が成立する
これは正確ではありません。
金額だけではなく、実際の業務内容や報酬の対象、業者の関与の仕方などを踏まえて判断されます。
誤解2:不起訴相当は裁判で無罪が確定したことと同じ
これも異なります。
今回、刑事裁判で有罪・無罪が判断されたわけではありません。
神戸地検が嫌疑不十分で不起訴とし、検察審査会がその処分を相当と判断したものです。
誤解3:検察審査会が折田氏本人についても不起訴相当と判断した
今回の2026年6月の審査対象は斎藤知事の不起訴処分です。
折田氏の不起訴処分については、告発者側が検察審査会への申し立て対象から除外していました。
今回の問題から学ぶべき選挙広報の判断基準
今後、候補者や政治団体がPR会社にSNS運用を依頼する場合には、次の点が重要になります。
- 制作物の納品と選挙運動そのものを明確に区別する。
- 誰が企画や投稿内容の最終判断を行うのか明確にする。
- 契約内容、報酬、業務範囲を文書化する。
- 選挙運動に従事する者への報酬について、事前に選挙法務の専門家に確認する。
- SNSの運用やデジタル広告について、法律上の制限を理解しておく。
特に重要なのは、SNSを運用するという作業の名前だけで、合法・違法を判断しないことです。
同じ投稿作業でも、候補者の具体的な指示に従った機械的な作業なのか、業者が選挙戦略を主体的に企画・立案しているのかによって、法的な評価が変わる可能性があります。
今回の一連の問題は、選挙のデジタル化が進む時代に、政治活動と民間企業の専門サービスの境界をどう明確にするかという課題を示しました。
【よくある質問】斎藤知事のPR会社社長に関するFAQ
Q1:斎藤知事のPR会社社長は誰ですか?
A1:株式会社merchu(メルチュ)の代表取締役を務める折田楓氏です。兵庫県西宮市出身で、慶應義塾大学卒業後、BNPパリバ銀行を経て2017年に会社を設立しました。
Q2:折田楓氏の会社merchuにはいくら支払われましたか?
A2:斎藤氏側の説明では、5項目の業務委託費として税込71万5000円が支払われました。選挙運動費用収支報告書には、そのうち4項目の38万5000円が広告費として記載され、公約スライド制作費33万円は政治活動費として説明されました。
Q3:折田楓氏は公職選挙法違反で逮捕されたのですか?
A3:逮捕されたという事実はありません。2025年6月20日に斎藤知事とともに書類送検されましたが、同年11月12日に神戸地検から嫌疑不十分で不起訴処分を受けています。
Q4:2026年6月の検察審査会の結論は何ですか?
A4:神戸第1検察審査会は、2026年6月17日付で斎藤知事の不起訴処分を「不起訴相当」と議決しました。6月19日に明らかになり、再捜査は行われないこととなりました。
Q5:折田楓氏は2026年現在も会社を経営していますか?
A5:はい。2026年7月に公開された本人のnoteでは、株式会社merchuの代表として会社の10期目に向けたリブランディングや新しい事業方針について説明しています。
Q6:折田楓氏と斎藤知事は現在も関係があるのですか?
A6:2024年の知事選で広報活動に関与したことは本人のnoteで公表されています。ただし、2026年現在の継続的な業務関係や個人的な交流について、それを裏付ける具体的な公表情報は確認できません。
まとめ:斎藤知事のPR会社社長・折田楓氏の現在と騒動の結論
斎藤元彦知事のPR会社社長として注目された折田楓氏は、株式会社merchuの代表取締役です。
2024年11月の兵庫県知事選挙後、自身のnoteで広報全般やSNS戦略に関与したと説明したことが、公職選挙法違反疑惑の発端となりました。
問題となった71万5000円については、選挙関連の制作物など5項目の業務委託費だったと斎藤氏側が説明。神戸地検は2025年11月12日に斎藤知事と折田氏を嫌疑不十分で不起訴としました。
さらに2026年6月19日、神戸第1検察審査会が斎藤知事について不起訴相当と議決し、刑事手続き上の大きな区切りを迎えました。
一方、折田氏は2026年現在もmerchuの代表として活動し、会社は10期目を迎えて新たなブランド戦略を進めています。
今回の騒動を理解するうえで大切なのは、疑惑が浮上した経緯、実際の支払い内容、検察の判断、検察審査会の結論を混同しないことです。
2026年11月現在の結論は、斎藤知事と折田楓氏はともに不起訴となり、斎藤知事についても検察審査会が不起訴相当と判断したということです。
今後の焦点は、merchuの事業展開だけでなく、選挙におけるSNS広報の透明性と、民間企業が担うデジタル選挙支援のルールがどのように整備されていくかにあります。
編集上の重要な確認点: 2026年6月の「不起訴相当」は斎藤知事に対する議決であり、折田氏本人への検察審査会の議決ではありません。この区別が記事の最も要点です。