2026年11月2日現在、大相撲の第74代横綱・豊昇龍は、11月8日に初日を迎える九州場所での復帰を目指して調整を続けている。7月29日に右膝の内側側副靱帯を修復する手術を受け、5月の夏場所、7月の名古屋場所、9月の秋場所と3場所連続で休場を経験したが、10月の秋巡業には途中から合流。10月27日には幕下以下の力士と15番取り、13勝2敗という稽古内容を残した。
本人は九州場所への出場について前向きな姿勢を示している。一方、出場の最終判断は師匠の立浪親方と相談し、右膝の状態を見極めて決める方針だ。10月31日には大栄翔との稽古で16番14勝2敗を記録しており、調整は着実に進んでいる。果たして豊昇龍は九州場所で土俵に戻れるのか。手術に至った経緯、秋巡業での復調、横綱昇進後の成績、今後の判断材料まで整理する。
【最新状況】豊昇龍は2026年11月の九州場所に復帰できるのか

豊昇龍の復帰をめぐる最大の注目点は、九州場所に出場する意欲と、右膝が15日間の本場所に耐えられる状態まで戻っているかという2つの問題だ。
九州場所は2026年11月8日、福岡国際センターで初日を迎える。日本相撲協会の11月場所番付では、豊昇龍は西横綱に位置している。
10月27日、福岡県糸島市の立浪部屋宿舎で朝稽古を行った豊昇龍は、九州場所への出場について次のように語った。日刊スポーツや共同通信が報じている。
「出るつもりでやっています」
「ぎりぎりまで分からない。親方と話して決めます」
この発言から読み取れるのは、本人が復帰を諦めていない一方で、出場を確約しているわけではないということだ。
10月31日の稽古後には、さらに前向きな様子も伝えられた。スポニチアネックスの報道によると、豊昇龍は福岡市の追手風部屋へ出稽古し、平幕の大栄翔と16番取って14勝2敗。稽古後には「日々、良くなっている」と回復を強調した。
同行した立浪親方も、出場する以上は優勝を目指す覚悟が必要だという考えを示している。残りの稽古で不安を取り除き、状態を見極めることが最終判断につながる。
11月2日時点で押さえておきたい3つの事実
- 豊昇龍は九州場所出場を目指して稽古を続けている。
- 10月末には関取との申し合いを連日行えるまでに調整が進んだ。
- 出場の最終決定は本人と師匠の立浪親方による判断に委ねられている。
したがって、現時点での正確な答えは「復帰に向けて準備中だが、正式な出場確定には至っていない」となる。11月8日が復帰の最短候補であり、出場するかどうかは初日直前まで注目される。
【休場理由を時系列で解説】豊昇龍の右膝手術と3場所連続休場の真相
豊昇龍の長期離脱は、突然の一度の負傷だけで説明できるものではない。2026年5月の夏場所で右太もも裏を痛め、その後も負傷を抱えながら出場を続けた結果、7月の名古屋場所で右膝の古傷が悪化した。
2026年5月:夏場所で右太もも裏を負傷
5月10日に始まった夏場所で、豊昇龍は初日に小結・高安との一番で右太もも裏を負傷した。
翌11日の2日目から休場し、成績は0勝2敗13休。初日の取組で脚を痛め、翌日の取組も不戦敗となった。
横綱として優勝争いに加わることが期待されていた時期だけに、序盤での離脱は大きな痛手だった。
2026年7月:名古屋場所で右膝の状態が悪化
7月の名古屋場所には復帰したものの、以前から痛めていた右膝の状態が悪化する。
日刊スポーツやデイリースポーツの報道によると、6日目の伯乃富士戦で右膝の古傷が悪化。右内側側副靱帯損傷に加えて右ハムストリングス損傷も確認された。
豊昇龍は13日目まで取組を続けたが、7勝7敗1休で途中休場となった。14日目には不戦敗となり、千秋楽も休場した。
2026年7月29日:右膝の靱帯修復手術
名古屋場所終了後の7月27日、豊昇龍は都内の病院を受診。医師から手術をしなければ復帰まで1年かかる可能性があると説明され、7月29日に右膝の内側側副靱帯を修復する手術を受けた。
8月19日の健康診断で手術を公表した際には、想定していた以上に状態が悪かったことを明かしている。術後は約1週間入院し、当初は松葉づえを使用する状態だった。
手術を選択した背景には、無理に出場を続けて回復を長引かせるより、患部を修復して再び万全の状態で土俵に戻る必要があったことがある。
2026年9月:秋場所は初日から全休
9月13日に初日を迎えた秋場所では、豊昇龍は初日から休場した。日本相撲協会が公表した診断書には、右膝内側側副靱帯損傷と記載され、約3週間のリハビリテーション加療が必要とされた。
これにより、夏場所、名古屋場所、秋場所と3場所連続で休場を経験することになった。ただし、3場所すべてを初日から千秋楽まで全休したわけではない。夏場所と名古屋場所は途中休場、秋場所が初日からの全休である。
負傷から復帰準備までの時系列・関係者一覧
| 時期 | 人物・組織 | 出来事と確認できる内容 |
|---|---|---|
| 2026年5月 | 豊昇龍・高安 | 夏場所初日に右太もも裏を負傷。2日目から休場。 |
| 2026年7月 | 豊昇龍・伯乃富士 | 名古屋場所中に右膝の古傷が悪化。14日目から休場。 |
| 7月29日 | 豊昇龍・医療機関 | 右膝内側側副靱帯の修復手術を実施。 |
| 2026年9月 | 日本相撲協会 | 診断書を公表。秋場所は初日から全休。 |
| 10月10日 | 豊昇龍・立浪部屋 | 長野県松本市から秋巡業に途中合流。 |
| 10月27日 | 豊昇龍・立浪親方 | 福岡県糸島市で15番取り、13勝2敗。 |
| 10月31日 | 豊昇龍・大栄翔 | 追手風部屋で16番取り、14勝2敗。 |
| 11月2日 | 豊昇龍・立浪親方 | 九州場所への出場判断が焦点。最終的な可否は未確定。 |
この経緯で重要なのは、豊昇龍が単に稽古不足で休場したわけではなく、右膝の靱帯を修復する手術を必要とする状態だったことだ。横綱としての責任感から早期復帰を望む気持ちがあっても、再負傷すれば競技生活への影響はさらに大きくなる。
【秋巡業と10月27日の稽古】豊昇龍の13勝2敗は復活の証拠なのか
九州場所への復帰を占ううえで、秋巡業での動きと10月末の稽古内容は重要な材料になる。
10月5日:秋巡業の初日は休場を発表
豊昇龍は10月6日から始まる秋巡業について、当初は参加を見送った。10月5日に行われた全日本力士選士権大会では取組には出場せず、横綱土俵入りを披露した。
この時点では、右膝の回復状況を医師の診察で確認する必要があり、本人も10月8日の病院での結果を踏まえて途中参加を判断する考えを示していた。
10月10日:長野県松本市から秋巡業に合流
診察後、豊昇龍は10月10日の長野県松本市での巡業から途中合流した。
秋巡業の途中からは横綱土俵入りだけでなく、関取衆との稽古にも参加。10月25日に山口県宇部市で全日程を終えるまで、徐々に相撲を取る機会を増やしていった。
秋巡業への合流は、手術後の回復が進んでいることを示す一つの節目だった。ただし、巡業で動けることと、本場所で15日間戦えることは別問題である。
10月27日:幕下以下と15番、13勝2敗
福岡入り後、初めて本格的に相撲を取る稽古を行ったのが10月27日だった。
福岡県糸島市の立浪部屋宿舎で幕下以下の力士と15番取り、13勝2敗を記録。右膝にはテーピングとサポーターを着用していた。
共同通信の報道によると、鋭い立ち合いから左上手を取る展開では持ち味を発揮した一方、低い体勢で攻め込まれると簡単に土俵を割る場面もあった。
稽古後、豊昇龍は自身の動きについて前向きな評価を示し、右膝についても日に日に良くなっていると説明した。
ここで注意したいのが、検索されている「豊昇龍13勝2敗」という数字の意味だ。10月27日の13勝2敗は本場所の公式成績ではなく、稽古で取った15番の勝敗である。
10月29日〜31日:関取との出稽古で実戦感覚を確認
10月末には、より実戦に近い相手との稽古が続いた。
- 10月29日:境川部屋で平戸海と29番。
- 10月30日:高砂部屋で朝白龍と15番。
- 10月31日:追手風部屋で大栄翔と16番、14勝2敗。
特に10月31日の大栄翔との稽古は注目された。大栄翔は前に出る圧力の強い力士であり、豊昇龍が右膝を使いながら低い姿勢を維持して前進できるかを確かめる機会となった。
スポニチアネックスによると、豊昇龍は「30番くらいいけたんだけどね」と話すほど、稽古内容には手応えを感じていた。
ただし、15番や16番の申し合いで好成績を残したからといって、すぐに本場所での完全復活が保証されるわけではない。横綱には毎日の取組に加え、連日の疲労や相手の圧力に対応する能力も求められる。
【横綱昇進の経緯と通算成績】豊昇龍はどんな力士なのか
豊昇龍智勝は1999年5月22日生まれ、モンゴル・ウランバートル出身。立浪部屋に所属し、2026年11月時点で27歳の横綱である。
日本相撲協会の公式プロフィールによると、身長188センチ、体重148キロ。得意技は右四つ、寄り、投げ。右を差して組み、相手の体勢を崩しながら攻める相撲を持ち味としている。
2018年初土俵から2025年第74代横綱まで
2018年1月場所で初土俵を踏んだ豊昇龍は、着実に番付を上げていった。2019年11月に新十両、2020年9月に新入幕、2022年3月には新三役に昇進。2023年9月には大関となった。
大きな転機となったのは2025年1月の初場所だ。
豊昇龍は12勝3敗で王鵬、金峰山と並び、優勝決定ともえ戦を制して2度目の幕内優勝を果たした。この結果を受け、日本相撲協会は1月29日の番付編成会議と臨時理事会で横綱昇進を正式決定。第74代横綱が誕生した。
昇進伝達式で豊昇龍が述べた口上は「横綱の名を汚さぬよう、気魄一閃の精神で精進致します」だった。
初土俵から横綱昇進まで42場所。年6場所制となった1958年以降の初土俵力士では、昇進所要場所数の速さで6番目に位置する。
横綱昇進後の成績と2026年の戦績
横綱昇進後も安定した成績を残した場所はある。2025年9月場所では13勝2敗を記録し、大の里との優勝決定戦に進出した。ただし、決定戦では敗れている。
日本相撲協会の公式記録に基づく主な成績は次のとおりだ。
- 2025年3月場所:5勝5敗5休
- 2025年5月場所:12勝3敗
- 2025年7月場所:1勝4敗10休
- 2025年9月場所:13勝2敗
- 2025年11月場所:12勝3敗
- 2026年1月場所:10勝5敗
- 2026年3月場所:11勝4敗
- 2026年5月場所:0勝2敗13休
- 2026年7月場所:7勝7敗1休
- 2026年9月場所:0勝0敗15休
2026年11月場所を迎える時点で、通算成績は401勝235敗49休(53場所)。幕内成績は319勝187敗49休(38場所)となっている。
幕内優勝は通算2回。敢闘賞1回、技能賞2回、序二段優勝1回という受賞歴もある。
なお、幕内優勝2回はいずれも横綱昇進前のものだ。横綱としての優勝はまだなく、2025年9月の13勝2敗も決定戦で敗れている。九州場所は単なる復帰戦にとどまらず、横綱として再び優勝争いに加わるための重要な場所となる。
【決まり手と星取表】豊昇龍の相撲の強みと復帰後の注目点
豊昇龍の相撲を理解するうえで注目したいのが、右四つからの攻めと、相手の体勢を崩す技術だ。
日本相撲協会の公式プロフィールでは、得意技として右四つ・寄り・投げが挙げられている。
豊昇龍の代表的な決まり手
協会が掲載する直近6場所の決まり手の傾向は次のとおりだ。
- 寄り切り:21%
- 押し出し:13%
- 掬い投げ:9%
- その他:57%
この数字は76取組、53勝(不戦勝1を含む)を対象とした集計である。生涯の全取組を対象にした割合ではない点には注意したい。
寄り切りが最多であることから、組んでから前に出る攻めが重要な武器になっていることが分かる。一方、掬い投げのような技も使えるため、単純な押し相撲だけではない柔軟性も備えている。
九州場所の星取表で確認したいポイント
豊昇龍の星取表を見る際には、単純な勝ち星だけでなく、どのような内容で勝ったかも重要になる。
特に右膝を手術した後の復帰戦では、以下の点に注目したい。
- 立ち合い:右足から踏み込む動作に不安がないか。
- 右四つ:得意の組み手を十分に取れるか。
- 前進力:相手に低く攻め込まれたときに対応できるか。
- 連戦への対応:序盤だけでなく、中盤から終盤まで動きが維持できるか。
- 膝の状態:サポーターやテーピングの使用状況だけでなく、実際の動きに支障がないか。
特に注目したいのは、稽古での勝率と本場所での勝率を同じ基準で評価しないことだ。相手の番付、取組数、勝負の強度、連戦による負荷はそれぞれ異なる。
10月27日の13勝2敗や31日の14勝2敗は、復調を示す好材料ではある。しかし、本場所での勝ち越しや優勝を予測できる確定的な数字ではない。
【プロの結論】豊昇龍の復帰を判断する3つの重要ポイント
豊昇龍の九州場所復帰について、最も重要なのは稽古の勝敗だけで判断しないことだ。
今回の右膝の負傷は、靱帯修復手術を必要とするものだった。横綱として早く戻りたい気持ちがあっても、患部の回復と本場所に耐えられる体力の両方が必要になる。
1. 右膝に負担がかかる動作を繰り返せるか
相撲では、立ち合いの踏み込み、四股、すり足、投げを打つ動作など、膝に負荷がかかる場面が多い。特に豊昇龍の得意とする右四つからの攻めでは、下半身の安定が欠かせない。
一度動けたかどうかではなく、稽古を重ねても痛みや腫れが悪化しないことが大切になる。
2. 関取相手の稽古で安定した内容を残せるか
幕下以下との稽古で勝ち越すことと、関取との申し合いで十分な相撲を取ることには違いがある。
10月29日から31日にかけての連日の出稽古は、実戦感覚を戻す意味で大きな材料だ。今後も同様の稽古を継続し、右膝への負担が増えないかを確認する必要がある。
3. 本人と立浪親方が15日間を戦えると判断できるか
最終的な判断で重要なのは、初日だけ出場できるかではない。15日間を戦い抜く可能性を考えなければならない。
立浪親方が10月31日に示したのも、不安を取り除きながら状態を見極めるという考え方だった。
横綱は出場する以上、優勝を期待される地位にある。中途半端な状態で出場して再び休場することになれば、本人にとっても相撲界にとっても大きな損失となる。
そのため、11月場所の出場判断は、稽古の勝ち数よりも右膝の状態、連日の相撲への耐久性、本人の感覚、師匠の判断を総合して考える必要がある。
【豊昇龍に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:豊昇龍は2026年11月の九州場所に出場しますか?
A1:11月2日時点では正式な出場確定発表はありません。本人は「出るつもりでやっています」と意欲を示しており、立浪親方と相談して最終判断する方針です。
Q2:豊昇龍の右膝手術はいつ行われましたか?
A2:2026年7月29日です。名古屋場所後に右膝内側側副靱帯の修復手術を受け、約1週間入院しました。
Q3:豊昇龍が3場所連続で休場した理由は何ですか?
A3:5月の夏場所で右太もも裏を負傷し、7月の名古屋場所では右膝の靱帯と右ハムストリングスを痛めて途中休場しました。その後、手術とリハビリが必要となり、9月の秋場所は初日から全休しました。なお、5月と7月は途中休場で、3場所すべてが全休だったわけではありません。
Q4:豊昇龍の10月27日の13勝2敗は本場所の成績ですか?
A4:違います。福岡県糸島市の立浪部屋宿舎で行われた稽古の成績です。幕下以下の力士と15番取り、13勝2敗でした。
Q5:豊昇龍は秋巡業に参加しましたか?
A5:はい。10月10日の長野県松本市での巡業から途中合流しました。その後、巡業中盤以降は関取衆との稽古にも参加しています。
Q6:豊昇龍の横綱昇進はいつですか?
A6:2025年1月29日に日本相撲協会が第74代横綱への昇進を正式決定しました。初場所で12勝3敗を記録し、優勝決定ともえ戦を制したことが大きな転機となりました。
Q7:豊昇龍の通算成績と優勝回数は?
A7:2026年11月場所時点の日本相撲協会公式プロフィールでは、生涯戦歴401勝235敗49休、幕内戦歴319勝187敗49休です。幕内優勝は通算2回です。
まとめ:豊昇龍の九州場所復帰は右膝の状態と最終判断が鍵
2026年11月2日現在、豊昇龍は右膝手術からの復帰を目指し、九州場所に向けた調整を続けている。
5月の夏場所で右太もも裏を負傷し、7月の名古屋場所で右膝の靱帯を痛め、7月29日に手術。9月の秋場所を全休したことで、3場所連続で休場を経験することになった。
しかし、10月10日の秋巡業途中合流、10月27日の15番13勝2敗、10月31日の大栄翔との16番14勝2敗という稽古内容は、復帰に向けた明るい材料だ。
本人は九州場所への出場を希望しているものの、最終判断は立浪親方との相談を経て決めるとしている。
横綱としての通算成績や優勝実績を考えれば、豊昇龍には再び優勝争いに加わることが期待される。一方、今後の長い競技生活を考えれば、焦らず右膝を万全にすることも欠かせない。
11月8日の九州場所初日に豊昇龍が土俵へ戻るのか。それとも復帰を見送り、さらに回復を優先するのか。残りの稽古内容と本人・師匠の判断が、2026年後半の大相撲を占う大きな注目材料となっている。