保見光成(ほみ・こうせい)は、2013年7月に山口県周南市金峰地区で発生した連続殺人放火事件の犯人として、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われ、2019年7月に死刑が確定した人物です。一晩から翌朝にかけて近隣住民5人を殺害し、住宅2棟に放火した事件は、当時の小さな山間集落を舞台にした凄惨な事件として全国に衝撃を与えました。
事件が広く知られるきっかけとなったのは、自宅に貼られていた「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」という川柳、そしてインターネット上で拡散した「村八分説」です。裁判では妄想性障害と刑事責任能力の関係が争われ、死刑確定後には再審請求も行われました。しかし、2025年1月29日、最高裁判所は特別抗告を棄却。2026年11月現在も、事件をめぐる関心は続いています。
【保見光成とは何者か】経歴・生い立ちと事件前の生活
保見光成は、山口県周南市金峰地区の郷集落で生まれ育ちました。事件当時は63歳で、地元に戻ってから長年にわたり同じ集落で生活していました。
中学卒業後に上京し、川崎市で左官職人として働く
保見は中学校を卒業した後、故郷を離れ、神奈川県川崎市で左官業に従事していたと報じられています。左官は建物の壁や床などを塗り仕上げる職業で、現場での経験と技術が求められる仕事です。
文春オンラインが紹介した高橋ユキ氏のルポ『つけびの村』によると、川崎で生活していた頃の保見は、周囲と交流を持つ人物だったという証言もあります。
その後、40代で両親の介護を目的に故郷へ戻りました。帰郷後は左官の技術を生かして自宅を建て、地域の活動にも関わろうとしていたと伝えられています。
両親の死後、地域住民との関係に変化
帰郷当初は、集落の共同作業や住民との交流に参加していたとされます。しかし、両親が亡くなった後、地域住民との関係は次第に複雑になっていきました。
事件を取材した高橋氏の著作では、保見自身が近隣住民から噂を流されていると感じていたことや、集落内にさまざまな噂話が存在していたことが描かれています。
一方で、地域住民との関係が悪化した経緯については、証言者によって説明が異なります。保見の主張だけをもとに、集落全体が組織的ないじめを行っていたと断定することはできません。
「光成」という名前に変更した経緯
興味深い事実として、文春オンラインが2019年に掲載した『つけびの村』の抜粋記事では、保見の以前の名前は「中」と書いて「ワタル」と読み、「光成」への改名は2009年だったと紹介されています。
事件報道では保見光成という名前が広く使われていますが、取材記事では改名前の名前も登場します。同一人物についての記述であり、別人の経歴と混同しないことが大切です。
なお、保見の詳細な生年月日や現在の私生活について、一般に確認できる公的情報は限られています。事件と直接関係のない家族関係などを、確定情報として扱うことはできません。
【事件の全貌】2013年の周南市金峰5人殺害・放火事件とは
周南市連続殺人放火事件は、2013年7月21日夜から22日にかけて、山口県周南市金峰の郷集落で発生しました。
同じ集落で暮らす高齢者5人が殺害され、住宅2棟が全焼。警察は連続して発生した殺人・放火事件として捜査を進めました。
犠牲となった5人と事件の発生状況
事件で亡くなったのは、次の5人です。いずれも事件当時、同じ集落で暮らしていた住民でした。
- 貞森誠さん(当時71歳)
- 貞森喜代子さん(当時72歳)
- 山本ミヤ子さん(当時79歳)
- 石村文人さん(当時80歳)
- 河村聡子さん(当時73歳)
7月21日夜、集落内の住宅2棟が相次いで火災となり、焼け跡から3人の遺体が発見されました。翌22日には、別の住宅2軒からさらに2人の遺体が見つかりました。
最高裁判決によると、保見は一晩のうちに近隣の住宅4軒で5人を殺害し、そのうち2軒に放火して全焼させたとされています。
7月26日に山中で身柄を確保
事件後、保見は集落から姿を消しました。山口県警は周辺の山中などを捜索し、7月26日、現場から約1キロ離れた山中で保見の身柄を確保しました。
CNNの2013年7月26日付報道によると、保見は事件後に行方が分からなくなっており、警察が山中で発見した際には下着姿だったとされています。
その後、警察は殺人などの容疑で逮捕。山口地方検察庁は同年12月、殺人と非現住建造物等放火の罪で起訴しました。
事件・裁判・再審請求の時系列
事件発生から2025年の最高裁判断までの主な出来事を整理すると、次のようになります。
| 年月日 | 出来事 | 内容・司法判断 |
|---|---|---|
| 2013年7月21日 | 事件発生 | 周南市金峰で住民5人が殺害され、住宅2棟が全焼 |
| 2013年7月22日 | 追加の遺体発見 | 別の住宅2軒から2人の遺体を発見 |
| 2013年7月26日 | 身柄確保・逮捕 | 集落近くの山中で保見の身柄を確保 |
| 2015年7月28日 | 一審判決 | 山口地裁が死刑判決 |
| 2016年9月13日 | 控訴審判決 | 広島高裁が控訴を棄却し、死刑を維持 |
| 2019年7月11日 | 最高裁判決 | 上告棄却。死刑が確定 |
| 2019年11月12日 | 再審請求 | 山口地裁に再審を請求 |
| 2021年3月22日 | 再審請求棄却 | 山口地裁が再審を認めず |
| 2022年11月 | 即時抗告棄却 | 広島高裁も再審開始を認めず |
| 2025年1月29日 | 最高裁の特別抗告棄却 | 再審請求を認めない判断が確定 |
この事件の大きな特徴は、被害者5人と保見が同じ小さな集落で生活していたことです。事件によって地域の生活基盤そのものが大きく揺らぎ、残された住民や遺族にも長く影響を与えることになりました。
【犯行動機と責任能力】妄想性障害は死刑判決にどう影響したのか
周南市5人殺害事件の裁判で、特に重要な争点となったのが保見の刑事責任能力でした。
保見は起訴後の精神鑑定で妄想性障害と診断されたと報じられています。近隣住民から噂を流されたり、挑発や嫌がらせを受けたりしているという認識を長期間抱いていたことが、裁判で検討されました。
妄想性障害とは何か
妄想性障害は、現実に裏付けられていない確信的な考えを持ち続けるなどの特徴が見られる精神疾患です。本人にとっては確かな現実として感じられる場合があり、周囲からの説明だけで考えが修正されるとは限りません。
ただし、精神疾患の診断があることと、刑事責任能力がないことは同じではありません。
刑事裁判では、犯行当時に自分の行為の善悪を判断する能力や、その判断に従って行動を制御する能力がどの程度保たれていたかが問題になります。
弁護側と検察側の主張
弁護側は、保見が妄想性障害の影響を強く受けており、事件当時には正常な判断や行動制御が困難だったと主張しました。心神喪失または心神耗弱に該当する状態だったとして、刑事責任の否定や減軽を求めたのです。
これに対して検察側は、妄想が動機の形成に影響したとしても、保見には犯行を選択して実行する能力が残されていたと主張しました。
裁判では、精神鑑定の結果だけでなく、犯行の経緯や行動、客観的証拠などを総合して判断することになりました。
2019年7月11日の最高裁判決
最高裁判所第一小法廷は2019年7月11日、保見側の上告を棄却しました。
判決は、保見の妄想が犯行動機の形成に影響したことを認めながらも、犯行に及ぶことを本人が自らの価値観などに基づいて選択したと評価しました。
「前記妄想が本件各犯行に及ぼした影響は大きなものではない。」
これは最高裁判決の理由に記された判断です。
裁判所は、5人の命が奪われた結果の重大性、犯行の残忍性、殺意の強さなどを考慮し、死刑判決を維持しました。
つまり、裁判所は妄想性障害の存在を単純に無視したわけではありません。精神的な問題が動機に関係していたことを認めた上で、刑事責任を免れるほど判断能力や行動制御能力が失われていたとは認めなかったのです。
この判断は、精神障害の診断と刑事責任能力を区別する刑事司法の考え方を示すものでもあります。
【村八分説の真相】「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」の貼り紙は何を意味したのか
周南市金峰の事件が一般的な連続殺人事件とは異なる形で記憶されている理由の一つが、保見の自宅に貼られていた川柳です。
「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」という言葉は、事件直後から犯行予告や放火を示唆するメッセージではないかと受け止められ、全国的に注目されました。
「つけび」は犯行予告だったのか
この貼り紙は、事件前から保見の自宅に掲示されていたものとして知られています。
事件直後には、放火を予告した文章のように解釈されました。しかし、その意味は単純な犯行声明とは異なっていました。
放送ライブラリーが紹介する事件10年後の検証番組「ドキュメントy 金峰 周南5人殺害事件 10年後の深層」では、「つけび」は「うわさ」を指す言葉として説明されています。
つまり、この川柳は、周囲の住民が自分について噂をしていることへの不満を表現したものとして捉えられています。
貼り紙の強烈な印象と、実際の事件で住宅2棟が放火されたという事実が重なったことで、あたかも犯行を事前に予告していたかのようなイメージが形成されました。
しかし、最高裁判決が死刑を維持した根拠は、この貼り紙を犯行予告と認定したことではありません。具体的な殺人・放火行為と責任能力についての判断です。
保見は本当に村八分にされていたのか
事件直後、報道では保見が集落で孤立し、住民から嫌がらせを受けていたという説明が広まりました。
これが、いわゆる「村八分説」です。
しかし、この説をめぐっては、その後の現地取材によって異なる見方が示されるようになりました。
ノンフィクションライターの高橋ユキ氏は、2017年から金峰地区で取材を重ね、住民への聞き取りを行いました。その取材内容をまとめたのが、2019年に晶文社から刊行された『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』です。
高橋氏は文春オンラインの掲載記事で、当初は保見が挑発や嫌がらせを受けていたという説明を信じていたものの、取材を重ねると、そのような行為を裏付ける事実を確認できなかったと述べています。
一方で、集落内にさまざまな噂話が存在していたことは確認されています。
ここで区別したいのは、次の3点です。
- 保見が近隣住民から噂を流されていると感じていたこと。
- 実際に集落内で複数の噂話が存在していたこと。
- 住民全体が保見を組織的に排除し、嫌がらせをしていたという主張。
この3つは同じ意味ではありません。
最高裁判決では、近隣住民から噂や嫌がらせを受けているという保見の認識が妄想として記述されています。裁判所が村全体による組織的な村八分を認定したわけではありません。
また、現地取材で確認された噂話の存在も、殺害された住民が事件を引き起こしたという証明にはなりません。
『つけびの村』が明らかにした事件のもう一つの側面
高橋ユキ氏の『つけびの村』は、犯人の生い立ちや事件の経緯を追うだけではなく、集落内で広がっていた噂話そのものを取材対象にした作品です。
高橋氏は、保見との面会や文通も行いました。しかし、本人は事件について警察のでっち上げだという主張を続けており、事件当時の動機や被害者に対する感情を一貫した証言から明らかにすることは困難だったと紹介されています。
このルポが扱っているのは、事件の犯人を単純に擁護することではありません。地域の噂がどのように生まれ、住民それぞれの認識がどのように食い違い、事件後にその情報が外部へ広がっていったのかという問題です。
小学館からは2023年3月に文庫版も刊行されており、事件の背景を知るための資料として現在も読まれています。
事件を理解する際には、判決で認定された事実と、ルポによる現地取材で明らかになった地域の状況を、別々の情報として読み解く必要があります。
【死刑判決確定後の再審請求】2025年の最高裁・特別抗告はなぜ棄却されたのか
保見の死刑判決は2019年7月11日に確定しました。しかし、弁護側はその後も刑事責任能力の判断に疑問があるとして、再審を求める手続きを進めました。
2019年11月に山口地裁へ再審請求
死刑確定後の2019年11月12日、保見側は山口地方裁判所に再審を請求しました。
弁護団は、刑事責任能力に関する精神科医の意見書など約30点を新たな証拠として提出したと報じられています。
再審請求で中心となったのも、妄想性障害が犯行当時の判断能力や行動制御能力にどの程度影響していたかという問題でした。
2021年、山口地裁が再審請求を棄却
2021年3月22日付で、山口地裁は保見側の再審請求を棄却しました。
この決定は同月25日に報道され、山口新聞などが伝えています。
弁護側は決定を不服として即時抗告しましたが、2022年11月には広島高裁も再審を認めない判断を示しました。
2025年1月29日、最高裁が特別抗告を棄却
広島高裁の判断を不服とした弁護側は、2022年12月に最高裁へ特別抗告しました。
そして、2025年1月29日、最高裁判所第二小法廷は特別抗告を棄却しました。
テレビ山口は2025年2月3日、この判断を「5人犠牲の放火殺人事件で最高裁・再審請求の特別抗告認めず」と報道しています。
これにより、2019年から続いていた一連の再審請求手続きでは、再審を開始しない判断が確定しました。
ここで重要なのは、2019年の上告棄却と2025年の特別抗告棄却は、異なる手続きに関する判断だということです。
- 2019年7月:通常の刑事裁判における上告棄却。死刑判決が確定。
- 2019年11月:死刑確定後、弁護側が再審を請求。
- 2021年3月:山口地裁が再審請求を棄却。
- 2022年11月:広島高裁が即時抗告を棄却。
- 2025年1月:最高裁が特別抗告を棄却し、再審を認めない判断が確定。
2025年の最高裁判断によって再審が始まったわけではありません。また、死刑判決が取り消されたわけでもありません。2026年現在、2019年に確定した死刑判決は維持されています。
【2026年現在】保見光成はどこにいる?死刑執行の状況
保見光成の現在について検索する人が特に気にしているのが、死刑がすでに執行されたのか、それとも現在も拘置されているのかという点です。
2026年11月現在、死刑執行を確認できる公表情報はない
2026年11月4日時点で、保見光成の死刑が執行されたという公表情報は確認できません。
2026年8月21日更新の死刑確定者に関する公開整理リストでは、保見は広島拘置所の収容者として掲載されています。
したがって、現在の状況を説明する際には、死刑判決が確定していることと、実際に刑が執行されたことを区別する必要があります。
死刑確定後も、執行されるまでには時間が経過する場合があります。個々の死刑囚について、法務省が執行予定日や日々の処遇を一般向けに公表しているわけではありません。
再審請求の棄却と死刑執行は別の問題
2025年に最高裁が特別抗告を棄却したことで、今回の再審請求は終了しました。しかし、再審請求が棄却されたこと自体が、直ちに死刑執行を意味するわけではありません。
日本の死刑制度では、刑事訴訟法に基づき、法務大臣の命令によって刑が執行されます。
また、再審請求の棄却が確定した後であっても、法律上の要件を満たす新たな事情があれば、別の再審請求が行われる可能性はあります。ただし、保見側による新たな再審請求が行われたと確認できる公表情報は、今回確認した資料にはありません。
事件から13年、地域に残された課題
事件から13年が経過した2026年、金峰地区をめぐる状況も変化しています。
毎日新聞が事件から10年の節目に報じた記事では、集落の住民や地域活動の変化が取り上げられました。事件後の地域では、住民だけでなく、外部から訪れる人々との交流や地域の環境を維持する取り組みも紹介されています。
一方、事件後には被害者や遺族、地域住民に対して、村八分をめぐる一方的な見方から中傷が向けられる問題も生じました。
事件を起こした人物の動機を考えることと、亡くなった人々や地域住民に責任を転嫁することは、まったく別の問題です。
5人の命が奪われた事件の記憶を、刺激的な村の物語だけに置き換えないことが、事件を振り返る上で欠かせません。
【保見光成の現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:保見光成の死刑判決はいつ確定しましたか?
A1:2019年7月11日です。最高裁判所第一小法廷が上告を棄却し、山口地裁と広島高裁の死刑判決が維持されました。
Q2:保見光成の再審請求はどうなりましたか?
A2:2019年11月に山口地裁へ再審請求しましたが、2021年に地裁、2022年に広島高裁がそれぞれ棄却しました。2025年1月29日には最高裁が特別抗告を棄却し、今回の再審請求を認めない判断が確定しています。
Q3:保見光成の死刑は2026年現在、執行されていますか?
A3:2026年11月4日時点で、保見の死刑執行を確認できる公表情報はありません。2026年8月21日更新の公開整理リストでは、広島拘置所の収容者として掲載されています。
Q4:保見光成は本当に村八分にされていたのでしょうか?
A4:集落内に噂話が存在していたことは取材で確認されていますが、住民全体による組織的な村八分や嫌がらせがあったと裏付ける事実は確認されていません。最高裁判決では、近隣住民から噂や嫌がらせを受けているという保見の認識が妄想として記述されています。
Q5:「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」は犯行予告だったのですか?
A5:犯行予告として広く受け止められましたが、後年の検証では、保見が周囲の住民による噂話への不満を表したものと説明されています。放送ライブラリーの事件10年後の検証番組でも、その意味が紹介されています。
Q6:保見光成を詳しく知るための本はありますか?
A6:高橋ユキ氏の『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』がおもな関連作品です。2019年に晶文社から刊行され、2023年には小学館文庫版も発売されました。裁判記録だけでは見えにくい集落の噂や事件後の地域の状況を知る手掛かりになります。
まとめ:【プロの結論】保見光成事件から読み解くべき3つの事実
保見光成をめぐる事件は、2013年7月の周南市金峰5人殺害・放火事件から、2019年の死刑確定、そして2025年の再審請求に関する最高裁判断へと続いてきました。
2026年現在、事件を理解する上で押さえておきたい要点は3つあります。
第一に、事件の重大性と司法判断を正確に理解することです。
5人の命が奪われた事実は変わりません。最高裁は妄想性障害の影響を検討した上で完全責任能力を認め、死刑判決を維持しました。精神疾患の診断だけで刑事責任の有無が決まるわけではないという点も、今回の裁判の要点です。
第二に、村八分説と裁判で認定された事実を混同しないことです。
「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」という貼り紙は事件の象徴となりました。しかし、事件の背景を集落全体のいじめだけで説明することはできません。高橋ユキ氏の『つけびの村』が示したように、地域に存在した噂話と、保見が抱いていた妄想は区別して考える必要があります。
第三に、2025年の最高裁判断と2026年現在の状況を正確に把握することです。
再審請求は最高裁の特別抗告棄却によって終了し、2019年に確定した死刑判決は維持されています。一方、2026年11月4日時点で死刑執行を確認できる公表情報はありません。
【プロの結論】この事件から読み取るべきなのは、凄惨な犯罪のインパクトだけではありません。閉鎖的な地域社会で噂がどのように広がるのか、精神障害と刑事責任能力を司法がどう判断するのか、そして事件後に無関係な住民まで中傷の対象となる情報拡散の問題です。
判決という司法上の事実、現地取材によって明らかになった地域の証言、そしてネット上で広がった憶測。この3つを切り分けて読むことが、保見光成と周南市連続殺人放火事件を正しく理解するための判断基準になります。