ONE SAMURAI 1 メインイベント
2026年4月29日・有明アリーナ
ONEフライ級キックボクシング暫定世界王座決定戦
武尊が暫定世界王者に
ONE Championshipの公式試合レポートによると、試合は5ラウンド2分22秒、レフェリーストップによるTKOで決着した。武尊はロッタンを倒し、ONEフライ級キックボクシング暫定世界王座を獲得。現役最後の試合で世界タイトルを手にした。
1R:ロッタンの左フックを警戒しながら攻める
試合開始直後、ロッタンは初戦と同じく前進しながら強烈な左フックを狙った。
しかし、武尊は不用意に打ち合うのではなく、ガードを固めて相手の攻撃を受け止め、ローキックやカーフキックで足を攻める。さらに三日月蹴りも織り交ぜ、ロッタンの前進に対抗した。
初戦で決定打となった左フックを意識しながら、攻撃の組み立てを変えたことが序盤の大きな違いだった。
2R:左フックで2度のダウンを奪う
試合の流れが大きく変わったのは第2ラウンドだ。
武尊はパンチの打ち合いの中で左フックを的確に当て、ロッタンからダウンを奪った。さらに再び左フックを決め、2度目のダウンを追加する。
強烈なパンチを受けても前進を続けることで知られるロッタンが、明確にダメージを受けた場面だった。
3R:ロッタンが反撃、武尊も真っ向勝負
第3ラウンドではロッタンが前蹴りやパンチを使ってリズムを変え、反撃を試みた。
武尊も攻撃を受けながら前進を続け、相手を挑発するような表情を見せる場面もあった。
初戦では早い段階で決着した両者が、再戦では中盤まで激しい攻防を繰り広げた。
4R:ロッタンが猛反撃、武尊も踏みとどまる
第4ラウンドは両者の意地がぶつかる展開になった。
ロッタンはパンチをまとめて武尊を追い込み、試合をひっくり返そうとする。武尊にとっても決して安全なラウンドではなかった。
しかし、武尊は攻撃を受けながらも最後まで勝負を諦めず、ラウンド終盤には鋭い打撃を返した。
5R:最後の猛攻でロッタンを沈める
最終ラウンド、武尊は右のパンチを強烈にヒットさせると、左フックなどを交えた連打でロッタンを追い詰めた。
ロッタンは一度ダウンした後に立ち上がったものの、武尊の追撃を受け、ロープ際で防戦を強いられる。
最後はレフェリーが試合を止め、5R2分22秒のTKO勝利が決まった。
ONE公式の英語版レポートでも、この決着をTKOとして記録している。日本語版の試合結果欄にはKO表記もあるが、公式英語版の詳細な試合報告に基づけば、レフェリーストップによるTKOと理解するのが正確だ。
【初戦から再戦へ】武尊とロッタンの因縁はどう始まった?
武尊とロッタンの対戦が特別視された理由は、単に日本とタイを代表する人気選手同士の対決だったからではない。
初戦で武尊が経験したのは、キャリアの中でも極めて早い段階でのKO負けだった。その敗北が、最後の試合の相手をロッタンにするという決断につながった。
初戦は2025年3月23日、わずか80秒でロッタンが勝利
両者の初対決は、2025年3月23日にさいたまスーパーアリーナで開催された「ONE 172」。
フライ級キックボクシングの注目カードとして組まれた一戦だった。
ロッタンは開始直後から積極的に前進。武尊との打ち合いの中で左フックをヒットさせ、そのまま右ストレートにつなげて攻撃を重ねた。
最後は強烈な左フックで武尊を倒し、1R1分20秒でKO勝ちを収めた。
武尊にとって、この敗北は大きな衝撃だった。ONE公式の再戦特集でも、初戦の結果が武尊のキャリアにとって特別に重い敗北だったことが紹介されている。
2025年11月16日、再起戦の勝利と引退発表
初戦から約8カ月後、武尊は「ONE 173」でデニス・ピューリックと対戦した。
試合では積極的にパンチを当て、2ラウンド2分49秒でTKO勝利。ロッタン戦の敗北から立ち直るための重要な再起戦を成功させた。
そして試合後、武尊は次の試合で現役を引退すると発表した。
最後の相手として指名したのは、もちろんロッタンだった。
会場にいたロッタンも再戦を受諾。両者の間で最後の決着戦が実現する流れとなった。日刊スポーツなどの報道でも、この引退発表とロッタンの受諾が伝えられている。
武尊とロッタンの対戦・関連年表
| 時期 | 出来事 | 意味・結果 |
|---|---|---|
| 2025年3月23日 | ONE 172 | ロッタンが1R80秒KO勝ち |
| 2025年11月16日 | ONE 173 | 武尊がピューリックに2R TKO勝ち |
| 同日 | 引退発表 | 武尊が最後の相手にロッタンを指名 |
| 2026年4月29日 | ONE SAMURAI 1 | 武尊が5R TKO勝ち |
| 同日 | 暫定王座獲得 | 武尊が現役最後の試合で戴冠 |
| 2026年5月28日 | 引退セレモニー | 10カウントゴングで現役生活に区切り |
| 2026年9月10日 | 超RIZIN.5 | RIZINのリングでも引退セレモニー |
この年表から分かるのは、再戦が単発の話題作りではなく、初戦の敗北、再起戦、引退発表という明確な経緯を経て実現したことだ。
【勝敗を分けた理由】武尊はなぜ初戦のKO負けを覆せたのか?
今回の再戦を分析するうえで重要なのは、武尊が単に攻撃力でロッタンを上回ったという話ではないことだ。
初戦ではロッタンの前進と左フックを止められなかった。一方、再戦では相手の得意な攻撃を警戒しながら、自分の攻撃を組み立てている。
1. 初戦の決定打だった左フックへの対応
初戦の敗因として最も分かりやすいのが、ロッタンの左フックだった。
再戦では武尊がガードを固め、相手のパンチを不用意に受けないことを意識していた。
これによってロッタンが得意とする序盤の圧力に対して、初戦とは異なる対応ができた。
2. ローキックとカーフキックで攻撃の土台を作った
武尊は序盤から足への攻撃を繰り返した。
パンチ主体の打ち合いだけに付き合わず、ローキックやカーフキックを使うことで攻撃の選択肢を増やした点が特徴的だった。
相手の前進を止めるだけでなく、自分のパンチを当てるための距離やタイミングを作る役割もあった。
3. 第2ラウンドの2度のダウンが勝負を動かした
2度のダウンは、試合全体の流れを変える重要な出来事だった。
ロッタンは第3ラウンド以降も反撃したが、武尊が早い段階で得たダウンによる優位性は大きかった。
4. 最終ラウンドまで攻撃を続けた精神力
第4ラウンドではロッタンが反撃し、武尊も苦しい場面を経験した。
それでも最終ラウンドで攻撃の手を緩めず、最後までフィニッシュを狙った。
これは武尊が長年のキャリアで培ってきた攻撃的なファイトスタイルと、最後の試合に懸ける覚悟が重なった場面だった。
プロの分析として注目したいのは、武尊がロッタンの得意な距離で無条件に打ち合うのではなく、守備、蹴り、パンチを組み合わせて勝機を作ったことだ。 単純なリベンジではなく、初戦の敗因に対応した戦い方の変化が勝利につながった。
【両者の戦績と実績】武尊とロッタンはどんな選手なのか?
日本・鳥取県米子市出身
- K-1三階級制覇
- Krush王座獲得
- ONE暫定世界王者
- 2026年4月引退
タイ・Jitmuangnon Gym
- ONEフライ級ムエタイ元王者
- 5年間にわたり王座を保持
- 世界的な人気ストライカー
- 2026年も現役続行
武尊の戦績とキャリア
武尊は2011年9月にKrushでプロデビューした。
その後、2013年にKrushフェザー級王座を獲得。2015年にK-1スーパー・バンタム級、2016年にフェザー級、2018年にスーパー・フェザー級の王座を獲得し、K-1三階級制覇を達成した。
2022年6月の「THE MATCH 2022」では那須川天心と対戦して判定負け。その後K-1を離れ、ISKA世界ライト級王座を獲得した。
2024年からONEに参戦し、スーパーレック、タン・ジン、ロッタンらと対戦。最後はロッタンへのリベンジを果たして現役を終えた。
戦績については、ONEの引退試合報告が46勝5敗としている。公式プロフィールには集計基準による表記差もあるが、K-1公式プロフィールも46勝5敗と掲載している。
ロッタンの戦績とキャリア
ロッタンはタイを代表するムエタイファイターで、攻撃的なファイトスタイルと強烈なパンチが特徴だ。
2019年8月、ジョナサン・ハガティーを破ってONEフライ級ムエタイ世界王者となった。
その後、約5年間にわたって同階級のトップ選手として君臨し、6度の防衛を達成した実績を持つ。
ただし、2024年11月には計量失敗によってONEフライ級ムエタイ世界王座を剥奪されている。ここは現在の肩書を理解するうえで要点だ。
両者の対戦成績は、2026年4月の再戦終了時点で1勝1敗。初戦はロッタン、再戦は武尊が勝利している。
なお、ロッタンのONEでのムエタイ実績とキックボクシングの戦績は、同じ競技成績として単純に合算できない。両者を比較するときは、競技ルールと大会別の記録を分けて見る必要がある。
【2026年最新】武尊の引退後とロッタンの現在・今後
武尊は引退後、何をしている?
武尊は2026年4月29日のロッタン戦を最後に現役を引退した。
その後も格闘技界との関わりを続けている。
2026年5月28日には引退セレモニーが行われ、本人も現役生活を振り返った。
さらに9月10日には大阪・京セラドーム大阪で開催された「超RIZIN.5」で、RIZINのリングにも登場。榊原信行CEOから花束を受け取り、10カウントゴングを聞いた。
このセレモニーでは、現役選手としての活動を終えた後も日本の格闘技界を盛り上げたいという思いを語っている。
DREAM UP! PROJECTで教育支援にも取り組む
武尊の引退後の活動として注目されるのが「DREAM UP! PROJECT」だ。
武尊が代表を務めるこのプロジェクトは、子どもたちが学びやさまざまな体験に触れる機会を作ることを目的としている。
2025年の活動をもとに、ミャンマーのシャン州に学校が建設され、2025年11月13日に完成。約1,200人の子どもたちが通う学校となった。
武尊自身も2026年8月17日に現地を訪問。9月20日にはプロジェクトの第2回イベントが開催された。
また、9月28日には公式サイトで「ONE SAMURAI TALK #3」への出演情報も掲載されている。引退後は競技者としてではなく、社会活動やメディアを通じた発信にも活動の幅を広げている。
ロッタンは2026年11月も現役続行
一方、ロッタンは武尊との再戦後も競技生活を続けている。
2026年11月13日には、タイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催される「The Inner Circle 38」で、ノンオー・ハマと対戦する予定だ。
この試合は2026-2027年ONEフライ級ムエタイ・ワールドグランプリの準々決勝にあたる。
注目すべきは、武尊との試合がキックボクシングだったのに対し、今回のノンオー戦はムエタイであることだ。
つまり、ロッタンは武尊に敗れた後も、得意とするムエタイ競技で再び頂点を目指している。ONE公式は2026年9月25日にこの対戦を発表し、11月2日にもロッタンの調整状況を紹介している。
武尊とロッタンの再々戦はある?
2026年11月4日時点で、武尊とロッタンの再々戦が正式決定したという発表はない。
最大の理由は、武尊が4月29日のロッタン戦を最後に現役引退していることだ。
一方、ロッタンは現役選手として次の試合に向かっている。
したがって、両者の再戦を前提に今後の大会日程を考えることはできない。現時点では、1勝1敗で終わった両者の対戦成績が公式な最終結果となっている。
【よくある誤解】武尊ロッタン戦の情報で間違えやすいポイント
武尊とロッタンを検索すると、初戦と再戦の情報が混在して表示されることがある。特に注意したいのは次の点だ。
- 初戦の勝者はロッタン: 2025年3月23日のONE 172で1R1分20秒KO勝ち。
- 再戦の勝者は武尊: 2026年4月29日のONE SAMURAI 1で5R2分22秒TKO勝ち。
- 武尊は再戦を最後に引退: 引退試合で暫定王座を獲得した。
- 獲得したのは暫定王座: ONEフライ級キックボクシングの暫定世界王座であり、ムエタイ王座ではない。
- ロッタンは引退していない: 2026年11月13日のノンオー戦が予定されている。
特に「武尊がロッタンに勝った」という情報だけでは、初戦の結果なのか再戦の結果なのかが分からない。大会名と日付をセットで確認することが、誤情報を避ける最も簡単な方法だ。
【プロの結論】武尊とロッタンの再戦が格闘技史に残したもの
武尊とロッタンの2試合は、勝敗だけを見ても興味深い。
初戦ではロッタンが80秒で武尊をKOした。しかし、再戦では武尊が守備と攻撃の組み立てを変え、5ラウンドの激闘を制した。
特に評価したいのは、武尊が敗北を単なる悔しさで終わらせなかったことだ。
2025年11月の再起戦で勝利し、最後の相手としてロッタンを指名。さらに2026年4月には、初戦で敗れた相手を倒して暫定王座を獲得した。
一方、ロッタンも初戦の勝利によって世界的な評価を高めた選手であり、再戦では最後まで危険な相手であり続けた。
今回の対決から読み取れる格闘技の本質は、攻撃力だけでは勝敗が決まらないということだ。相手の得意技を理解し、距離、守備、攻撃のタイミングを変えることが、結果を大きく左右する。
また、武尊にとってこの勝利は、単なるタイトル獲得ではなかった。自ら選んだ最後の相手に勝ち、王者としてリングを去るという、現役生活の締めくくりそのものだった。
【武尊ロッタンに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:武尊とロッタンの再戦はどちらが勝ちましたか?
A1:2026年4月29日のONE SAMURAI 1で武尊が勝利しました。5ラウンド2分22秒、TKOによる決着です。武尊はONEフライ級キックボクシング暫定世界王座を獲得しました。
Q2:武尊とロッタンの初戦の結果は?
A2:2025年3月23日のONE 172でロッタンが1ラウンド1分20秒、左フックによるKO勝ちを収めました。
Q3:武尊はロッタンとの試合後に引退したのですか?
A3:はい。2025年11月に次戦での引退を表明し、2026年4月29日のロッタン戦を最後の試合としました。9月にはRIZINでも引退セレモニーが行われています。
Q4:武尊とロッタンの対戦成績は?
A4:2026年4月の再戦終了時点で1勝1敗です。初戦はロッタン、再戦は武尊が勝利しています。
Q5:ロッタンは現在も現役ですか?
A5:はい。2026年11月13日にノンオー・ハマとのムエタイ戦が予定されています。武尊との再戦後も現役を続けています。
Q6:武尊が獲得したベルトはONEの正式な世界王座ですか?
A6:ONEフライ級キックボクシングの暫定世界王座です。通常の世界王座と暫定王座は区別して理解する必要があります。
まとめ:武尊ロッタンの再戦は武尊の劇的TKO勝利で完結
2026年4月29日のONE SAMURAI 1で実現した武尊とロッタンの再戦は、武尊が5ラウンド2分22秒でTKO勝利を収めるという劇的な結末となった。
初戦ではロッタンが80秒でKO勝ちし、再戦では武尊が2度のダウンを奪うなど攻勢を強め、最後はレフェリーストップで勝利した。
武尊はONEフライ級キックボクシング暫定世界王座を獲得し、この試合を最後に現役を引退。現在は教育支援プロジェクトや格闘技界との交流など、新たな活動を続けている。
ロッタンは現役を続行し、11月13日のノンオー戦に向けて準備を進めている。
両者の対戦成績は1勝1敗。初戦の衝撃的なKOから再戦の劇的なTKOまで、互いの実力と意地がぶつかった2試合は、2026年のキックボクシングを象徴する対決として記憶されることになりそうだ。