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積水ハウス地面師事件の犯人は誰?カミンスカス操の現在と55億円詐欺の真相を徹底解説【2026年】

黒木 涼 黒木 涼 • 更新: • 公開: • 読了約 23 分
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2017年、住宅大手の積水ハウスが東京都品川区西五反田の土地取引をめぐり、地面師グループに約55億5,000万円をだまし取られた事件。犯行の舞台となったのは、五反田駅近くにあった老舗旅館「海喜館」の跡地だった。事件では最終的に17人が逮捕され、そのうち10人が起訴されている。主犯格とされたカミンスカス操には懲役11年の実刑判決が確定した。

しかし、2026年11月現在も、事件の全容や巨額の詐取金の行方には解明されていない部分が残る。カミンスカス操は現在どうなっているのか。元財務部長という経歴は何を意味するのか。また、逮捕者17人のうち7人が不起訴となった背景には何があったのか。積水ハウスの公式総括検証報告書、裁判資料、森功氏らの継続取材、2026年の最新報道をもとに、事件の実態を整理する。

【犯人は誰?】カミンスカス操だけではない、積水ハウス地面師事件の主犯格

積水ハウス地面師犯人

積水ハウス地面師事件の犯人として最も広く知られているのが、カミンスカス操(かつての姓は小山)だ。

ただし、事件をカミンスカス一人が計画したと理解するのは正確ではない。捜査や報道では、内田マイク、土井淑雄、カミンスカス操の3人が主犯格として取り上げられてきた。それぞれが異なる役割を担い、土地所有者へのなりすましや売買交渉、資金の移動などを組み合わせていた。

カミンスカス操とは何者なのか

カミンスカス操は、旧姓を小山操という。マンション開発会社ABCホームで財務部長などを務めた経歴があり、不動産取引や資金管理に関する知識を持っていた人物として報じられている。

千葉商科大学の論説「積水ハウス地面師詐欺事件の事例研究」でも、小山がマンションデベロッパーの財務部長を務めていたこと、経営者の法人税法違反事件に関連して有罪判決を受け、服役後に不動産ブローカーへ転じた経歴が紹介されている。その後、妻の姓を名乗るようになり、カミンスカス操となった。

つまり、検索されている「元財務部長」という肩書は、積水ハウスの元財務部長という意味ではない。別のマンション開発会社であるABCホームでの経歴を指している。

この経歴が事件で注目された理由は、不動産業界の取引慣行や会社組織の意思決定に精通していたとみられる点にある。積水ハウスとの交渉では、単なる紹介者にとどまらず、売買を進めるうえで重要な役割を果たしたと認定された。

内田マイクと土井淑雄も事件の重要人物

内田マイクは、事件を立案・主導した人物の一人として報道されている。土地情報や関係者とのつながりを利用し、地面師グループの計画を進めた中心人物とされた。

土井淑雄も主犯格の一人とされ、取引の準備や関係者との調整、資金の分配などに関与したと報じられている。

3人に対しては、それぞれの関与について刑事裁判で審理が行われ、内田には懲役12年、土井には懲役11年、カミンスカスには懲役11年の実刑判決が確定したと報じられている。

したがって、犯人を一人だけ挙げるならカミンスカス操が代表的な人物だが、事件の構造を理解するには3人を含む複数の関係者を見る必要がある。

【事件の経緯】海喜館の土地をめぐり55億5,000万円が消えた理由

事件の舞台となったのは、東京都品川区西五反田にあった老舗旅館「海喜館」の跡地だ。

五反田駅から近い好立地で、マンション開発用地として魅力的な不動産だった。一方、真の所有者は土地を簡単には売却しないことで知られていたとされる。

地面師グループは、この土地の所有者になりすます人物を用意し、偽造書類などを使って売買を進めた。

2017年4月から6月までの取引

2017年4月、積水ハウスは海喜館の土地を取得するための交渉を進めた。土地の所有者を装う人物や仲介業者などが関係し、売買代金は70億円という大規模な契約になった。

4月24日に売買契約が締結され、積水ハウスは手付金14億円を支払った。当初の残代金支払いは7月末の予定だったが、地面師側との交渉の中で6月1日に前倒しされた。

6月1日には残代金の決済が行われ、積水ハウスから約49億円が支払われた。ところが、その直前から取引には複数の不審な点が生じていた。

55億5,000万円という被害額の内訳

事件で重要なのは、売買契約額70億円と、実際に交付された金額、最終的な損害額を区別することだ。

  • 売買契約額:70億円
  • 積水ハウスからの交付額:約63億819万円
  • 最終的な損害額:約55億5,000万円

積水ハウスは、なりすまし役との間で自社の分譲マンションを販売する契約も結んでおり、その代金などが差し引かれている。東京地裁の2024年11月27日付民事判決では、相殺後の損害額を55億5037万2000円としている。

事件発覚から逮捕、裁判までの流れ

  • 2017年4月24日:海喜館の土地について売買契約を締結。手付金14億円を支払う。
  • 2017年5月:残代金決済の前倒しが決まり、本人確認や権利証をめぐる不審な点が表面化する。
  • 2017年6月1日:残代金の決済が行われ、約49億円が追加で交付される。
  • 2017年6月6日:東京法務局が所有権移転登記申請を却下する方針を伝える。
  • 2017年6月9日:登記申請の却下が正式に通知される。
  • 2017年8月2日:積水ハウスが取引事故を公表する。
  • 2018年10月以降:警視庁による関係者の逮捕が相次ぐ。
  • 2019年1月11日:フィリピンから送還されたカミンスカス操を逮捕。
  • 2019年10月~2020年6月:起訴された10人全員に第一審で有罪判決が言い渡される。
  • 2021年7月7日:カミンスカス操の懲役11年が確定する。
  • 2024年11月27日:東京地裁が関係者5人に計10億円の損害賠償を命じる。
  • 2025~2026年:獄中からの手紙や関係者への追加取材によって、未解明部分に関する報道が続く。

ここで注意したいのは、2017年6月1日は決済が行われた日であり、登記申請の正式な却下通知は6月9日だったという点だ。事件の発覚を6月1日とだけ説明すると、実際の経過を誤解しやすい。

【人物相関・関係者一覧】犯人グループの役割と裁判で明らかになった事実

積水ハウス地面師事件の特徴は、複数の人物が役割を分担していたことにある。所有者へのなりすまし、仲介、交渉、書類の準備、資金の移動など、それぞれの担当が組み合わさっていた。

以下は、刑事裁判や積水ハウスの総括検証報告書、関係者への取材報道をもとに整理した関係者の位置づけだ。

人物・組織 事件での役割・関係 裁判・現在の状況
カミンスカス操(旧姓・小山操) 積水ハウスとの交渉を主導した中心人物の一人。ABCホーム元財務部長。 懲役11年が確定。2026年も服役中と報道。
内田マイク 事件の立案・主導に関わった主犯格の一人。 懲役12年の実刑判決が確定したと報道。
土井淑雄 地面師グループの上位者として取引の準備などに関与。 懲役11年の実刑判決が確定したと報道。
羽毛田正美 海喜館の真の所有者になりすました人物。 詐欺事件で起訴され、有罪判決を受けた。
イクタホールディングス関係者 土地売買における中間業者側の関係者。 一部関係者は不起訴。関係者ごとに処分が異なる。
アパレルE社・横澤(仮名) カミンスカスが獄中書簡で事件の上流にいたと指摘した人物・会社。 関与をめぐる報道や証言はあるが、刑事裁判での有罪認定はない。

元財務部長と地主側の財務担当者は同一人物だった

事件の調査報告や学術研究によると、カミンスカスは取引の交渉で地主側の財務コンサルタントのような立場を名乗っていた。これは、ABCホームで財務部長を務めた過去の経歴とも結び付いている。

ただし、ここで重要なのは、肩書があることと、本人が土地所有者から正式な権限を与えられていたことは別問題だという点だ。肩書や名刺、専門知識だけで取引相手の権限を確認したことにはならない。

横澤という人物をめぐる新たな疑問

2025年以降、ノンフィクション作家の森功氏がカミンスカスとの書簡を公開し、事件の上流にいたとされる人物について新たな情報を紹介している。

カミンスカスは、アパレル関連会社E社の社主とされる横澤(仮名)から物件を紹介され、自分も相手にだまされたと主張している。

この説明では、地面師グループと地主役の間に横澤が存在し、カミンスカスはその情報を受けて積水ハウスとの交渉を進めたという構図になる。

一方、カミンスカス自身は刑事裁判で有罪判決を受けている。横澤をめぐる主張は、事件の全容を再検討するための取材上の論点であって、裁判所が認定した確定事実とは区別する必要がある。

【逮捕者17人・不起訴7人】15人という数字が検索される理由と公判の真相

積水ハウス地面師事件を調べると、「逮捕者15人」と「逮捕者17人」という2種類の数字が出てくる。

これは、捜査が進む中で逮捕者が増えたためだ。

逮捕者15人から最終的に17人へ

2018年10月以降、警視庁は地面師グループの関係者を相次いで逮捕した。2018年11月には逮捕者が15人に達したと報道されている。

その後、フィリピンに逃亡していたカミンスカス操が2019年1月11日に日本へ送還され、逮捕された。この時点で事件の逮捕者は17人目となった。

したがって、15人という数字は捜査途中の逮捕者数としては正しいが、事件全体の最終的な逮捕者数としては17人と整理するのが適切だ。

17人のうち10人が起訴、7人が不起訴

報道によると、最終的な逮捕者17人のうち、起訴されたのは10人だった。残る7人は不起訴処分となっている。

不起訴となった人物がいる理由を理解するには、地面師グループの分業構造を見る必要がある。

2026年の東洋経済オンラインによる森功氏への取材では、地面師グループは頭目、なりすまし役を手配する人物、書類の準備に関わる人物、口座を用意する人物、資金を運ぶ人物など、細かく分かれて活動すると説明されている。

メンバー同士が犯行の全体像を共有しているとは限らず、各人が限定された仕事だけを担うことで、捜査が難しくなる構造があった。

ただし、7人それぞれの不起訴理由がすべて公表されているわけではない。嫌疑不十分や起訴猶予など、個別の処分理由を一律に決めつけることはできない。

不起訴は、その人物について有罪判決が出たことを意味しない。一方で、事件に関するすべての疑問が解消されたことを意味するわけでもない。

カミンスカス操の裁判と無罪主張

カミンスカスは裁判で、地主役の女性が偽物だとは知らなかったという趣旨の主張を続けた。

しかし、東京地裁は、取引の準備や地主役への付き添い、関係者との交渉などにおける行動を重視し、犯行の中心的な役割を果たしたと判断した。少なくとも1億円の分け前を得たことも判決で指摘され、2020年6月10日に懲役11年の実刑判決が言い渡された。

その後、東京高裁は2021年3月18日に控訴を棄却。最高裁も同年7月7日に上告を棄却し、懲役11年が確定した。

刑事裁判では、カミンスカスが事件の中心的な役割を果たしたという司法判断が示されている。一方、彼が誰から最初に話を持ち掛けられたのか、全員がどのような認識で行動していたのかという事件全体の構図には、なお取材で検証すべき点が残っている。

【地面師グループの詐欺手口】本人確認で見抜くべき5つの危険信号

積水ハウス事件が大きな衝撃を与えたのは、被害者が不動産取引の専門知識を持つ大手企業だったことだ。

一般的に地面師とは、土地や建物の本当の所有者になりすまし、第三者に不動産を売却したように装って代金をだまし取る詐欺集団を指す。

この事件では、偽造パスポートや印鑑証明書などが使用され、弁護士や司法書士を取引に関与させることで、売買の正当性を演出していた。

地面師が利用した主な仕組み

事件の総括検証報告書や裁判資料から確認できる手口は、次のようなものだった。

  • 所有者へのなりすまし:真の所有者に年齢などが近い人物を用意し、本人であるように装う。
  • 偽造書類の使用:パスポートや公的証明書類などを組み合わせて本人確認を通過させようとする。
  • 専門家の関与:弁護士や司法書士を通じて、取引が適正に進んでいるような印象を作る。
  • 役割の分担:交渉役、なりすまし役、書類準備役、口座関係者などを分ける。
  • 決済の前倒し:買主に十分な確認時間を与えず、短期間で大金を動かす状況を作る。

本人確認で見落としてはいけない5つのポイント

不動産取引で同様の被害を防ぐには、本人確認書類が存在するという事実だけで安心しないことが大切だ。

1.登記簿上の所有者と売主本人が一致しているか

登記事項証明書で所有者を確認するだけでなく、売主が本当にその人物なのか、独立した方法で確認する必要がある。

2.権利証や登記識別情報に不自然な点がないか

権利証が提示されない場合や、突然別の方法で代替すると説明された場合は、決済を急がず、独立した専門家による追加確認を行うべきだ。

3.所有者本人と直接会えるか

体調不良や都合を理由に所有者が何度も面談を避ける場合は注意が必要だ。代理人の説明だけに依存せず、正式な代理権の確認も行う。

4.契約条件が不自然に変更されていないか

売主や仲介会社の変更、決済日の前倒し、支払先口座の変更などがあれば、変更の理由と正当性を改めて検証する。

5.周辺関係者や独立した情報と矛盾がないか

所有者の親族、近隣住民、管理関係者などから得られる情報も重要だ。複数の独立した情報源を使って本人の実在性と売却意思を確認する必要がある。

積水ハウスの総括検証報告書では、本人確認に関する問題だけでなく、社内で不審情報が共有されなかったことや、取引を進めたいという判断が優先されたことも検証されている。

つまり、この事件の教訓は、偽造書類を見抜く技術だけではない。疑問が生じたときに取引を止め、複数部門で再検証できる組織体制を持つことも重要なのだ。

【2026年最新】カミンスカス操の現在と55億円の行方、未解決の問題

2026年11月現在、カミンスカス操は懲役11年の実刑判決が確定し、服役中と報じられている。

一方、事件の真相をめぐっては、2024年以降に獄中からの手紙が公開され、2025年から2026年にかけて新たな取材報道が続いている。

カミンスカス操は現在も服役中

カミンスカスは2018年秋、警視庁による一斉摘発の時期にフィリピンへ出国した。その後、現地当局に身柄を拘束され、2019年1月11日に日本へ送還された。

東京地裁で懲役11年の判決を受け、控訴・上告を続けたものの、2021年7月7日に刑が確定した。

2025年には森功氏との書簡のやり取りが報じられ、2026年3月のFRIDAYデジタルや同年5月の文春オンラインの記事でも、服役中のカミンスカスが事件について主張を続けていることが紹介された。

2026年11月時点で、具体的な出所日や収監先の詳細について確定的な公表情報は確認できない。懲役11年という判決が確定していることと、実際の出所時期は分けて考える必要がある。

獄中からの手紙で語った「自分もだまされた」という主張

2024年4月、カミンスカスからノンフィクション作家の森功氏に手紙が届いた。

カミンスカスは、自分が事件の主犯に仕立てられたと訴え、実際には別の人物から物件を紹介され、自身もだまされたという趣旨の説明を行っている。

2025年には文藝春秋や文春オンラインで複数の手紙が取り上げられ、2026年3月にはFRIDAYデジタルでも、カミンスカスが自分の無罪を訴え続けていることが報じられた。

2026年5月の森功氏の記事では、カミンスカスが受け取った報酬は1億円だけだと主張していること、そして事件全体の資金の行方が捜査や裁判でも解明されていないことが改めて指摘された。

ただし、獄中からの手紙は本人の主張である。すでに確定した刑事判決を覆すものではなく、別の関係者の関与を示す新たな証拠と直ちに評価できるものでもない。

55億円はどこへ消えたのか

事件最大の謎の一つが、詐取された約55億5,000万円の最終的な行方だ。

裁判資料では、複数の口座への送金や現金の引き出しなど、資金が移動した経過の一部が明らかになっている。しかし、最終的に誰がどれだけの金額を取得し、どこに保管したのかという全体像は解明されていない。

カミンスカスは紹介手数料などとして1億円を受け取ったと説明している。一方、刑事裁判では少なくとも1億円の分け前を得たことが指摘された。報酬についての本人の説明と、判決で認定された事実を混同してはならない。

2026年5月の森功氏の報道でも、起訴された10人の刑が確定した後も、55億円の大部分が誰の手元に渡ったのかという問題は解決していないとされている。

2024年には民事裁判で10億円の賠償命令

刑事裁判とは別に、積水ハウスは地面師グループの関係者10人に対して損害賠償を求める民事訴訟を起こしていた。

2024年11月27日、東京地裁は争っていた内田マイクら5人に対し、連帯して10億円を支払うよう命じる判決を言い渡した。

裁判所は、不動産所有者へのなりすましを認識しながら取引に関与したことなどを重視し、共同不法行為が成立すると判断した。

残る5人についても別の手続きで賠償が命じられている。もっとも、10億円の支払い命令が出たことと、実際にその全額が回収されたことは別である。巨額の被害がどこまで回復したのかについては、判決金額だけで判断できない。

【積水ハウス地面師事件】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:積水ハウス地面師事件の主犯は誰ですか?
A1:カミンスカス操、内田マイク、土井淑雄の3人が主犯格として報道されています。特にカミンスカス操は積水ハウスとの交渉を主導した中心人物の一人とされ、懲役11年の実刑判決が確定しています。

Q2:カミンスカス操は2026年現在どうなっていますか?
A2:2026年現在、懲役11年の実刑判決が確定して服役中と報じられています。獄中から森功氏などに手紙を送り、自身は事件にだまされた側だという趣旨の主張を続けています。

Q3:積水ハウス地面師事件の逮捕者は15人ですか、17人ですか?
A3:最終的な逮捕者は17人です。2018年11月時点で15人と報じられましたが、その後2019年1月にカミンスカス操らが逮捕されたため、最終的には17人となりました。

Q4:逮捕された17人のうち、なぜ7人が不起訴になったのですか?
A4:不起訴となった7人について、個別の処分理由がすべて公表されているわけではありません。事件の分業構造や各人の認識・関与を立証する難しさが背景として報道されています。

Q5:元財務部長とはカミンスカス操のことですか?
A5:はい。報道や学術研究で言及される元財務部長とは、ABCホームで財務部長などを務めたカミンスカス操(旧姓・小山操)を指します。積水ハウスの元財務部長という意味ではありません。

Q6:騙し取られた55億円は戻ってきたのですか?
A6:事件の被害額の大部分について、最終的な資金の所在は解明されていません。2024年には関係者への10億円の賠償命令が出ましたが、判決が出たことと実際の回収は別問題です。

Q7:Netflixの『地面師たち』は積水ハウス事件そのものですか?
A7:実際の積水ハウス地面師事件などに着想を得たフィクションです。登場人物や舞台、具体的な事件展開には創作が含まれており、ドラマの内容をそのまま実際の裁判事実として扱うことはできません。

まとめ:積水ハウス地面師事件の本当の問題は犯人逮捕だけでは終わらない

積水ハウス地面師事件では、カミンスカス操、内田マイク、土井淑雄らが主犯格として扱われ、最終的に17人が逮捕された。10人が起訴され、全員に有罪判決が言い渡されている。カミンスカス操には懲役11年が確定し、2026年現在も服役中と報じられている。

一方、事件の全容は完全には明らかになっていない。逮捕者のうち7人が不起訴となった経緯、元財務部長をめぐる報道、横澤という人物の関与、そして約55億5,000万円の最終的な資金の行方など、重要な疑問が残されている。

【プロの結論】

この事件から読み取るべき本質は、地面師の偽造技術だけではない。真の所有者を確認する手続きが存在していても、取引を急ぐ心理や組織内部の情報共有不足が重なると、大企業でさえ重大な判断ミスを起こす可能性があるということだ。

不動産取引では、本人確認書類の数や専門家の関与だけで安全性を判断してはならない。所有者本人の意思、代理権、登記情報、取引相手の信用、資金の流れを独立して検証する必要がある。

2026年になっても、カミンスカスの獄中書簡や新たな関係者の証言が報じられ、事件をめぐる疑問は続いている。刑事裁判で有罪が確定したことと、事件の全貌が解明されたことは同じではない。55億円の行方と、事件の上流にいた人物の実態がどこまで明らかになるのか。今後も公判記録や信頼できる調査報道を通じて検証していく必要がある。

主な検証資料

- 積水ハウス「分譲マンション用地の取引事故に関する総括検証報告書」(2020年12月)
- 東京地方裁判所・損害賠償請求事件判決(2024年11月27日)
- 千葉商科大学論説「積水ハウス地面師詐欺事件の事例研究」
- NHK「未解決事件」関連取材(2025年10月)
- 森功氏による2026年の追加取材報道
- 2026年8月の文春オンラインによる事件関係者の証言報道

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黒木 涼
コンテンツディレクター 黒木 涼
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映画・ドラマ担当として5年以上の取材経験。cinema領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

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