2026年春場所の三賞は、殊勲賞1人、敢闘賞2人、技能賞1人の計4人が受賞した。日本相撲協会の公式記録に掲載された受賞者と成績は次のとおりだ。
出典:日本相撲協会「令和八年三月場所 三賞力士」
殊勲賞・霧島は優勝とダブル受賞
殊勲賞に選ばれたのは、幕内優勝を果たした霧島。今場所は横綱・豊昇龍との直接対決を制したほか、安定した勝ち星を積み重ね、11連勝を記録した。
殊勲賞は、優勝力士に自動的に与えられる賞ではない。場所を通じた顕著な活躍を評価する三賞の一つであり、優勝と同時に受賞した点も霧島の場所を象徴している。
敢闘賞・琴勝峰は優勝争いを最後まで盛り上げた
琴勝峰は西前頭五枚目で11勝4敗。優勝争いの上位に食い込み、14日目まで霧島を追う存在だった。優勝には届かなかったものの、最後まで優勝争いに絡んだ成績が光った。
琴勝峰は2025年7月場所にも13勝2敗で幕内優勝を果たしている。今回の敢闘賞は、上位陣との対戦でも存在感を示した場所だったことを裏付ける。
敢闘賞・藤青雲は新入幕で10勝
もう一人の敢闘賞受賞者は藤青雲。西前頭十三枚目で10勝5敗を記録した。
藤青雲にとって2026年3月場所は新入幕の場所だった。初めて幕内の土俵に上がった場所で二桁勝利を挙げたことは、大きな成果だ。十両で培ってきた力を幕内でも発揮し、敢闘賞を獲得した。
技能賞・藤ノ川は8勝7敗で受賞
技能賞は東前頭二枚目の藤ノ川が受賞。成績は8勝7敗で、勝ち越しを1つ上回る数字だった。
技能賞は単純な勝ち星の多さだけで決まるものではない。相撲の技術や取り口など、内容面での評価が重視される賞だ。二桁勝利ではない藤ノ川が選ばれたことは、三賞の評価軸が成績表の数字だけではないことを示している。
なお、今回の4人のうち、殊勲賞の霧島と敢闘賞の琴勝峰は優勝争いの中心にいた。一方、藤青雲と藤ノ川は、それぞれ新入幕での二桁勝利と技術面での評価という異なる形で存在感を示した。
【幕内星取表】豊昇龍11勝4敗、琴櫻10勝5敗、大の里は休場
2026年春場所の幕内では、優勝した霧島だけでなく、横綱・大関陣の明暗もはっきり分かれた。日本相撲協会の力士別星取表をもとに、注目力士の最終成績を整理する。
横綱・大関・三役の最終成績
- 豊昇龍(東横綱):11勝4敗
- 大の里(西横綱):0勝4敗11休
- 琴櫻(西大関):10勝5敗
- 安青錦(東大関):7勝8敗
- 霧島(東関脇):12勝3敗・幕内優勝
- 高安(西関脇):7勝8敗
- 若元春(東小結):3勝12敗
- 熱海富士(西小結):9勝6敗
横綱では豊昇龍が11勝4敗と二桁勝利を確保した。一方、大の里は序盤の4日間で4連敗を喫し、その後休場。0勝4敗11休という結果になった。
大関陣では琴櫻が10勝5敗と二桁勝利を挙げたのに対し、安青錦は7勝8敗で負け越し。千秋楽では豊昇龍との対戦に敗れ、勝ち越しを逃した。
関脇の高安も7勝8敗で負け越した。小結では熱海富士が9勝6敗と勝ち越した一方、若元春は3勝12敗と苦しい場所になった。
幕内で注目された前頭力士の成績
- 琴勝峰(西前頭5枚目):11勝4敗・敢闘賞
- 藤青雲(西前頭13枚目):10勝5敗・敢闘賞
- 豪ノ山(東前頭10枚目):10勝5敗
- 千代翔馬(東前頭14枚目):10勝5敗
- 朝白龍(東前頭16枚目):10勝5敗
- 藤ノ川(東前頭2枚目):8勝7敗・技能賞
- 隆の勝(西前頭4枚目):9勝6敗
- 一山本(東前頭6枚目):9勝6敗
- 熱海富士(西小結):9勝6敗
特に目立ったのは琴勝峰と藤青雲だ。両者とも10勝を超え、三賞を獲得した。幕内上位だけでなく、前頭の力士が優勝争いや三賞選考に存在感を示した場所だった。
星取表を見る際には、勝敗だけでなく休場日数にも注意したい。例えば大の里の0勝4敗11休は、15日間をすべて戦って4敗したという意味ではない。初日から4日目までの取組を終え、その後休場した記録である。
星取表から読み取れる春場所の特徴
今場所の特徴は、霧島が12勝3敗で優勝した一方、2番手の豊昇龍と琴勝峰がともに11勝4敗だったことだ。優勝力士と次点の差は1勝。数字だけを見ると接戦に見えるが、優勝が14日目に確定した点が重要になる。
また、横綱・大関の全員が安定した成績を残したわけではない。大の里の休場、安青錦と高安の負け越し、若元春の3勝12敗など、番付上位にも厳しい結果が並んだ。
【千秋楽の取組結果と各段優勝】幕内から序ノ口までを総まとめ
2026年3月22日の千秋楽は、すでに優勝を決めていた霧島の一番に加え、豊昇龍と安青錦の対戦など、次の場所を占ううえでも注目される取組が続いた。
千秋楽の注目取組と決まり手
千秋楽の主要な取組結果は以下のとおり。
- 霧島-琴櫻:琴櫻の押し出し
- 豊昇龍-安青錦:豊昇龍の掛け投げ
- 熱海富士-高安:高安の上手ひねり
霧島は琴櫻に押し出されて敗れたものの、12勝3敗で幕内優勝を確定させている。優勝決定後の一番だったため、黒星によって優勝が取り消されることはない。
豊昇龍は安青錦を掛け投げで破り、11勝4敗で場所を終えた。安青錦は7勝8敗となり、負け越しが決定。熱海富士と高安の対戦では高安が上手ひねりで勝ったが、最終的には7勝8敗で負け越した。
こうした千秋楽の結果は、単に勝敗を確認するだけでなく、上位力士の調子や翌場所の番付を考える材料にもなる。
十両以下の優勝力士一覧
幕内以外でも、各段で優勝力士が決まった。日本相撲協会の公式記録による令和8年三月場所の各段優勝者は次のとおり。
- 十両:出羽ノ龍(11勝4敗)
- 幕下:和歌ノ富士(7勝0敗)
- 三段目:生田目(7勝0敗)
- 序二段:旭富士(7勝0敗)
- 序ノ口:阿龍(6勝1敗)
十両優勝の出羽ノ龍は東十両十枚目。11勝4敗で優勝を決めた。幕下優勝の和歌ノ富士は東幕下二十八枚目から7戦全勝を達成した。
三段目の生田目、序二段の旭富士も7戦全勝。序ノ口では阿龍が6勝1敗で優勝した。各段の成績は、日本相撲協会の優勝力士一覧に掲載されている。
「優勝決定戦なし」は幕内の話?十両では決定戦を実施
ここで注意したいのが、優勝決定戦の有無だ。
幕内は霧島が14日目に単独優勝を確定させたため、優勝決定戦は行われていない。しかし、十両では事情が異なる。出羽ノ龍と若ノ勝がともに11勝4敗となり、優勝決定戦に進んだ。
この決定戦を制したのが出羽ノ龍だった。部屋の公式ブログでも、優勝決定戦を制して十両優勝を果たしたことが報告されている。
したがって、「2026年春場所は優勝決定戦なし」とだけ説明すると、十両の優勝争いを正確に伝えられない。正しくは、幕内は優勝決定戦なし、十両は優勝決定戦ありという結果だった。
【プロの結論】2026年春場所は霧島の復活と上位陣の勢力図が焦点
2026年春場所の結果を振り返るうえで、特に注目したいのは次の3点だ。
第一に、霧島の優勝は連勝の積み重ねによって生まれた。初日から無敗で突き進んだわけではない。1勝1敗から11連勝を記録し、14日目に優勝を確定させた。苦しい序盤から立て直し、優勝争いの主導権を握った点に価値がある。
第二に、三賞は異なるタイプの活躍を評価した。優勝と殊勲賞を獲得した霧島、優勝争いに加わった琴勝峰、新入幕で10勝を挙げた藤青雲、技能賞の藤ノ川。それぞれ違った強みが評価された。
第三に、上位陣の成績には大きな差が生じた。豊昇龍と琴櫻は二桁勝利を確保した一方、大の里は休場し、安青錦と高安は負け越した。翌場所の番付や優勝争いを考えるうえで、見逃せない変化だった。
そして春場所後の3月25日、日本相撲協会は霧島の大関昇進を正式に決定した。春場所の優勝は、霧島が再び大関として土俵に立つための大きな節目になった。
春場所の結果を詳しく確認したい場合は、次の3つを基準にすると理解しやすい。
- 優勝力士と優勝決定日を分けて確認する。
- 星取表では勝敗だけでなく休場日数も見る。
- 三賞は勝ち星だけでなく、受賞理由につながる場所全体の活躍に注目する。
この3点を押さえると、単なる優勝者の確認にとどまらず、場所全体の勢力図や翌場所への影響まで読み取れる。
【春場所結果に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年春場所の幕内優勝は誰ですか?
A1:東関脇の霧島です。12勝3敗で自身3度目の幕内優勝を達成しました。14日目に優勝が決まり、幕内の優勝決定戦は行われていません。
Q2:2026年春場所の三賞受賞者は誰ですか?
A2:殊勲賞は霧島、敢闘賞は琴勝峰と藤青雲、技能賞は藤ノ川です。琴勝峰は11勝4敗、藤青雲は10勝5敗、藤ノ川は8勝7敗でした。
Q3:2026年春場所の十両・幕下優勝者は誰ですか?
A3:十両優勝は出羽ノ龍(11勝4敗)、幕下優勝は和歌ノ富士(7戦全勝)です。なお、十両では出羽ノ龍と若ノ勝による優勝決定戦が行われました。
まとめ:2026年春場所は霧島の3度目の優勝で幕を閉じた
2026年3月の大相撲春場所は、霧島が12勝3敗で自身3度目の幕内優勝を飾った。14日目に優勝を決め、千秋楽は琴櫻に敗れたものの、賜杯を手にしたことに変わりはない。
三賞では霧島、琴勝峰、藤青雲、藤ノ川が受賞。幕内では豊昇龍が11勝4敗、琴櫻が10勝5敗と健闘した一方、大の里の休場や安青錦の負け越しも記録された。
十両では出羽ノ龍、幕下では和歌ノ富士が優勝。幕内と十両で優勝決定戦の有無が異なった点も、今場所を振り返る際の要点となる。
そして3月25日には霧島の大関復帰が正式決定。春場所は、優勝という結果だけでなく、次の番付につながる大きな転換点となった。
2026年春場所の結果を確認する際は、日本相撲協会の公式記録にある「優勝力士・三賞力士」「星取表」「取組結果」を照らし合わせることが、正確な振り返りにつながる。