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【発祥地は香川ではない】丸亀製麺が兵庫県加古川市で誕生した理由

氷室 美冬 氷室 美冬 • 更新: • 公開: • 読了約 25 分
目次

最初に押さえておきたいのは、丸亀製麺の創業地とブランド名の由来は別の話だという点だ。

丸亀製麺の第1号店がオープンしたのは、2000年11月、兵庫県加古川市。香川県丸亀市で創業した企業ではない。運営する株式会社トリドールホールディングスは、創業者の粟田貴也氏が香川県の製麺所を訪れ、目の前でうどんを作る光景や、打ち立ての麺を提供するスタイルに感銘を受けたことを創業の背景として紹介している。

つまり、香川県のうどん文化に影響を受けて生まれたブランドであり、香川県で生まれた企業ではない。丸亀という名称も、創業地を示すものではなく、讃岐うどんの本場として知られる丸亀市に由来するブランド戦略の一部だ。会社の25周年記念発表でも、2000年の加古川市での1号店開店が明記されている。

なぜ「丸亀」という名前を選んだのか

丸亀市は香川県中西部に位置し、讃岐うどんの文化と深い関係を持つ地域だ。全国に向けて讃岐うどんを発信する際、「丸亀」という地名には本場を連想させる力がある。

このブランド名が全国的な成功につながったことは間違いない。一方、香川県側から見ると、地元の歴史や食文化を想起させる名前を使いながら、創業地は兵庫県であり、丸亀市に実店舗もないという構図になる。

ただし、丸亀という地名を使うこと自体が違法だという話ではない。2013年の騒動では、丸亀市の担当部署も、地名の使用について特段の制約はないとの見解を示している。問題になったのは、名称の合法性だけではなく、その名称が地域との関係についてどのような印象を与えるかという点だった。

ここに、丸亀製麺をめぐる議論の出発点がある。単に「兵庫県の会社なのに丸亀を名乗っている」という話ではなく、地域の名前を全国規模の企業ブランドとして使うことへの納得感が問われているのだ。

【丸亀もんぞう騒動の真相】2013年にロサンゼルスで何が起きた?

丸亀製麺香川怒り

丸亀製麺への批判を語るうえで外せないのが、2013年にアメリカ・ロサンゼルスで起きた「丸亀もんぞう」をめぐる商標問題だ。

この出来事は、単なるSNS上の言い争いではない。丸亀という地名を使った個人経営のうどん店と、海外展開を進めていた大手チェーンとの間で、ブランド名の使用をめぐる実際のやり取りが発生した。

騒動の発端はロサンゼルスの個人経営店

2013年3月15日、ロサンゼルスのリトルトーキョーに「丸亀もんぞう(MONZO)」がオープンした。店を運営する職人は香川県丸亀市のうどん店で修業した経歴を持ち、讃岐うどんを現地で提供していた。

ところが、開店後に丸亀製麺側から店名の使用について連絡が入る。背景には、トリドール側がアメリカで「MARUKAME」という商標を取得していたことがあった。

2013年6月7日のJ-CASTニュースの報道によると、トリドール側は、アメリカ本土1号店だと誤認する問い合わせが複数あったことを理由に、誤解を招くとして相手方に書類を送付したと説明している。

一方、丸亀市のうどん店主がこの問題をSNSで紹介したことで、批判が拡大した。地名に由来する名称を、丸亀市で創業したわけではない企業が商標として押さえ、地元の職人が営む店に使用を控えるよう求めたことに、疑問が集まったのだ。

その後、問題はどう決着したのか

この騒動で重要なのは、丸亀製麺側が最終的にどう対応したかという点だ。

2025年9月の東洋経済オンラインの記事では、エフエム香川の番組「うどラヂ」で2013年6月28日に語られた関係者の証言を紹介している。それによると、丸亀もんぞう側には、看板や文書から丸亀という表記を外すよう求める内容証明が届いたという。

その後、トリドール側からは、この件について今後アクションを起こさないという趣旨のコメントが出され、問題はいったん収束に向かったとされる。

ただし、ここで注意したいのは、裁判によって丸亀製麺側の主張が否定されたという話ではないことだ。確認できる経緯は、商標をめぐる申し入れがあり、その後、企業側が追加の対応をしないとしたというもの。法廷での判決や、文化的な権利の帰属が確定した事件ではない。

それでも、地域の名前を使って成長した企業が、地元で修業した職人の店に対して名称の使用を問題視したという構図は、香川県側に複雑な印象を残した。

この問題は、丸亀製麺が単に香川発祥ではないという事実よりも、地域ブランドとの向き合い方が問われた出来事だった。

【麺通団・田尾和俊氏の批判】文化盗用と炎上の経緯を時系列で検証

丸亀製麺をめぐる議論が再び大きく注目されたのが、2019年9月の「讃岐うどん論争」だ。

批判の中心にいたのは、讃岐うどんブームの仕掛け人として知られる麺通団の団長、田尾和俊氏。香川県出身の田尾氏は、タウン情報誌の編集長としてうどん店の探訪企画を手掛け、1990年代後半の讃岐うどん巡りブームを広げた人物として知られている。

2019年9月、何が炎上の引き金になったのか

発端は、関西テレビのバラエティ番組「ウラマヨ!」で丸亀製麺の創業者・粟田貴也氏が語った、讃岐うどんとの出会いに関するエピソードだった。

番組では、粟田氏が香川の小さな製麺所を訪れ、県外から訪れた客がうどんを食べるために列を作り、釜から出した麺にしょうゆをかけて食べている光景を目にしたことが、手づくり・できたてのうどんを提供する事業構想につながったという趣旨の話をしていた。

これに対し、2019年9月14日に麺通団の団長日記で田尾氏が異議を唱えた。讃岐うどん巡りブームの歴史について、全国放送で不正確な説明が広がることへの懸念を示し、丸亀製麺の讃岐うどんへのリスペクトにも疑問を呈した。

ABEMA TIMESが9月17日に報じた内容でも、田尾氏は丸亀製麺のビジネスとしての成功を評価しながら、讃岐うどんの歴史や文化を語る姿勢には不満を表明していた。

なぜ「文化盗用」という強い言葉まで使われたのか

批判の背景には、主に次の4つの論点があった。

  • 企業の出自:香川県で創業した企業ではないのに、讃岐うどんを代表するようなブランドイメージを形成している。
  • ブランド名:丸亀という地域名を使いながら、地元の個人店との商標問題を起こした過去がある。
  • 歴史の説明:讃岐うどん巡りブームの背景や歴史について、地元の関係者と説明に食い違いが生じた。
  • 文化の代表性:全国的な知名度を持つチェーンが、讃岐うどんの代表的存在として紹介されることへの違和感がある。

これらの批判をメディアが「文化の盗用」と表現したことで、議論はさらに大きくなった。

ただし、文化盗用という言葉は、この騒動に対する批判的な評価を表すものであり、裁判所が文化の盗用を認定したわけではない。争点は、うどんの製法や地域名の所有権という単純な問題ではなく、地域文化を利用して事業を展開する企業に、どこまで歴史や文化への理解が求められるかという問題だった。

2018年の「ネギだく炎上」も文化の違いを象徴

もう一つ、丸亀製麺の食べ方をめぐって話題になったのが、2018年8月のネギだく騒動だ。

丸亀製麺の公式SNSが2018年8月24日、ぶっかけうどんに大量の青ネギを盛り付けた写真を投稿。これに対し、高松市の「ふる里うどん」の店主が、讃岐うどんの文化を壊さないでほしいという趣旨の批判を投稿した。

大量のネギを使う食べ方が、うどん本来の味を損なうのではないかという問題提起だった。J-CASTニュースの取材に対し、店主は後日、投稿が丸亀製麺そのものへの批判と受け取られたことを説明し、顧客が自由に薬味を使うこと自体は否定していないと話している。

「お客さんがネギをたっぷり使ってうどんを食べることは自由です」

この説明は重要だ。香川県のうどん店主が問題視したのは、顧客個人の食べ方を禁止することではない。全国的な影響力を持つチェーンが、地域の食文化を代表するような立場で食べ方を紹介することへの違和感だった。

丸亀製麺をめぐる主な出来事一覧

ここまでの騒動を、関係者と出来事のつながりが分かるように整理すると次のようになる。

時期 出来事・関係者 確認できる内容 2000年11月 丸亀製麺創業 兵庫県加古川市に1号店を開店。 2013年3月 丸亀もんぞう ロサンゼルスに個人経営の讃岐うどん店が開店。 2013年6月 商標問題 丸亀製麺側が店名使用を問題視して書類を送付。その後、追加対応をしない方向で収束。 2018年8月 ネギだく騒動 公式SNSの大量のネギの投稿をめぐり、香川県のうどん店主が食文化への配慮を求めた。 2019年9月 田尾和俊氏の批判 テレビで語られた讃岐うどんの歴史や丸亀製麺の姿勢について問題提起。 2025年4月 だしのリニューアル 北海道産真昆布や複数の削り節を使った新しいだしを導入。 2025年11月 丸亀うどん祭り 丸亀市で地元うどん店も参加するイベントを開催。 2026年 店舗・ブランドの現状 香川県内は高松市の1店舗。全国的な事業展開と地域での受け止め方は異なる。

この年表から見えるのは、批判が一度の炎上で生まれたわけではないということだ。名称、商標、歴史の説明、食べ方という異なる問題が積み重なり、丸亀製麺に対する複雑な感情を形成してきた。

【丸亀製麺と本場の讃岐うどんの違い】麺・いりこ出汁・味を比較

香川県民から丸亀製麺に対して味の違いを指摘する声が出る理由として、特に注目されるのが麺とだしの特徴だ。

丸亀製麺は讃岐うどん専門店を掲げ、国産小麦・水・塩を使った店内製麺を特徴としている。一方、香川県内のうどん店には、長年地域で受け継がれてきた製法や、店ごとに異なるだしの文化がある。

① 麺の違いはコシと食感にある

讃岐うどんの大きな特徴は、弾力と粘りを持った麺の食感だ。

ただし、「コシが強い」という表現を、単に硬い麺という意味で理解するのは正確ではない。十分に熟成させた生地を茹で上げることで、表面のなめらかさと内部の弾力が両立する。

香川県観光協会の「うどん県旅ネット」では、讃岐うどんの食べ方として、かけ、ぶっかけ、生じょうゆ、ざる、釜玉などを紹介している。温度や麺の締め方によっても食感が変わるため、讃岐うどんには一種類の完成形があるわけではない。

丸亀製麺も店内で粉から製麺し、茹でたてを提供する。つまり、店内製麺そのものが香川県のうどん文化と無関係というわけではない。違いは、各店の製法、麺の太さや食感、茹で方、食べ方の提案などにある。

② いりこ出汁が大きな違い

味の違いを語るうえで、最も分かりやすいのがいりこだ。

いりことは、カタクチイワシなどを煮て乾燥させた煮干しのこと。香川県では、瀬戸内海に浮かぶ伊吹島周辺で作られるいりこがよく知られており、讃岐うどんのだしに使われてきた。

いりこ出汁には、魚介由来の豊かな香りと旨みがある。これが小麦の風味を持つうどんと組み合わさり、地域ならではの味わいを生み出す。

ただし、香川県内のうどん店すべてが同じ配合のいりこ出汁を使っているわけではない。香川県観光協会の案内でも、だしは店によっていりこ風味やかつお風味などの個性があると紹介されている。

③ 丸亀製麺のだしは2025年に刷新された

丸亀製麺は2025年4月、かけうどんとぶっかけうどんのだしをリニューアルした。

公式発表によると、新しいだしには次の素材が使われている。

  • 北海道産の真昆布
  • かつお節
  • サバ節
  • ウルメイワシ
  • アゴ(飛魚)

複数の素材からだしを取り、特製のかえしを合わせることで、打ち立ての麺の小麦の甘みや旨みを引き立てる設計になっている。だしは各店舗で1日に何度も引くという。

ここで注目したいのは、2025年の公式発表で公表された配合に、いりこが含まれていないことだ。2026年7月のITmediaの記事も、香川県のうどん店で一般的ないりこ中心のだしと、丸亀製麺の昆布や複数の節を組み合わせただしとの違いを指摘している。

丸亀製麺のだしがまずいという話ではない。目指している味の方向性が異なるのだ。




讃岐うどんらしい魚介の香りを重視する人には、いりこを前面に出した地元店の味が好みに合う可能性がある。一方、昆布や複数の節を組み合わせた丸亀製麺の味を好む人もいる。

この違いを理解すれば、丸亀製麺を讃岐うどんの完全な再現品として評価するのではなく、讃岐うどんの文化を参考に独自の品質と提供スタイルを築いた全国チェーンとして見ることができる。

【2026年最新】丸亀製麺は香川県に何店舗ある?はなまるうどんとの違い

丸亀製麺が香川県でどの程度受け入れられているかを考える際、分かりやすい指標の一つが店舗数だ。

2026年11月時点で確認できる丸亀製麺の公式店舗検索では、香川県内の店舗は1店舗。高松市多肥下町にある「丸亀製麺高松レインボー通り店」だ。丸亀市内には店舗がない。

なぜ香川県内では店舗が少ないのか

香川県は、うどんの消費や外食文化において独自の市場を持っている。県内には個人経営のうどん店が数多く存在し、朝食や昼食に日常的にうどんを食べる習慣も根付いている。

全国チェーンにとって、こうした地域は必ずしも出店しやすい市場ではない。

地元客は、価格だけでなく、店ごとの麺の食感、だし、営業時間、提供スピード、立地などを基準に日常の店を選んでいる。地元のうどん店が豊富にある環境では、全国チェーンの知名度だけで固定客を獲得することは難しい。

また、丸亀製麺は2022年のITmediaの取材で、香川県内の出店数が限られている状況について、丸亀市との関係や地域への配慮を含めた説明をしていた。店舗数の少なさを、味が認められなかったという一つの理由だけで説明することはできない。

はなまるうどんとの比較で分かること

比較対象としてよく挙がるのが、同じく全国展開している「はなまるうどん」だ。

はなまるうどんは2000年に香川県高松市で創業したブランドで、2025年1月には本社を高松市に移転している。2026年2月期の会社資料では、全国418店舗を展開。公式店舗検索では、香川県内に14店舗が掲載されている。

丸亀製麺と比較すると、両社には次のような違いがある。

  • 創業地:丸亀製麺は兵庫県加古川市、はなまるうどんは香川県高松市。
  • 香川県内の店舗数:丸亀製麺は1店舗、はなまるうどんは14店舗。
  • 事業の特徴:丸亀製麺は店内製麺と打ち立て・茹でたての体験を重視。はなまるうどんもセルフ式を採用し、幅広いメニューを展開している。
  • ブランドとの地域的な関係:はなまるうどんは香川県発祥で、本社も高松市に置く。

ただし、はなまるうどんが香川発祥だからといって、すべてのメニューが地元の個人店と同じ味というわけではない。両社とも全国チェーンとして独自の品質管理と商品開発を行っている。

ITmediaの2025年5月の比較記事でも、両社はメニュー構成に共通点がありながら、店舗規模やご飯もの、価格帯などに違いがあると分析されている。

2025年の丸亀うどん祭りで見えた地元の本音

香川県民が丸亀製麺を一律に嫌っているという見方を考え直す材料が、2025年11月に開催された「丸亀うどん祭り2025」だ。

丸亀製麺と丸亀市が開催したこのイベントは、丸亀城芝生広場を会場とし、上戸彩さんや松岡昌宏さん、要潤さんらが参加。地元出身の中野美奈子さんも総合司会を務めた。

注目された企画の一つは、315人が同時にうどんを試食するギネス世界記録への挑戦だった。参加者には丸亀製麺の釜揚げうどんや期間限定のトマたまカレーうどんのほか、地元店が作るしょうゆうどんも提供された。記録は達成されたとPRESIDENT Onlineが報じている。

同記事の現地取材では、丸亀製麺を初めて食べたという香川県民も少なくなかった。参加者からは、全国チェーンのうどんとして好意的な感想が聞かれたほか、イベント自体を歓迎する地元住民の反応も紹介されている。

一方、地元の人気うどん店が参加したキッチンカーには、丸亀製麺のブース以上に長い行列ができたという。イベントへの歓迎と、普段食べるうどんとして地元店を選ぶことは、必ずしも矛盾しない。

加えて、同イベントには香川県や県内最大のうどん業界団体は協賛しておらず、丸亀市と丸亀製麺の関係を前面に出した催しだった。地域全体との関係が完全に解消したという状況ではないことも読み取れる。

この現地報道から見えるのは、地元の人々が丸亀製麺を完全に拒絶しているわけではないということだ。地元のうどん文化を大切にする気持ちと、全国チェーンのイベントを楽しむ気持ちは両立する。

【プロの結論】丸亀製麺と香川県民の対立は、味だけでは説明できない

ここまでの経緯を整理すると、丸亀製麺に対する香川県側の批判には、大きく3つの層がある。

第一は、ブランドの出自に関する問題。兵庫県加古川市で創業した企業が、讃岐うどんの本場である丸亀の名前を全国ブランドとして使用していることへの違和感だ。

第二は、地域文化の説明と尊重に関する問題。2013年の丸亀もんぞう騒動や2019年の田尾和俊氏の批判では、地元の歴史や職人、文化に対する企業の向き合い方が問われた。

第三は、商品としての味の違い。いりこを中心にしただしを好む人にとって、丸亀製麺の昆布や複数の節を組み合わせただしは、日常的に食べ慣れた讃岐うどんとは異なる。

丸亀製麺が評価される理由もある

一方、丸亀製麺の全国的な成功を支えているのは、店内製麺とできたての提供、オープンキッチンによる臨場感、豊富な天ぷらや薬味の選択肢だ。

ITmediaの2026年7月の記事によると、丸亀製麺は2016年に麺職人制度を開始し、2024年には国内全店舗への麺職人配置を完了した。麺職人には試験制度が設けられ、一つ星から四つ星までのランクがある。なお、麺職人が不在となる日や時間帯もある。

この取り組みは、丸亀製麺が単に大量生産型のファストフードを提供するだけでなく、店舗での調理品質を重視していることを示している。

また、2025年には25周年を迎え、国内856店舗、海外297店舗を展開していたことを会社が発表している。これは2025年2月末時点の数字であり、2026年の最新店舗数とは区別する必要がある。

どんな人に丸亀製麺がおすすめ?

丸亀製麺を選ぶか、香川県の個人店を選ぶかは、何を重視するかによって変わる。

丸亀製麺が向いている人

  • 店内で作る打ち立て・茹でたてのうどんを楽しみたい。
  • 天ぷらや無料薬味を自由に組み合わせたい。
  • 全国共通のメニューやサービスを利用したい。
  • 手軽に食事を済ませながら、できたてのうどんを食べたい。

香川県の地元うどん店が向いている人

  • いりこを中心とする地域特有のだしを味わいたい。
  • 店ごとの麺の製法や食感を食べ比べたい。
  • 製麺所や個人店に根付く地域の食文化を体験したい。
  • しょうゆうどんや釜玉など、地元ならではの食べ方を楽しみたい。

丸亀製麺の評価を考えるときに大切なのは、「本場の味を完全に再現できているか」という基準だけで判断しないことだ。企業としての品質、地域文化との関係、実際に食べたときの満足度は、それぞれ別の評価軸である。

地域の名前や伝統をブランドに取り込む企業には、商品を提供するだけでなく、その背景にある歴史や担い手への敬意も求められる。丸亀製麺の騒動は、全国ブランドが地域文化を扱う際に何を大切にすべきかを考える事例でもある。

【丸亀製麺に香川県民が怒るの理由】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:丸亀製麺は香川県発祥ではないのですか?

A1:はい。丸亀製麺の1号店は2000年11月に兵庫県加古川市でオープンしました。創業者が香川県の製麺所に感銘を受けたことが、事業の出発点になっています。丸亀市で創業した企業ではありません。

Q2:丸亀もんぞう騒動は丸亀製麺が裁判で負けた事件ですか?

A2:裁判で敗訴した事件ではありません。2013年、アメリカの商標をめぐり、ロサンゼルスの個人経営店「丸亀もんぞう」に対して丸亀製麺側が名称使用を問題視し、書類を送付しました。その後、トリドール側が追加の対応をしないとする趣旨のコメントを出し、問題は収束に向かいました。

Q3:丸亀製麺のだしには、いりこが使われていますか?

A3:2025年4月に発表された新しいかけだし・ぶっかけだしの主な素材は、北海道産真昆布、かつお節、サバ節、ウルメイワシ、アゴなどです。公表された配合には、いりこは含まれていません。香川県のいりこを中心とするだしとは味の方向性が異なります。

Q4:2026年現在、丸亀製麺は香川県に何店舗ありますか?

A4:公式店舗検索で確認できる香川県内の店舗は1店舗で、高松市の高松レインボー通り店です。丸亀市内には店舗がありません。

Q5:香川県民は全員、丸亀製麺が嫌いなのですか?

A5:いいえ。歴史やブランドの扱いに疑問を持つ人がいる一方、丸亀製麺の味や全国的な利便性を評価する人もいます。2025年の丸亀うどん祭りでも、地元住民から好意的な反応が報告されています。県民全員が同じ意見というわけではありません。

まとめ:丸亀製麺と香川県の関係は2026年も変化の途中にある

丸亀製麺に香川県民が怒るといわれる背景には、兵庫県加古川市での創業と丸亀というブランド名の関係、2013年の丸亀もんぞう騒動、2019年の麺通団・田尾和俊氏による歴史や文化への批判、そして讃岐うどんと丸亀製麺の味の違いがある。

特に、いりこを中心とした地域のだし文化と、丸亀製麺が独自に開発してきた複合的なだしの違いは、地元での評価を分ける要因の一つだ。

しかし、2025年の丸亀うどん祭りや2026年の現地報道を見ると、香川県民の反応は単純な拒絶ではない。イベントを歓迎する人、丸亀製麺の味を評価する人、日常的には地元の個人店を選ぶ人など、受け止め方はさまざまだ。

丸亀製麺は香川発祥ではない。しかし、香川県のうどん文化に影響を受け、その文化を全国や海外に広めてきた企業でもある。この二つは両立する事実だ。

今後、丸亀製麺が香川県でより支持を得るためには、麺やだしの品質を高めることに加え、地域の歴史や職人、食文化との関係を丁寧に築いていくことが重要になる。香川県側も、全国チェーンと地元の個人店を対立する存在としてだけでなく、それぞれ異なる魅力を持つうどん文化の担い手として捉える余地がある。

「丸亀製麺は本物の讃岐うどんなのか」という問いだけでは、この問題の全体像は見えてこない。発祥地、歴史、味、地域との関係を分けて考えることが、騒動の本質を理解する一番の近道だ。

2026年も、丸亀製麺と香川県の関係は、単なる炎上の記憶ではなく、地域ブランドと全国チェーンの共存を考えるテーマとして注目される。

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コンテンツディレクター 氷室 美冬
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