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【制限リスト入りの理由】契約解除ではなく無給でリハビリを続ける選択

相沢 直樹 相沢 直樹 • 更新: • 公開: • 読了約 13 分
目次

2026年3月の制限リスト入りは、引退やパドレスからの正式な退団を意味するものではない。この制度の意味を正しく理解することが、ダルビッシュの現在を把握するうえで重要だ。

MLBの制限リストとは?

MLBの制限リスト(Restricted List)は、選手が一定の事情でチームの通常の活動から離れる際に登録される制度だ。登録中は球団が選手の契約上の保有権を維持する一方、通常の負傷者リストとは異なり、球団に給与を支払う義務がなくなる。

今回、パドレスがダルビッシュを登録したのは2026年3月25日(米国時間)。翌日の開幕ロースター確定に合わせた措置だった。

球団側の説明によれば、ダルビッシュはチームに帯同して通常のリハビリを行うよりも、自分のペースで回復に取り組み、家族と過ごす時間を確保することを希望していた。プレラーGMも、本人と球団の双方が納得したうえで決めた措置だと説明している。

なぜ無給になったのか?

2026年のダルビッシュの予定年俸は1500万ドルだった。通常の負傷者リストに登録されていれば給与を受け取りながらリハビリを続ける選択肢もあったが、制限リスト入りによって球団に給与支払い義務が生じない状態になった。

これはパドレスにとっても大きな意味を持つ。長期離脱する選手の給与負担を抑え、その分をチーム編成に活用できる余地が生まれたためだ。

10月の会見でプレラーGMは、ダルビッシュがシーズンを全休したにもかかわらず、球団に給与を戻し、ほかの選手の補強に使えるようにしたことを高く評価した。GMが「本当に独特な存在」と評したのも、こうした異例の貢献が背景にある。

契約解除の協議はどうなった?

ダルビッシュは2026年1月、パドレスとの契約を解除する方向で話し合っていることを自身のSNSで明らかにした。

長期間登板できない状況で、契約をそのまま維持するのか、球団と合意して契約を整理するのかが問題になっていたためだ。

ただし、契約解除が正式に成立したわけではない。本人はパドレス、選手会、代理人との話し合いがまとまっていないと説明していた。その後、3月に制限リスト入りという形が取られ、2026年シーズンを終えても契約関係は維持されている。

つまり、制限リスト入りと契約解除は別の手続きである。前者は実際に行われた措置、後者は本人と球団の間で協議されてきた問題だ。

【引退報道の真相】本人は何を語り、プレラーGMはどう動く?

ダルビッシュ有今

ダルビッシュの引退説が大きく報じられたのは2026年1月だった。右肘の手術によって2026年の登板がなくなり、さらに契約解除の話し合いが伝えられたことで、現役生活に終止符を打つ可能性が取り沙汰された。

しかし、本人の説明は「すでに引退を決めた」という報道とは異なっていた。

2026年1月、本人が引退報道を否定

1月24日(日本時間25日)、ダルビッシュは自身のXで引退報道について説明。パドレスとの契約を解除する方向で話をしていることは認めた一方、引退は決めていないと明言した。

「パドレスとは昨年から契約破棄する方向で話をしていますが引退はまだ決めていません」

加えて、リハビリを最後までやり抜き、心身ともに試合で投げられる状態だと判断できれば、もう一度勝負したいという考えも示した。

反対に、再び投げられないと感じた場合には引退を発表するという趣旨も英語の投稿で伝えている。つまり、引退するかどうかは手術後の回復と、自分自身が再び競技に挑めると判断できるかどうかにかかっていた。

10月、A.J.プレラーGMが本人との協議を表明

2026年10月14日(日本時間15日)、パドレスのA.J.プレラーGMはシーズン総括会見で、ダルビッシュの今後について言及した。

来季のプランはまだ決まっておらず、数週間以内に本人と話し合う予定だという。特に、身体面だけでなく精神面も含めた現在の状態や、本人がどのようなキャリアを望んでいるのかを確認したいと説明した。

日刊スポーツが伝えた会見での発言には、ダルビッシュに対する球団の評価が表れている。

「ユウは優先事項で、肉体的にもメンタル面でもどういう状況なのかを聞くつもりです」

プレラーGMは、ダルビッシュが2026年シーズンを全休したにもかかわらず、チームに貢献したことにも感謝を示した。単に契約上の問題を処理するのではなく、本人の意思を尊重して今後を決める姿勢がうかがえる。

2028年までの契約はどうなる?

ダルビッシュは2023年2月、パドレスと6年総額1億800万ドルの契約延長を結んだ。契約期間は2028年までとなっている。

2026年シーズン終了後のMLB公式報道では、残る契約は2年間、総額3000万ドル。2027年と2028年が契約上の残り期間となる。

したがって、2026年11月時点で契約が自動的に終了したわけではない。現役続行を選ぶ場合も、契約解除を選ぶ場合も、球団と本人の合意や契約上の整理が必要になる。

なお、1月の報道では残り3年4600万ドルとされていたが、これは2026年シーズン終了前の数字だ。シーズン終了後の残存期間・金額とは基準時点が異なる。

10月30日付のMLB公式サイトの記事でも、ダルビッシュが引退を検討していることに触れられている。11月6日現在、注目すべきなのは引退が確定したかどうかではなく、プレラーGMとの協議を経て本人がどのような結論を出すかという点だ。

【日米通算208勝】ダルビッシュ有の実績と現役続行の意味

ダルビッシュの去就がこれほど注目される理由は、単にメジャーで長くプレーしたベテラン投手だからではない。日本球界とMLBの双方で歴史に残る実績を築いてきた選手だからだ。

MLB通算115勝、日米通算208勝の実績

ダルビッシュのMLB通算成績は115勝93敗、防御率3.65、2075奪三振。テキサス・レンジャーズ、ロサンゼルス・ドジャース、シカゴ・カブス、サンディエゴ・パドレスの4球団で13シーズンを戦ってきた。

日本プロ野球時代の93勝を合わせると日米通算208勝。MLB公式サイトは、この数字を日米通算の最多勝利記録として紹介している。

ダルビッシュのキャリアを支えた4球団

ダルビッシュは2012年にレンジャーズでMLBデビュー。高い奪三振能力と多彩な変化球を武器に、メジャーを代表する先発投手へと成長した。

その後、ドジャース、カブスを経て2021年からパドレスでプレー。異なるリーグやチーム環境に適応しながら、長年にわたって先発ローテーションを支えてきた。

特に、球種の豊富さと投球術はダルビッシュの大きな特徴だ。速球だけでなく、スライダー、カーブ、スプリットなどを使い分け、打者の反応に合わせて配球を変える投手として知られている。

40歳から現役を続ける意味

2026年8月16日に40歳となったダルビッシュにとって、2027年の復帰はキャリアの大きな転換点になる。

年齢だけで現役続行の可否を判断することはできない。実際、MLBには40歳を超えて登板する投手もいる。一方で、ダルビッシュの場合は右肘の靱帯だけでなく屈筋腱も修復しており、術後の状態を確認しながら段階的に投球強度を上げる必要がある。

また、本人が重視しているのは、単にボールを投げられるかどうかだけではない。再びプロの試合で勝負できる身体と気持ちが戻るかどうかだ。本人が1月に示した判断基準を考えれば、ブルペン投球の再開だけで現役続行を決めるとは限らない。

【プロの結論】2027年復帰を判断する3つのポイント

ダルビッシュの2027年復帰を考えるうえで、注目すべき要点は3つある。

1. ブルペン投球から実戦形式へ進めるか

8月にブルペン投球を再開したことは大きな前進だ。しかし、実戦では打者との駆け引き、連投への対応、投球数の管理など、ブルペンとは異なる負荷がかかる。

今後は投球強度を上げながら、実戦形式の打撃練習や登板間隔を含めた調整に進めるかが判断材料になる。現時点では、その段階に進んだという確定情報はない。

2. 本人が再び競争する意思を持てるか

プレラーGMが肉体面と精神面の両方を確認したいと述べたことは重要だ。手術後の身体が回復しても、以前と同じレベルで競争できるという自信を持てなければ、現役続行は難しい。

本人が「投げられる状態になれば一から勝負したい」と述べていることからも、復帰の判断は本人の納得感が大きな比重を占める。

3. パドレスとの契約問題を整理できるか

2028年まで残る契約をどうするのかも重要な問題だ。現役続行であれば、残りの契約に基づく活動が基本となる。一方、引退や契約解除を選ぶ場合には、球団、本人、代理人などの間で合意形成が必要になる。

プレラーGMは本人と直接話し合う意向を示しており、今後の協議が去就を左右する可能性が高い。

この3点を踏まえると、2027年復帰は十分に残された選択肢ではあるものの、確約された予定ではない。身体の回復、本人の意思、契約上の整理がそろって初めて、具体的な復帰計画が見えてくる。

【ダルビッシュ有の現在】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ダルビッシュ有は2026年現在、引退したのですか?

A1:2026年11月6日現在、引退を正式発表していない。2026年1月には本人が引退報道を否定し、リハビリ後に再び投げられるかどうかで判断する考えを示している。

Q2:ダルビッシュ有の復帰はいつですか?

A2:パドレスの負傷者情報では2027年が復帰見込みとされている。ただし、復帰する月や公式戦への登板日は未定。8月にはブルペン投球を再開している。

Q3:ダルビッシュ有はなぜ制限リストに入ったのですか?

A3:右肘の手術後、自分のペースでリハビリを行い、チームから離れて過ごすことを希望したため。制限リスト入りによって2026年の給与支払い義務がなくなったが、パドレスとの契約関係は維持されている。

Q4:ダルビッシュ有の契約はいつまで残っていますか?

A4:2028年まで。2026年シーズン終了後の残存契約は2年間、総額3000万ドルとMLB公式サイトが報じている。契約解除が成立したという発表はない。

Q5:ダルビッシュ有のブルペン投球は再開していますか?

A5:再開している。2026年8月26日(日本時間27日)にペトコパークで術後2度目の本格的なブルペン投球を行った。ただし、公式戦への復帰を決定したものではない。

Q6:ダルビッシュ有の日米通算勝利数はいくつですか?

A6:日米通算208勝。内訳はMLB通算115勝と日本プロ野球での93勝で、MLB公式サイトが日米通算最多の記録として紹介している。

まとめ:ダルビッシュ有の現役続行は本人の決断次第

2026年11月現在のダルビッシュ有は、右肘の手術から回復を続けながら、2027年以降のキャリアを考えている段階にある。

2026年シーズンは全休したものの、5月のキャッチボール再開、8月のブルペン投球再開と、リハビリには前進が見られた。パドレスの負傷者情報でも復帰見込みは2027年とされている。

一方、引退報道については本人が否定しており、契約解除も成立していない。2028年までの契約を残すなか、A.J.プレラーGMとの協議が今後の重要な節目となる。

現時点で最も正確な見方は「引退確定ではなく、2027年の復帰を選択肢に残したリハビリ継続中」ということだ。

日米通算208勝、MLB通算115勝を積み上げてきた右腕が、もう一度メジャーのマウンドに立つのか。それとも、自ら納得できるタイミングで現役生活に区切りをつけるのか。今後は本人の発信と、パドレスから発表される協議結果が最大の注目点となる。

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トレンドリサーチャー 相沢 直樹
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スポーツ担当として7年以上の取材経験。sports領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

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