琴欧洲と碧山の現在を調べる際に押さえておきたいのが、引退後に襲名した年寄名と、それぞれの所属部屋です。2026年10月現在、2人とも日本相撲協会に所属する親方として活動しています。
琴欧洲は鳴戸勝紀親方として鳴戸部屋を率いる
琴欧洲は引退後、2015年2月に15代鳴戸を襲名しました。そして2017年4月に佐渡ヶ嶽部屋から独立し、鳴戸部屋を創設しています。
現在の正式な年寄名は鳴戸勝紀(なると・かつのり)です。日本相撲協会の年寄プロフィールでは委員として掲載され、鳴戸部屋の師匠も務めています。
鳴戸部屋の公式サイトでは、師匠としての指導方針も紹介されています。伝統的な稽古を重視しながら、ブルガリア国立スポーツ大学と日本体育大学で学んだ知識も生かし、弟子一人ひとりに寄り添う指導を目指しています。
これは、琴欧洲自身が異国の地で相撲を学び、大関まで上り詰めた経験とも重なります。競技技術だけでなく、日本の文化や生活習慣を含めて弟子に伝えることが、部屋づくりの特徴になっています。
鳴戸部屋には2026年現在も現役力士が在籍しています。幕内経験者の欧勝馬をはじめ、欧勝海、玉欧山などが所属しています。なお、欧勝馬はモンゴル・トゥブ県出身であり、鳴戸部屋にブルガリア出身の現役力士がいるという意味ではありません。
こうした部屋の運営状況は、日本相撲協会の鳴戸部屋紹介と鳴戸部屋公式サイトで確認できます。
碧山は岩友親方として春日野部屋に所属
碧山は2024年9月24日の理事会で引退と年寄「岩友」の襲名が承認されました。現在の年寄名は岩友亘右(いわとも・こうすけ)です。
引退後も春日野部屋に所属し、後進の指導に携わっています。日本相撲協会の年寄プロフィールにも、所属部屋は春日野、年寄名は岩友亘右と掲載されています。
ここで注意したいのは、岩友親方は春日野部屋の師匠、つまり部屋全体の責任者ではないという点です。
2026年現在、日本相撲協会の公式部屋紹介では、春日野部屋の師匠は春日野清隆親方(元関脇・栃乃和歌)です。岩友親方は同部屋に所属する年寄であり、部屋付き親方として後輩力士を支える立場です。
琴欧洲が独立した部屋の師匠となったのに対し、碧山は春日野部屋の一員として指導者の道を歩んでいます。同じブルガリア出身でも、引退後のキャリアは異なります。
2026年現在、ブルガリア出身の現役力士はいる?
気になる現役力士の状況について、日本相撲協会の「力士を探す」で出身地をブルガリアに指定すると、現役力士の該当者は見つかりません。
したがって、2026年10月末時点では、公式検索上、現役のブルガリア出身力士は確認できません。
琴欧洲と碧山が引退したことで、現在はブルガリア出身の力士が幕内や十両で活躍する状況ではなくなっています。ただし、これは今後の新規入門者が現れないという意味ではありません。
ブルガリア出身の現役力士がいない一方、鳴戸部屋や春日野部屋には日本人力士や他国出身の力士が所属し、相撲界の世代交代は続いています。
【日本国籍取得】琴欧洲と碧山が日本名を持つ理由とは?
ブルガリア出身力士を調べると、「琴欧洲は日本人になったのか」「碧山の本名は古田なのか」といった疑問も見つかります。これは2人が現役時代に日本国籍を取得したことに関係しています。
琴欧洲は2014年1月に日本国籍を取得
琴欧洲の日本国籍取得は、2014年1月7日付の官報で告示され、同月16日に報道されました。欧州出身力士として初めての日本国籍取得でした。
日本国籍取得後の日本名は安藤カロヤンです。2014年2月には日本相撲協会から氏名変更も発表されています。
当時、日本相撲協会では年寄名跡を襲名するために日本国籍が必要とされていました。琴欧洲が引退後も親方として角界に残るための重要な手続きだったのです。
碧山も2022年に日本国籍を取得
碧山も現役時代に日本国籍を取得しています。取得が官報で告示されたのは2022年3月16日です。
日本国籍取得後の本名は古田亘右。2024年の引退時には、年寄「岩友」を襲名しました。
日刊スポーツの2022年3月の報道でも、年寄名跡の襲名には日本国籍が必要であり、碧山が将来親方として相撲協会に残る資格を得たことが伝えられています。
ここで重要なのは、国籍と出身地は別の情報だということです。2人は日本国籍を取得していますが、出身地はそれぞれブルガリアのベリコ・タルノボとヤンボルです。そのため、相撲界の経歴を紹介する際には、現在の国籍と出生地・出身地を区別する必要があります。
【プロの結論】2人の実績は引退後の指導者人生にもつながっている
琴欧洲と碧山の経歴を比較すると、外国出身力士が日本の大相撲で成功する道筋は一つではないことが分かります。
琴欧洲は大関昇進と幕内最高優勝という競技面での頂点を経験し、独立した相撲部屋の師匠になりました。碧山は関脇まで昇進し、90場所にわたる現役生活を経て、春日野部屋の指導者となっています。
また、2人の歩みからは、外国出身力士が日本の相撲界に定着するうえで、競技成績だけでなく、日本語や文化への適応、国籍取得、引退後のキャリア形成も関係していることが分かります。
ブルガリア出身力士の実績を評価するときは、単純に最高位だけを見るのではなく、次の3つを基準にすると理解しやすくなります。
- 競技面:最高位、幕内優勝、三賞、幕内在位場所数を確認する。
- キャリア面:初土俵から引退までの期間と、所属部屋の変遷を確認する。
- 引退後:年寄名、所属部屋、師匠なのか部屋付き親方なのかを区別する。
【ブルガリア出身力士】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ブルガリア出身の歴代力士で最も実績があるのは誰ですか?
A1:元大関・琴欧洲勝紀です。最高位は大関で、2008年5月場所に14勝1敗で幕内最高優勝を達成しました。欧州出身力士として初の大関、初の幕内優勝という歴史的な実績を残しています。
Q2:2026年現在、ブルガリア出身の現役力士はいますか?
A2:2026年10月末時点、日本相撲協会の出身地別公式検索では該当する現役力士はいません。琴欧洲と碧山はすでに引退し、親方として活動しています。
Q3:碧山の岩友親方は春日野部屋の師匠ですか?
A3:いいえ。岩友親方は春日野部屋に所属する年寄です。2026年現在、春日野部屋の師匠は春日野清隆親方(元栃乃和歌)です。
Q4:琴欧洲と碧山は日本国籍を取得していますか?
A4:はい。琴欧洲は2014年1月、碧山は2022年3月に日本国籍を取得しています。2人とも引退後は年寄として日本相撲協会に残っています。
まとめ:ブルガリア出身力士の功績と2026年以降の注目点
ブルガリア出身力士の歴史を代表する琴欧洲と碧山は、それぞれ異なる形で日本の大相撲に足跡を残しました。
琴欧洲は大関として47場所を務め、2008年5月場所に幕内最高優勝を達成。引退後は鳴戸勝紀親方として2017年に鳴戸部屋を創設し、現在も師匠として弟子を育てています。
一方、碧山は関脇まで昇進し、生涯90場所、幕内71場所という長い現役生活を送りました。2024年9月の引退後は岩友親方となり、春日野部屋で後進の指導に携わっています。
2026年10月現在、ブルガリア出身の現役力士は日本相撲協会の公式検索では確認できません。しかし、2人が親方として角界に残っていることは、ブルガリアと日本の相撲界のつながりが現在も続いていることを示しています。
今後注目したいのは、鳴戸部屋で琴欧洲の指導を受ける若手力士の成長と、春日野部屋で岩友親方が担う後進育成です。ブルガリア出身力士の歴史は、現役時代の記録だけでなく、引退後の指導者としての活動にも引き継がれています。
琴欧洲が切り開いた欧州出身力士の大関・優勝という道、そして碧山が示した長く幕内で戦い続ける力。その両方が、日本の大相撲に残した大きな功績です。