高野さんのキャリアを理解するには、アナウンサー職を離れた理由と、TBSそのものを退社した理由を分けて考える必要があります。
2022年は退社ではなく社内異動
2022年6月、高野さんは自身のSNSでアナウンサーとしての最後のニュース原稿を読むことを報告しました。
翌7月の人事異動で所属先がアナウンスセンターから総合編成本部編成局プロモーション部に変わり、アナウンス業務を終了しています。
当時、高野さんは「新しい世界でも自分らしく生きていこうと思います」と前向きな姿勢を示していました。
つまり、2022年の出来事はTBSを辞めたのではなく、アナウンサーから総合職へキャリアを変更したことです。
2025年はTBSそのものを退社
一方、2024年12月20日、高野さんはTBSラジオの「金曜ワイドラジオTOKYOえんがわ」に出演し、TBSを退社すると報告しました。
当時の高野さんは、2003年の入社から19年間アナウンスセンターに在籍し、その後は総合職としてCSR関連の業務に従事。CSR推進室の室長を務めていました。
実際の退社日は2025年1月31日です。
退社に向けて本人が発信していた思い
2025年1月8日には、自身のSNSでも会社を辞めることについて言及しています。
「私は会社を辞めます」 「不安です」 「でも『挑戦』することで新しい出会いや、刺激に成長できそうな予感もあります」
日刊スポーツが紹介した本人の投稿からは、長年勤めた会社を離れることへの率直な不安と、新しい環境に挑戦する意欲が読み取れます。
この時点では、退社後の具体的な進路を詳しく公表していたわけではありません。
そのため、退社理由を最初から政治家になるためだけだったと断定するのは正確ではありません。本人の発言から見えるのは、仕事の転換期に新しい挑戦を選んだこと、そして社会に役立つ活動への関心です。
【経歴・年表】2003年のTBS入社から2026年までの歩み
高野貴裕さんは、アナウンサーとして約19年間、TBSの番組や報道現場で経験を積んできました。
高野貴裕さんのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 高野貴裕(たかの・たかひろ) |
| 生年月日 | 1979年9月24日 |
| 出身地 | 福島県いわき市 |
| 最終学歴 | 青山学院大学文学部フランス文学科 |
| TBS入社 | 2003年 |
| アナウンサー職終了 | 2022年6月 |
| その後の職務 | 総合職・CSR関連業務 |
| TBS退社 | 2025年1月31日 |
| 現在の肩書 | 東京都議会議員・社会福祉士 |
プロフィールは、たまひよONLINEの本人インタビューなどに基づいています。
主要な出来事を時系列で整理
| 年月 | 出来事 | 詳細 |
|---|---|---|
| 2003年 | TBS入社 | アナウンサーとして活動開始 |
| 2015年 | 『はやドキ!』 | 初代MCを担当 |
| 2019年 | 番組企画・制作にも挑戦 | 競馬予想番組を自ら企画 |
| 2022年6月29日 | アナウンス業務最終日 | 最後のニュース原稿を担当 |
| 2022年7月 | 社内異動 | 編成局プロモーション部へ |
| 2024年 | 社会福祉士資格を取得 | 妻の星野真里さんとともに取得 |
| 2024年12月20日 | TBS退社を発表 | ラジオ番組で報告 |
| 2025年1月31日 | TBS退社 | 約22年間の在籍に区切り |
| 2025年2月3日 | 都議選候補予定者に決定 | 都民ファーストの会が公認 |
| 2025年6月22日 | 都議選初当選 | 世田谷区で24,797票 |
| 2025年7月23日 | 都議会議員に就任 | 都議1期目 |
| 2026年 | 都議・福祉活動 | 厚生委員会所属、wappoの活動も継続 |
アナウンサー時代の代表的な仕事
高野さんの代表的な担当番組として知られているのが、TBSの早朝情報番組『はやドキ!』です。
2015年3月から2019年3月まで初代MCを担当し、ニュースや芸能、スポーツなど幅広い情報を視聴者に届けました。TBSの番組紹介でも、高野さんがMCとして紹介されています。
また、2019年には動画配信サービスParavi向けの「競馬予想 丸のりパラビ!」を自ら企画。出演者のキャスティングや予算調整など、通常はプロデューサーが担う仕事にも取り組んでいました。
こうした経歴から見えてくるのは、高野さんが単に原稿を読む仕事だけを続けてきたわけではないということです。
番組の企画、情報発信、社内のプロモーション、CSR活動へと仕事の幅を広げてきた経験は、後の政治活動にもつながる職業的な土台になっています。
【退社理由の核心】娘の難病と福祉への問題意識が政治家転身につながった
高野さんの人生における大きな転換点として見逃せないのが、家族との生活を通じて福祉の課題に直面したことです。
娘の先天性ミオパチー公表
高野さんは2011年9月1日に女優の星野真里さんと結婚しました。
2015年7月には長女が誕生しています。
2024年9月15日、星野さんは自身のSNSを通じて、娘が国の指定難病である「先天性ミオパチー」を患っていることを公表しました。
先天性ミオパチーは、筋肉の機能に関わる先天性の疾患です。高野さんの娘さんは、筋力の弱さから電動車いすを利用する生活を送っています。
この経験は、高野さん夫妻にとって福祉制度を学ぶ大きなきっかけになりました。
それまで福祉と深く関わる機会がなかった夫婦は、子育てを通じて行政の窓口や支援制度、医療的ケア、教育環境など、さまざまな問題に向き合うことになったのです。
社会福祉士の資格を取得した理由
高野さん夫妻は、2024年に社会福祉士の国家資格を取得しました。
本人がたまひよONLINEのインタビューで説明した理由は、必要な福祉情報を自分たちで理解し、同じ境遇にいる家族にも届けたいというものでした。
特に、行政に支援を求める際、相談窓口が複数に分かれていたり、申請方法を自分で調べなければならなかったりすることに苦労したといいます。
社会福祉士は、福祉や医療の分野で相談援助を行う専門職です。
資格取得によって、支援を必要とする人と利用できる制度やサービスをつなぐための専門知識を身につけようと考えたのです。
政治家になる決断について本人が語ったこと
2026年10月4日公開のCHANTO WEBのインタビューでは、政治家を目指した理由について、本人がさらに踏み込んで説明しています。
「娘がいなかったら政治家にはなっていなかったと思います」
高野さんは、娘の誕生後、子育てを通じて制度面の不足や支援の壁に直面したと説明しています。
そして、こうした課題を根本的に改善するには、政治そのものを変えていく必要があると考え、政治家への道を選んだと語っています。
ここは、退社理由を理解するうえで非常に重要な部分です。
アナウンサーとして情報を伝える側にいた高野さんが、福祉制度の利用者家族として課題を経験し、さらに社会福祉士として専門知識を身につけ、政治を通じて改善を目指すようになったのです。
ただし、これは政治家転身の動機についての本人の説明であり、2025年1月の退社に至った会社側との具体的な交渉内容まで明らかにしたものではありません。
【政治家転身】高野たかひろは都民ファーストの会から世田谷区で初当選
高野さんはTBS退社後、政治の世界へ進みました。
2025年2月3日、都民ファーストの会は東京都議会議員選挙の世田谷区選挙区で、高野貴裕さんを公認候補予定者として発表しました。
同時に、世田谷区担当の都政改革委員に就任しています。
2025年6月の東京都議選で初当選
2025年6月22日に実施された東京都議会議員選挙で、高野さんは世田谷区選挙区から立候補しました。
東京都選挙管理委員会の公式開票結果は次のとおりです。
選挙戦で高野さんが掲げた政策の柱は、主に次の3つです。
- 福祉を支える人々への支援
- 暮らしやすい街づくり
- ともに生きるための教育
障害のある子どもを育てる家庭として経験してきた問題を、地域社会全体の政策課題として取り上げた点が特徴です。
2026年現在の高野たかひろの活動
東京都議会の公式議員名簿によると、高野さんは現在、都民ファーストの会東京都議団に所属する東京都議会議員です。
| 項目 | 現在の状況 |
|---|---|
| 議員名 | 高野たかひろ |
| 所属会派 | 都民ファーストの会東京都議団 |
| 選挙区 | 世田谷区 |
| 議員期数 | 1期 |
| 所属委員会 | 厚生委員会 |
| 就任日 | 2025年7月23日 |
2026年10月のインタビューでは、障害のある子どもが地域の学校で学ぶことや、インクルーシブ教育についても発言しています。
特別支援学級に在籍しながら通常学級で学ぶ娘さんの経験を踏まえ、障害のある子どもとない子どもが一緒に学ぶ環境について、制度や人権の観点から問題提起しています。
かつてニュース原稿を読んでいた高野さんは、現在、議会の場で福祉や教育に関する課題を扱う立場になっています。
【妻・星野真里との家族活動】wappoと福祉への取り組み
家族で立ち上げた任意団体「wappo」とは?
高野さんの退社後の活動を語るうえで欠かせないのが、家族で立ち上げた任意団体「wappo(わっぽ)」です。
wappoは「わたしたちのいっぽ」を略した名称です。
障害のある子どもを育てる家族に向けて、福祉や医療、教育に関する情報を発信することを目的としています。
具体的には、次のような活動を行っています。
- 障害のある子どもを育てる家庭への情報提供
- 福祉関係者へのインタビュー
- 子育てや福祉に関するコラムの公開
- 家族の経験を生かした情報共有
- インクルーシブな社会づくりに向けた活動
wappoの公式サイトでは、2026年にもインタビューや活動報告が更新されています。2026年4月から6月にかけては「wappoインクルーシ部」のミーティングレポートも公開されています。
超細身キッズ肌着「fôôit」の開発にも挑戦
wappoの活動は、情報発信だけにとどまりません。
2025年10月には、娘さんの体型に合う肌着を作るため、超細身の子ども向け肌着の開発プロジェクトを開始しました。
一般的な子ども服では体型に合う商品が見つかりにくいという、実際の生活上の困りごとから生まれた企画です。
クラウドファンディングの結果は次のとおりです。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 目標金額 | 150万円 |
| 支援総額 | 243万4,000円 |
| 支援者数 | 340人 |
| 募集終了日 | 2025年12月8日 |
| プロジェクト完了日 | 2026年2月14日 |
2026年2月21日の終了報告では、肌着の製作と支援者へのリターン発送が完了し、fôôit(フーイット)の販売も開始したと発表されています。
この活動には、重要な意味があります。
障害のある子どもを支援するという考え方を、制度や相談窓口だけに限定せず、衣服という日常生活に密着した商品開発にまで広げているからです。
高野さんのアナウンサー時代の経験である情報発信力と、社会福祉士として学んだ知識、そして父親としての実体験が組み合わさった取り組みといえます。
星野真里さんとの夫婦関係について
星野真里さんは2011年9月1日に結婚を公表しました。
その後、2015年7月に長女が誕生し、2024年9月に娘さんの病気について公表しています。夫婦で社会福祉士の資格を取得したことも、星野さん自身の発信を通じて明らかになりました。
また、2025年の都議選では、星野さんが街頭演説用の標旗の名前を印刷するなど、選挙準備を手伝ったことも報道されています。
仕事と家庭の両面で支え合いながら、福祉に関する発信を続けていることが分かります。
【よくある質問】高野貴裕アナウンサーの辞めた理由に関するFAQ
Q1:高野貴裕さんがTBSアナウンサーを辞めたのはいつですか?
2022年6月29日がアナウンス業務の最終日です。7月に社内異動し、総合職として働いていました。TBSそのものを退社したのは2025年1月31日です。
Q2:高野貴裕さんがTBSを退社した理由は何ですか?
本人は退社前に、新しい挑戦への意欲や身近な人が笑顔でいられる社会づくりへの関心を語っています。その後、娘の障害を通じて経験した福祉制度の課題を改善したいという思いから、政治家への道を選んだことを明かしています。
Q3:高野貴裕さんは現在、政治家なのですか?
はい。2025年6月の東京都議会議員選挙で世田谷区選挙区から初当選し、2026年現在も東京都議会議員として活動しています。所属会派は都民ファーストの会東京都議団です。
Q4:高野貴裕さんは社会福祉士の資格を持っていますか?
はい。妻の星野真里さんとともに2024年に社会福祉士の資格を取得しています。娘の子育てで直面した福祉制度の問題を理解し、必要な情報や支援を届けるために学んだと本人が説明しています。
Q5:高野貴裕さんのwappoとは何ですか?
家族で立ち上げた任意団体です。障害のある子どもを育てる家庭への情報発信や、福祉関係者へのインタビュー、商品開発などを行っています。
Q6:高野貴裕さんの妻は誰ですか?
女優の星野真里さんです。2011年9月に結婚し、2015年7月に長女が誕生しています。
まとめ:高野貴裕さんの退社は新しい社会貢献への転換点だった
高野貴裕さんがTBSアナウンサーを辞めた理由を理解するうえで、最も大切なのは、2022年と2025年の出来事を混同しないことです。
- 2022年: アナウンスセンターからプロモーション部へ社内異動。
- 2025年1月: TBSを正式に退社。
- 2025年6月: 都民ファーストの会から都議選に出馬して初当選。
- 2026年: 東京都議会議員として活動し、wappoを通じた福祉情報の発信や商品開発にも取り組む。
【プロの結論】
高野さんの転身は、アナウンサーという職業を単に辞めたという話ではありません。
情報を伝える仕事から、社会の仕組みを改善する仕事へと活動の軸を移したことに本質があります。
特に注目したいのは、娘さんの子育てを通じて福祉制度の課題を実感し、社会福祉士の資格を取得したうえで、政治の世界に進んだことです。
家族の経験を個人的な問題にとどめず、同じような境遇にある人たちのための活動につなげようとする姿勢は、wappoの取り組みにも表れています。
2026年現在、高野さんは都議会議員としての仕事と福祉活動という2つの領域で歩みを進めています。今後は、掲げた福祉政策がどのような制度改善や具体的な成果につながるのかが注目されます。