ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 【予報検証】2026年の夏は本当に予想どおり暑かったのか?

【予報検証】2026年の夏は本当に予想どおり暑かったのか?

榊原 纱英 榊原 纱英 • 更新: • 公開: • 読了約 15 分
目次

2026年の夏の気温予想を振り返るうえで、最初に確認したいのが、気象庁が2月24日に発表した暖候期予報だ。

この予報では、6~8月の平均気温について、全国的に平年より高くなる見通しが示された。背景として挙げられたのは、偏西風が平年より北側を流れやすいこと、太平洋高気圧や上空のチベット高気圧が日本付近を覆いやすいこと、地球温暖化によって大気全体の温度が上昇していることだった。

2月の長期予報から夏本番の見通しまで

気象庁の季節予報は、一度発表して終わりではない。新しい海洋・大気の観測データを取り込みながら、3か月予報や1か月予報によって見通しを更新していく。

2026年の主な動きを整理すると、次のようになる。

- 2月24日: 暖候期予報を発表。夏の気温は全国的に高い見通し。
- 3月24日: 4~6月の3か月予報を発表。全国的に平年より高温となる予想。
- 6月10日: 気象庁が春からエルニーニョ現象が発生しているとみられると発表。夏の高温予想に変更はないと説明。
- 7月15日: 気象庁長官が、北日本・東日本・西日本の向こう1か月の高温傾向を説明。
- 9月1日: 6~8月の実績と異常気象の要因を公表。

特に重要なのが、7月15日の気象庁長官会見だ。

この時点で気象庁は、北日本・東日本・西日本で気温が高くなる見通しを示していた。一方、前年の2025年ほどの暑さは想定していないとも説明している。

実際、2026年の全国平均気温の平年差は+1.02℃で、2025年の+2.36℃を下回った。全国平均という尺度では、前年ほどの記録的な高温にはならなかったという見通しと整合する。

予報と実績の評価

大局的な高温予想は的中

ただし、予報が的中したからといって、全国どこでも同じように暑かったわけではない。

季節予報は一定期間の平均的な傾向を示すもので、特定の日に40℃を超えるかどうかまで確定する情報ではない。全国的な高温傾向を捉えたことと、局地的な酷暑を正確に予測できたかどうかは、分けて評価する必要がある。

【2026年夏の実績】平均気温は歴代5位、平年差+1.02℃の意味

今年夏気温予想

2026年夏の最も重要な数字は、気象庁が公表した全国平均気温の平年差だ。


歴代の高温年と比べると2026年は何番目?

2026年の+1.02℃は、単独で見れば非常に大きな正偏差だ。しかし、直近数年間には、さらに高い値を記録した夏もある。

順位 年 平年差
1位 2025年 +2.36℃
2位 2024年 +1.76℃
2位 2023年 +1.76℃
4位 2010年 +1.08℃
5位 2026年 +1.02℃

2026年は、2025年や2023年、2024年と比べると全国平均の高温偏差は小さい。しかし、2010年の+1.08℃に迫る水準であり、1898年から続く観測記録のなかでも上位に入った。

ここで注意したいのが、平年差と実際の平均気温の違いだ。

平年差+1.02℃とは、全国の夏の平均気温が1991~2020年の基準値を1.02℃上回ったという意味である。全国のすべての地域で気温が一律に1.02℃上昇したわけではない。

また、6~8月の平均値なので、7月の猛暑日や特定日の最高気温とは異なる指標だ。

全国平均が歴代5位でも、地域によって暑さは違う

全国平均の順位だけで2026年の夏を評価すると、重要な地域差を見落とす。

気象庁の9月1日発表によれば、平均気温は北日本と西日本で「かなり高い」、東日本で「高い」、沖縄・奄美では「平年並み」だった。

つまり、2026年は全国一律の猛暑ではなく、北日本と西日本を中心に高温が顕著になった夏だった。

【地域別比較】北日本・西日本はかなり高温、東日本にも暑さ

気象庁による2026年6~8月の地域別評価


特に暑かったのは7月下旬から8月にかけて

2026年の暑さを象徴したのが、7月下旬から8月にかけての高温だ。

気象庁の観測結果では、西日本の7月中旬と下旬の平均気温が、それぞれ1946年の統計開始以降で最も高くなった。

さらに8月下旬も、西日本の平均気温は統計開始以降の最高値を記録している。

北日本でも7月中旬の平均気温が1955年と並ぶ最高値となり、全国的な高温傾向を裏付けた。

一方、東日本太平洋側では台風第6号や第15号などの影響があり、地域によっては記録的な大雨となった。8月には千葉豪雨も発生している。

このように、同じ夏でも高温と大雨が異なる地域で同時に発生していた。気温だけでは2026年の天候全体を説明できない。

【酷暑日40℃以上】2026年は延べ36地点、最高41.1℃を観測

2010年以降で最多

2026年の夏に注目を集めたもう一つの数字が、40℃以上の酷暑日だ。

気象庁は2026年4月17日、最高気温40℃以上の日の名称を「酷暑日」と決定した。これまで広く使われてきた猛暑日(35℃以上)とは別の区分として、顕著な高温を伝えるために新たに名称を設けたものだ。

気象庁の9月1日公表資料によると、2026年6~8月には、気象官署とアメダスを合わせた914地点のうち、22地点で40℃以上を観測した。


40℃を超えた主な地点と観測日

観測日 地点 最高気温
7月21日 岐阜県多治見 40.3℃
7月22日 三重県桑名 40.6℃
7月23日 静岡県佐久間 41.1℃
7月23日 愛知県豊田 40.8℃
7月25日 岐阜県美濃 40.8℃
8月2日 高知県江川崎 40.8℃
8月3日 福岡県久留米 40.4℃
8月26日 福岡県博多 40.4℃

2026年夏の最高気温は、7月23日に静岡県浜松市天竜区の佐久間で観測された41.1℃だった。

また、7月21~25日にかけて東海地方を中心に40℃以上の観測が相次ぎ、8月上旬には四国や九州にも酷暑が広がった。

8月26日には福岡県の博多と太宰府でも40℃を超えている。

延べ36地点は36か所の異なる都市という意味ではない

ここは数字の読み違いが起こりやすい部分だ。

延べ36地点というのは、同じ観測地点が複数の日に40℃以上を記録した場合、それぞれを別の観測として数えた合計である。

実際に40℃以上を観測した異なる地点は22地点だった。

また、気象庁によると、延べ36地点は2010年以降で最多となった。従来の猛暑日だけでは把握しにくい、40℃以上という極端な高温の広がりを示す数字だ。

【高温の原因】偏西風・エルニーニョ・地球温暖化の関係

なぜ2026年は、北日本と西日本を中心に記録的な暑さになったのか。

気象庁の異常気象分析検討会は、夏の大気の流れについて詳しい分析を公表している。主な要因は、偏西風の北への蛇行、高気圧の発達、地球温暖化による大気全体の温度上昇だ。

1. 偏西風が平年より北側を流れた

偏西風は、上空を西から東へ流れる強い風の帯だ。

この流れが平年より北側に偏ると、日本付近に流れ込む空気の状態や高気圧の位置に変化が生じる。

2026年は偏西風が日本付近で大きく蛇行し、北日本や西日本が暖かい空気に覆われやすくなった。

特に西日本では、偏西風の北への蛇行に伴い、上空のチベット高気圧などに関係する背の高い高気圧が張り出した。

高気圧に覆われると下降気流が卓越しやすく、雲が発生しにくくなる。晴天によって日射が強まり、下降する空気が圧縮されて温度を上げる断熱昇温も起こる。

これらが重なったことで、西日本を中心に厳しい高温が続いた。

2. エルニーニョ現象はどのように影響した?

2026年6月10日、気象庁は春からエルニーニョ現象が発生しているとみられると発表した。

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の中部から東部にかけて、海面水温が平年より高くなる状態を指す。

2026年はこの現象が顕著で、7月の太平洋赤道域東部の海面水温は基準値より+2.5℃高かった。1997年と並び、7月として過去最大の水温偏差だったと気象庁は分析している。

ただし、エルニーニョ現象が発生したから日本の夏が必ず猛暑になる、という単純な関係ではない。

気象庁の分析では、2026年の高温には、過去のエルニーニョ発生時とは異なる偏西風の流れが大きく関係していた。

一方、エルニーニョ現象は熱帯域の対流活動や偏東風波動にも影響し、2026年の夏に台風の発生数が多かった背景の一つと考えられている。

つまり、今回の夏はエルニーニョだけで説明できるものではなく、海洋と大気の複数の変化が重なった結果だった。

3. 地球温暖化が高温の土台を押し上げた

もう一つ見逃せないのが、長期的な地球温暖化の影響だ。

気象庁の分析によると、2026年7月中旬から8月上旬にかけての西日本の高温は、地球温暖化がなかったと仮定すると、ほぼ発生し得ない現象だったことが、イベント・アトリビューション解析で示された。

これは文部科学省の気候変動予測先端研究プログラムと気象庁気象研究所の合同研究チームによる分析結果だ。

気温の上昇には、その年特有の気圧配置や海面水温の変化だけでなく、長期的に上昇してきた大気の温度も関係している。

2026年の全国平均気温の平年差+1.02℃という数字も、こうした長期変化のなかで理解する必要がある。

【誤解を解消】2026年の夏予報と実績を正しく比較する方法

夏の気温予想を調べる際には、いくつか混同しやすいポイントがある。

予報が当たったかどうかは平均気温だけで判断しない

気象庁の暖候期予報や3か月予報は、対象期間の平均的な気温の傾向を確率で示すものだ。

例えば「気温が高い確率50%」という表現は、毎日が猛暑になるという意味ではない。

また、季節予報は広い地域を対象としているため、隣接する県でも天候が異なる場合がある。気象庁も、季節予報では地域を広く設定することで、長期間の大気現象に伴う不確実性を扱っていると説明している。

2025年より涼しかったからといって、2026年が涼夏だったわけではない

2026年の平年差は+1.02℃で、2025年の+2.36℃より低い。

しかし、これは前年より高温の度合いが小さかったという意味であり、平年より涼しかったということではない。

実際には1898年以降5番目の高温であり、西日本では夏の平均気温が1946年以降3番目の高さだった。

前年との比較と平年との比較は、別々に見る必要がある。

【プロの結論】気温予想を見るなら3つの指標を確認する

2026年の夏の実績から、気象情報を読み解く際に押さえたい基準は次の3点だ。

1. 平均気温の平年差: その夏が長期的に見てどの程度暑かったかを確認する。
2. 地域別の気温評価: 全国平均に隠れた地域差や局地的な高温を把握する。
3. 最高気温40℃以上の観測数: 平均値では分からない極端な暑さの頻度を確認する。

これらを組み合わせれば、「全国的に暑かった」という大まかな評価だけでなく、どこで、どの程度、どのような暑さが発生したのかを理解しやすくなる。

【よくある質問】今年の夏の気温予想に関するFAQ

Q1:2026年の夏は平年より暑かった?

2026年6~8月の全国平均気温は、平年差+1.02℃だった。1898年の統計開始以降で5番目に高く、全国的に平年より暑い夏だった。

Q2:2026年の夏の平均気温は歴代何位?

歴代5位。2025年の+2.36℃、2023年と2024年の+1.76℃、2010年の+1.08℃に続く記録となった。

Q3:2026年に40℃以上を記録した場所は何地点?

気象庁によると、22地点で延べ36地点の酷暑日を観測した。2010年以降では最多となり、最高気温は静岡県浜松市天竜区の佐久間で観測した41.1℃だった。

Q4:2026年の夏は北日本と西日本のどちらが暑かった?

気象庁の地域別評価では、北日本と西日本がともに「かなり高い」、東日本は「高い」だった。西日本では夏の平均気温が1946年以降3番目の高さとなった。

Q5:エルニーニョ現象が2026年の猛暑を引き起こした?

エルニーニョ現象は2026年春から発生していたとみられるが、猛暑の直接的な説明をそれだけに求めることはできない。偏西風の北への蛇行、高気圧の発達、地球温暖化など複数の要因が重なっていた。

まとめ:2026年の夏は予報どおりの高温、実績は地域差が顕著だった

2026年の夏の気温予想を実績と比較すると、気象庁が2月に示した全国的な高温傾向は、おおむね的中した。

6~8月の全国平均気温は平年差+1.02℃で、1898年の統計開始以降5番目。40℃以上の酷暑日は22地点で観測され、延べ36地点という2010年以降最多の記録になった。

特に印象的だったのは、全国平均の数字だけでは捉えきれない地域差だ。北日本と西日本ではかなり高温となり、西日本では7月から8月にかけて記録的な暑さが続いた。

その背景には、偏西風の北への蛇行、高気圧による下降気流、顕著なエルニーニョ現象、そして地球温暖化の影響があった。

2026年の夏は、単に気温が高かっただけではない。長期的な温暖化と、その年特有の大気・海洋の変動が重なり、地域ごとに異なる極端な天候をもたらした夏だった。

今後の夏の気温予想を確認する際も、全国平均の順位だけでなく、平年差、地域別の実績、40℃以上の観測状況を合わせて見ることが、暑さの実態を正しく理解する手掛かりになる。

同じカテゴリの記事

榊原 纱英
デジタルマーケター 榊原 纱英
プロフィールを見る →

アイドル・グラビア担当として4年以上の取材経験。idol領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

おすすめの関連記事