東京1区を理解するうえで欠かせないのが、2022年に実施された衆議院小選挙区の区割り改定です。
この改定は、選挙区間の人口格差を是正するために行われました。2022年11月28日に改正法が公布され、同年12月28日に施行。東京都内の小選挙区は従来の25区から30区へ5区増加しました。
2022年改定前と改定後の違い
改定前の2017年から2022年まで、東京1区には千代田区のほか、港区と新宿区の一部が含まれていました。
新宿区は東京1区と東京10区に分かれており、同じ区内に住んでいても住所によって投票する小選挙区が異なる状況でした。
2022年の改定では、新宿区全域が東京1区に統合され、港区は東京7区へ移りました。これによって、現在の千代田区・新宿区という構成になっています。
東京都議会の2022年の審議記録でも、新宿区の分割が解消され、区内全域が東京1区になることが説明されています。
区割り変更のポイント
- 2017年から2022年まで:千代田区、港区の一部、新宿区の一部
- 2022年改定後:千代田区全域、新宿区全域
- 港区:東京7区へ移行
- 新宿区:東京10区との分割を解消
- 適用開始:2022年12月28日以降に公示される衆院総選挙
新しい区割りが初めて適用された衆院選は2024年10月27日です。2026年2月8日の選挙も、この改定後の区域で行われました。
つまり、2024年と2026年の得票数は現在の区割りを前提に比較できます。一方、2017年以前の選挙結果を単純に並べる場合は、当時の選挙区域が現在と異なることを考慮する必要があります。
【東京1区の歴代当選者】与謝野馨・海江田万里・山田美樹の議席争い
東京1区の歴代当選者を振り返ると、与謝野馨氏、海江田万里氏、山田美樹氏という3人の政治家が、長年にわたって議席を争ってきたことが分かります。
1996年の小選挙区制導入後、当選者は固定されていません。自民党と民主党系の候補者が交互に議席を獲得する時期もあり、選挙ごとに勢力図が変化してきました。
東京1区の歴代当選者一覧
以下は第41回衆院選から2026年の第51回衆院選までの小選挙区当選者をまとめたものです。
1996年から2003年までの結果は選挙ドットコムや東京都選挙管理委員会の過去の開票資料、2005年以降の結果は総務省の選挙関連資料などを基に整理しています。
与謝野馨氏から海江田万里氏へ
1996年の第41回衆院選では、自民党の与謝野馨氏が当選しました。
2000年には民主党の海江田万里氏が与謝野氏を破り、議席を獲得。2003年の選挙でも海江田氏が勝利しました。しかし、2005年には与謝野氏が再び議席を取り戻しています。
その後、2009年には海江田氏が再び当選しました。東京1区は、当時の自民党と民主党の政治的な勢力関係を映す選挙区の一つでした。
山田美樹氏と海江田万里氏の競争
2012年の第46回衆院選では、自民党の山田美樹氏が初当選。2014年も勝利し、東京1区で議席を維持しました。
2017年は海江田氏が小選挙区で勝利し、山田氏は比例代表で当選しています。2021年には山田氏が小選挙区の議席を取り戻しました。
2024年は再び海江田氏が勝利し、2026年には山田氏が再逆転しました。このように、両氏は東京1区で何度も競い合ってきた関係にあります。
ただし、歴代選挙の得票数を比較する場合には、2017年と2022年の区割り改定を忘れてはいけません。過去の東京1区と現在の東京1区では、有権者の居住地域が異なる時期があります。
【プロの結論】東京1区の選挙結果から読み解く3つのポイント
東京1区は、単に東京都の中心にある選挙区というだけではありません。行政・経済の中心地である千代田区と、人口規模の大きい新宿区を一つの選挙区に抱える点が、選挙の構造を特徴づけています。
1. 新宿区の票が選挙全体に大きく影響する
2026年の確定結果では、千代田区の有効投票数が35,320票、新宿区が156,846票でした。
新宿区だけで有効投票の約8割を占めるため、東京1区の候補者にとって新宿区での支持獲得は極めて大きな意味を持ちます。
ただし、千代田区の投票率は65.38%、新宿区は58.34%であり、地域ごとに投票参加の状況にも違いがあります。両区の得票数と投票率を合わせて見ることで、選挙結果をより立体的に理解できます。
2. 小選挙区の当選と比例代表の当選は別の仕組み
東京1区で混同されやすいのが、小選挙区での当選と比例代表での当選です。
2026年の吉川里奈氏は、小選挙区では25,232票で3位でした。一方、比例代表の東京ブロックで当選しています。
したがって、東京1区の小選挙区当選者は山田美樹氏であり、吉川氏は比例代表による当選です。候補者の選挙結果を見る際は、どちらの制度で議席を獲得したのかを区別する必要があります。
3. 山田美樹氏は2026年11月現在の東京1区選出議員
2026年2月の選挙では、山田氏は2024年の落選を経て再び小選挙区で勝利しました。
選挙時の候補者情報では「元職」と表記されていましたが、2026年10月31日時点の衆議院議員名簿では、山田美樹氏が東京1区選出の議員として掲載されています。
このため、2026年11月現在の東京1区の現職を調べている読者に対する答えは、山田美樹氏です。
東京1区の選挙結果を正しく理解するためには、次の3つを判断基準にするとよいでしょう。
- 選挙区の範囲は、最新の公職選挙法の区割りに基づいているか。
- 得票数は、小選挙区と比例代表を混同していないか。
- 過去の選挙結果は、当時の区割りや政党の違いを考慮しているか。
【東京1区に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:東京1区はどこの地域が対象ですか?
A1:東京都の千代田区と新宿区の全域です。2022年の区割り改定によって、新宿区の東京10区との分割が解消されました。
Q2:2026年の東京1区の衆院選で当選したのは誰ですか?
A2:自由民主党の山田美樹氏です。2026年2月8日の衆院選で82,622票を獲得し、海江田万里氏ら4人を破りました。
Q3:東京1区の2026年の投票率は何%でしたか?
A3:59.52%です。有権者数は329,429人で、2024年の前回投票率55.6%から3.92ポイント上昇しました。
Q4:海江田万里氏は2026年の選挙で当選しましたか?
A4:東京1区の小選挙区では48,830票で落選しました。小選挙区では山田美樹氏が当選しています。
Q5:吉川里奈氏は2026年の衆院選で当選しましたか?
A5:東京1区の小選挙区では25,232票で3位でしたが、比例代表の東京ブロックで当選しました。小選挙区の当選とは別の仕組みです。
Q6:東京1区の小選挙区の定数は何人ですか?
A6:1人です。候補者が複数立候補しても、小選挙区で当選するのは最多得票を獲得した1人です。
まとめ:東京1区の最新状況と今後の選挙を見るポイント
東京1区は、千代田区と新宿区の全域で構成される衆議院小選挙区です。2022年の区割り改定によって新宿区の分割が解消され、現在の区域になりました。
2026年2月8日の第51回衆院選では、山田美樹氏が82,622票を獲得して当選。海江田万里氏は48,830票、吉川里奈氏は25,232票でした。投票率は59.52%で、前回を上回っています。
歴代当選者を見ると、与謝野馨氏、海江田万里氏、山田美樹氏の3人が議席争いの中心となってきました。特に山田氏と海江田氏は、2012年以降、複数回にわたって小選挙区で競い合っています。
2026年11月現在、東京1区の現職は山田美樹氏です。今後の選挙をチェックする際には、候補者の得票数だけでなく、千代田区と新宿区それぞれの投票動向、政党の勢力変化、比例代表との関係にも注目すると、選挙結果の背景をより深く理解できます。
東京1区は、都心の政治・経済機能と多様な都市生活を抱える新宿区が一つになった選挙区です。その議席の行方は、東京都の政治情勢を読み解くうえでも注目すべきテーマです。