2026年現在、「在日韓国人」という言葉は、韓国籍を持って日本で暮らす人だけでなく、朝鮮半島にルーツを持ち、日本で何世代にもわたって生活してきた人々を指す文脈でも使われています。しかし、韓国籍と朝鮮籍(在留カード上の「朝鮮」表記)は同じものではなく、在日韓国人と在日朝鮮人という呼び方にも歴史的・社会的な違いがあります。加えて、戦前の植民地支配、1945年の終戦、1952年のサンフランシスコ平和条約、1965年の日韓国交正常化を経て、現在の法的地位が形づくられました。
人数についても、単純に一つの数字で説明することはできません。出入国在留管理庁の2026年10月公表資料では、2026年6月末の韓国籍在留者は408,682人。加えて、2025年末の統計では、韓国籍の特別永住者が241,712人を占めています。歴史的なルーツを持つ人々と、現在の国籍・在留資格による統計を区別しながら、定義、歴史、制度、世代構成、帰化の実態まで整理します。
【定義】在日韓国人とは誰を指す?在日朝鮮人との関係も整理
在日韓国人の基本的な意味
在日韓国人とは、一般的には日本に居住する韓国出身者や韓国にルーツを持つ人々を指す言葉です。
ただし、法律上「在日韓国人」という一つの統一された身分区分が存在するわけではありません。
実際には、次のような人々が関連する範囲に含まれます。
- 韓国籍を持ち、日本で生活している人
- 戦前から日本に居住してきた朝鮮半島出身者の子孫
- 特別永住者として日本に暮らす人
- 日本で生まれ育った韓国・朝鮮系の人々
- 韓国・朝鮮にルーツを持ち、日本国籍を取得した人
ここで押さえたいのは、民族的なルーツ、現在の国籍、在留資格は、それぞれ別の概念だということです。
例えば、祖父母が朝鮮半島出身であっても、本人が帰化して日本国籍を取得していれば、現在の法的な国籍は日本です。一方、韓国籍を持つ人でも、戦前から日本に定住してきた家族の子孫とは限りません。
そのため、韓国籍の在留者数を、そのまま歴史的な意味での在日韓国人の総人口とみなすことはできません。
在日コリアンという呼び方
関連する言葉として「在日コリアン」があります。
これは韓国籍・朝鮮籍という行政上の区分に限定せず、朝鮮半島にルーツを持つ日本在住者を広く表現する際に使われる言葉です。
日本で生まれ育った人、韓国で生活した経験がある人、韓国語を日常的に使う人、日本語を主な言語とする人など、その生活実態は多様です。
また、本人が自らを韓国人、朝鮮人、在日コリアン、日本人など、どのように認識しているかも一律ではありません。
したがって、出身地や親の国籍だけから個人のアイデンティティを決めつけることはできません。
在日韓国人と在日朝鮮人は同じなのか
両者は歴史的な背景を共有する部分がありますが、必ずしも同じ意味ではありません。
一般的に、在日韓国人は韓国籍を持つ人々を指す場合が多く、在日朝鮮人は朝鮮半島にルーツを持つ人々や、朝鮮という民族的・歴史的なアイデンティティを持つ人々を指す場合があります。
加えて、行政上の「朝鮮」表記と、本人が自認する民族的なアイデンティティは区別する必要があります。
【歴史】在日韓国人のルーツはどこにある?戦前から戦後までの経緯
現在の在日韓国・朝鮮人コミュニティを理解するには、日本による朝鮮半島の植民地支配から戦後の制度変更までを時系列で見る必要があります。
1910年の日韓併合と朝鮮半島からの移住
1910年、日本は韓国併合を行い、朝鮮半島を植民地として統治しました。
この時代、朝鮮半島出身者は日本の統治下に置かれ、日本本土への移住も拡大していきます。
移住の理由は一つではありません。
- 日本国内の工業化や都市化に伴う労働需要
- 朝鮮半島の経済状況や農村の生活環境
- 仕事や教育を求めた個別の渡航
- 戦時体制下の労働力動員
特に1930年代後半から太平洋戦争期にかけて、朝鮮半島出身者の日本への移動は大きく変化しました。
1939年以降は募集方式による労働者の移動が進み、1942年には官斡旋、1944年には国民徴用令に基づく徴用が朝鮮半島出身者にも適用されました。
この時期の移住には、個人の意思による渡航だけでなく、植民地支配と戦時動員という国家的な構造が深く関係しています。
そのため、当時の日本への移住をすべて自由意思によるもの、あるいはすべて同一の形態による強制連行だったと一括りにするのは、歴史の実態を正確に表していません。
1945年の終戦と日本に残った人々
1945年、日本の敗戦によって植民地支配は終わりました。
朝鮮半島出身者の多くは帰還しましたが、日本での生活基盤、家族関係、経済事情などから、日本に残った人々もいました。
その後、日本に居住する朝鮮半島出身者の法的な取り扱いは、戦後の大きな政治課題になります。
1947年には外国人登録令が施行され、朝鮮半島出身者は当分の間、外国人とみなされる扱いを受けました。
加えて、1952年4月28日のサンフランシスコ平和条約発効に伴い、日本政府は朝鮮半島や台湾に関係する戸籍上の人々について、日本国籍を離脱したものとして取り扱いました。
この国籍変更は、戦後の在日韓国・朝鮮人の法的地位を考えるうえで重要な転換点です。
1965年の日韓国交正常化と法的地位協定
1965年6月22日、日本と大韓民国は日韓基本関係条約などに署名しました。同年12月18日に批准書が交換され、日韓国交が正常化します。
その関連協定の一つが「日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する協定」です。
この協定は、戦前から日本に居住していた韓国国民や、その一定の直系卑属に対する永住許可などを定めたものでした。
1966年1月17日に発効し、対象者の永住権申請の受け付けが始まります。
当時の協定は、一般の外国人とは異なる歴史的事情を踏まえ、永住許可や退去強制の条件、教育、生活保護、国民健康保険などの待遇について取り決めていました。
1991年の入管特例法と現在の制度
1991年には、現在の特別永住者制度につながる「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」が公布されました。
この法律によって、平和条約国籍離脱者と、その法律上の要件を満たす子孫について、特別永住者という法的地位が整備されました。
単に韓国籍を持つ人全員に付与される資格ではなく、歴史的経緯と法律上の対象要件に基づく制度です。
【国籍比較】韓国籍と朝鮮籍の違いとは?誤解されやすい行政上の表記
在日韓国人を調べる際、特に混同されやすいのが韓国籍と朝鮮籍の違いです。
韓国籍は大韓民国の国籍を意味する
韓国籍とは、大韓民国の国籍を持つことです。
韓国政府が発行する旅券などによって国籍を確認でき、出入国在留管理庁の統計でも「韓国」として分類されます。
一方、日本の在留外国人統計にある「朝鮮」は、北朝鮮の国籍を意味するものではありません。
この点は、2008年4月8日の政府答弁書でも明確に説明されています。
政府答弁では、外国人登録上の「韓国」は国籍を表示するものとして使用する一方、「朝鮮」は朝鮮半島出身者を示す表記であり、特定の国籍を表示するものではないとしています。
つまり、行政上の「朝鮮」という表記だけで、本人が北朝鮮国籍を持っていると判断することはできません。
「朝鮮籍」は北朝鮮国籍と同じではない
「朝鮮籍」という言葉は、一般に在日朝鮮人の歴史的な身分・登録上の呼称として使われてきました。
ただし、現在の行政統計では「朝鮮」という国籍・地域欄の表記として扱われています。
出入国在留管理庁の説明によると、朝鮮半島出身者やその子孫などで、韓国籍をはじめとするいずれかの国籍が確認されていない人は、在留カード等の国籍・地域欄に「朝鮮」と記載されます。
したがって、次の3つは明確に分けて考える必要があります。
- 韓国籍:大韓民国の国籍を持つこと。
- 朝鮮という行政表記:朝鮮半島に由来する人で、特定の国籍が確認されていない場合などに用いられる表示。
- 北朝鮮国籍:朝鮮民主主義人民共和国の国籍を持つこと。
これらを同一視すると、個人の国籍や政治的立場について誤った理解につながります。
在日韓国人と在日朝鮮人の違いを比較
| 比較項目 | 在日韓国人 | 在日朝鮮人 |
|---|---|---|
| 一般的な意味 | 韓国籍の人、韓国にルーツを持つ人 | 朝鮮半島にルーツを持つ人、朝鮮というアイデンティティを持つ人 |
| 国籍 | 韓国籍の場合が多い | 韓国籍、その他の国籍、行政上の朝鮮表記など多様 |
| 行政統計 | 国籍・地域「韓国」 | 国籍・地域「朝鮮」など。本人の民族的自認とは別 |
| 歴史的背景 | 植民地期からの定住者や戦後の移住者など | 同じく植民地期・戦後の歴史と深く関係 |
| 法的地位 | 国籍や在留資格によって異なる | 国籍や在留資格によって異なる |
重要なのは、呼び方と法的な身分が必ずしも一致しないことです。
また、韓国籍であることは韓国の政治的支持を意味せず、朝鮮という表記であることも特定の政治思想を意味しません。
【法制度】特別永住者とは?法的地位と日韓法的地位協定を解説
特別永住者の定義
特別永住者とは、1991年の入管特例法に基づき、日本で永住することが認められている特別な法的地位を持つ人です。
制度の対象には、サンフランシスコ平和条約に基づいて日本国籍を離脱した人と、その法律上の要件を満たす子孫などが含まれます。
韓国籍・朝鮮表記の人々が多くを占めていますが、制度そのものは韓国籍だけを対象にしたものではありません。
特別永住者は、日本での在留を認められる外国籍の人であり、日本国籍を取得した人とは異なります。
一般永住者と特別永住者の違い
特別永住者と一般永住者は、どちらも日本で長期的に生活できる地位ですが、根拠となる法律が異なります。
一般永住者は、出入国管理及び難民認定法に基づく在留資格「永住者」です。
一方、特別永住者は、入管特例法に基づく独立した法的地位です。
主な違いは次のとおりです。
- 一般永住者:入管法に基づく永住資格。
- 特別永住者:歴史的な国籍離脱とその子孫などを対象とする特別法上の地位。
- 一般永住者:一般的な在留管理制度の対象。
- 特別永住者:特別な出入国管理上の取り扱いが設けられている。
- 両者とも:日本国籍を持つことを意味しない。
特別永住者は、在留期間の更新を必要とする通常の在留資格とは異なり、永住できる法的地位を持ちます。ただし、特別永住者証明書そのものには有効期間があるため、証明書の更新と在留資格の期間を混同してはいけません。
特別永住者の主な法的特徴
特別永住者には、一般の在留外国人とは異なる取り扱いがあります。
1. 永住できる地位: 法律に基づいて日本での永住が認められる。
2. 就労活動: 一般的な就労制限を伴う在留資格とは異なり、職種による在留資格上の制限がない。
3. 特別永住者証明書: 身分・在留上の地位を証明する書類が交付される。
4. 出国・再入国: 特別永住者に適用される独自の再入国制度がある。
5. 国籍: 特別永住者になっても韓国籍などの外国籍が日本国籍に変わるわけではない。
なお、永住できることと、日本国民と同じ権利を持つことは別問題です。日本国籍を前提とする選挙権などの権利は、特別永住者という地位だけで取得できるものではありません。
【2026年最新統計】在日韓国人は何人?2025年末の国籍・在留資格を検証
人数を確認する際には、出入国在留管理庁の「在留外国人統計」が基本資料になります。
ただし、2026年11月現在、2025年末の確定統計だけでなく、2026年6月末の最新公表値も確認できます。
2026年6月末の韓国籍在留者は408,682人
出入国在留管理庁が2026年10月16日に公表した資料によると、2026年6月末の在留外国人数は4,281,026人でした。
このうち韓国籍の在留者は408,682人です。
韓国は中国、ベトナムに続く第3位の国籍・地域となっています。
2025年末の407,341人と比較すると、半年間で1,341人増加しました。
ただし、これは在留カードや特別永住者証明書等に記載された国籍・地域を基に集計した人数です。歴史的な意味での在日韓国人全体や、韓国系の日本国籍取得者まで含む人口ではありません。
2025年末の韓国籍在留者の内訳
2025年12月末の統計では、韓国籍の在留者は407,341人でした。
そのうち、特別永住者が241,712人です。
韓国籍の在留者全体の約59.3%を特別永住者が占めています。
一方、一般永住者も77,013人おり、韓国籍の在留者すべてが特別永住者というわけではありません。
| 統計・在留区分 | 2025年末の人数 | 内容 |
|---|---|---|
| 韓国籍の在留者総数 | 407,341人 | 韓国表記の在留者全体 |
| 中長期在留者 | 165,629人 | 特別永住者を除く中長期在留者 |
| 特別永住者 | 241,712人 | 入管特例法に基づく特別な地位 |
| 一般永住者 | 77,013人 | 入管法上の永住者 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 28,457人 | 専門的な仕事に関する在留資格 |
| 留学 | 14,523人 | 留学を目的とする在留資格 |
| 日本人の配偶者等 | 12,118人 | 日本人との婚姻などに関係する資格 |
| 朝鮮表記の在留者総数 | 22,201人 | 国籍・地域欄が朝鮮の人 |
| うち朝鮮表記の特別永住者 | 21,769人 | 特別永住者の内数 |
出典は出入国在留管理庁の2025年末公表資料です。各項目は異なる統計区分であり、合算するときには重複関係に注意する必要があります。
数字から読み取れる在日韓国人の現状
この統計で注目すべきなのは、韓国籍の在留者の中で特別永住者が大きな割合を占めている点です。
一方、一般永住者、専門職、留学生、日本人の配偶者など、異なる在留資格を持つ人々も存在します。
つまり、現在の韓国籍在留者は、戦前からの歴史的な定住者の子孫だけではなく、さまざまな理由で日本に暮らす人々によって構成されています。
また、2025年末の韓国籍在留者数は前年末の409,238人から1,897人減少しています。長期的な定住者の世代交代や帰化など、複数の要因が人口構成に関係します。
ただし、統計上の増減だけから、その原因を帰化や死亡、出国のいずれか一つに特定することはできません。
「韓国」と「朝鮮」の統計を足せば在日韓国人の総数になるのか
これも注意したいポイントです。
2025年末の「朝鮮」表記は22,201人でした。
このうち21,769人が特別永住者です。
ただし、「韓国」と「朝鮮」は行政上の分類であり、民族的なルーツや本人の自己認識を完全に表すものではありません。
また、日本国籍に帰化した人々は外国人統計に含まれません。
そのため、韓国籍407,341人と朝鮮表記22,201人を単純に合計しても、歴史的・文化的な意味での在日コリアンの総人口にはなりません。
【世代とルーツ】在日韓国人の1世・2世・3世・4世と帰化の実態
在日韓国・朝鮮人コミュニティは、世代によって生活経験や文化的背景が異なります。
1世:朝鮮半島から日本に移住した世代
一般的に1世とは、朝鮮半島で生まれ、日本へ移住した世代を指します。
戦前の植民地支配期に渡航した人々や、戦時中の労働動員などを経験した人々が含まれます。
日本語を第二言語として身につけた人も多く、朝鮮半島の文化や言語を家庭内で維持してきたケースもあります。
2世:日本で生まれ育った世代
2世は、日本で生まれ、学校教育や社会生活を日本で経験した世代です。
家庭では韓国語や朝鮮語に触れる一方、学校や職場では日本語を使うなど、複数の文化的環境を経験する人もいました。
ただし、すべての人が母語として韓国語や朝鮮語を話せるわけではありません。
3世・4世:日本社会で生活基盤を築いた世代
3世・4世になると、日本で生まれ育ち、日本語を主な言語として生活する人が多くなります。
韓国・朝鮮の文化を積極的に学ぶ人もいれば、家族の歴史としてルーツを大切にしながら、日本社会を生活の中心にしている人もいます。
また、国籍の選択や帰化、家族の国際化などによって、同じ家系でも法的な国籍が異なることがあります。
韓国籍から日本国籍への帰化
韓国籍の人が日本国籍を取得する方法の一つが帰化です。
帰化は、外国籍の人が法務大臣の許可を得て日本国籍を取得する制度であり、単なる永住許可とは異なります。
帰化すると、原則として日本の国籍を持つ人となり、外国人としての在留資格による管理の対象ではなくなります。
法務省民事局の2025年の国籍別帰化許可者数によると、韓国・朝鮮出身者の帰化許可者は2,017人でした。
同年の帰化許可者総数は9,258人です。
ただし、この2,017人という数字は韓国・朝鮮をまとめた行政上の集計であり、韓国籍だけの人数でも、歴史的な在日韓国人の子孫だけの人数でもありません。
帰化した人の中には、韓国・朝鮮にルーツを持つ人もいますが、帰化後の日本国籍と、本人が持つ文化的なルーツは別のものです。
世代や国籍だけでは一人ひとりの背景は判断できない
在日韓国人の生活やアイデンティティには、家族の歴史、教育環境、地域社会、本人の経験など、さまざまな要素が関係しています。
日本国籍を取得していても韓国にルーツを持つことは変わりませんし、韓国籍であっても韓国で暮らした経験がない人もいます。
国籍と民族的な背景を切り分けて理解することが、現在の在日コリアン社会を把握するうえで大切です。
【よくある質問】在日韓国人に関するFAQ
Q1:2026年現在、在日韓国人は何人いますか?
2026年6月末の韓国籍在留者数は408,682人です。ただし、これは行政上の「韓国」表記の人数であり、日本国籍に帰化した人や、韓国・朝鮮にルーツを持つ日本人は含まれません。
Q2:韓国籍と朝鮮籍は何が違いますか?
韓国籍は大韓民国の国籍を意味します。一方、日本の行政統計における「朝鮮」は朝鮮半島出身者などに関係する表記であり、北朝鮮国籍を直接意味するものではありません。
Q3:特別永住者は韓国籍の人だけですか?
いいえ。入管特例法に基づく対象者は、平和条約国籍離脱者とその法律上の要件を満たす子孫などです。韓国籍の人が多数を占めますが、韓国籍だけに限定された制度ではありません。
Q4:特別永住者と一般永住者は同じですか?
異なります。一般永住者は入管法に基づく在留資格「永住者」であり、特別永住者は入管特例法に基づく独立した法的地位です。
Q5:在日韓国人は日本国籍を取得できますか?
はい。法務大臣の許可を得て帰化することで日本国籍を取得できます。帰化後は外国人としての在留資格による管理の対象ではなくなります。
Q6:日本で生まれた在日韓国人は自動的に日本国籍になりますか?
いいえ。日本は原則として出生地主義ではなく、父または母の国籍などを基準とする血統主義を採用しています。そのため、日本で生まれたことだけで自動的に日本国籍を取得するわけではありません。個別の国籍取得要件は法務省の国籍制度に基づいて判断されます。
Q7:在日韓国人は全員、特別永住者なのでしょうか?
いいえ。韓国籍の在留者には、一般永住者、留学生、就労資格を持つ人、日本人の配偶者など、さまざまな在留資格の人がいます。2025年末の韓国籍在留者407,341人のうち、特別永住者は241,712人でした。
【プロの結論】在日韓国人を理解するために押さえたい3つの判断基準
在日韓国人という言葉を正確に理解するには、次の3つの視点が欠かせません。
第一に、歴史的なルーツと現在の国籍を分けて考えること。
在日韓国人の歴史は、日本による植民地支配、戦時中の労働動員、戦後の国籍変更、日韓国交正常化などと結びついています。しかし、現在の国籍や本人のアイデンティティは、家族ごと、個人ごとに異なります。
第二に、在留資格と国籍を混同しないこと。
特別永住者は日本で永住できる法的地位を持っていますが、日本国籍を持つ人とは異なります。また、一般永住者と特別永住者も、根拠となる法律が違います。
第三に、統計の数字が何を数えているのかを確認すること。
2026年6月末の韓国籍在留者は408,682人です。一方、2025年末の韓国籍特別永住者は241,712人でした。どちらも公的統計に基づく数字ですが、集計の基準日と対象が違います。
在日韓国人という存在は、単なる外国籍人口の一分類では説明できません。日本と朝鮮半島の近現代史、国籍制度、世代交代、文化的なアイデンティティが交差するテーマです。
今後も特別永住者の人口構成や帰化、若い世代の国籍選択、日韓関係の変化を追う際には、出入国在留管理庁の在留外国人統計、法務省の国籍統計、外務省の外交記録をそれぞれの目的に応じて読み分けることが重要です。
数字だけで人々のルーツを決めつけず、歴史・法律・本人のアイデンティティを分けて捉えること。それが、2026年の日本社会における在日韓国人を理解するための基本的な視点です。
主な公的根拠資料
- 出入国在留管理庁「令和8年6月末における在留外国人数について」
- 出入国在留管理庁「令和7年末現在における在留外国人数について」
- 法務省民事局「国籍別帰化許可者数」
- 参議院「在日韓国・朝鮮人の『国籍』の表記に関する質問主意書への答弁書」(2008年4月8日)
- 外務省「在日韓国人の法的地位協定」
- 入管特例法(平成3年法律第71号)