3本柱に続いて注目したいのが、大竹耕太郎、伊藤将司、西勇輝、下村海翔の4人だ。
2026年の阪神は、固定された6人だけでシーズンを戦ったわけではない。先発登板した投手は年間で14人に及び、状況に応じて若手や控え投手も先発に起用された。
大竹耕太郎:左腕の先発候補として18試合に登板
大竹は18試合に登板し、7勝9敗、防御率2.74、101回2/3、62奪三振を記録した。
QSは11回、QS率61.1%。村上や髙橋ほどの安定感ではないものの、防御率2点台を維持している。
大竹の特徴は、打者のタイミングを外しながら試合を組み立てる投球にある。奪三振数だけでは評価しにくいタイプであり、先発陣の中では左腕としての投手構成を整える役割も担った。
CSファイナルステージでも第4戦の先発を任されており、首脳陣が重要な試合で起用できる投手として考えていたことが分かる。
伊藤将司:12先発で示した調整型の起用
伊藤将司は12試合に登板し、2勝3敗、防御率3.10、58投球回、44奪三振だった。
2026年は年間を通じて主力3投手と同じ頻度で登板する形ではなかった。
9月には中10日の間隔を空けて登板した時期もあり、先発ローテーションの状況に応じて配置を調整する運用が見られた。
左腕の先発候補という意味では大竹と共通する部分もあるが、2026年の実績では大竹のほうが先発機会を多く得ていた。
西勇輝:経験を生かした先発のバックアップ
西勇輝は9試合に登板し、3勝4敗、防御率3.18、39回2/3、25奪三振を記録した。
年間を通じた先発の中心ではなかったものの、先発候補として名前が挙がる投手であり、登板機会が限られる中でチームを支えた。
ただし、2026年の成績から判断すると、翌シーズン以降も以前と同じように年間を通じてローテーションを任されると考えるのは早い。
実際の起用では、登板間隔、直近の投球内容、若手との競争が判断材料になる。
下村海翔:先発7試合で経験を積んだ若手
2023年ドラフト1位の下村海翔は、2026年に一軍で9試合に登板。そのうち7試合が先発だった。
シーズン成績は1勝2敗、防御率4.86、37投球回、34奪三振。
QSは2回、QS率28.6%だった。
成績だけを見れば、村上や髙橋と同じ先発ローテーションの中心として評価する段階には至っていない。
一方、9試合の一軍登板を経験したことは、今後の先発候補として判断する材料になる。特に2026年は、主力投手が登板間隔を調整する際に若手へ先発機会を与える運用が見られた。
2026年の阪神は、3本柱を中心にしながら、大竹を含む中堅投手と下村ら若手を組み合わせる多層型の先発陣を形成していた。
【登板間隔を徹底検証】阪神の中6日は基本方針であって絶対条件ではない
先発予想で欠かせないのが、前回登板から何日空いているかという情報だ。
プロ野球では一般的に、先発投手の登板間隔を中6日で組むケースが多い。
中6日とは、前回の登板日から次の登板日までに6日間の休養日を設けることを意味する。例えば、月曜日に登板した投手が翌週月曜日に投げれば中6日となる。
ただし、阪神の2026年の実際の運用を見ると、すべての投手がこの間隔を守っていたわけではない。
2026年9月の登板間隔に見る柔軟な運用
試合別の先発記録を確認すると、9月には次のような登板があった。
- 9月14日:伊藤将司が先発。中10日の間隔。
- 9月17日:髙橋遥人が先発。9月9日から中7日。
- 9月19日:村上頌樹が先発。9月12日から中6日。
- 9月20日:才木浩人が先発。9月13日から中6日。
- 9月23日:髙橋遥人が再び先発。
- 9月30日:髙橋遥人がヤクルト戦に先発。
この記録から分かるのは、村上と才木には比較的標準的な間隔を適用しながら、髙橋や伊藤には余裕を持たせた登板計画を組むこともあったという点だ。
登板間隔の調整は、単純な投手の序列では説明できない。試合日程、前回登板の球数、投球内容、コンディション、チームの順位争いなどが関係する。
CS前は通常の中6日を大きく超える休養期間
さらに興味深いのが、クライマックスシリーズ前の登板間隔だ。
2026年のレギュラーシーズン終盤における各投手の最終先発日と、CSでの先発日を照合すると、次のようになる。
| 投手 | 最終先発 | CS先発 | 登板間隔 |
|---|---|---|---|
| 村上頌樹 | 10月1日 | 10月14日 | 中12日 |
| 髙橋遥人 | 9月30日 | 10月15日 | 中14日 |
| 才木浩人 | 10月3日 | 10月16日 | 中12日 |
| 大竹耕太郎 | 10月6日 | 10月17日 | 中10日 |
このように、CSではレギュラーシーズン中の中6日とは異なる長い調整期間が生じていた。
短期決戦に向けて主力投手を休ませ、状態を整える時間を確保できる一方、実戦から離れる期間が長くなるという側面もある。
先発予想をする場合、単に前回登板から6日経過したかどうかを見るだけでは不十分だ。特にポストシーズンでは、公式戦の最終登板日と実際の予告先発を照合する必要がある。
【ローテ再編の理由と経緯】8月15日の才木浩人の登録抹消が転機
2026年の阪神の先発ローテーションを考えるうえで、重要な出来事が8月15日にあった。
この日、才木浩人がコンディション不良のため出場選手登録を抹消された。
前日の8月14日、才木は広島戦に先発したものの、4回54球、6安打3失点で降板。シーズン中初めての登録抹消となった。
日刊スポーツの報道によれば、藤川球児監督は試合後、才木の状態について次のように説明していた。
「こういう時もありますし、コンディション的なところもありますしね」
この出来事によって、後半戦の先発ローテーションは再編を迫られた。
再編の背景はコンディションと登板計画
才木は8月14日時点で20試合に先発し、7勝5敗、防御率2.76、150奪三振を記録していた。
先発陣の中心投手が離脱することになれば、単純に次の投手を繰り上げるだけでは対応できない。
- 村上や髙橋の登板間隔をどう調整するか。
- 大竹や伊藤に先発機会を増やせるか。
- 西や下村などの起用で先発枠を埋められるか。
- 救援投手との役割分担をどう維持するか。
こうした問題が一度に発生する。
実際、9月の先発記録には伊藤、ルーカス、髙橋、大竹、村上、才木と複数の投手が登場している。
これは単に先発投手が入れ替わったというだけではない。主力投手の状態を管理しながら、シーズン終盤の試合を消化するための運用だった。
再編は先発陣の弱体化を意味するのか
ここは誤解しやすいポイントだ。
先発ローテーションの再編という言葉から、主力投手の不調やチームの投手力低下を想像する人もいるかもしれない。
しかし、2026年の阪神はチーム防御率2.79でシーズンを終え、79勝を挙げてリーグ1位となった。
才木の一時離脱は確かに大きな出来事だったが、年間の投手成績を見る限り、先発陣全体が崩れたわけではない。
むしろ、複数の投手に先発機会を与えながら、主力の登板間隔を調整できる選択肢を持っていたことが、長いシーズンを戦ううえでの強みだった。
【阪神対DeNA・CSファイナルステージ】2026年の先発起用と4試合の結果
2026年の阪神の先発予想を検証するうえで、最後に見逃せないのがクライマックスシリーズの起用だ。
阪神はレギュラーシーズンを79勝62敗2分、勝率.560で終え、セ・リーグ1位となった。
ファイナルステージでは、甲子園球場で3位の横浜DeNAベイスターズと対戦した。
NPB公式の試合結果に記録された先発投手とスコアは次の通りだ。
CSファイナルステージの先発投手一覧
10月14日・第1戦
先発:村上頌樹
阪神0-2 DeNA
レギュラーシーズンで最優秀防御率を獲得した村上が初戦を任された。しかし打線の援護を得られず、阪神は完封負けを喫した。
10月15日・第2戦
先発:髙橋遥人
阪神0-1 DeNA
16勝を挙げた髙橋が登板。試合は1点差の接戦となったが、阪神は得点を奪えなかった。
10月16日・第3戦
先発:才木浩人
阪神0-4 DeNA
最多奪三振の才木がマウンドに上がったが、阪神はこの試合も無得点に終わった。
10月17日・第4戦
先発:大竹耕太郎
阪神5-8 DeNA
第4戦では大竹が先発。阪神打線は5得点を挙げたものの、DeNAに8点を奪われて敗戦した。
CSでの起用から見える首脳陣の判断
この4試合の並びには、阪神の先発投手に対する評価が表れている。
最初の3試合には、村上、髙橋、才木というシーズンの中心投手を配置した。第4戦では大竹を起用している。
これは、レギュラーシーズンの実績を踏まえた先発陣の序列を考えるうえで参考になる。
ただし、CSの敗退を先発投手だけの責任にするのは適切ではない。
第1戦から第3戦まで阪神は3試合連続で無得点。第4戦では5得点したものの、8失点した。先発の出来に加えて、打線の援護や救援陣を含めた試合全体の内容を評価する必要がある。
また、阪神はリーグ1位のアドバンテージを持っていたが、DeNAに4連敗。DeNAが日本シリーズ進出を決めた。
レギュラーシーズンの成績と短期決戦の結果が必ずしも一致しないことを、2026年のファイナルステージは示した。
【阪神の先発予想】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の阪神の先発ローテーションで中心だった投手は誰ですか?
A1:村上頌樹、才木浩人、髙橋遥人の3人です。村上は27先発、髙橋は23先発、才木は25先発。防御率、勝利数、奪三振など、それぞれ異なる分野でチームを支えました。
Q2:村上頌樹の2026年の先発登板回数と成績は?
A2:27試合に先発し、10勝9敗、防御率1.85、180回1/3、155奪三振を記録しました。QSは23回で、QS率は85.2%です。セ・リーグ最優秀防御率を獲得しています。
Q3:阪神の先発ローテーションは中6日で固定されていますか?
A3:固定ではありません。中6日は一般的な運用の目安ですが、2026年には中7日や中10日などの登板間隔も確認できます。コンディション、試合日程、前回登板の内容によって調整されます。
Q4:2026年のCSファイナルステージで阪神の先発を務めたのは誰ですか?
A4:10月14日から17日の順に、村上頌樹、髙橋遥人、才木浩人、大竹耕太郎です。阪神はDeNAに4連敗し、日本シリーズ進出を逃しました。
まとめ:2026年阪神の先発予想から分かる強みと今後の注目点
2026年の阪神タイガースの先発陣を総括すると、最大の特徴は村上頌樹、髙橋遥人、才木浩人という3本柱の充実と、それを支える複数の先発候補の存在だった。
特に注目したい実績は次の3点だ。
- 村上頌樹:27先発、防御率1.85、180回1/3。
- 髙橋遥人:16勝3敗、防御率1.87、勝率.842。
- 才木浩人:25先発、175奪三振でリーグ最多。
大竹耕太郎は18先発で防御率2.74を記録し、伊藤将司、西勇輝、下村海翔もそれぞれ異なる形で先発機会を得た。
一方、才木のコンディション不良による登録抹消や、CSでの登板間隔の変化からは、年間を通じて同じローテーションを維持する難しさも見えてくる。
【プロの結論】
阪神の先発投手を評価する際には、次の3つを判断基準にすると分かりやすい。
1. 年間の先発回数: 継続的に先発を任されているか。
2. 防御率とQS率: 失点を抑え、先発として試合を作れているか。
3. 登板間隔とコンディション: 中6日を基準にしながら、無理のない登板計画が組まれているか。
また、CSのような短期決戦では、レギュラーシーズンの成績だけで先発投手の優劣を判断できない。相手打線との相性、休養期間、試合の重要度、打線の援護まで含めて見る必要がある。
2026年11月3日時点では、レギュラーシーズンとCSはすでに終了している。したがって、今後の2027年ローテーションを予想する際には、2026年の登板実績を出発点にしながら、秋季キャンプや春季キャンプでの調整、選手の状態、球団の補強・編成方針を確認することが大切だ。
2026年の阪神は、先発3本柱の実績だけでなく、ローテーションを柔軟に組み替えられる選手層を持っていた。その強みを次のシーズンにどうつなげるかが、今後の最大の注目点となる。