2026年11月現在、老齢年金を受け取るためには、受給資格を満たしただけでは足りず、日本年金機構への年金請求手続きが必要です。年金請求書には、氏名や住所、基礎年金番号、年金加入記録、振込先口座などを記入しますが、2026年4月以降に送付される事前送付用の様式では、受取開始時期の選択方法にも変更があります。特に、65歳から受け取るのか、66歳以降に繰下げるのかによって記入内容や必要書類が変わるため、最新の記入例を確認しておきたいところです。
日本年金機構が2026年4月1日に更新した記入案内では、従来の事前送付用と4月以降の新しい事前送付用、手元に請求書がない場合に使用する様式第101号が区別されています。加えて、2026年10月からは一定の条件を満たす人を対象に電子申請も利用できます。書き方だけでなく、添付書類、提出時期、郵送先、5年の時効、繰下げ受給の注意点まで確認していきます。
【基礎知識】年金請求書とは?2026年の受給開始年齢と送付時期
年金請求書とは、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取るために、日本年金機構などに提出する正式な請求書です。
年金は、受給資格期間を満たしたり、65歳になったりしただけで自動的に振り込まれるわけではありません。本人が請求手続きを行い、審査を受ける必要があります。
老齢年金は原則65歳から受給できる
老齢基礎年金は、保険料納付済期間や免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある人が、原則65歳から受け取れます。
老齢厚生年金は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金の被保険者期間がある人が対象です。
また、一定の生年月日の人には、65歳になる前から特別支給の老齢厚生年金が支給される場合があります。
日本年金機構によると、厚生年金の加入期間が1年以上ある人には、生年月日に応じた特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢が設定されています。
つまり、すべての人が同じ年齢で初めて年金を請求するわけではありません。
2026年の年金請求書はいつ届く?
日本年金機構は、老齢年金の受給権が発生する人に対して、原則として受給開始年齢に到達する3カ月前から「年金請求書(事前送付用)」を送付しています。
請求書には、次の情報があらかじめ印字されています。
- 基礎年金番号
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 住所
- 年金加入記録
2026年度の初回送付年齢は、男性65歳、女性63歳です。
女性63歳の対象者は、昭和38年4月2日から昭和39年4月1日生まれの人で、年金加入期間が10年以上あり、厚生年金と共済組合の加入期間が合計1年以上あることなどの条件があります。
なお、65歳以降に初めて受給権が発生する人や、特別支給の老齢厚生年金を受け取る人では、送付時期が異なる場合があります。
日本年金機構の2026年4月1日更新の「老齢年金請求書の事前送付」では、対象者や送付時期が案内されています。
年金請求書が届かない場合はどうする?
請求書が届かない場合でも、受給資格があるのに手続きができないと決めつける必要はありません。
日本年金機構から送付された請求書を紛失した場合は、公式サイトから様式第101号をダウンロードできます。
また、年金事務所や街角の年金相談センターにも請求書が備え付けられています。
事前送付用の請求書は再送付できないため、紛失した場合は様式第101号を利用するか、ねんきんダイヤルに相談する方法があります。
【記入例】年金請求書の書き方を欄ごとに解説
年金請求書を書くときに最初に確認したいのは、記入する場所と、すでに印字されている情報の違いです。
日本年金機構の2026年版「年金請求のご案内」では、基本的に黄色で示された欄が記入対象となっています。水色の欄は金融機関で証明を受ける場合に使用する欄です。
1.本人情報・氏名・住所の書き方
本人情報の欄では、氏名、フリガナ、生年月日、住所、電話番号などを確認します。
事前送付用の請求書では、これらの情報があらかじめ印字されていることがあります。
印字内容が正しい場合は、原則としてそのままにします。
誤りがある場合は、該当箇所に二重線を引き、正しい内容に訂正します。日本年金機構の記入案内では、訂正印は不要とされています。
特に注意したいのは住所です。
印字されている住所が住民票上の住所と一致しているか確認してください。通知書などを住民票と異なる住所に送付してほしい場合は、別途手続きが必要になることがあります。
電話番号には、日中に連絡が取れる番号を記入しておくと、確認事項が生じた場合にも対応しやすくなります。
2.基礎年金番号・マイナンバーの書き方
基礎年金番号は、年金加入記録を確認するための重要な番号です。
請求書に印字されている番号が、基礎年金番号通知書や年金手帳などに記載されている番号と一致するか確認します。
マイナンバーを記入する欄がある場合は、案内に従って記入してください。
マイナンバーを記入する場合には、本人確認や番号確認のための書類が必要になることがあります。郵送の場合は、必要な本人確認書類のコピーを添付します。
また、共済組合の加入期間がある人は、マイナンバーの記入が必要となるケースがあります。
過去に複数の年金手帳番号を持っていた人は、基礎年金番号に記録が統合されていない可能性があります。別の番号がある場合は、年金事務所に相談してください。
3.年金の振込先口座の書き方
年金の受取口座は、本人名義の口座を指定します。
金融機関を指定する場合は、次の情報を確認します。
- 金融機関名
- 支店名
- 金融機関コード
- 支店コード
- 預金種別
- 口座番号
- 口座名義人のカナ氏名
ゆうちょ銀行を指定する場合は、通常の金融機関とは記入する欄が異なります。
特に注意したいのが、口座名義人のフリガナです。年金を受け取る本人の氏名と一致しているか、通帳やキャッシュカードで確認してください。
2026年版の請求書では、公金受取口座を利用するかどうかを選択する欄もあります。
公金受取口座を利用する場合でも、年金振込先の欄は記入が必要です。ただし、登録済みの公金受取口座を使用する場合は、通帳のコピーや金融機関の証明を省略できます。
4.年金加入状況の書き方
ここは、記入漏れがないか特に慎重に確認したい部分です。
事前送付用の請求書には、これまでの年金加入記録が印字されています。
主に確認する項目は次のとおりです。
- 国民年金の加入期間
- 厚生年金の加入期間
- 船員保険の加入期間
- 共済組合の加入期間
- 勤務先の名称
- 勤務期間
- 国民年金加入当時の住所
印字された記録と実際の勤務履歴が異なる場合は、二重線で訂正します。
また、印字されていない加入期間がある場合は、該当する欄に追加記入します。
例えば、以前勤めていた会社の加入期間が記載されていない場合や、国民年金に加入していた期間が抜けている場合は、そのまま提出しないでください。
勤務先の名称、加入していた期間、当時の住所など、分かる範囲の情報を整理して年金事務所に相談しましょう。
5.旧姓名・婚姻期間などの記入
結婚や離婚などによって氏名が変わったことがある場合は、旧姓名と変更年月日を記入する欄を確認します。
過去の年金記録が旧姓名で管理されていることもあるためです。
また、受給資格期間が300月未満の場合には、20歳から60歳までの婚姻期間や海外居住期間などについて確認する欄があります。
これらは合算対象期間に関係する可能性があり、該当する項目によっては戸籍謄本や戸籍の附票などの添付が必要です。
6.記入時の基本ルール
記入例を参考にするときは、次の基本事項も守ってください。
- 黒インクのボールペンを使用する
- 鉛筆は使用しない
- 摩擦で消えるインクのペンは使用しない
- 記入対象の欄を確認する
- 印字済みの情報を一つずつ確認する
- 訂正する場合は二重線を使用する
- 電話番号や口座番号の記入漏れを確認する
請求書は年金額や受取開始時期を決定するための正式な書類です。分からない欄を推測で埋めず、年金事務所に確認することが大切です。
【2026年4月改訂】年金請求書の新旧様式と様式第101号の違い
2026年の年金請求手続きで見落としたくないのが、4月以降に送付される事前送付用の様式です。
日本年金機構は、2026年4月1日更新の案内で、3月以前に送付した様式と4月以降に送付する様式を分けて掲載しています。
単純に古い請求書と新しい請求書のどちらでも同じように書けばよい、というわけではありません。
2026年版の様式比較
| 請求書の種類 | 対象・使用する場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 令和8年3月以前の事前送付用 | 3月以前に送付された請求書 | 当時の記入案内に従う |
| 令和8年4月以降の事前送付用 | 4月以降に送付された請求書 | 2ページの受取開始時期の選択欄を記入する |
| 様式第101号 | 請求書を紛失した人、事前送付用を持っていない人 | 65歳以降の請求では必要に応じて別紙を添付する |
4月以降の新様式で最も重要な変更点
特に注目したいのが、2ページ目の「受取開始時期の選択(支給繰下げ申出書)」欄です。
2026年4月以降に事前送付された請求書では、老齢厚生年金と老齢基礎年金について、それぞれ受取方法を選択できます。
具体的には、次の選択肢があります。
① 65歳から受け取る
65歳の受給権発生時点から受給する方法です。
② 現時点で繰下げて請求する
66歳以降の人が、繰下げを申し出て増額された年金を受け取る方法です。
③ 今回は請求せず、後日あらためて請求する
すぐに請求せず、将来の繰下げ請求を予定する方法です。
この選択は、老齢厚生年金と老齢基礎年金で別々に行えます。
新しい事前送付用の請求書で該当欄を記入すれば、従来別途提出していた「老齢年金の受取方法確認書」や「老齢基礎年金・老齢厚生年金 支給繰下げ申出書(様式第103-1号)」の添付を省略できます。
ただし、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を後日あらためて請求する場合は、現時点で請求書を記入・提出する必要はありません。
様式第101号はいつ使う?
様式第101号は、通常の事前送付用請求書が手元にない場合などに使用する書式です。
日本年金機構の公式案内には、様式第101号の本体と記入例が掲載されています。
ただし、様式第101号で65歳以降の年金を請求する場合は、受取方法確認書などの別紙が必要になることがあります。
4月以降の事前送付用と様式第101号を混同せず、手元にある書類の種類を確認してから記入してください。
また、日本年金機構は2026年4月9日に記入方法の案内動画を更新しています。令和8年7月以降に受給開始年齢に到達する人向けの動画と、それ以前の人向けの動画が掲載されているため、自分の請求書に対応するものを確認すると理解しやすくなります。
【添付書類一覧】年金請求書と一緒に提出する必要書類
年金請求書は、必要事項を記入しただけでは手続きが完了しない場合があります。
本人確認や生年月日、年金の受取口座、配偶者や子との生計維持関係などを確認するための書類が必要になることがあります。
基本的に確認したい添付書類
| 書類 | 主な使用目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本・抄本など | 生年月日や続柄の確認 | マイナンバーによって省略できる場合がある |
| 住民票 | 住所や世帯関係の確認 | 必要な場合に提出 |
| 本人名義の預金通帳などのコピー | 振込先口座の確認 | 金融機関の証明や公金受取口座利用で省略できる場合がある |
| 所得証明書・課税証明書など | 生計維持関係の確認 | 配偶者や子の状況によって必要 |
| 年金手帳など | 過去の年金番号の確認 | 基礎年金番号以外の番号がある場合 |
戸籍謄本や住民票は必ず必要?
必ずしも全員が添付するわけではありません。
日本年金機構にマイナンバーが登録されている単身者などは、戸籍謄本や住民票の添付を原則省略できる場合があります。
また、マイナンバーが未登録の場合でも、年金請求書にマイナンバーを記入することで、生年月日を確認する書類の添付を省略できる場合があります。
ただし、配偶者や子の加給年金額・振替加算に関係する場合などは、別途書類が必要になることがあります。
戸籍・住民票の取得時期にも注意
65歳から初めて老齢年金を請求する場合、戸籍や住民票などは、原則として受給権発生日以降に交付されたもので、請求書提出日において6カ月以内に交付されたものを用意します。
早く取得しすぎると、提出時点で有効な書類として扱われない可能性があります。
必要書類を確認してから取得するのが効率的です。
配偶者や子がいる場合の追加書類
加給年金額や振替加算の対象になる場合は、通常の本人確認書類に加えて、次のような書類が必要になることがあります。
- 戸籍謄本・抄本
- 世帯全員の住民票
- 配偶者や子の所得証明書
- 課税証明書
- 在学証明書など
生計維持関係の確認が必要なケースでは、配偶者や子のマイナンバーを記入することで、一部の添付書類を省略できる場合もあります。
ただし、マイナンバーを記入していても、審査の過程で追加書類を求められることがあります。
郵送前に確認したい添付書類の漏れ
郵送では窓口でその場で確認してもらえないため、提出前のチェックが重要です。
特に、口座名義のフリガナ、通帳のコピー、マイナンバーの本人確認書類、配偶者や子に関する書類は見落としやすい項目です。
日本年金機構の2026年版「年金請求のご案内(書面申請用)」には、必要書類の一覧が掲載されています。個々の状況によって必要書類が異なるため、該当する項目を確認してください。
【提出方法】年金請求書の郵送・窓口・電子申請の手順
年金請求書の提出方法は、大きく分けて紙で提出する方法と電子申請の2種類です。
自分の状況や、届いた請求書に同封されている案内に応じて選びます。
1.郵送で提出する場合
郵送の場合は、次の順番で準備します。
1. 年金請求書に必要事項を記入する。
2. 印字されている氏名・住所・年金加入記録を確認する。
3. 必要な添付書類を準備する。
4. 請求書と添付書類をまとめる。
5. 案内に記載された提出先へ郵送する。
日本年金機構から送付された請求書を使用する場合は、同封されている書面申請用の案内を確認してください。
提出先は、加入していた年金制度によって異なります。
- 国民年金第1号被保険者期間のみの人:住所地の市区町村役場
- それ以外の人:近くの年金事務所または街角の年金相談センター
共済組合などの加入期間がある人も、原則として年金事務所が提出先になります。
郵送前には、提出書類一式のコピーを手元に残しておくと、後から内容を確認しやすくなります。
簡易書留などの追跡可能な郵便を利用する方法もあります。郵便種別の指定については、同封の案内に従ってください。
2.年金事務所の窓口に持参する場合
記入方法や添付書類に不安がある人は、窓口で相談する方法が適しています。
年金事務所や街角の年金相談センターでは、年金請求に関する相談や手続きを受け付けています。
窓口を利用するメリットは、次のとおりです。
- 記入内容について相談できる
- 添付書類の不足を確認しやすい
- 年金加入記録の問題について相談できる
- 繰下げ受給や受取開始時期について説明を受けられる
日本年金機構では予約相談を実施しています。混雑を避けるためにも、事前予約を利用するとよいでしょう。
3.電子申請で提出する場合
2026年10月1日更新の日本年金機構の案内では、初めて老齢年金を請求する人向けの電子申請サービスが紹介されています。
マイナポータルとねんきんネットを連携させることで、スマートフォンやパソコンから手続きできます。
電子申請の主な流れは次のとおりです。
1. マイナポータルとねんきんネットの連携を準備する。
2. 対象となる請求書の電子申請画面に進む。
3. 基本情報や配偶者情報を確認する。
4. 必要事項を入力する。
5. 申請内容を確認する。
6. 電子署名を付与して提出する。
7. 提出後に処理状況を確認する。
電子申請は24時間いつでも利用でき、郵送や窓口への訪問が不要になる点がメリットです。
ただし、誰でも利用できるわけではありません。
日本年金機構から届いた事前送付用請求書に、電子申請の案内リーフレットが同封されていることが利用対象者の目安です。
加えて、次のような場合は電子申請を利用できず、紙での手続きが必要になることがあります。
- 公金受取口座以外の口座を指定したい
- 住民票住所と異なる住所に通知書を送付したい
- 成年後見人などが本人に代わって請求する
- 繰上げ請求や繰下げ請求を希望する
自分が対象かどうかは、届いた案内リーフレットで確認してください。
【提出期限と受給時期】5年の時効・繰下げ受給で失敗しない方法
年金請求書で特に注意したいのが、提出できる時期と、受給開始時期の選択です。
年金請求書はいつから提出できる?
65歳から老齢年金を受け取る場合、請求書の提出は65歳になってからです。
年齢計算では、65歳の誕生日の前日が受給権発生日になります。
例えば、6月15日生まれの場合、65歳に到達する日は6月14日です。その日以降に請求手続きが可能になります。
誕生日の前に請求書を提出しても受付できないため、提出時期には注意してください。
年金請求書に提出期限はある?5年の時効とは
日本年金機構は、年金を受け取れるようになったときから5年を過ぎると、法律に基づき、5年を過ぎた分の年金が時効によって受け取れなくなる場合があると案内しています。
ここで大切なのは、5年の時効を単純な書類提出期限と混同しないことです。
年金を受ける権利そのもの(基本権)には、原則として権利発生から5年という時効があります。また、各支払期の年金を受け取る権利にも時効があります。
ただし、年金記録の訂正など、一定の事情によって時効を援用しない取扱いとなる場合もあります。
「請求を忘れていたから、もうすべて受け取れない」と自己判断するのではなく、受給資格や過去の支給対象期間について年金事務所に相談してください。
繰下げ受給は何歳までできる?
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、希望すれば66歳以降75歳まで繰下げることができます。
繰下げ受給では、受給開始を遅らせた期間に応じて年金額が増額されます。
増額率は、原則として1カ月あたり0.7%です。
例えば、次のようになります。
| 受給開始年齢 | 増額率 |
|---|---|
| 66歳 | 8.4% |
| 67歳 | 16.8% |
| 68歳 | 25.2% |
| 69歳 | 33.6% |
| 70歳 | 42.0% |
| 71歳 | 50.4% |
| 72歳 | 58.8% |
| 73歳 | 67.2% |
| 74歳 | 75.6% |
| 75歳 | 84.0% |
この増額率は、原則として生涯変わりません。
また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ別々に繰下げることもできます。
ただし、繰下げ待機中には加給年金や振替加算を受け取れない場合があり、増額によって社会保険料や税負担が増える可能性もあります。
増額率だけを見て判断するのではなく、生活費、健康状態、就労状況、他の年金の受給状況なども考慮する必要があります。
なお、特別支給の老齢厚生年金には繰下げ制度がありません。対象者は受給開始年齢になったら速やかに請求してください。
65歳から受け取るか、後日繰下げるかの判断基準
受取開始時期の選択では、次のような考え方が参考になります。
65歳から受け取る方法が向いている人
- 退職後の生活費を年金で補いたい
- 貯蓄を取り崩す金額を減らしたい
- 繰下げによる増額より、早く受け取る安心感を重視する
繰下げ受給を検討しやすい人
- 65歳以降も安定した収入がある
- 当面の生活費を貯蓄などで確保できる
- 将来の年金額を増やしたい
- 繰下げによる税金や社会保険料の変化も確認できている
重要なのは、増額率だけで決めないことです。
老齢基礎年金と老齢厚生年金の受取開始時期を別々に設定できるため、自分の家計に合わせて比較することが大切です。
【プロの結論】年金請求書の記入漏れを防ぐ最終チェック
年金請求書の手続きで最も注意したいのは、記入そのものよりも、印字された情報の誤りや年金加入記録の不足を見逃さないことです。
特に、転職回数が多い人、結婚などで姓が変わった人、複数の年金手帳番号を持っている人は、加入記録を丁寧に確認してください。
提出前には、次の項目を確認しましょう。
- 氏名・フリガナ・生年月日に誤りがない
- 住所が住民票上の住所と一致している
- 基礎年金番号が正しい
- マイナンバーの記入と本人確認書類を確認した
- 年金加入記録に抜けや誤りがない
- 旧姓名や婚姻期間の記入漏れがない
- 振込先口座の番号と名義が正しい
- 受取開始時期を確認した
- 必要な添付書類がそろっている
- 提出できる時期になっている
特に、年金加入記録に空白期間がある人、複数の基礎年金番号を持っている人、遺族年金や障害年金など他の年金を受給している人は、郵送する前に年金事務所へ相談することをおすすめします。
請求書の提出後は、通常1~2カ月程度で年金証書・年金決定通知書などが届きます。その後、さらに1~2カ月程度で年金振込通知書などが送付され、年金の受け取りが始まります。
年金は原則として受給権が発生した月の翌月分から支給されます。実際の振込日は原則として偶数月の15日です。
【年金請求書の書き方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:年金請求書は黒のボールペンで書かなければいけませんか?
A1:はい。日本年金機構の2026年版記入案内では、黒インクのボールペンを使用するよう案内されています。鉛筆や摩擦によって消えるインクのペンは使用しないでください。
Q2:年金請求書の基礎年金番号が分からない場合はどうすればよいですか?
A2:基礎年金番号通知書や年金手帳、ねんきんネットなどで確認できます。複数の年金番号がある場合や記録に疑問がある場合は、年金事務所に相談してください。
Q3:2026年4月以降の新しい請求書では別紙を提出しなくてもよいですか?
A3:4月以降に事前送付された請求書の場合、2ページ目の「受取開始時期の選択」欄を適切に記入することで、老齢年金の受取方法確認書と支給繰下げ申出書の添付を省略できます。様式第101号や以前の事前送付用では取扱いが異なるため注意してください。
Q4:年金請求書は65歳の誕生日より前に提出できますか?
A4:原則として受給権発生日以降に提出します。65歳の場合は誕生日の前日が受給権発生日です。それより前に提出しても受付できません。
Q5:年金請求書を提出し忘れた場合、5年経過すると年金は受け取れなくなりますか?
A5:5年を過ぎた分について時効により受け取れなくなる場合があります。ただし、年金の種類や事情によって取扱いが異なることがあります。未請求の年金がある場合は、早めに年金事務所に相談してください。
Q6:年金請求書は電子申請できますか?
A6:はい。2026年10月現在、一定の条件を満たす人はマイナポータルとねんきんネットを利用して電子申請できます。事前送付用請求書に電子申請の案内リーフレットが同封されているか確認してください。
まとめ:2026年の年金請求書は新様式と受取開始時期を確認して提出しよう
2026年の年金請求書は、本人情報や基礎年金番号、年金加入記録、振込先口座などを正しく確認することが基本です。
特に4月以降に送付された事前送付用では、2ページ目の受取開始時期の選択欄が重要です。65歳から受け取るのか、66歳以降に繰下げるのか、老齢基礎年金と老齢厚生年金それぞれの希望を確認してから記入しましょう。
添付書類は、マイナンバーの登録状況や配偶者・子の有無、過去の年金加入状況によって異なります。郵送する場合は必要書類をそろえ、提出先と提出可能な時期を確認してください。
年金の請求を先延ばしにすると、5年の時効によって過去の年金を受け取れなくなる可能性もあります。
失敗しないための判断基準は、①正しい様式を使う、②年金加入記録を確認する、③必要書類をそろえる、④受取開始時期を慎重に選ぶ、⑤受給権発生後に早めに提出する、という5点です。
記入に不安がある場合や、加入記録に疑問がある場合は、提出前に日本年金機構の年金事務所へ相談してください。正確な手続きが、安心して老後の年金を受け取るための第一歩になります。