警察庁の「令和7年における行方不明者届受理等の状況」は、認知症による行方不明の規模を把握するうえで重要な資料です。
2025年の届出数は1万7,345人。全国の行方不明者総数8万486人に対して、認知症が占める割合は21.6%でした。つまり、警察に届け出られた行方不明者のおよそ5人に1人が、認知症またはその疑いによるケースだったことになります。
認知症行方不明者数の10年間の変化
警察庁の公表資料から、平成28年以降の推移を整理します。
| 年次 | 行方不明者数 | 前年との比較 |
|---|---|---|
| 平成28年(2016年) | 15,432人 | ― |
| 平成29年(2017年) | 15,863人 | 増加 |
| 平成30年(2018年) | 16,927人 | 増加 |
| 令和元年(2019年) | 17,479人 | 増加 |
| 令和2年(2020年) | 17,565人 | 増加 |
| 令和3年(2021年) | 17,636人 | 増加 |
| 令和4年(2022年) | 18,709人 | 増加 |
| 令和5年(2023年) | 19,039人 | 増加・最多 |
| 令和6年(2024年) | 18,121人 | 918人減少 |
| 令和7年(2025年) | 17,345人 | 776人減少 |
2023年の1万9,039人をピークに、2024年、2025年と2年連続で減少しています。ただし、減少幅だけを見て問題が解消に向かっていると判断するのは早計です。
2025年も1万7,000人を超えており、2016年と比較すると約1,900人多い水準です。
70代・80代以上が大半を占める
2025年の認知症行方不明者を年齢別に見ると、70代と80歳以上に集中しています。
- 80歳以上:10,661人
- 70代:5,752人
- 60代:801人
- 50代:124人
- 40代:7人
70代と80歳以上を合わせると16,413人で、全体の約94.6%です。
男女別では男性9,715人(56.0%)、女性7,630人(44.0%)となっています。
ここから読み取れるのは、認知症行方不明が特定の家庭だけの問題ではなく、高齢化と認知機能の変化に伴う地域全体の課題だということです。
統計を読む際に知っておきたい2つの注意点
1つ目は、警察庁の行方不明者数が、警察に届け出られた人数を延べ人数として集計していることです。同じ人が別の機会に行方不明となり、再び届け出られた場合も、実人数とは異なる集計になり得ます。
2つ目は、認知症の行方不明者数が、認知症のある高齢者全体の人数ではないことです。
警察庁の統計では、認知症またはその疑いによる行方不明を対象とし、原因・動機は届出受理時に届け出た人から申し出があった内容を計上しています。
したがって、1万7,345人という数字は、全国の認知症高齢者のうち何人が外出して迷子になったかを示す発生率ではありません。警察に届け出られたケースの規模を示す数字です。
【発見まで何日かかる?】3日以内の生存発見率94.8%の実態
認知症の行方不明で最も気になるのが、発見までの時間と生存率の関係です。
警察庁が2026年6月に公表した資料では、2025年中に所在確認または死亡確認された認知症行方不明者は16,729人でした。
このうち、15,856人(94.8%)が届出受理から3日以内に所在確認されています。
当日発見が最も多い
内訳を見ると、届出を受理した当日の所在確認が11,369人、2~3日以内が4,487人です。
つまり、3日以内に発見された人のうち、当日に所在が確認された人が特に多いことが分かります。
ここで重要なのは、3日以内という数字を安心材料として受け取らないことです。
警察庁の統計では、届出受理から4日以降に所在確認・死亡確認された559人のうち、生存した状態で所在確認されたのは300人、割合にして53.7%でした。
加えて、届出受理から15日以降では、所在確認より死亡確認の割合が高くなるとされています。
発見までの日数と生存確認の関係
| 発見までの期間 | 生存状態での所在確認 | 死亡確認 |
|---|---|---|
| 受理当日 | 11,369人 | 127人 |
| 2~3日以内 | 4,487人 | 187人 |
| 4~7日以内 | 195人 | 67人 |
| 8~14日以内 | 58人 | 48人 |
| 15日~1か月未満 | 23人 | 45人 |
| 1か月~3か月未満 | 21人 | 48人 |
| 3か月~6か月未満 | 1人 | 19人 |
出典:警察庁「令和7年における行方不明者届受理等の状況」。2025年中に確認されたケースの期間別内訳。その他・届出取り下げ等は除く。
特に注目したいのは、15日を境に死亡確認の割合が高くなるという点です。
これは、行方不明になった人の体力や健康状態、季節、天候、移動距離、事故や病気の危険など、さまざまな要因が重なるためと考えられます。
「3日以内に95%」は行方不明者全体の数字ではない
もう一つ、統計の読み違いを防ぐ必要があります。
94.8%という数字は、2025年中に所在確認・死亡確認された16,729人を対象にした割合です。2025年に新たに届け出られた1万7,345人全員の追跡結果を、そのまま表しているわけではありません。
また、3日以内の起点は、家族が行方不明に気づいた時刻ではなく、警察が行方不明者届を受理した時点です。
家族が数時間、あるいは数日間様子を見てから届け出た場合、その時間は統計上の3日間には含まれません。
この違いは、実際の家族の対応を考えるうえで非常に重要です。
【GPS機器は本当に効果がある?】発見率84.9%と自治体の貸与制度
認知症のある高齢者の外出対策として、GPS端末や位置情報を取得できる紛失防止タグの利用が広がっています。
警察庁の2025年統計では、GPS機器等の活用によって所在確認・死亡確認に至った認知症行方不明者は139人でした。
このうち、118人(84.9%)が届出受理当日に所在確認されています。しかも、当日に発見された118人全員の生存が確認されました。
GPSを使った発見事例
警察庁の資料には、実際の発見事例も掲載されています。
事例1:自宅から約130キロ離れた駅で発見
80代の男性が自宅から行方不明になったケースです。
家族が本人に持たせていたGPS機器から位置情報を取得したところ、電車で県外へ移動していることが判明しました。
位置情報をもとに捜索した結果、届出受理から約2時間後、自宅から約130キロ離れた駅構内で無事に発見・保護されました。
事例2:自転車で外出した80代男性を発見
自転車で自宅を出た80代男性のケースでは、ケアマネジャーが本人に持たせていたGPS機器の位置情報を活用しました。
その結果、届出受理から約1時間後、自宅から約6キロ離れた路上で発見されました。
事例3:紛失防止タグで70代男性を発見
病院を訪れていた70代男性が行方不明になったケースでは、家族が持たせていた紛失防止タグの位置情報を利用しました。
届出受理から約3時間後、病院から約8キロ離れた路上で発見・保護されています。
これらの事例は、GPSや位置情報端末が、家族や警察による捜索範囲を絞るための有力な手段になることを示しています。
GPS端末と紛失防止タグはどう違う?
位置情報機器は、すべて同じ仕組みではありません。
| 種類 | 主な仕組み | 選ぶ際のポイント |
|---|---|---|
| GPS端末 | 衛星測位と通信回線などを使って位置を取得・送信 | 広範囲の移動を追跡したい場合 |
| 紛失防止タグ | Bluetoothなどを利用し、対応端末のネットワークを介して位置情報を取得 | 小型・軽量で携行しやすいものを探す場合 |
| GPS付き見守り端末 | 位置情報に加えて通知・見守り機能などを搭載 | 家族による継続的な見守りを重視する場合 |
警察庁の統計における「GPS機器等」には、位置情報を記録・送信する機器だけでなく、紛失防止タグも含まれています。
そのため、統計上の84.9%はGPS衛星を利用する専用端末だけの実績ではありません。
また、端末を持っていれば必ず居場所が分かるわけでもありません。充電切れ、携行忘れ、通信環境、位置情報の更新間隔などによって、取得できる情報には差があります。
自治体のGPS機器貸与制度とは?
GPS機器の購入や月額利用料が負担になる家庭にとって、確認したいのが自治体の支援制度です。
自治体によっては、認知症による行方不明のリスクがある人を対象に、GPS機器の貸与や利用料の補助を行っています。
一例が千葉県船橋市の「認知症見守りGPSサポート事業」です。
2026年4月8日更新の市公式情報によると、対象は市内に住む、認知症により行方不明になるおそれのある人を在宅で介護する家族などです。
利用料は次のとおりです。
- 市県民税非課税世帯:月額250円(税込み)
- 市県民税課税世帯:月額500円(税込み)
家族が現場に行って保護することが難しい場合には、依頼によって委託事業者の緊急対処員が現場へ向かう仕組みもあります。
貸与される機器は約67グラムで、連続動作時間は最大350時間。ただし、電波状況や使用環境などによって稼働時間は短くなる場合があります。
これは船橋市の制度例であり、全国共通の料金ではありません。
お住まいの市区町村の高齢者福祉担当課や地域包括支援センターに、次の点を確認するとよいでしょう。
- GPS端末の無料貸与があるか
- 購入費や月額料金の補助があるか
- 対象年齢や認知症の診断要件は何か
- 紛失・破損時の費用負担はどうなるか
- 緊急時に現場へ駆けつけるサービスがあるか
GPSの費用だけでなく、行方不明時に誰が実際の保護を担当できるかまで確認することが大切です。
【家族の対応】認知症の人が行方不明になったら警察へどう届け出る?
家族が本人の不在に気づいたとき、最も優先すべきなのは警察への連絡です。
「もう少し待てば帰ってくるかもしれない」「近所を探してから届け出よう」と判断してしまうと、初動が遅れる可能性があります。
認知症のある人は、慣れた道を歩いているつもりでも、途中で目的地や帰り道が分からなくなることがあります。想定していた範囲を超えて移動するケースもあります。
まずは110番または警察署へ連絡する
行方不明が分かったら、速やかに110番または警察署に連絡してください。
警視庁も、家族などが行方不明になった場合は、すぐに110番するか警察署へ届け出るよう案内しています。
正式な行方不明者届の受理方法は各警察の案内に従います。電話での相談だけでは正式な届出が完了しない場合もあるため、警察署に確認してください。
警察への届け出で準備しておきたい情報
警察への説明をスムーズにするため、次の情報を整理しておきます。
| 項目 | 準備する情報 |
|---|---|
| 基本情報 | 氏名、生年月日、住所 |
| 顔写真 | 最近撮影した顔写真・全身写真 |
| 身体的特徴 | 身長、体格、髪型、眼鏡など |
| 服装 | 当日の上着、ズボン、靴、帽子 |
| 所持品 | 財布、携帯電話、バッグ、杖など |
| 最終確認 | いなくなった時刻、場所、最後に会話した内容 |
| 行動パターン | よく行くスーパー、以前の勤務先、旧住所、散歩コース |
| 健康状態 | 認知症の症状、持病、服薬状況、歩行能力 |
愛知県警や大阪府警も、行方不明者届の際には本人の写真、身体的特徴、服装、所持品、立ち回り先などの情報を確認すると案内しています。
特に、写真はできるだけ新しいものを用意してください。
髪型や眼鏡、普段の服装などが分かる写真は、捜索する側にとって重要な情報になります。
家族だけで捜索を抱え込まない
警察への連絡と並行して、自治体の高齢者福祉担当課や地域包括支援センターにも相談します。
地域の見守りSOSネットワークに登録している場合は、情報共有の手続きを依頼してください。
また、ケアマネジャーや介護施設など、本人の普段の生活を知っている関係者にも情報を共有すると、立ち寄り先の確認につながります。
家族の誰かが捜索に出る場合も、警察への連絡担当を別に決めるなど、役割分担をしておくと情報が錯綜しにくくなります。
【認知症の行方不明を防ぐには】徘徊予防対策と地域見守りネットワーク
行方不明を防ぐためには、GPS端末を持たせるだけでは十分ではありません。
本人の行動パターンを把握し、外出を支える環境を整え、地域と連携することが欠かせません。
外出する理由を理解することが第一歩
認知症のある人が外出する背景には、本人なりの目的がある場合があります。
例えば、次のような行動です。
- 昔住んでいた家に帰ろうとする
- 以前勤めていた職場へ向かおうとする
- 買い物や散歩に出かけようとする
- 家族や知人に会いに行こうとする
- 現在の場所が分からなくなり、安心できる場所を探す
愛知県の認知症高齢者の徘徊対応マニュアルでも、外出には本人にとって大切な理由がある場合が多く、目的を忘れたり、現在地が分からなくなったりすることで帰宅困難につながると説明されています。
そのため、単純に外出を禁止するのではなく、本人が何を求めているのかを理解することが大切です。
家庭で実践できる5つの対策
1. 最近の写真を準備する
本人の顔や全身が分かる写真を定期的に撮影しておきます。
季節によって服装が変わるため、普段着や外出着の写真もあると便利です。
2. 衣類や持ち物に連絡先を記載する
上着の内側、靴、バッグなど、本人が普段使うものに氏名や連絡先を記載します。
周囲から目立ちすぎない場所に付ける方法もあります。
3. 外出の時間帯や行動パターンを把握する
毎日決まった時間に散歩する、以前の職場に向かおうとするなど、本人の行動傾向を家族で共有します。
4. GPSや見守りセンサーを導入する
GPS端末だけでなく、玄関の開閉を知らせるセンサーなども選択肢になります。
外出に気づく仕組みと、外出後の位置を確認する仕組みを組み合わせる方法です。
5. 家族以外にも協力者をつくる
近隣住民、介護事業者、地域包括支援センターなどに本人の状況を伝え、困ったときに連絡できる関係を作ります。
家族だけで24時間見守ることには限界があります。介護サービスや地域の協力を活用することも必要です。
認知症高齢者の見守りネットワークとは?
見守りネットワークは、認知症のある人が地域で安心して生活できるように、行政、警察、消防、介護事業者、地域住民などが連携する仕組みです。
特に重要なのが、事前登録とSOSネットワークの2つです。
兵庫県では、県内全市町に認知症高齢者等の見守り・SOSネットワークが構築されています。
警察、消防、社会福祉協議会、地域包括支援センター、介護事業所、商店街、公共交通機関、郵便局、コンビニエンスストア、自治会などが協力する体制です。
大阪府も2026年6月の公式情報で、府内すべての市町村に見守りSOSネットワークが構築されていると説明しています。
家族などが警察署や市町村に届け出ると、協力機関に本人の身体的特徴や服装などが共有され、発見・保護につなげる仕組みです。
発見の約半数は民間からの通報がきっかけ
警察庁の2025年資料で、特に注目したいのが発見のきっかけです。
2025年中に所在確認等がなされた認知症行方不明者17,268人のうち、民間からの通報をきっかけに発見された人は8,114人でした。
割合は47.0%です。
つまり、発見のきっかけとして最も大きかったのは、警察活動だけではなく、一般の人や事業者などからの情報提供でした。
警察庁の資料には、自治体が防災行政無線や公式LINEで情報を発信し、それを見た地域住民が本人を発見した事例もあります。
届出受理から約2時間後、自宅から約2キロ離れた路上で80代女性が保護されたケースです。
また、別のケースでは自治体が警察と連携して捜索隊を結成し、ドローンも活用。約12時間後に女性を発見しました。
こうした実績から分かるのは、認知症行方不明への対応は、警察だけに任せるものではないということです。
地域住民が本人の特徴を知っていること、自治体が迅速に情報を発信できること、交通事業者や介護関係者が異変に気づけることが、早期発見を支えています。
【プロの結論】認知症行方不明対策はGPS・家族・地域の3層で考える
2025年の警察庁統計から見えてくるのは、認知症行方不明に対して、発生前の準備と発生直後の対応を分けて考える必要があるということです。
特に、次の3つの視点が重要です。
第一に、GPSは行方不明になった後の捜索を支える手段であること。
84.9%という当日発見率は注目に値します。ただし、これはGPS等の活用によって確認された139人を対象にした数字です。GPSを利用している全員の発見率を示したものではありません。
また、GPSの利用群と全体の数字は対象が異なるため、単純な比較だけでGPSの効果を数値的に断定することはできません。
それでも、警察庁が公表した実例では、移動先を特定して1~3時間で保護につながったケースが複数あります。位置情報を利用できる環境を整える意義は大きいといえます。
第二に、本人が無理なく使い続けられる機器を選ぶこと。
高性能な端末でも、本人が持ち歩かなければ意味がありません。
選ぶ際は、次の点を比較してください。
- 本人が携行できる大きさと重さか
- 充電や電池交換を家族が管理できるか
- 移動先の位置情報を確認できる仕組みか
- 通信範囲や位置情報の更新間隔は十分か
- 月額料金や紛失時の費用は負担できるか
- 自治体の補助や緊急対処サービスを利用できるか
本人が持つことを嫌がる場合は、靴やバッグなど、日常的に使用する持ち物に装着できるかも検討材料になります。
第三に、家族だけで見守る仕組みから地域全体で支える仕組みへ移行すること。
2025年の統計では、民間通報が発見の端緒となった割合は47.0%でした。
この数字は、日頃から地域とつながっておくことの意味を示しています。
家族が疲弊するまで見守りを続けるのではなく、地域包括支援センター、ケアマネジャー、自治体、警察などに早めに相談し、協力体制を作っておくことが現実的な対策です。
また、認知症の人の外出そのものを一律に制限するのではなく、安全を確保しながら本人の希望や生活の自由を尊重する視点も欠かせません。
【認知症行方不明】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:認知症による行方不明者は2025年に何人いましたか?
2025年の警察庁統計では、全国で1万7,345人でした。前年の1万8,121人から776人減少しましたが、依然として年間1万7,000人を超えています。
Q2:認知症の人は行方不明になってから何日で発見されますか?
2025年中に所在確認・死亡確認された16,729人のうち、94.8%に当たる15,856人が届出受理から3日以内に所在確認されています。受理当日の発見が最も多くなっています。
Q3:認知症の人が行方不明になったら、警察にはいつ届け出ればよいですか?
行方不明に気づいたら、すぐに110番または警察署へ連絡してください。帰宅するのを何時間も待つ必要はありません。最近の写真や当日の服装、最後に確認した場所などを伝えます。
Q4:GPSを持たせると行方不明を防げますか?
GPSは行方不明そのものを防ぐ機器ではありませんが、発生後に位置情報を確認して早期発見につなげる手段になります。警察庁の2025年統計では、GPS機器等の活用で所在確認・死亡確認された139人のうち118人が届出当日に所在確認されています。
Q5:自治体からGPS端末を無料で借りられますか?
自治体によって異なります。無料貸与、購入費補助、月額利用料の補助などがあります。対象年齢や所得条件も違うため、市区町村の高齢者福祉担当課や地域包括支援センターに問い合わせてください。
Q6:認知症の人の外出を防ぐために、玄関に鍵をかけてもよいですか?
一律に外出を禁止する対応は望ましくありません。本人の外出理由を理解し、安全な散歩や付き添い、見守りセンサー、GPS、地域ネットワークなどを組み合わせることが大切です。本人の意思と安全の両方に配慮し、介護の専門職にも相談してください。
まとめ:認知症行方不明は早期発見の仕組みづくりが命を守る
2025年の認知症行方不明者数は1万7,345人。前年より減少したものの、依然として深刻な水準にあります。
警察庁の最新統計では、2025年中に所在確認・死亡確認された人の94.8%が届出受理から3日以内に所在確認されました。また、GPS機器等を活用したケースでは、84.9%が届出当日に発見されています。
一方、発見まで4日以上かかったケースでは生存状態での所在確認の割合が大きく低下し、15日以降は死亡確認の割合が高くなっています。
だからこそ、家族が準備しておきたいのは、次の3点です。
- 事前準備: 最近の写真、服装、行動パターン、緊急連絡先を整理する。
- 機器と制度: GPS端末、見守りセンサー、自治体の貸与・補助制度を確認する。
- 地域連携: 警察、自治体、地域包括支援センター、近隣住民との協力体制を作る。
認知症のある人が安心して外出できる環境を整えることと、万が一のときに迅速に発見できる仕組みを持つことは、決して相反しません。
行方不明になってから対策を考えるのではなく、普段から家族・自治体・地域がつながっておくこと。それが本人の尊厳と命を守るための現実的な備えです。
主な参照資料
- 警察庁「令和7年における行方不明者届受理等の状況」(2026年6月公表)
- 国家公安委員会「令和8年6月25日記者会見要旨」
- 厚生労働省「認知症施策関連ガイドライン」
- 大阪府「行方不明時の早期発見・保護のために」(2026年6月更新)
- 兵庫県「認知症高齢者等の見守り・SOSネットワークについて」
- 船橋市「認知症見守りGPSサポート事業」(2026年4月更新)