事件が起きたのは、2019年5月23日。場所は東京都新宿区のマンションの一室です。高岡由佳は、歌舞伎町のホストクラブで働いていた琉月さん(当時20歳)を刃物で刺し、殺人未遂容疑で現行犯逮捕されました。
高岡は当時21歳で、ガールズバーの元店長でした。琉月さんは彼女が頻繁に店に通う指名ホストで、毎月多額の売上を支える客でもありました。2人の間には恋愛感情もあったとされていますが、後年の琉月さん自身の説明では、事件当時、正式に交際していたわけではありません。
刺された琉月さんは腹部に深い傷を負い、肝臓にも損傷が及びました。5日間意識不明の状態が続いた後、意識を取り戻しています。事件直後の写真がSNSなどで拡散され、女性が血の付いた姿で被害者のそばにいる光景が社会的な注目を集めました。
ただし、この事件の本質は拡散画像の衝撃だけではありません。後に報じられた裁判内容や被害者本人の証言からは、金銭的な支援、恋愛感情、嫉妬、関係性の認識の違いなど、事件に至るまでの複雑な背景が浮かび上がっています。
【犯行動機を検証】高岡由佳はなぜホストの琉月を刺したのか?
高岡由佳の犯行動機を理解するうえで重要なのは、本人の供述、被害者の証言、裁判で明らかになった経緯を分けて見ることです。
高岡由佳が語った犯行理由
逮捕後、高岡は捜査に対して、琉月さんへの強い愛情を理由に挙げました。報道された代表的な供述は次のとおりです。
「好きで好きでしょうがなかったから刺した。自分も死ぬつもりだった」
これは文春オンラインが裁判や事件の経緯を紹介する記事で伝えた供述です。高岡は琉月さんと一緒にいたいという思いを募らせ、殺害して自分も死ぬという考えに至ったとされています。
事件前には自殺をほのめかす言動もあったと報じられています。犯行前日にスマートフォンへ残したメモにも、相手を自分だけのものにしたいという趣旨の記述がありました。
また、事件後には、意識を失いかけていた琉月さんに「私のこと好き?」と尋ね、「一緒に死のうね」と語りかけたことも伝えられています。
ホストへの多額の支援と感情のすれ違い
高岡は琉月さんの店に頻繁に通い、売上を支える存在になっていました。ABEMA TIMESの2022年12月の取材で、琉月さんは当時について、毎月何百万円もの金額を使ってくれていたと振り返っています。
文春オンラインが2025年に掲載した事件の再検証記事では、裁判で明らかになった事情として、高岡がホストのために風俗店で働くようになり、事件の3日前にも約250万円を使っていたことが紹介されています。
高岡は、琉月さんと一緒に暮らすことや将来の結婚を強く望んでいたとされます。一方、ホストとして働く琉月さんには仕事上の付き合いや他の客との関係もあり、2人の間には期待のずれが生じていました。
ABEMAの取材で琉月さんは、仕事で会えないときに高岡から「会えないなら屋上から飛び降りる」といった趣旨の言葉を告げられ、口論になったことを明かしています。
加えて、事件当日は高岡が琉月さんのスマートフォンにあった別の女性との写真を見たことが、事件直前の感情的な動きとして文春オンラインで報じられています。
琉月本人は当時の関係をどう説明したのか
この事件には、報道によって「交際相手」「恋人」「指名客」という異なる表現が登場します。しかし、2022年のABEMAの密着取材で琉月さんは、事件当時は正式に交際していなかったと説明しています。
一方で、琉月さん自身にも恋愛感情はあったと話しています。つまり、単純な一方的な片思いという説明だけでは、当時の2人の関係を十分に表現できません。
ただし、恋愛感情があったことと、相手を傷つける行為が正当化されることは別問題です。相手の意思や自由を尊重できなくなり、暴力によって関係を固定しようとすることは、重大な犯罪につながります。
「彼女には恨みはないです」
これは事件後のABEMAの取材で琉月さんが語った言葉です。被害者が加害者に対して複雑な感情を抱いていたことも、この事件を考えるうえで見落とせない点です。
【事件の経緯と人物相関表】高岡由佳と琉月の関係を時系列で整理
事件の背景を整理すると、ホストと客として始まった関係が、金銭的な支援や恋愛感情を伴う関係へと変化し、最終的に重大な犯罪に至ったことが分かります。
以下は、報道された内容をもとに、関係者と事件の主要な転換点を整理したものです。
事件関係者・関係性の整理
| 人物・時期 | 関係・役割 | 確認できる内容 |
|---|---|---|
| 高岡由佳 | 加害者 | 事件当時21歳。ガールズバーの元店長。琉月さんの指名客だった。 |
| 琉月(るな) | 被害者 | 事件当時20歳。新宿・歌舞伎町のホスト。腹部を刺され重傷を負った。 |
| 2019年5月23日 | 事件発生 | 新宿区のマンションで琉月さんが刃物で刺される。 |
| 2019年12月 | 東京地裁 | 殺人未遂罪の公判。被告は起訴内容を認めた。 |
| 2019年12月5日 | 一審判決 | 高岡に懲役3年6か月の実刑判決。 |
| 2020年8月 | 東京高裁 | 控訴棄却。一審の懲役3年6か月が維持された。 |
| 2023年9月 | 高岡の出所 | 文春オンラインの2025年の記事で刑期を終えた時期として報じられた。 |
| 2022年12月 | 琉月の近況 | ABEMAの番組に出演。現役ホストとして活動していることを明かした。 |
事件当日の流れ
文春オンラインの事件再検証記事によると、2019年5月23日、高岡は仕事から帰宅した後、琉月さんに部屋の片付けを手伝ってほしいと連絡しました。
琉月さんがマンションを訪れた後、2人は部屋で過ごします。その際、高岡は琉月さんのスマートフォンに別の女性との写真があることを知ったと報じられています。
その後、眠っていた琉月さんの腹部を包丁で刺しました。傷は肝臓まで達する深いものでした。
琉月さんは強い痛みで目を覚まし、マンションのエントランス付近まで逃げたところで倒れました。現場に駆けつけた警察官によって高岡は現行犯逮捕されています。
琉月さんは病院に搬送され、5日間の昏睡状態を経て意識を回復しました。腹部の損傷は深刻で、後に肝臓の一部を切除する手術を受けています。
【裁判と判決】殺人未遂罪で懲役3年6か月、東京高裁は控訴棄却
高岡由佳は、琉月さんを刺した行為について殺人未遂罪で起訴されました。事件から約7か月後の2019年12月3日、東京地裁で初公判が開かれています。
初公判で高岡由佳は起訴内容を認めた
文春オンラインの公判報道によると、高岡は起訴された内容について認める旨を述べました。
裁判では、事件前の高岡の心理状態や、琉月さんとの関係、犯行の計画性、事件後の対応などが取り上げられました。
特に注目されたのは、被害者である琉月さんが高岡の刑を軽くするよう求める嘆願書を提出していたことです。
500万円の示談と被害者の嘆願書
高岡は公判前に琉月さんへ謝罪文を送り、500万円の慰謝料を支払って示談を成立させていました。また、歌舞伎町や琉月さんに近づかないことも誓約していたと報じられています。
琉月さんは法廷で、刑事処罰を求めず、寛大な処分を望む意思を示しました。
「彼女も普通の生活が送れればいいなと思いました」
琉月さんが証人尋問で語った言葉です。自身が大きな被害を受けたにもかかわらず、加害者の今後の生活を願う姿勢が報じられました。
しかし、被害者が許したからといって、刑事責任がなくなるわけではありません。殺人未遂という重大な犯罪であり、社会的な責任や犯行の危険性を踏まえた司法判断が必要になります。
東京地裁が下した懲役3年6か月の実刑判決
2019年12月5日、東京地裁は高岡に懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。
判決では、被害者を自分のものにしたいという感情から犯行に及んだ点について、短絡的で身勝手な行為と評価されました。強い殺意が認められ、執行猶予を付けることは相当ではないと判断されたのです。
500万円の示談が成立していたことや、被害者が寛大な処分を希望していたことは量刑判断に関係しましたが、実刑を免れる理由にはなりませんでした。
東京高裁の控訴棄却で一審判決を維持
高岡側は一審判決を不服として控訴しました。しかし、2020年8月、東京高裁は控訴を棄却。懲役3年6か月の判決が維持されました。
この控訴審の結果によって、一審判決を軽くすることは認められませんでした。文春オンラインの2025年の事件再検証記事も、控訴棄却とその後の収監について伝えています。
この事件では、被害者との示談や嘆願書があっても、殺人未遂という犯罪の重大性が優先的に評価されたことが、裁判結果から読み取れます。
【事件後の現在】高岡由佳と被害者ホスト・琉月のその後
事件から年月が経過し、2人はそれぞれ異なる道を歩んでいます。特に注目されるのは、重傷を負った琉月さんがホストとして復帰したことと、高岡が刑期を終えた後に動画配信などの活動を始めたことです。
高岡由佳は2023年9月に出所、その後は配信活動へ
文春オンラインの2025年4月の記事によると、高岡は2023年9月に刑期を終えて出所しました。
出所後は「うゆ」という名前でSNSや動画配信に取り組むようになったと報じられています。
2024年8月には、YouTubeチャンネルを開設していたことがユーチュラによって報道されました。主な投稿内容はゲーム実況やコスプレ動画で、ポケモンや原神などのゲームを扱っていたとされています。
同記事によると、YouTubeチャンネルは2023年10月に開設され、出典元でもコスプレ関連の動画を投稿していました。YouTubeは一定期間更新が止まっていた一方、出典元では投稿が続いていたと伝えられています。
2025年5月には、海外メディアの日本語版でも、Xでのコスプレ投稿やゲーム配信などが取り上げられました。
ただし、2026年11月現在の活動頻度、収入、居住地、日常生活の詳細までを確認できる継続的な報道はありません。配信活動が報じられたことと、現在の生活のすべてが明らかになっていることは区別する必要があります。
被害者の琉月は肝臓の一部を失いながらホストに復帰
琉月さんは、事件で肝臓に深刻な損傷を受けました。FRIDAYの2020年1月の取材では、5日間の昏睡状態が続き、医師から死亡する可能性が高かったと説明されたことが紹介されています。
2019年7月1日に退院した後、ホストとして働いていた以前の店に復帰しました。肝臓の半分を切除したため、事件後は飲酒できなくなったとも語っています。
2022年12月のABEMAの密着取材では、事件後も現役ホストとして働いている姿が紹介されました。退院後は早い段階で職場に戻り、先輩や仲間との関係を大切にして仕事を続けたと説明しています。
加えて、事件後は「不死鳥るな」という名前でも知られるようになりました。事件を経験したことを仕事上の話題にする一方、肝臓の手術を受けた影響からノンアルコールで営業していることも明かしています。
ABEMAの2022年の報道では、店内で常にトップ3を維持する活躍ぶりも紹介されました。
被害者が加害者を恨んでいないと語った理由
琉月さんの事件後の発言で、特に注目を集めたのが高岡への感情です。
ABEMAのインタビューでは、高岡が自分のために風俗の仕事をしていたことを知らなかったと説明しています。多額のお金を使っていた背景についても、本人の貯金などから支出していると考えていたと振り返りました。
そして、彼女が無理をしていたことを知り、自分にも気づけなかった部分があったと語っています。
琉月さんは、高岡が自分を支えてくれたことへの感謝も口にしました。裁判での嘆願書や事件後の発言からは、被害者本人が単純な憎しみだけでは整理できない感情を抱いていたことがうかがえます。
ただし、これは琉月さん個人の考えです。被害者に許す義務があるわけではなく、被害者の寛容さを暴力行為の軽視につなげてはいけません。
【プロの結論】ホスト刺傷事件の真相から見える3つの要点
この事件は、単に「好きなホストを刺した女性」という刺激的な見出しだけで理解できるものではありません。裁判、被害者の証言、事件後の取材を照らし合わせると、重要な論点が3つあります。
1. ホストと客の関係を恋愛関係と同一視してはいけない
ホストクラブでは、客と担当ホストの間に親密なコミュニケーションが生まれることがあります。多額の支出や頻繁な来店によって、客が特別な関係にあると感じる場合もあります。
しかし、売上を支えることと、相手が恋人として将来を約束していることは同じではありません。
今回の事件でも、琉月さんは恋愛感情があったことを認めながら、正式に交際していたわけではないと説明しています。2人の関係性に対する認識の違いは、事件の背景を理解する重要な要素です。
2. 金銭的な支援や示談は暴力の正当化につながらない
高岡が琉月さんに多額のお金を使っていたことや、事件後に500万円の示談金を支払ったことは、裁判でも重要な事情として取り上げられました。
しかし、どれほど金銭的な支援をしていたとしても、相手の身体や生命を傷つける権利はありません。
また、被害者が寛大な処分を求めたとしても、刑事裁判は当事者間の感情だけで決まるものではありません。今回、実刑判決が維持されたことは、その違いを示しています。
3. 事件後の人物評価と事件そのものの評価を混同しない
高岡の出所後の配信活動や、琉月さんのホスト復帰は、事件後の人生に関する別々の出来事です。
SNSでは、事件当時の画像や人物の外見、現在の活動に注目が集まりがちです。しかし、外見や人気、ネット上の評判は、犯罪の重大性や被害の実態を判断する基準にはなりません。
また、琉月さんが高岡を恨んでいないと語ったことも、事件の責任がなくなったことを意味しません。
事件を正確に理解するためには、警察の逮捕発表、裁判報道、被害者本人の証言、事件後の活動報道を、それぞれ異なる種類の情報として読むことが大切です。
【ホスト刺した事件】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ホストを刺した高岡由佳の事件はいつ起きた?
A1:2019年5月23日です。東京都新宿区のマンションで、当時21歳の高岡由佳が、ホストの琉月さん(当時20歳)の腹部を刃物で刺しました。
Q2:高岡由佳がホストを刺した理由は?
A2:琉月さんへの強い恋愛感情や嫉妬、関係性をめぐるすれ違いなどが背景にありました。高岡は捜査に対して「好きで好きでしょうがなかったから刺した」と供述したと報じられています。
Q3:高岡由佳の判決は何年だった?
A3:2019年12月5日に東京地裁が懲役3年6か月の実刑判決を言い渡しました。2020年8月には東京高裁が控訴を棄却し、一審判決が維持されました。
Q4:被害者のホスト・琉月は亡くなった?
A4:亡くなっていません。腹部と肝臓に重傷を負い、5日間の昏睡状態が続きましたが、その後意識を回復しました。肝臓の一部を切除する手術を受け、ホストとして復帰しています。
Q5:高岡由佳は現在どうしている?
A5:文春オンラインによると、2023年9月に出所しています。その後は「うゆ」という名前でYouTubeや出典元などの配信活動を始めたと報じられました。2026年11月現在の詳しい生活状況や活動状況については、最新の確かな報道で確認できる範囲に限りがあります。
Q6:高岡由佳と琉月は事件当時付き合っていた?
A6:報道には交際関係と表現したものもありますが、琉月さんは2022年のABEMAの取材で、当時は正式に交際していなかったと説明しています。一方で、自身にも恋愛感情はあったと話しています。
Q7:高岡由佳と琉月の間で示談は成立した?
A7:成立しています。報道によると、高岡は謝罪文を送り、500万円の慰謝料を支払いました。琉月さんも裁判で寛大な処分を求めましたが、殺人未遂罪については懲役3年6か月の実刑判決となりました。
まとめ:ホスト刺した事件は高岡由佳の殺人未遂事件、2人はそれぞれの道へ
「ホスト刺した」という検索で注目される事件は、2019年5月23日に新宿区で発生した高岡由佳による琉月さんへの刺傷事件です。
高岡は琉月さんへの強い愛情や嫉妬を背景に犯行に及び、殺人未遂罪で懲役3年6か月の実刑判決を受けました。東京高裁でも控訴が棄却され、2023年9月に刑期を終えて出所したと報じられています。
一方、琉月さんは5日間の昏睡状態から回復し、肝臓の一部を切除する手術を経てホストとして復帰しました。2022年の取材では、高岡に対する複雑な思いを語りながら、恨みはないと明かしています。
この事件を理解するうえで忘れてはならないのは、被害者の寛容な姿勢と、加害者の刑事責任は別の問題だということです。衝撃的な写真やSNS上の評判だけではなく、実際の供述、裁判の判断、被害者本人の証言を通して事件を捉えることが、真相に近づくための確かな手がかりになります。
2026年現在も、事件そのものと当事者のその後を混同せず、確認できる報道に基づいて理解することが大切です。