2026年の巨人投手陣で、特に高い評価につながる数字を残したのが井上温大だ。
NPB公式記録によると、23試合に登板して10勝8敗、防御率2.02。投球回147回、奪三振146を記録した。
防御率はセ・リーグ3位。規定投球回に到達した投手の中でも上位に入り、安定した先発投手としての存在感を示した。
前年の2025年は4勝8敗、防御率3.70だったことを考えると、2026年は大きな改善が見られる。防御率を1点以上改善し、勝利数も4勝から10勝へ伸ばした点は見逃せない。
2027年に向けては、年間を通した登板数と投球回を維持できるかが重要だ。井上が先発ローテーションの柱として定着すれば、チームの優勝争いを支える大きな材料になる。
竹丸和幸は11勝を挙げた2025年ドラフト1位の注目株
2026年に存在感を示したもう一人の投手が竹丸和幸だ。
2025年ドラフト1位で巨人に入団した左腕は、プロ1年目から22試合に登板。11勝9敗、防御率3.27、126回2/3、142奪三振という成績を残した。
特に評価したいのは、先発22試合で11勝を挙げたことだ。新人投手がシーズンを通して先発ローテーションを担い、二桁勝利に到達したことは、チームにとって大きな収穫となった。
一方、防御率3.27は井上温大の2.02と比べると改善の余地がある。被本塁打14本、与四球40という数字も、今後の成長を測るポイントになる。
2027年は、井上と竹丸がともに先発陣を支えられるかが注目される。若い先発投手が複数の試合で安定した結果を残せることは、長いシーズンを戦ううえで大きな強みだ。
マルティネスは42セーブでセ・リーグ最多
救援陣では、ライデル・マルティネスの存在が際立った。
2026年は57試合に登板し、5勝4敗、42セーブ、防御率1.38。セーブ数はセ・リーグ最多だった。
特に注目したいのは、42セーブという数字だけではない。52回1/3を投げて自責点8に抑え、防御率1.38を記録している点だ。
巨人のチームセーブ数は47。マルティネス一人で42セーブを挙げており、最終回を任せられる守護神として大きな役割を果たした。
ただし、抑え投手が優秀でも、試合中盤までにリードを失えば勝利には結びつかない。マルティネスにつなぐまでのセットアッパーや中継ぎ陣の安定も、2027年の重要なテーマになる。
【巨人の投手陣と打撃陣】2026年の強みと課題はどこにある?
チーム成績を比較すると、2026年の巨人は投手力に強みがあり、打撃面に改善の余地を残したチームだった。
投手陣はリーグトップクラスの安定感
NPB公式のチーム投手成績では、巨人の防御率は2.80。阪神の2.79に次ぐリーグ2位だった。
143試合で許した失点は444。阪神の439とわずか5点差であり、シーズンを通した失点抑制では首位チームに迫る数字を残している。
また、チーム奪三振は1172。阪神の1182に次ぐ数字だった。
ここから分かるのは、巨人の投手陣には優勝を争えるだけの基盤があったということだ。
井上温大の先発としての成長、竹丸和幸の台頭、マルティネスの42セーブ。それぞれが異なる役割を果たし、投手力を支えた。
2027年に向けては、主力投手への負担を分散し、故障や不調が発生した際にも戦力を維持できる選手層を整えたい。
打撃陣は打率.234、本塁打103本が示す課題
一方、打撃成績には課題が残った。
巨人の2026年チーム打撃成績は次のとおりだ。
- 打率:.234
- 安打:1098
- 得点:486
- 本塁打:103
- 打点:469
- 盗塁:99
- 出塁率:.297
- 長打率:.348
チーム打率はリーグ4位、本塁打数もリーグ4位。盗塁99はリーグ最多だった。
この数字からは、走力を生かした攻撃は機能した一方、安打や長打によって大量得点を生み出す力には不足があったことが読み取れる。
加えて、三振は1207個、四球は384個だった。打席で相手投手にプレッシャーをかけ、出塁機会を増やすという点では、改善の余地がある。
ダルベックの25本塁打という長打力は大きな武器だが、打線全体の得点力を一人に依存するわけにはいかない。上位打線の出塁、中軸の長打、下位打線のつなぎがかみ合う必要がある。
阪神との比較で見える攻撃力の差
2026年の巨人と阪神を比較すると、投手力と攻撃力の違いがより明確になる。
| 比較項目 | 巨人 | 阪神 |
|---|---|---|
| チーム打率 | .234 | .246 |
| 得点 | 486 | 518 |
| 本塁打 | 103 | 125 |
| 出塁率 | .297 | .317 |
| 防御率 | 2.80 | 2.79 |
| 失点 | 444 | 439 |
出典:NPB公式2026年度チーム打撃成績・投手成績。
特に目立つのは得点差だ。阪神は巨人より32得点多く、22本多い本塁打を記録している。
一方、防御率はわずか0.01差。失点も5点差にとどまっている。
つまり、2026年の順位差を投手力だけで説明するのは難しい。攻撃面での生産力の違いが、両チームの最終順位を分けた重要な要素だった。
巨人が2027年に阪神を上回るには、投手陣の現状を維持しながら、打線の出塁率と長打力を引き上げることが合理的な強化方針となる。
【巨人の2027年シーズン展望】優勝奪還に必要な3つのポイント
2026年の成績から考えると、巨人の2027年に向けたテーマは明確だ。投手力を維持しながら、得点力を底上げすることである。
1. 井上温大と竹丸和幸を中心に先発陣を整備
2027年の先発陣で注目したいのは井上と竹丸だ。
井上は防御率2.02、竹丸は11勝。異なる特徴を持つ二人が先発ローテーションの軸として成長すれば、シーズン全体の安定感は高まる。
もちろん、2026年と同じ成績を残せる保証はない。相手球団による対策も進むため、球種の使い分けや投球内容の改善が必要になる。
加えて、戸郷翔征、山﨑伊織ら既存の先発候補も含め、複数の投手が年間を通してローテーションを守れる体制が理想的だ。
2. ダルベックを生かしながら打線全体の出塁力を改善
ダルベックの25本塁打と81打点は、チームにとって貴重な戦力だった。
2027年も長打力を生かすなら、前後の打者がどれだけ出塁できるかが重要になる。
松本剛のような安打と走塁を生かせる選手、若手の打撃力が伸びれば、ダルベックの打席で走者を置ける機会も増える。
また、チーム全体の三振数を抑え、四球を増やすことも得点力改善につながる。
単純に本塁打数を増やすだけではなく、得点につながる攻撃の組み立てを改善することが大切だ。
3. 阪神との直接対決で負け越しを解消
2026年の対阪神戦は8勝16敗1分だった。
優勝を目指すのであれば、直接対決の改善は避けて通れない。
特に、阪神の強力な打線に対して先発投手がどのように試合を作るか、終盤の継投でリードを守れるかが重要になる。
巨人は2026年に投手防御率2.80という優秀な数字を残した。守備と投手力の土台があるからこそ、対阪神戦の勝率改善に向けた戦術的な取り組みが求められる。
【プロの結論】2027年の巨人は投手力よりも得点力の改善が優先課題
2026年の巨人を評価する際、76勝64敗3分という結果だけを見て、チーム全体の戦力不足と判断するのは適切ではない。
防御率2.80、42セーブの守護神、二桁勝利を挙げた井上温大と竹丸和幸。投手陣には優勝争いを続けるための基盤が存在した。
問題は、阪神と比較したときの攻撃力の差だ。
2027年に注目すべき評価基準は次の3つになる。
- 打撃力: チーム打率.234と出塁率.297を改善できるか。
- 得点力: 486得点を上回り、ダルベック以外の打者も得点源になれるか。
- 対阪神戦: 8勝16敗1分という対戦成績を改善できるか。
投手陣の強みを維持したまま、打線の生産力を引き上げられるか。これが2027年の巨人を評価する最も重要な判断基準になる。
【プロ野球巨人に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:巨人の2026年シーズンの最終順位は何位?
巨人はセ・リーグ2位。143試合で76勝64敗3分、勝率.543を記録した。優勝した阪神とのゲーム差は2.5だった。
Q2:2026年の巨人で最も注目された打者は誰?
長打力ではダルベックが注目された。135試合で25本塁打、81打点を記録。一方、松本剛は打率.274、17盗塁で安打と機動力を発揮した。
Q3:2026年の巨人で活躍した投手は誰?
井上温大は10勝8敗、防御率2.02、146奪三振。竹丸和幸は11勝9敗、142奪三振を記録した。抑えのライデル・マルティネスは42セーブでセ・リーグ最多だった。
Q4:巨人が2027年に優勝するための課題は?
チーム打率.234、486得点という攻撃面の数字を改善することが重要だ。特に阪神との直接対決で負け越しを解消できるかが、優勝争いの大きなポイントになる。
まとめ:巨人の2026年は投手力が光った2位、2027年は優勝奪還へ
2026年の読売ジャイアンツは、76勝64敗3分、勝率.543でセ・リーグ2位となった。
阪神との2.5ゲーム差は、最後まで優勝を争える位置にいたことを示す一方、直接対決での8勝16敗1分という数字は、克服すべき課題を明確にしている。
松本剛の打率.274と17盗塁、ダルベックの25本塁打と81打点。井上温大の防御率2.02、竹丸和幸の11勝、マルティネスの42セーブ。それぞれの働きが2026年の巨人を支えた。
特に投手陣はリーグ2位の防御率を記録しており、2027年に向けた強みとなる。
一方、打率、本塁打、出塁率、得点力には改善の余地がある。個々の選手の成績だけでなく、打線全体のつながりを強化できるかが問われる。
2027年の巨人に必要なのは、投手力の維持と攻撃力の底上げを両立すること。 2026年に積み上げた76勝を、来季はリーグ優勝につなげられるか。阿部慎之助監督のチームづくりと主力選手の成長に注目したい。
主な記録資料:日本野球機構(NPB)2026年度公式戦成績、年度別チーム成績、個人年度別成績。