IgA腎症を公表した人物として、まず取り上げたいのが星熊南巫さんです。
星熊南巫さんが2023年6月に発症を公表
出典:2023年6月27日付の日刊スポーツ、本人のSNS発信
星熊南巫さんは、我儘ラキアのメンバーとして活動してきたミュージシャンです。
2023年6月26日、自身のSNSを通じてIgA腎症の発症を報告しました。翌27日には日刊スポーツがこの発表を報道しています。
発表で特に注目されたのは、比較的軽症の段階で病気が見つかったという点です。
本人は、早期に発見できたことを前向きに受け止め、治療についてもライブ活動のスケジュールを考慮しながら進めていく意向を示しました。
また、治療のために一時的に活動を休む可能性にも触れています。
当時の本人の説明では、病気の疑いが出たのは自身の誕生日の時期でした。突然の診断を人生を見つめ直すきっかけとして受け止め、今後も自分にしか歌えない音楽を追求していく姿勢を示していました。
作家・久間十義さんもIgA腎症の経験を公表
もう一人、関連する著名人として挙げられるのが作家の久間十義さんです。
久間さんは2021年10月の日刊ゲンダイDIGITALのインタビューで、ネフローゼ症候群とIgA腎症を経験したことを語っています。
2011年末、むくみや倦怠感、息苦しさなどの不調から入院。腎生検などの検査を経てネフローゼ症候群と診断され、大量のステロイド治療を受けました。
ネフローゼ症候群については約2カ月半で寛解し、その入院中に別の病気としてIgA腎症も見つかったと説明しています。
その後、自ら治療方法について調べ、扁桃摘出とステロイドパルス療法を受けた経緯も明かしました。
インタビュー掲載時には、腎臓の働きは約60%で、3カ月に1回の通院と血液・尿検査を続けていると語っています。
ただし、この数値は2021年の取材時点のものです。2026年現在の腎機能を示す情報ではありません。
この2人は、病気を公表した立場も職業も異なります。星熊さんは音楽活動と治療の両立、久間さんは長期的な闘病と腎機能の管理について、それぞれ具体的な経験を伝えています。
【時系列で検証】星熊南巫さんの公表経緯と2026年までの活動
星熊さんの病気に関する情報を理解するには、発症公表だけでなく、その後の活動や所属環境の変化も整理する必要があります。
星熊南巫さんの主な公表・活動記録
2025年3月27日付の日刊スポーツによると、星熊さんは同年1月1日付でQOOLONGを退社したことを報告しました。
本人は、これからは自分にしかできない音楽を追求していくという意向を示しています。
ここで注意したいのは、事務所退社とIgA腎症の因果関係です。
退社の報告に病気が関連しているとの説明はありません。したがって、病気が原因で事務所を辞めたと結び付けることはできません。
2026年には、星熊南巫名義の音楽活動が確認できます。
JOYSOUND音楽ニュースが2026年8月に報じた「NOVA TOUR」は、本人初の対バン形式のツアーです。
- 12月2日:名古屋CLUB QUATTRO(ゲスト・花冷え。)
- 12月3日:梅田CLUB QUATTRO
- 12月9日:渋谷CLUB QUATTRO(ゲスト・Cö shu Nie)
11月3日時点では、これらは今後開催予定の公演です。
【2026年最新】MOSHIMO Dayで語られた星熊南巫さんの治療経験
2026年10月、星熊さんのIgA腎症に関する新たな情報が公開されました。
発信元は製薬会社のノバルティス ファーマです。
同社は2026年10月10日に、患者や家族、医療従事者などが医療における対話について考えるイベント「MOSHIMO Day 2026」を開催しました。
10月28日付の公式記事では、IgA腎症とともに生活する患者・ミュージシャンとして星熊さんの経験が紹介されています。
治療を考えるうえで大切だったのは「歌い続けられるか」
星熊さんにとって、治療や手術を検討する際に大きな関心事だったのは、今後も歌い続けられるかどうか、そして仕事にどのような影響が出るかという問題でした。
一般的に、医師が医学的な観点から勧める治療と、患者本人が望む生活は、必ずしも同じ方向を向くとは限りません。
星熊さんの場合も、音楽活動を続けたいという希望を医師に伝えたことで、仕事や生活の背景を踏まえた相談につながったと紹介されています。
ここで重要なのは、治療を受ける患者が自分の希望を医師に伝えることです。
病気だけを見るのではなく、仕事、生活、将来の目標まで含めて治療方法を考える。この考え方は、SDM(Shared Decision Making:共同意思決定)と呼ばれています。
星熊さんは、自分にとって大切なことを医師に伝えるのはわがままではなく、自分に合った治療を考えるために必要だという考えを示しました。
手術を受けたの?現在の治療内容は?
ここは誤解が生まれやすい部分です。
2026年10月のノバルティスの公式記事では、星熊さんが治療や手術を考える際に、歌唱や仕事への影響を重視していたことが紹介されています。
しかし、この記事だけでは、実際にどの手術を受けたのか、手術をすでに終えているのか、具体的にどの薬を使用しているのかまでは確定できません。
また、現在の腎機能を示す数値や、医学的に寛解と診断されたかどうかについても、具体的な情報は掲載されていません。
したがって、2026年に音楽活動を続けていることと、病気が完治したことは別の話です。
一方で、本人が治療と音楽活動の両立を真剣に考え、医療従事者と相談している経験は、同じ病気を抱える人にとっても参考になる内容です。
【医学的に解説】IgA腎症の症状・原因・診断方法とは?
星熊さんの公表をきっかけに病名を知った人もいる可能性があります。
IgA腎症は、腎臓の糸球体に免疫グロブリンA(IgA)が沈着し、炎症を起こす慢性の腎疾患です。
厚生労働省が指定する難病66に分類されています。
IgA腎症の原因と仕組み
腎臓には、血液をろ過して尿をつくる糸球体という組織があります。
IgA腎症では、異常な糖鎖構造を持つIgAなどが関係する免疫複合体が糸球体に沈着し、炎症を引き起こすと考えられています。
ただし、病気の発症原因が完全に解明されているわけではありません。
日本腎臓学会も、原因は不明と説明しています。
単純に「免疫力が強すぎる病気」と理解するのではなく、免疫システムの異常と腎臓の炎症が関係する疾患として捉えることが大切です。
初期症状は血尿・蛋白尿
IgA腎症で注意したいのが、初期には自覚症状がほとんどない場合があることです。
代表的な検査所見には次のものがあります。
- 血尿: 尿に血液が混じる。肉眼では分からない顕微鏡的血尿もある。
- 蛋白尿: 本来は尿にほとんど出ないタンパク質が検出される。
- 腎機能の低下: 病気が進行すると腎臓のろ過能力が落ちる。
- 高血圧: 腎機能の低下とともに現れる場合がある。
特に特徴的なのが、風邪や上気道感染などの後に肉眼的血尿が見られるケースです。
尿が赤色や茶褐色になることがありますが、必ずしも肉眼で分かる血尿が出るわけではありません。
健康診断で尿潜血や尿蛋白を指摘され、詳しい検査で発見される人もいます。
確定診断には腎生検が必要
IgA腎症の診断では、尿検査や血液検査だけでなく、腎生検が重要になります。
腎生検とは、腎臓の組織の一部を採取し、顕微鏡などで詳しく調べる検査です。
主に確認するのは次の項目です。
1. 尿検査による血尿・蛋白尿の有無
2. 血液検査によるクレアチニンなどの数値
3. eGFRによる腎機能の評価
4. 腎生検による糸球体の組織所見
IgAの沈着状況や組織の炎症、傷害の程度などを確認し、診断や治療方針の決定に役立てます。
尿検査で異常が出たからといって、必ずIgA腎症とは限りません。別の腎疾患との区別も必要です。
【治療法と予後】扁桃摘出・ステロイドパルスで寛解は目指せる?
IgA腎症は、早期発見と適切な治療によって、腎機能の維持を目指せる病気です。
難病情報センターは、早期に治療介入することで血尿や蛋白尿が減少・消失し、腎機能を長期的に維持できる可能性があると説明しています。
主な治療法
代表的な治療方法には、次のものがあります。
1. 血圧管理・薬物療法
ACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)などを使用し、血圧や蛋白尿を管理します。
腎臓への負担を減らし、病気の進行を抑えることが目的です。
2. ステロイド治療
炎症や免疫反応を抑えるため、患者の状態に応じてステロイド薬などの免疫抑制療法が検討されます。
3. 扁桃摘出術+ステロイドパルス療法
日本で用いられてきた代表的な治療選択肢です。
扁桃を摘出し、ステロイドを短期間に大量投与する治療を組み合わせます。
ただし、すべての患者に適しているわけではありません。腎機能や蛋白尿の程度、組織所見などを踏まえて医師が判断します。
難病情報センターは、扁桃摘出とステロイドパルスを組み合わせる方法について、ステロイドパルス単独よりも効果的とする研究成果が国内から報告されていると紹介しています。
2026年の治療研究にも新しい動き
2026年10月23日、大塚製薬はIgA腎症治療薬シベプレンリマブ(VOYXACT)の国際第III相試験について、2年間の最終解析結果を公表しました。
発表された510人を対象とする試験では、腎機能低下または腎不全に関する複合腎イベントが、
- シベプレンリマブ群:259人中1人
- プラセボ群:251人中28人
という結果でした。
同社の発表では、複合腎イベントの発生リスクはプラセボ群と比較して97.1%低下したとされています。
この結果は医学誌『New England Journal of Medicine』にも掲載されました。
ただし、これは特定の条件を満たす成人患者を対象とした臨床試験の結果です。個々の患者に同じ効果が保証されるわけではありません。
また、米国では2025年11月にタンパク尿減少の効能で迅速承認を取得していますが、2026年10月時点では米国での正式承認に向けた申請手続きも進められていました。日本で一般的に利用できる治療と混同しないことが必要です。
IgA腎症は完治する?予後と寛解の違い
ここは特に知っておきたいポイントです。
寛解と完治は同じ意味ではありません。
- 寛解:血尿や蛋白尿が減少・消失し、病状が落ち着いている状態。
- 完治:病気そのものが治り、再発の心配もなくなった状態。
難病情報センターは、IgA腎症について、治癒する疾患ではないものの、早期治療によって寛解を目指し、腎機能を長期間維持できる可能性があると説明しています。
日本腎臓学会は、未治療の場合、約4割の患者で腎機能が悪化し、透析に至る可能性があると紹介しています。
ただし、この数字は個人の将来を予測するものではありません。
実際の予後は、診断時の腎機能、蛋白尿の量、血圧、腎生検の結果、治療への反応などによって異なります。
【噂の真相】IgA腎症の芸能人について間違えやすい3つのポイント
芸能人の病気に関する検索では、本人の発表とネット上の推測が混ざりやすくなります。
特に注意したいのが、次の3点です。
1. 腎臓病を公表した人が全員IgA腎症とは限らない
腎臓に関係する病気には、ネフローゼ症候群、慢性腎臓病、膜性腎症など、複数の種類があります。
久間十義さんのケースも、ネフローゼ症候群とIgA腎症という2つの病気を経験したものです。
腎臓病という共通点だけで、別の病気をIgA腎症と判断することはできません。
2. 星熊南巫さんの病気が完治したという情報は確認できない
2023年には比較的軽症で発見されたと本人が説明しました。
2026年には治療や手術と音楽活動の両立について経験を語っています。
しかし、ライブ出演やツアー開催だけでは、病気の寛解や完治を証明できません。
現在の病状については、本人が公表した情報と医療上の診断を区別する必要があります。
3. 事務所退社と病気を結び付ける根拠はない
2025年のQOOLONG退社については、本人が新しい音楽活動への意欲を示しています。
病気が退社の直接的な原因だったという説明はありません。
2026年の活動についても、本人の音楽活動と治療経験はそれぞれの情報として整理するのが適切です。
情報を見極める際の判断基準は、次の3つです。
- 本人が病名を公表しているか
- 大手報道機関や公式発表で裏付けられているか
- 現在の病状について、具体的な本人発信や医療情報があるか
この基準を守ることで、別の病気との混同や根拠のない噂に振り回されにくくなります。
【IgA腎症の芸能人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:IgA腎症を公表した芸能人は誰ですか?
A1:本人による発症公表が確認できる人物として、星熊南巫さんが挙げられます。2023年6月に公表し、2026年10月には治療経験と音楽活動の両立について紹介されました。著名人では、作家の久間十義さんも闘病経験を語っています。
Q2:星熊南巫さんは2026年現在もIgA腎症の治療中ですか?
A2:2026年10月のノバルティスの公式記事では、治療や手術を考えるうえでの経験が紹介されています。ただし、現在の治療状況や寛解の有無を具体的に断定できる情報は公表記事からは確認できません。
Q3:星熊南巫さんは我儘ラキアを辞めたのですか?
A3:2025年には所属事務所QOOLONGの退社を報告しています。2026年にはHOSHIKUMA MINAMI名義で音楽活動を行い、12月にはNOVA TOURが予定されています。事務所退社とIgA腎症を直接結び付ける発表はありません。
Q4:IgA腎症は指定難病ですか?
A4:はい。IgA腎症は指定難病66に分類されています。ただし、指定難病であることと、すべての患者が自動的に医療費助成の対象になることは同じではありません。助成には所定の認定基準があります。
Q5:IgA腎症は血尿がなくても発症しますか?
A5:はい。肉眼で分かる血尿がなくても、尿検査で顕微鏡的血尿や蛋白尿が見つかる場合があります。初期は自覚症状が乏しいこともあるため、健康診断での尿検査が重要です。
Q6:IgA腎症は治療すれば完治しますか?
A6:早期治療によって血尿や蛋白尿が改善し、寛解を目指せる病気です。ただし、寛解と完治は異なります。腎機能の維持には継続的な検査と医師による管理が必要です。
まとめ:星熊南巫さんの公表から考えるIgA腎症との向き合い方
IgA腎症を公表した芸能人について調べると、星熊南巫さんの2023年6月の発表が重要な事例として挙げられます。
2026年10月には、MOSHIMO Day 2026に関連する公式記事で、治療や手術と音楽活動の両立について本人の経験が紹介されました。
また、作家の久間十義さんも、ネフローゼ症候群とIgA腎症の闘病経験を公表しています。
今回の情報から分かる要点は3つです。
1. IgA腎症は初期症状が目立たない場合もあり、尿検査による早期発見が重要。
2. 扁桃摘出術やステロイドパルスなど、患者の状態に応じた治療選択肢がある。
3. 寛解を目指す治療と、長期的な腎機能管理の両方が必要。
星熊さんの経験が示しているのは、病気を抱えていても、自分が大切にしたい仕事や生活について医師と相談しながら治療を考えられるということです。
医学的な情報を正しく理解し、患者本人の希望も尊重する。その両方が、IgA腎症と長く向き合っていくうえで大切な視点になります。
今後も星熊さんの音楽活動と、IgA腎症の診断・治療に関する医学研究の進展に注目したいところです。
主な参考資料:難病情報センター「IgA腎症(指定難病66)」、日本腎臓学会「糸球体腎炎」、日刊スポーツ(2023年6月・2025年3月)、日刊ゲンダイDIGITAL(2021年10月)、ノバルティス ファーマ(2026年10月28日)、大塚製薬(2026年10月23日)。