2026年11月現在、北海道日本ハムファイターズの左腕・堀瑞輝投手は、苦しい時期を乗り越え、再びブルペンを支える存在として存在感を示している。2026年シーズンの成績は、43試合登板、4勝1敗、1セーブ、19ホールド、防御率2.60。2021年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した実力を、5年ぶりに一軍の舞台で示した。
一方、2022年以降は左肩の故障などに苦しみ、2025年には一軍登板がわずか2試合、防御率16.20まで落ち込んでいた。そこから何が変わったのか。2021年の39ホールドとの比較、2022〜2025年の成績推移、奪三振率13.76、WHIP1.10などの数字を整理しながら、復調の背景と現在の役割を詳しく解説する。
【堀瑞輝の現在】2026年は43試合登板・防御率2.60で復活
2026年の堀瑞輝は、北海道日本ハムファイターズの救援陣において、再び重要な役割を担うシーズンを送った。
NPB公式の個人年度別成績によると、2026年の一軍成績は以下の通りだ。
- 登板数:43試合
- 勝利:4勝
- 敗戦:1敗
- セーブ:1
- ホールド:19
- ホールドポイント:23
- 投球回:34回2/3
- 奪三振:53
- 防御率:2.60
- WHIP:1.10
- 奪三振率:13.76
特に注目したいのは、防御率だけでなく奪三振率とWHIPも改善している点だ。
34回2/3を投げて53奪三振という数字は、9イニング換算で13.76奪三振に相当する。救援投手として非常に高い奪三振能力を示しており、打者を力で押し込める状態を取り戻したことがうかがえる。
WHIPは1.10。これは1イニングあたりに許した安打と四球の合計を示す指標で、走者をどれだけ出さずに投げられたかを判断する材料になる。2022年の1.68、2024年の1.92、2025年の2.40と比較すると、大幅な改善だ。
また、2026年は5月6日に一軍へ昇格。シーズン序盤を二軍で過ごした後、救援陣に加わった。5月20日の楽天戦では、1死満塁という難しい場面から登板し、代打を1球で打ち取った。右翼手・万波中正の好返球による併殺もあり、3シーズンぶりの白星を記録した。
7月15日のソフトバンク戦では、緊急登板からリードを守り、2022年以来4年ぶりとなるセーブも記録。単なる敗戦処理ではなく、試合の流れを左右する場面で起用されるまでに信頼を回復した。
シーズン終盤には勝ちパターンの一角を担う存在として評価され、2026年は復活を印象づける一年となった。
【年度別成績を比較】2021年の39ホールドから2026年の復活まで
堀瑞輝のキャリアを振り返ると、2021年の飛躍、その後の故障と低迷、そして2026年の復調という大きな流れが見えてくる。
NPB公式の年度別投手成績をもとに、2021年から2026年までの一軍成績を比較した。
| 年度 | 登板 | 投球回 | 勝敗 | ホールド | 防御率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 60 | 53.1 | 3勝2敗 | 39 | 2.36 |
| 2022年 | 41 | 34.0 | 1勝5敗 | 11 | 5.82 |
| 2023年 | 5 | 4.0 | 1勝0敗 | 0 | 9.00 |
| 2024年 | 10 | 8.1 | 0勝0敗 | 0 | 8.64 |
| 2025年 | 2 | 1.2 | 0勝0敗 | 0 | 16.20 |
| 2026年 | 43 | 34.2 | 4勝1敗 | 19 | 2.60 |
2021年:最優秀中継ぎ投手に輝いた全盛期
2021年は堀瑞輝にとって、プロ入り後最大の飛躍を遂げたシーズンだった。
60試合に登板し、39ホールド、42ホールドポイント、防御率2.36を記録。北海道日本ハムの左のセットアッパーとして活躍し、最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。
ここで注意したいのが、39ホールドと42ホールドポイントの違いだ。ホールド要点はホールドと救援勝利を合計した数字であり、両者は同じ記録ではない。
この年は、左腕・宮西尚生の状態が不安定だった時期に、堀が救援陣の重要な役割を担ったことも大きかった。僅差の試合で左打者を抑える役割を果たし、チームのブルペンを支えた。
2022年:左肩の不調で成績が急落
2022年は41試合に登板したものの、防御率5.82、11ホールドと前年から大きく数字を落とした。
登板数だけを見ると一軍で一定の出場機会を維持していたが、投球内容には不安定さが目立った。左肩の痛みも抱えており、本人にとって苦しいシーズンとなった。
2023〜2025年:一軍での出場機会が減少
2023年は5試合、2024年は10試合、2025年はわずか2試合。防御率も9.00、8.64、16.20と厳しい数字が続いた。
ただし、2025年は二軍で33試合に登板し、防御率1.65を記録している。ファームでは一定の結果を残していたにもかかわらず、一軍で本来の投球を発揮できなかったことが大きな課題だった。
2026年:一軍で結果を出し、再び勝ちパターンへ
2026年は43試合登板、防御率2.60、19ホールドまで数字を回復させた。
2021年の39ホールドには届いていないものの、2022〜2025年の成績と比べれば明確な復調だ。特に、2025年の2試合から43試合まで登板機会を増やしたことは、チーム内での信頼を取り戻した証拠といえる。
【プロフィール・経歴】広島新庄高校から2016年ドラフト1位で日本ハムへ
堀瑞輝は、広島県出身の左投左打のプロ野球投手。高校時代から高い評価を受け、2016年のドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから1位指名を受けた。
球団が2016年11月22日に発表した新入団選手情報にも、広島新庄高校出身の投手として掲載されている。
堀瑞輝の基本プロフィール
- 名前:堀瑞輝(ほり・みずき)
- 生年月日:1998年5月10日
- 年齢:28歳(2026年11月現在)
- 出身地:広島県
- 出身高校:広島新庄高校
- 所属球団:北海道日本ハムファイターズ
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 背番号:34
- ドラフト:2016年ドラフト1位
プロ入り後のキャリアと転換点
プロ1年目の2017年から一軍登板を経験。2018年にはプロ初勝利を挙げた。
当初は先発も経験していたが、2019年から救援投手としての出場が増加。同年は53試合に登板し、チーム事情に応じてショートスターターなども務めた。
2020年には45試合に登板して14ホールドを記録。短縮シーズンながら、リリーフとしての存在感を高めた。
そして2021年に最優秀中継ぎ投手を受賞。プロ5年目で個人タイトルを獲得し、日本ハムのブルペンを代表する左腕へと成長した。
その後は左肩の不調に苦しんだが、2026年に再び一軍で活躍。プロ10年目という節目に、キャリアの新たな転換点を迎えた。
【復活・復調の理由】堀瑞輝を変えた3つのポイント
2026年の復活は、単純に登板機会が増えたというだけでは説明できない。過去数年間の課題だった身体面、技術面、精神面に変化が見られた。
1. 左肩の不調を乗り越え、球威を取り戻した
低迷の大きな背景には、2022年から続いた左肩の痛みがあった。
2023年末の日刊スポーツの報道では、堀は左肩の治療と並行してインナーマッスルの強化に取り組んでいたことが紹介されている。また、2025年には継続的なウエートトレーニングによって球速が回復し、151キロを記録したことも報じられた。
2026年5月15日の西武戦では、最速152キロを計測。左右の打者から三振を奪い、1イニングを無失点に抑えた。
球速の回復は、かつての武器だったストレートとスライダーのコンビネーションを生かすうえで大きな意味を持つ。単に球速が戻っただけでなく、打者に対して強気に攻められる投球につながっている。
2. 山本昌臨時コーチから学んだ投球フォームの修正
2026年2月の沖縄・名護キャンプでは、元中日ドラゴンズの左腕・山本昌氏が臨時コーチとして堀を指導した。
注目されたのは、投球フォームにおける右肩の使い方だ。
堀は調子が悪くなると右肩が内側に入りすぎ、ボールを引っ掛けたり、抜けたりする傾向があったという。山本昌氏からは、右肩で目標方向へのラインを作る意識について助言を受けた。
フォームを全面的に変えるのではなく、投球時の身体の向きや感覚を整えるための修正だった。
実際、5月20日の楽天戦で3年ぶりの白星を挙げた際にも、山本昌氏の助言が技術面・精神面の支えになったと日刊スポーツが報じている。
3. 四球を恐れすぎない精神的な変化
2026年7月6日のFull-Countのインタビュー記事では、堀自身が復調につながった考え方の変化を明かしている。
以前は四球を避けようと意識しすぎるあまり、かえってボールが真ん中に集まってしまうことがあったという。
「四球を出しても大丈夫」
これは、四球を積極的に許容するという意味ではない。四球を恐れて投球のバランスを崩すよりも、自分本来のボールを投げることを優先するという考え方だ。
四球への過度な意識を手放したことで、腕を振って自分の球を投げられるようになった。結果として、2026年5月20日から9試合連続無失点という投球にもつながった。
ブルペンを担当する武田久投手コーチも、以前は自信を失っているように見えた堀が、結果を出すことで自信を取り戻し、明るくなったと評価している。
身体の回復、投球フォームの調整、精神面の変化。この3つが重なったことが、2026年の復調を支えた大きな要因だ。
【投球スタイルを分析】スライダーとストレートが生む奪三振力
堀瑞輝の最大の特徴は、サイド気味の投球フォームから繰り出すスライダーだ。
左腕から横方向に大きく変化するスライダーと、140キロ台から150キロ台のストレートを組み合わせ、打者のタイミングを外す投球を得意としている。
スライダーは長年の武器
広島新庄高校時代からスライダーには定評があり、本人も自信のある球種として挙げていた。
2021年のパ・リーグインサイトによる分析でも、堀の投球は速球とスライダーを中心に組み立てられ、チェンジアップも交えるスタイルと紹介されている。
特にスライダーは、打者の手元で変化することが特徴。ストレートを意識させながらスライダーを投じることで、空振りを奪うことができる。
2026年の高い奪三振率が示すもの
2026年の奪三振率は13.76。WHIPは1.10、K/BBは5.89だった。
K/BBは奪三振数を与四球数で割った数値であり、奪三振と四球のバランスを見る指標だ。53奪三振に対して与四球が9個という結果は、打者を三振に取る能力と制球の両面で好成績を残したことを示している。
2021年には高い奪三振能力がありながら、与四球率やWHIPに課題が残っていた。2026年はその点でも改善が見られ、単純な球威だけではない投球内容の進歩がうかがえる。
ツーシームなど球種の幅も意識
堀は2023年末、日刊スポーツの取材で、これまでほとんど使用してこなかったツーシームを取り入れる考えを明かしていた。
高校時代からストレートとスライダーを磨く方針で投球を組み立ててきた一方、ツーシームは打者にゴロを打たせ、併殺を狙いたい場面などで使う構想だった。
こうした球種の選択肢を広げる取り組みも、救援投手として長く一軍で活躍するための重要な要素となる。
【2026年の役割】日本ハムの勝ちパターンを支える左腕へ
2026年の堀瑞輝は、単純に決まったイニングを投げる中継ぎというより、試合展開に応じた柔軟な起用が目立った。
特に評価されたのが、イニング途中から登板する火消し役だ。
8月21日のロッテ戦では、同点の八回2死一、三塁という厳しい場面で登板。前の打席で本塁打を放っていた4番打者を空振り三振に仕留めた。3試合連続でイニング途中からの登板となるタフな状況でも、救援陣を支えた。
また、7月15日のソフトバンク戦では4年ぶりのセーブを記録。2026年の最終成績でも1セーブが記録されている。
10月7日の道新スポーツの報道では、43試合登板、19ホールドを記録した堀が、シーズン終盤には勝ちパターンの一角を任されていたことが紹介された。
2021年のように39ホールドを記録したシーズンと比べれば、2026年の19ホールドはまだ途中段階とも考えられる。しかし、登板数の回復と重要な場面での起用を合わせて考えると、ブルペンにおける存在価値は大きく戻っている。
今後の評価で注目したいのは、次の3点だ。
- 登板数:年間40〜60試合程度の登板を継続できるか。
- 制球:WHIP1点台前半の水準を維持できるか。
- 勝負どころでの起用:僅差の試合や終盤の火消しを任され続けるか。
特に左のリリーフは、相手打線の左右の並びや試合状況に応じて重要性が変わる。堀のように奪三振能力を持つ左腕が安定して登板できれば、日本ハムの救援陣にとって大きな戦力となる。
【プロの結論】堀瑞輝の2026年は本当の復活を示すシーズンだったのか
2026年の堀瑞輝については、数字と実際の起用状況の両面から、復活を評価できる材料がそろっている。
2025年の一軍登板は2試合、防御率16.20。それが2026年には43試合、防御率2.60、19ホールドまで改善した。単なる一時的な好投ではなく、シーズンを通じて一軍の戦力として機能したことが重要だ。
また、奪三振率13.76、WHIP1.10という数字は、かつての武器であるスライダーとストレートの威力が戻ってきたことを裏付ける。
ただし、2021年の60試合登板、39ホールド、最優秀中継ぎ投手という実績と同じ水準に完全に戻ったと判断するには、今後も安定した登板を続けられるかが重要になる。
プロ野球の救援投手は、短いイニングで結果を求められる一方、連投や登板間隔の変化にも対応しなければならない。堀の今後を評価するなら、防御率だけでなく、ホールド数、奪三振率、WHIP、重要な場面での起用頻度を総合的に見る必要がある。
2026年は、かつてのタイトルホルダーが実力を取り戻しただけでなく、故障や不振を経験した選手がどのように再起するのかを示したシーズンでもあった。
【堀瑞輝の現在に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:堀瑞輝の2026年の成績は?
A1:2026年の一軍成績は43試合登板、4勝1敗、1セーブ、19ホールド、防御率2.60です。53奪三振、奪三振率13.76、WHIP1.10も記録しています。
Q2:堀瑞輝は2021年に何ホールドを記録した?
A2:2021年は39ホールド、42ホールドポイントを記録しました。60試合に登板し、防御率2.36で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得しています。
Q3:堀瑞輝が不調だった理由は?
A3:2022年から左肩の痛みに苦しみ、投球パフォーマンスが低下したことが大きな背景です。2023〜2025年は一軍登板が減少しましたが、トレーニングやフォームの調整、精神面の変化などを経て2026年に復調しました。
Q4:堀瑞輝の武器は何?
A4:サイド気味のフォームから投げるスライダーとストレートです。高い奪三振能力が特徴で、2026年は奪三振率13.76を記録しました。
Q5:堀瑞輝の背番号と出身高校は?
A5:北海道日本ハムファイターズの背番号34です。広島新庄高校出身で、2016年ドラフト1位で日本ハムに入団しました。
まとめ:堀瑞輝は2026年に復活、今後は安定した救援登板が焦点
堀瑞輝は2021年に39ホールドを記録し、最優秀中継ぎ投手に輝いた実績を持つ左腕だ。しかし、その後は左肩の不調などに苦しみ、2023〜2025年は一軍で十分な結果を残せなかった。
それでも2026年は43試合登板、防御率2.60、19ホールドという成績を残し、再び日本ハムの救援陣に欠かせない存在へと戻ってきた。
復調を支えたのは、身体づくりによる球威の回復、山本昌氏からのフォームに関する助言、そして四球を過度に恐れず自分の投球をするという精神面の変化だった。
2021年の全盛期と2026年の成績を比較すると、まだホールド数や登板数には差がある。しかし、2025年の2登板から43登板へと巻き返した事実は大きい。
今後は、スライダーを中心とする奪三振能力を維持しながら、左のセットアッパーとして安定した登板を続けられるかが注目ポイントとなる。背番号34の左腕が、再び日本ハムのブルペンを代表する存在として活躍できるか。2026年の復活は、その新たなスタートとなった。
主な事実確認資料
- NPB公式・個人年度別成績
- 北海道日本ハムファイターズ・2016年新入団選手発表
- Full-Count・2026年7月6日インタビュー
- 道新スポーツ・2026年10月7日シーズン総括
- 日刊スポーツ・左肩の故障、トレーニング、山本昌氏の指導に関する報道
- パ・リーグインサイト・2021年投球分析