車を購入するとき、意外と悩むのがローンの返済期間です。3年で早く完済するべきか、5年で無理なく返すべきか、それとも7年・10年に延ばして毎月の負担を軽くするべきか。返済期間によって月々の支払額だけでなく、最終的な利息や総支払額も大きく変わります。
2026年3月に公表されたカーセンサーの「自動車購入実態調査2025」では、車のローン返済期間は平均6.2年。最も多かったのは5年以上6年未満で、全体の40.2%でした。一方、10年以上の長期返済を選ぶ人も13.9%います。実際の購入者の傾向を踏まえながら、3年・5年・7年・10年の返済額を具体的に比較し、新車・中古車それぞれに適した期間や、長期ローンで後悔しないための判断基準を解説します。
【2026年最新データ】車ローンは何年が多い?平均返済期間は6.2年
車ローンを何年で組む人が多いのかを知るには、実際の購入者を対象にした調査が参考になります。
株式会社リクルートのカーセンサー自動車総研が2026年3月に公表した「自動車購入実態調査2025」では、直近1年間の車購入者を対象に、ローンの支払期間を調査しています。
その結果、2025年の平均返済期間は6.2年でした。前年の2024年は5.7年だったため、0.5年長くなっています。
返済期間別の割合
調査結果を整理すると、次のようになります。
- 5年以上6年未満:40.2%
- 10年以上:13.9%
- 3年以上4年未満:13.8%
- 7年以上8年未満:6.3%
- 6年以上7年未満:3.9%
- 8年以上9年未満:3.7%
- 1年以上2年未満:3.0%
出典:カーセンサー「自動車購入実態調査2025」。ローン利用者の有効回答1,381人。数値は支払期間別の構成比。
特に注目したいのは、5年以上6年未満が40.2%を占めていることです。
車ローンでは5年前後が一つの基準になっているものの、平均値は6.2年まで延びています。購入価格の上昇や、毎月の家計負担を抑えたいという事情などを背景に、返済期間を長めに設定する選択肢も広がっています。
ただし、平均6.2年だからといって、すべての人に6年程度の返済が適しているわけではありません。
借入金額、適用金利、収入、家族構成、車を何年間乗る予定なのかによって、適切な期間は異なります。
平均6.2年は全購入者の平均ではない
この数字を読み解く際には、調査対象にも注意が必要です。
同調査は2025年8月に実施されたインターネット調査で、全国18〜79歳を対象とした一次調査の回答数は20万1人。ローン返済期間の集計は、そのうち一括払い・リース・サブスクリプション以外の方法で購入した人の有効回答を対象としています。
つまり、6.2年は日本国内の全自動車保有者を対象にした統計ではなく、直近の購入者におけるローン利用実態を示す数字です。
それでも、5〜6年程度が実際の購入者に広く選ばれていることは、返済期間を検討するうえで有力な参考材料になります。
【徹底比較】車ローン3年・5年・7年・10年で月々の返済額はいくら違う?
車ローンの返済期間を決めるとき、最も気になるのが毎月の返済額と利息の差です。
ここでは、借入金額300万円、年利3.0%、元利均等返済、ボーナス払いなし、金利が返済期間中に変わらないという条件でシミュレーションします。
返済期間別シミュレーション
借入額300万円・年利3.0%・元利均等返済・ボーナス払いなしの概算。金額は円単位に四捨五入。
この比較から分かるのは、返済期間を長くするほど月々の支払いは軽くなる一方、利息の負担は増えるということです。
車ローン3年と5年の比較
3年返済の最大のメリットは、利息を抑えながら早く完済できることです。
今回のシミュレーションでは、3年返済なら利息は約14.1万円。5年返済の約23.4万円と比較すると、約9.4万円少なくなります。
ただし、月々の返済額は約8.7万円です。5年返済の約5.4万円と比較すると、毎月約3万3,000円の差が生まれます。
そのため、頭金を十分に用意できる人や、安定した収入があり、短期間で返済しても生活費や貯蓄に影響しない人に向いています。
反対に、毎月の収支に余裕がない状態で3年を選ぶと、急な出費に対応できなくなる可能性があります。
車ローン5年と7年の比較
5年と7年は、月々の負担と利息を比較するうえで重要な組み合わせです。
7年返済にすると、月々の支払いは約5万3,906円から約3万9,640円に下がります。差額は約1万4,266円です。
一方、利息は約9万5,387円増加します。
毎月1万円以上の余裕を確保できる点は魅力ですが、その分だけ長く返済を続ける必要があります。
5年では家計が少し厳しいものの、7年なら無理なく返済できるという人には検討する価値があります。
車ローン10年のメリット・デメリット
10年返済の最大のメリットは、月々の支払いを大幅に抑えられることです。
今回の条件では、毎月約2万8,968円で300万円を借りられます。5年返済と比べると、月々の負担は約2万4,938円軽くなります。
しかし、利息は約47.6万円です。5年返済と比べると約24.2万円も増えます。
毎月の支払いだけを見れば魅力的ですが、総支払額まで考えると負担は小さくありません。
10年ローンは、月々の支払いを安くする方法であって、車を安く購入する方法ではないという点を理解しておく必要があります。
【後悔しない選び方】車ローンの返済期間は家計と保有年数で決める
車ローンの返済期間を決める際には、単純に月々の返済額だけで判断しないことが大切です。
特に重要なのは、車の維持費を含めても生活に余裕が残るかどうかです。
3年返済が向いている人
3年返済は、短期間で借入金を返したい人に適しています。
具体的には、次のようなケースです。
- 頭金を多めに用意できる
- 毎月の収入に十分な余裕がある
- 車の買い替えを比較的早い時期に考えている
- 利息をできるだけ抑えたい
- 住宅ローンや教育費など、ほかの大きな支出が少ない
ただし、返済期間が短いと毎月の負担は重くなります。
貯蓄を取り崩さなければ返済できないような計画なら、無理に3年にする必要はありません。
5年返済が向いている人
5年返済は、毎月の支払いと利息のバランスを重視したい人に向いています。
今回の300万円の試算では月々約5万4,000円です。
3年より毎月の負担を抑えながら、7年・10年ほど利息が増えることも避けられます。
また、カーセンサーの2025年調査では、5年以上6年未満が40.2%で最多でした。
実際の購入者にも選ばれている期間であり、比較の基準として使いやすい設定です。
7年返済が向いている人
7年返済は、購入する車の価格が高く、5年では毎月の支払いが厳しい人に向いています。
例えば、家族で使うミニバンやSUVなど、購入金額が大きくなりやすい車を検討しているケースです。
ただし、返済期間が長くなるため、車検やタイヤ交換、修理費用などがローンと並行して発生することも考慮しなければなりません。
7年を選ぶなら、毎月の返済額が下がった分をすべて使い切るのではなく、将来の維持費や繰り上げ返済に備えておくと安心です。
10年返済が向いている人
10年返済は、月々の返済額を優先的に抑えたい人が検討する期間です。
例えば、車が生活に欠かせないものの、住宅費や教育費などの負担が大きい家庭では、毎月の支払いを抑えることに意味があります。
ただし、次の条件を満たせるかを確認する必要があります。
- 10年程度は同じ車に乗る予定がある
- 車両の耐久性やメンテナンス費用を考慮している
- 長期返済中も安定した収入を見込める
- 金利上昇の可能性を理解している
- 車の買い替え時にローン残債が残るリスクを把握している
特に注意したいのは、10年ローンを組んだからといって、必ず10年間同じ車に乗り続けられるわけではないことです。
転勤、家族構成の変化、故障などによって、予定より早く買い替える可能性もあります。
【新車と中古車で違う?】車ローンの返済期間と最長年数
新車と中古車では、適切な返済期間を考える際のポイントが異なります。
新車は比較的長期間の使用を想定しやすい一方、中古車は購入時点での車齢や走行距離、今後の修理費用を考慮する必要があります。
新車ローンの返済期間
新車の場合、5〜7年程度を比較の出発点にすると、月々の負担と総利息を検討しやすくなります。
特に、長期間乗る予定の車であれば、7年返済も候補になります。
ただし、新車だから10年返済が必ず有利になるわけではありません。
メーカー保証の期間、車検のタイミング、将来的な買い替え予定なども考慮する必要があります。
中古車ローンの返済期間
中古車では、新車以上に返済期間と車齢の関係が重要です。
例えば、購入時点で登録から7年経過している車に10年ローンを組むと、完済する頃には車齢が17年程度になります。
その間に部品交換や修理費用が増える可能性もあります。
中古車の場合、車両価格が新車より安くても、長期間返済すると維持費とローン返済が重なることがあります。
そのため、購入する車の状態や想定保有年数を踏まえ、3〜5年程度を含めて比較するのが現実的です。
マイカーローンの最長期間は10年とは限らない
銀行のマイカーローンでは、最長10年の商品が多く見られますが、すべての商品が10年を上限としているわけではありません。
2026年の金融機関の公式商品情報を見ると、次のような違いがあります。
- 静岡銀行:マイカーローンの融資期間は最長10年。
- 京都銀行:マイカーローンの借入期間は最長10年。
- あいち銀行:インターネット完結型のマイカーローンは最長15年。店頭申込型は最長10年。
つまり、マイカーローンの最長期間は金融機関や申込方法によって異なります。
また、商品上は15年まで申し込めても、審査によって希望期間や借入金額が認められるとは限りません。
中古車についても、新車と同じ期間を選べるかどうかは金融機関の規定によって変わります。
購入する車の年式や借入時の年齢、完済時年齢などの条件を確認しておきましょう。
【2026年最新】車ローンの金利と銀行ローン・ディーラーローンの違い
返済期間を比較する際に忘れてはいけないのが金利です。
同じ300万円を借りても、金利が異なれば総支払額は変わります。
2026年11月時点では、金融機関ごとに金利の見直しが行われています。
2026年11月のマイカーローン金利の実例
公表されている金融機関の情報には、次のようなものがあります。
- 三菱UFJ銀行: 2026年10月1日現在、ネットDEマイカーローンの変動金利は年2.175〜3.500%。
- きらやか銀行: 2026年11月2日現在、Web完結型のマイカーローンは変動金利年3.00〜4.00%。
- 福井銀行: 2026年11月2日から、Web完結型マイカーローンの金利を年2.75〜4.75%に変更。
これらは各金融機関の商品条件に基づく金利であり、すべての人に同じ金利が適用されるわけではありません。
審査結果や取引状況、申込方法によって適用金利は異なります。
また、変動金利の場合は、借入後に金利が見直される可能性があります。
今回の返済シミュレーションで使用した年3.0%も、比較のための固定条件であり、実際の借入金利を保証するものではありません。
ディーラーローンと銀行ローンはどちらがお得?
車のローンには、大きく分けて銀行などの金融機関が提供するマイカーローンと、販売店で申し込むディーラーローンがあります。
それぞれの特徴を理解しておきましょう。
銀行系マイカーローンの特徴
- 比較的低い金利の商品を探しやすい
- 新車・中古車の両方に対応する商品がある
- 契約時点で車の所有権が購入者に帰属する商品がある
- 繰り上げ返済に対応する商品がある
- 自分で金融機関に申し込み、手続きを進める必要がある
ディーラーローンの特徴
- 車を購入する販売店で手続きできる
- 車両購入とローン契約をまとめて進めやすい
- 車種や販売店によって金利優遇キャンペーンがある
- 完済までディーラーや信販会社が所有権を持つ契約がある
- 繰り上げ返済の条件や手数料が異なる
りそな銀行の公式比較情報でも、銀行のマイカーローンは契約時点で購入者に所有権が帰属する一方、一般的なディーラーローンでは完済までディーラー側に所有権がある場合があると説明されています。
ただし、ディーラーローンが必ず損というわけではありません。
期間限定の低金利キャンペーンなどが適用される場合は、銀行ローンより有利になるケースもあります。
重要なのは、金利だけでなく、保証料や手数料、最終的な総支払額まで比較することです。
残価設定ローンは通常の10年ローンとは違う
ディーラーで提示される残価設定型ローンにも注意が必要です。
残価設定ローンは、将来の車の想定価値である残価をあらかじめ設定し、それを差し引いた部分を中心に分割して支払う仕組みです。
そのため、通常のローンより月々の返済額を抑えられる場合があります。
ただし、契約終了時には残価の精算が必要になることがあり、車を返却する場合も走行距離や車両状態などの条件が設けられることがあります。
月々の金額だけを見て、通常の5年ローンと残価設定ローンを比較するのは適切ではありません。契約終了時の支払いまで含めて検討しましょう。
【長期返済の落とし穴】車ローン10年で後悔しないための注意点と繰り上げ返済
長期返済は毎月の支払いを抑えられる反面、短期間のローンにはない注意点があります。
返済中に車の買い替えが必要になる
長期返済で特に気をつけたいのが、ローン残債と車の査定額の関係です。
例えば、7年や10年のローンを組んでいて、購入から4年目に車を買い替えたくなったとします。
このとき、車の売却価格よりローン残債のほうが大きければ、売却代金だけではローンを完済できません。
不足分を自己資金で支払うか、新しい車の購入資金と合わせて別の資金計画を立てる必要があります。
長期返済では、車の価値が下がるスピードとローン残高が減るスピードの違いを意識することが大切です。
車検・修理費とローン返済が重なる
車は購入後も維持費がかかります。
主な支出には次のようなものがあります。
- 自動車税・軽自動車税
- 自動車保険料
- 車検費用
- ガソリン代
- 駐車場代
- タイヤやバッテリーなどの消耗品
- 故障時の修理費
10年ローンを組むと、車齢が進んだ時期にもローン返済が続くことになります。
特に中古車では、購入後数年で高額な修理費が必要になる可能性も考慮しておきましょう。
繰り上げ返済で利息を減らす
長期ローンを利用する場合、繰り上げ返済も有効な選択肢です。
繰り上げ返済とは、毎月の決められた返済とは別に、まとまった金額を返済する方法です。
元金を早く減らすことで、その後に発生する利息を抑えられる可能性があります。
代表的な方法は次の2つです。
期間短縮型
毎月の返済額を変えず、返済期間を短縮する方法です。利息軽減効果を重視する場合に検討できます。
返済額軽減型
返済期間を変えず、毎月の返済額を引き下げる方法です。家計の負担を軽くしたい人に向いています。
ただし、繰り上げ返済の可否や手数料は金融機関によって異なります。
例えば、静岡銀行では窓口での繰り上げ返済に6,600円の手数料がかかる一方、インターネットバンキング経由の一部繰り上げ返済は無料と案内されています。りそな銀行もマイカーローンの繰り上げ返済手数料を無料としています。
長期返済を選ぶ場合は、契約前に繰り上げ返済の条件を確認しておくと、将来的な選択肢が広がります。
【プロの結論】返済期間は最長年数ではなく、無理なく完済できる年数を選ぶ
車ローンの返済期間を決める際、最も避けたいのは、金融機関が認める最長期間をそのまま選んでしまうことです。
大切なのは、毎月の返済額だけでなく、車の維持費や将来の買い替えまで考慮した資金計画です。
判断するときには、次の3つを確認しましょう。
1. 毎月の支払いに余裕があるか: ローン返済後も生活費や貯蓄に回せる資金が残ること。
2. 車の保有予定期間と合っているか: 買い替えを考えている時期よりローンの完済時期が後にならないようにすること。
3. 総支払額に納得できるか: 月々の支払いが安くても、利息を含めた総額が予算に合っているかを確認すること。
この3点を満たす期間を選ぶことが、長期的に後悔しない車の買い方につながります。
【車ローンは何年が適切?】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:車ローンは何年で組む人が一番多いですか?
2025年のカーセンサー自動車購入実態調査では、5年以上6年未満が40.2%で最多でした。平均返済期間は6.2年です。実際の購入者の傾向からは、5〜6年程度が一つの目安になります。
Q2:車ローンは5年と7年ならどちらがお得ですか?
総支払利息を抑えたいなら5年、月々の負担を軽くしたいなら7年が候補になります。今回の300万円・年利3.0%の試算では、7年にすると毎月の返済額は約1万4,266円下がりますが、利息は約9万5,387円増えます。
Q3:車ローンを10年で組むのはやめたほうがいいですか?
必ずしも避ける必要はありません。ただし、利息が増えることや、車の買い替え時期にローン残債が残る可能性があります。10年程度乗る予定があり、維持費を含めても無理なく返済できる人なら検討できます。
Q4:中古車のローンは何年がおすすめですか?
中古車の場合は3〜5年程度を比較の目安にし、車齢や走行距離、購入後の維持費を踏まえて決めるとよいでしょう。ただし、車両状態や借入条件によって適切な期間は異なります。
Q5:車ローンは頭金なしでも組めますか?
頭金なしで申し込めるマイカーローンやディーラーローンはあります。ただし、借入金額が増えると月々の返済額や利息も増えます。頭金を入れた場合と入れない場合の総支払額を比較しましょう。
Q6:車ローンは途中で繰り上げ返済できますか?
繰り上げ返済に対応している商品はあります。ただし、手数料や最低返済金額、手続き方法は金融機関によって異なります。契約前に確認しておきましょう。
Q7:車ローンの金利が低ければ10年返済でもお得ですか?
金利が低ければ利息の負担は抑えられますが、返済期間が長いほど利息の総額は増える傾向があります。金利だけでなく、返済期間を含めた総支払額で比較する必要があります。
まとめ:車ローンは5〜7年を基準に家計に合った返済期間を選ぼう
2026年の車ローン事情を見ると、実際の購入者の返済期間は平均6.2年で、最も多いのは5年以上6年未満です。
3年返済は利息を抑えられる反面、毎月の支払いが大きくなります。5年返済は利息と月々の負担のバランスを取りやすく、7年返済は毎月の支払いを抑えたい人に向いています。10年返済は月々の負担を軽減できるものの、利息や買い替え時の残債に注意が必要です。
新車なら長く乗る予定に合わせて5〜7年を比較し、中古車なら車齢や修理費用も踏まえて返済期間を短めに設定することも検討しましょう。
最終的に大切なのは、月々の返済額が安いことではなく、利息を含めた総支払額に納得でき、無理なく完済できることです。
金融機関のマイカーローンとディーラーローンの両方から見積もりを取り、金利・手数料・繰り上げ返済条件まで比較することが、車の購入で後悔しないための第一歩になります。